障害者の生活保障を要求する連絡会議
代 表 太田 修平
事務局長 伊藤 雅文
貴職におかれましては、日頃より障害者の人権確立にご尽力されていることに、心より敬意を表します。
さて来年1月1日から「産科医療補償制度」がスタートすると伺っております。この制度は、妊産婦が分娩時に脳性マヒの子を出産した場合、医療機関に過失があろうがなかろうが、一定の条件を満たしていれば、総額3千万円を補償しようとするものです。
このことはあたかも脳性マヒとして産まれてくることが悪いかのような、基本的な考え方に基づいているものといわざるを得ません。脳性マヒのみならず、障害者に対する偏見と差別を助長してしまうことは明らかです。
今、日本社会では、脳性マヒという障害をもちながら生きることが、いろいろな意味において厳しいものがあることは、確かです。しかし、それは日本社会の福祉サービスや環境が不十分すぎるためであり、しっかりと社会資本が整備されているならば、生きやすさ暮らしやすさはだいぶ違ってくると思います。この5月には障害者の差別を禁止する障害者権利条約も発効し、日本はまだ批准をしていませんが、すでに署名は済ませており、障害者の差別禁止と人権確立はまさに今日的課題として私たちに突きつけられているのです。
分娩時の事故により訴訟が増え、産科医のなり手が少なくなっていることは承知していますが、別途の解決策が図られなければなりません。
貴省よりパブリックコメントの募集があったと伺っていますが、全くそのことは存じ上げませんでした。
重要な制度政策である以上、もっと広く市民に広報し、国会等での十分な論議が必要であったと認識いたします。
上記の認識に立ち、私たちは下記のことを強く求めます。