「男女共同参画学協会連絡会19回シンポジウムに参加して」
男女共同参画学協会連絡会主催のシンポジウムに参加してきました。
様々な分野で活躍する女性リーダーの方々による、これまでのご経験や男女共同参画に関する考えなどについてのご講演やパネルディスカッションが実施され、ダイバーシティ推進委員会からは、委員会の活動を紹介するポスターを出展しました。
■しかく過去は技術職募集のほとんどが「男性限定」であったが、平成15年6月20日の男女共同参画推進本部決定から、女性技術者に対する求人が増加
■しかく日本の女性研究者の割合は20年間で約1.6倍に増加している
■しかく第6期科学技術学術・イノベーション基本計画で、初めて女性教員割合の目標値が設定された
などの嬉しい情報も多かった一方、
■しかく物理分野の世界的アンケート調査の結果によると、女性のほうが研究に必要なリソースを入手しづらい・キャリアアップの機会が少ない・家事育児負担が多いということが分かっている
■しかく「暗黙の意識に従って働く女性、それを期待する周囲」という状況が女性のキャリアアップを困難にしている
■しかく研究現場の上位職における女性の割合は未だ低い
■しかく理系学部の女子学生(学部〜博士課程)の割合は増えてきたものの、女性教員の割合はあまり増えていない
■しかく現在は、評価を行うのも基本的に男性であることが多いため、今後、評価を含めた意思決定ができる女性リーダーを増やさなければならない
など、男女共同参画においてまだまだ課題もあることが分かりました。
【感想】
シンポジウムを聴講し、自分の中にも「女性だから」、「男性だから」といういわゆる「無意識のバイアス」があったことに気づかされました。
もうひとつ印象的だったのが、講演やパネルディスカッションの中で、「高校生や大学生だけではなく、小中学生のころから、
女性の理系進路選択等に関する情報提供を行うべき」というお話があったことです。大人の無意識での教育や情報提供により、子どもに「無意識のバイアス」を持たせてしまっているのかもしれないと気づき、
私たち大人は責任を持った言動をしなければならないと感じました。
今回知った課題を解決するためには、社会の環境を変えていくことが必要だと思います。一人でできることは限られるのかもしれませんが、まずは自分が「無意識のバイアス」に対する感度を高くし、違和感を放置せず、気づいたことには声を上げることを心がけます。
このような小さな一歩を多くの人が踏み出すことで、性別に関係なく、全ての人が自分らしく生きられる社会の実現に近づいていくのだと、改めて感じたシンポジウムでした。