ご挨拶
人間とAIが互いに理解しあえる、知識の共通基盤の形成へ
1950年代からスタートしたAI研究は、革新的なコンピュータ知能を示して人々を驚かせてきた一方で、私たちが現実の社会の中で抱える複雑な問題を解決できるだけの能力の獲得には至らず、長い歴史の中でブームと冬の時代を繰り返してきました。そして再び注目が集まっている今、AIは一過性のブームではなく、「より良い社会を作る技術」として発展しています。
AIによる膨大なデータの分析や処理が企業のDX推進、生産・流通・サービスの効率化、事業の拡大・創出を通じて生産性向上を支えています。自動運転技術・モビリティサービスは環境にやさしい社会構築につながるでしょう。画像診断による病気の早期発見やAIによる新しい医薬品の開発も進められています。教育分野では個人個人の適性に合わせた教材・教育プログラム開発が進むでしょう。AIは私たちの暮らしのさまざまな場面に取り入れられ、快適で安心・安全な生活を支える基盤となっています。
AIによる膨大なデータの分析や処理が企業のDX推進、生産・流通・サービスの効率化、事業の拡大・創出を通じて生産性向上を支えています。自動運転技術・モビリティサービスは環境にやさしい社会構築につながるでしょう。画像診断による病気の早期発見やAIによる新しい医薬品の開発も進められています。教育分野では個人個人の適性に合わせた教材・教育プログラム開発が進むでしょう。AIは私たちの暮らしのさまざまな場面に取り入れられ、快適で安心・安全な生活を支える基盤となっています。
日々ポテンシャルを高め続けているAIは、人々の暮らしを豊かにする一方で、兵器や犯罪への悪用による危険性も孕んでいることを見逃してはいけません。AIが何をすべきで、何をすべきではないのか。AIの在り方のコンセンサスを、研究者だけでなく社会との対話を通して作り上げていくことが肝要です。現状の機械学習技術では解に辿り着くまでのプロセスがブラックボックス化されます。ときにはAIは人間が望まない挙動を示してしまうこともあります。人間とAIが共通の方向を向く、アライメントを確立する必要があります。そのためには人間とAIが相互に理解を深めていくことが課題です。
人工知能研究センターの役割は、産学官連携を促進する国内最大規模の研究拠点として大規模研究を推進することと、AI技術の社会実装を継続的に支援することです。民間企業との共同研究などを通してアカデミアとインダストリーをひと繋ぎにし、産業競争力の強化と豊かな社会の実現に向けた研究を行っています。
人工知能研究センターの役割は、産学官連携を促進する国内最大規模の研究拠点として大規模研究を推進することと、AI技術の社会実装を継続的に支援することです。民間企業との共同研究などを通してアカデミアとインダストリーをひと繋ぎにし、産業競争力の強化と豊かな社会の実現に向けた研究を行っています。
世界的なAI中核拠点を目指して、国内外の重要な研究機関との戦略的な連携体制を構築。AI研究のネットワークを通じて視野を広げ、AIの新たな可能性を見つけるとともに、 AIによる未来像を共有しながら先進的・国際的な連携を強化しています。最近ではAI先進国として知られるアメリカやヨーロッパのみならず、開明的な研究を推し進めているアジアの主要なAI研究機関・拠点とも連携し、アジア研究ネットワーク構想を掲げています。
日々目まぐるしく進化し、私たちの暮らしに欠かせない存在となりつつあるAI技術。これから取り組むべきテーマは、医療分野でのサイバーフィジカルシステムや創薬をはじめとする「サイエンスへの応用」、AIの判断根拠を明確にする「理解できるAI」、そしてAIに対する「信頼の構築」です。ヘルスケアや街づくり、生活の質の向上など、明確な評価尺度が無く、個々の人間の価値観による判断が求められるシーンで人間とAIはいかにして協力し合うべきか。このような価値レベルのアライメントの確立に向けた研究を、私たちは先陣を切ってプロモートしていきたいと考えています。
日々目まぐるしく進化し、私たちの暮らしに欠かせない存在となりつつあるAI技術。これから取り組むべきテーマは、医療分野でのサイバーフィジカルシステムや創薬をはじめとする「サイエンスへの応用」、AIの判断根拠を明確にする「理解できるAI」、そしてAIに対する「信頼の構築」です。ヘルスケアや街づくり、生活の質の向上など、明確な評価尺度が無く、個々の人間の価値観による判断が求められるシーンで人間とAIはいかにして協力し合うべきか。このような価値レベルのアライメントの確立に向けた研究を、私たちは先陣を切ってプロモートしていきたいと考えています。
PROFILE
片桐恭弘
1981年東京大学大学院工学系研究科博士課程情報工学専攻修了。工学博士。2003年国際電気通信基礎技術研究所メディア情報科学研究所所長、2005年公立はこだて未来大学教授、2016年公立はこだて未来大学理事長・学長を経て現職。