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中国のアフリカ人、コロナ対策で標的に 国際的な非難浴び政府が改善約束

発信地:北京/中国 [ 中国 中国・台湾 ナイジェリア ウガンダ 米国 北米 ギニア アフリカ ]

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中国南部広東省の省都広州にある「リトルアフリカ」の路上に集まる人々(2018年3月2日撮影、資料写真)。(c)Fred DUFOUR / AFP

【4月13日 AFP】中国政府が海外から入国してきた新型コロナウイルス感染者への対策を強化する中、同国南部の大都市で暮らすアフリカ系住民らが、疑いのまなざしを向けられ、強制的な退去、恣意(しい)的な隔離、集団検査などの対象になっていると訴えている。米国務省が外国人嫌悪だとして非難するなど、国際的な圧力に直面した中国政府は12日、対応の改善を約束した。

中国当局は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が大部分は抑えられたとしている。だが、最近発生したクラスター(感染者の集団)が広東(Guangdong)省広州(Guangzhou)にあるナイジェリア人のコミュニティーと関連していたことで、地元住民と防疫当局者らのアフリカ人に対する差別を招いているという。

人口1500万人を抱える産業都市、広州の当局は、新型コロナウイルスに感染したと診断された人々少なくとも8人が「リトルアフリカ」と呼ばれる越秀(Yuexiu)区にいたと明らかにした。

報道によると、うち5人がナイジェリア人で、隔離義務を破り、自宅にとどまらずレストラン8軒やその他の公共施設を訪れていたとされ、5人に対する怒りが広まった。

その結果、5人と接触したとみられる2000人近い人々が検査を強いられ、もしくは隔離下に置かれたと国営メディアは報じている。

広州では9日の時点で入国者114人の感染を確認。うちアフリカ人は16人で、残りは中国人の帰国者だった。

これが中国国内でのアフリカ人に対する疑い、不信、人種差別につながった。

複数のアフリカ人はAFPに対し、住んでいた家を強制的に退去させられ、ホテルでも宿泊を拒まれていると語る。

6日にアパートを退去させられたウガンダ出身の交換留学生、トニー・マサイアス(Tony Mathias)さん(24)は、「食べる物がなく、橋の下で4日間寝泊まりしている。どこに行っても食料が買えない。店もレストランも対応してくれない」「われわれはまるで路上の物乞いだ」と訴えた。

マサイアスさんは、警察は検査や隔離についての情報を全く提供してくれず、「別の都市へ行け」と命じたという。

広州の警察当局はAFPの取材に対し、コメントを拒否した。

他のアフリカ人たちも、たとえその多くが最近中国を出国していなかったとしても、アフリカ系コミュニティーは集団検査を受けなければならなかったと話し、人々は恣意的に自宅やホテルで隔離下に置かれているという。

ギニア出身の交換留学生であるティアムさんは、検査結果は陰性で、しかもここ4年近く中国を出国していないと話したにもかかわらず、7日に警察から自宅にとどまるよう命じられたという。

ティアムさんはこの措置について、明確かつ不公平にもアフリカ人を標的にしたものと考えており、「私が目にした受検者たちは全員がアフリカ人だった。中国人は自由に歩き回っているが、もし黒人だったら外出できない」と話した。



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