育てる会会報 220号

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平成28年8月31日

第220号

NPO法人 岡山県自閉症児を育てる会

220号 目次

夏休みの終わりに

自閉症啓発セミナーの報告

即実践講座のお知らせ

育てる会 バス旅行・OHAの会・木工教室 お知らせと報告

18歳の春を目指すクラブ ・サッカークラブ・水泳教室 お知らせ

私のお薦め本コーナー
障害のある子が 「親なきあと」にお金で困らない本

近隣の講演会等のご案内

ぐんぐんだより
ぐんぐんぴっぴ・赤磐ぐんぐん・ぐんぐんキッズ

支援センターNEWS

グループホーム寄付 お礼

会報を書いている今日は、8月31日です。
台風が岩手県へ上陸して、大きな爪痕を残して去って行ったというニュースをテレビが伝えています。
ここ岡山は、台風が秋を連れてきてくれたのかしら・・・というくらい涼しい空気の中、今年の夏の暑さが嘘のような数日です。このまま夏が行ってしまえばいいな〜なんて話しています。
それにしても暑い夏でしたね〜。
一歩外へ出ると熱波がおそってくるという感じでした。あの暑さは、生まれてこの方初めての経験しれません。
岡山県地方、最高気温37度なんていう予報が出たりする時もあって、今年の夏は特別でした。
つい何年か前に四万十川で最高気温41度なんて記事 みかけたよな〜と思いながら、今以上の暑さの中で人は生きていけるのか・・・なんて思ったりしています。
そんな中、ブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが開催されましたね。
連日、朝のニュースで結果を見るのが楽しみでした。金メダル12個、銀メダル8個、銅メダル21個,合計41個のメダルを得ることができましたね。
日の丸が掲揚されて君が代が流れ、選手の顔が誇らしく大写しにされたりなんかすると、思わずジ〜ン来ちゃいます。日頃は、日本国民であることを意識することもない私ですが、オリンピックの時だけは違います。強く日本人であることを意識します。
そんなリオも終わり、また日常が戻ってきました。
それにしても、暑い夏でした。この信じられない暑さは、誰が招いたのでしょうか?
私たち人類が、すべて招いたとしか思えない地球温暖化と異常気象の日々です。
そんな中、少しばかりの温暖化へ抵抗とばかりに、クーラーをつけない暮らしを実践しています。仕事場ではみんなが働いていて、そうもいかないのですが、家Aの中では扇風機だけで窓を開け放っての暮らしです。
暑い中何度か頭痛がし出すこともありましたが、少しずつ体が順応していくような感じがしました。
クーラーをつけていると、その部屋から出たときにとても暑くて体調が温度変化について行かない私です。歳をとると、体も変化に弱くなるみたいです。
夫がお盆の13日から10日間ほど入院していたので、その間はクーラーを使わない生活をしっかり実践できました。夫が帰ってきてからは、やっぱりクーラーの毎日ですが、彼が居間から去ったら、すぐクーラーは消して再び私一人の省エネ実践の暮らしを続けています。
ほんの小さな、ささやかな温暖化への抵抗です。

さて、夫が急に胸が痛いと言い出したのは8月13日の朝でした。左胸の下のあたりを押さえながら、「ここが痛い」という夫。
しばらく様子を見ることにしていましたが、昼ご飯の時、またまた胸を押さえているのを見て、これはちょっとおかしいと思い、急遽岡山の心臓の専門病院に電話。
すぐ連れてくるよう言われました。心筋梗塞の前兆かも・・・・。
友人のご主人が同じような胸の痛みで診察、即手術になったことを聞いていた私は、そんなに悠長に構えているわけにはいかないのです。急いでいった専門病院では、心電図やらCT、MRIなどで検査の結果、「心臓には異常はありません」一安心です。
ほっとしながらも、「ただ、画像に少し気になるモノが映っていますので、紹介状を書きますので、一応市内の別の病院へ行ってみられたら」という指示のもと、赴くことになりました。
お盆に入っているため、外来に人はいなくて、救急扱いですぐに見てもらうことができました。先生方が3人も集まり、画像を見ながら頭をひねっています。
「入院していただきましょう」との言葉に、一体何が起こったのだろうと、一瞬不安でいっぱいになりました。
それでも一緒に連れて行った哲平を不安にしてはならないので、「大丈夫よ」と気楽な風を装って見せました。なにしろ、不穏な空気に敏感で、すぐに大騒ぎしてしまう哲平です。
このまま長期入院なんてことになったらどうしよう。私一人でどうやって暮らしていこう・・・。先回りして暗く考えそうになるところを、哲平がいることで、気丈になれたように思います。
哲平は、私の不安がすぐに伝染する人なので、私も用心して、「なんでもないさ」という風を装います。気楽そうにしていると、大丈夫な人。なんとかその場は乗り切りました。
でも、その後のお父さんの10日も続いた入院期間中には、さすがに不安が隠せなくなった頃、ようやく退院が決まりました。
画像に映っていたのは空気の塊りで、腸に穴が開いているかもしれないとの疑いからの入院だったそうです。なぜそんな所に空気の塊りができたのかは、よくわからないままの退院となりました。
何日も検査が続き、絶飲食状態での入院生活で、夫は4キロも体重を落として帰ってきました。スリムになってちょっとだけかっこよく(???)なって帰ってきた夫でした。
痛み自体は2〜3日でなくなり、その後は夜はオリンピック、昼間は高校野球をテレビ観戦しながら気楽に過ごしていたそうです。
まあ、体中を検査していただいて、悪いところは見つからなかったようなので、一安心です。
ただ、夫のいない間、育てる会の事務は、大変でした。
すべて事務長である夫がやっているお金や様々な書類のことが、さっぱりわかりません。
色々な事務処理が、一人に集中することは、問題だとつくづく感じたので、これを機会に改善を図りたいと思いました。この入院は、育てる会の弱点を改めて思い知ることになる機会となりました。
現在、事務局は、3名の事務を担っていてくださる職員はいますが、これまでは事務長が要の部分をやっているため、要がいなくなると事務は動きません。
これからは、夫一人に何もかもが集中するのでなく、みんながわかるようにしておく必要を感じました。
「私はよくわからないので、、、」という形で手を出さなかった部分も、みんなで手分けして、わかる体制へ移行できたらと考えています。
これはこれで、とても大変な作業です。
育てる会も次第に大きくなって、色々やらなければならないことも増えています。
お給料を払っている人だけでも40人ほどになりました。
みんなで支え合えるような形に是非していきたいと思うきっかけに夫の入院はなりました。
これぞ、怪我の功名ですね。

7月31日(日)、岡山ふれあいセンター大ホールで吉田友子先生の講演会を行いました。
あまりに色々なことがあった暑かった夏のせいなのか、ずいぶん前のことのような気がします。
先生を岡山へお迎えするのは今回で6度目のことです。初めてお迎えしたのは、今から12年も前のことだそうです。
先生は、いつものようにお目にかかるたびにおきれいで、お優しくて、私の少しどよ〜んとしてしまっている気持ちを優しくほぐしてくださるようでした。
今回は講演会の前日からいらしてくださって、グループホームをご案内させていただきました。
少し自分たちが支援に迷っているKさんのことを相談もさせていただきました。
先生のアドバイスは暖かくって、目から鱗が落ちるような思いがしました。
本人の立場に立って、彼が困っているだろうということを指摘していただきました。
ともすれば私たちは、自分たちが支援する上で困っていることを相談してしまいますが、先生は、彼の気持ちになって考えられるので、心洗われる思いがいたしました。反省反省です。
さて、次の日はいよいよ講演会の当日です。
「自閉スペクトラム その子らしさを生かす子育て〜自己理解を支援する〜」というテーマでお話頂ました。自閉症の人への診断告知について、丁寧にお話しして下さいました。
先生以外の方からも告知についてお話を聴いた事がありますが、先生のお話は、とても慎重で、告知を受ける自閉症の本人の立場に立って、丁寧に丁寧に取り組む必要性をお話くださいました。
告知することで、その子がその後の人生を前向きに考えられるような、そんな告知でなければなりません。
告知で一発逆転を狙うような、そんなこちらの都合でやってしまうような告知の危険性を、例をあげながら、お話くださいました。
また、告知をするのは、本人が信頼している人がしなければならないなど、信頼を丁寧に構築していく事の大切さも教わりました。
いい形で告知をするためには、いい家庭生活や、先生方やお医者様とのいい関係を作っていないとうまくいかないと感じました。
また、自閉症への親のとらえ方が、肯定的でなければ決して告知後の暮らしもうまくいかない事も感じました。
この子が自閉症でさえなければ、あんなこともこんなこともできたのに・・・・。
この子が自閉症でなければ、私の人生だってもっと豊かな幸せなものだったのに・・・。
なんて、自閉症の子どものせいにしているような人は、告知もうまくいかないですよね。
講演会の最後に先生が言われた言葉に、全てが凝縮されているように思います。
自閉症の子どもの親であるという選択肢は一つかもしれない。
その子の障害は変わらないのなら、自閉症の親ではない私というのにはなれないとしたら、この人生を積極的に選び取るのか、それとも甘んじるのかで人生は違ったものになる。
自分で選び取る人生を!!
と言われました。
胸に、ズキュンと来ました。
「おお〜!!! 選び取るぜ〜!!!」と思いました。いい講演会でした。
会場の皆さんが、熱い感激で満たされた時間でした。もう本当に暑い、熱い・・・夏でした。
吉田先生、いい時間をありがとうございました。
(吉田先生を囲んで 当日のセミナースタッフ 一同)

さて次のセミナーは、10月23日(日)高橋みかわさんにいらしていただきます。
宮城県仙台から、遠いところ来て下さいます。皆で、お迎えしましょう。
楽しみですね。詳しいことは同封しています講演会のチラシを見てください。
岡山は、災害が少ない、台風までも避けて通るような気がするくらい平和なところです。
でもね、だからこそみんなに防災の意識が欠如しているとも言えます。
火山列島の日本に住んでいる以上、災害はいつ何処に起こっても不思議はないと言われます。
岡山県人は、まさか私の住んでるところは、地震が起こったりしないわ〜と思っています。
でもそんな岡山でも、熊本のようなことになるかもしれません。
熊本だってあんな地震を予想だにしていなかった筈です。たしか地震の起こる確率は、岡山よりも低かったように記憶しています。
私たち岡山県自閉症児を育てる会でのセミナーは、そんなのんびりした私たちの防災に対する意識を、一気に変えたいと思っています。
高橋さんには、重度の知的障害を併せ持つ自閉症の息子さんがいらっしゃいます。
その高橋さんが、どのように東日本大震災を乗り越えてこられたか、そしてその教訓を生かして私たちにどう言った事を伝えてくださるのか、とても興味深く思っています。
また、自閉症の子のサポートブックについてもお話しして下さるので、合わせて学びたいと思います。とってもお会いするのが、楽しみです。
すでに事務局には、たくさんのノウハウが詰まったレジュメが高橋さんより届いています。
早くみなさんにもお伝えしたく、セミナーの日を指折り数えて待っています。
またそれまでは、どうか岡山に災害が起こらないよう祈っています。
皆さんお誘い合わせのうえどうぞ、いらしてください。

さて、グループホームの見学に大勢の方がいらしてくださっています。
支援学校の先生たちや、障害をお持ちのお子さんがいらっしゃる家族の方、地域の方、カフェにいらした方が、「見せて下さい」と言われることもあります。
いつでも、どんな時でも時間が許せば「どうぞ、どうぞ」とご案内しています。
入居している人たちは、いつでも綺麗に部屋の掃除や片づけをしてくれているので、安心です。
我が家なんて、お客様があると3日くらい前からお掃除に明け暮れなければ綺麗になりません。
あの子たちは、本当に律儀に綺麗に片づけます。
自閉症って、素敵ですよ。ぜひ見学に来て下さいね。
入居者の方にも見学のOKはもらっていますので、見学ご希望の方は、事務局(086−955−6758)までご一報ください。
カフェは、最近看板を新たにしました。可愛い招き猫の絵を入れた看板です。
お洒落な感じのお店にしたかったので、看板も控えめだったのですが、それでは何のお店かわからないという感じだったのでしょう。
看板をつけた途端に、お客様が増え始めました。
また、食べログやフェイスブックも出しているので、多くの方が見てくださるようになって、少しずつ営業成績も伸び始めました。
秋の新メニューも続々増えて、最近ぐんとおいしくなったカフェスプリングカムカムです。
また、赤磐市内の桃茂実苑さんという会社が、桃のパイを焼いてくださっています。
それを飲み物と一緒にサービスで出させていただいているのが好評です。
とってもおいしい桃のパイは、岡山県産の桃が使われています。
食べたいわ〜と思われた方は、桃茂実苑さんにご注文ください。
カフェスプリングカムカムで出している桃のパイは、これです。
ランチの後だと、プラス100円でこんなセットがでてきます。
桃茂実苑さんで販売されているのは、これの大きいサイズのパイで一個180円、とってもおいしいと大好評です。
桃茂実苑さん 住所: 〒709-0817赤磐市上市218-1電話: 086-955-1928

さて、そんなカフェに高等部2年のTくんが、夏休みを利用してお仕事体験で来てくれました。
お客様にお水をおだししたり、お料理を運んだり、そして彼の得意な食器洗いをしたりしてくれました。
学生の間に色んなお仕事の体験をしていくことで、不安を減らしたり、人の役に立つ事を実感してもらいたいとの願いから、育てる会では、こんな試みも始めました。
その時の様子をご覧ください。
カフェスタッフから「とても良く働いてくれて助かりました」という高評価をいただきました。
T君にとっては緊張の連続だったようですが、いい経験になったと思える事でした。
また、冬休みにもやってもらえたらと、お母さんともお話しています。

木工教室を、8月27日(日)、岡山県生涯学習センターにて行いました。
参加された皆さんの感想が、後のページにありますので、合わせてごらんください。
とても、楽しくお父さんお母さんの方が張り切ってしまう木工教室ですが、独創的な面白い作品が次々仕上がって、楽しいポストが出来ました。
毎年一点ずつ作っているので、一度これまで作ってきた作品の展示会をしてもいいかしら??? なんて、木工作家の川月先生とお話しています。
川月清志先生は、カフェスプリングカムカムのいすやテーブル、棚など作ってくださった先生です。カフェの窓辺を飾る木工小物は、先生の造られたものです。キットもありますので、買いに来て下さいね

夏も去り、優しい風吹く秋が、やってきますね。これからは、一年中で一番過ごしやすい季節ですね。
お子さんが、学校や園に行かれている方も多い育てる会ですが、2学期は大変多くの行事があります。親にも子にも厳しい2学期ですが、頑張って乗り切って欲しいと思います。
「学校へ行っていた時期が、一番しんどい時期でした。」 と言われる自閉症のご本人や家族が多いのを、知っていますか?
お仕事をするようになって、安定しました。そういわれる方が多いのです。
学校は、行事があったり急な変更があったり・・・とそんなことの連続で、何が何だかよく状況が理解できにくい自閉症の人にとっては厳しい毎日です。先生方も何人もの子どもに丁寧な支援が、できていきにくいというのが、現状ではないでしょうか?
そこへ行くとお仕事場は、一人の人にそれぞれの特性に特化して考えていってもらいやすいところです。
仕事は内容にもよりますが、同じことの繰り返しが多く、いつも同じで変化も少なく分かりやすい環境です。
厳しい学校生活を乗り切れば、楽しい社会人生活が待っている・・・だから、みんながんばれ!!
でもね、学校生活ではぐくんだものが、発揮されるのも社会人になってからですから、やっぱり学校生活しんどいけれど、頑張らなきゃね。お母さんも子供たちも、みんな頑張れ!!
次回は、秋の話題をお届けいたしましょうね。では、また。
(育てる会 代表 鳥羽 美千子)

自閉症啓発セミナーの報告

平成28年7月31日(日)岡山ふれあいセンター大ホールにて、第87回育てる会自閉症啓発セミナーが開催され、4月3日に引き続き、児童精神科医の吉田友子先生による『自閉症スペクトラム その子らしさを生かす子育て〜自己理解を支援する〜』と題しての連続講座が開かれ参加しました。
前回は、基礎的なことから三つ組みの話などの特性について詳しく話していただきましたが、今回は本人への診断告知など、実際の事例を交えての具体的な支援方法をお話いただけるとのことでした。
私自身、告知については"告知をすると何か変わるのではないだろうか"という期待する気持ちがあり、いつのタイミングですべきなのだろうかと、以前から大変興味がありました。
先生は初めに、"こんな告知は危険"ということから話されました。
「何でいやなことばかり起こると思う? どうしてあなたは怒られるばかりすると思う?それはね・・・」などという告知の仕方は、トラブルや困難は本人が気づきやすく熱心に聴いてくれるので、つい告知の糸口としてしまうことがありますが、このような告知の仕方をしてしまうと、"自閉症の脳タイプが不幸の始まり"とか、"自閉症なんかに生まれてこなければよかった"などと悲観的に思ってしまうので危険だと言われました。
また、手詰まりの状況で一発逆転を狙うのも同様に、"自分は普通にはなれない・普通じゃない・喧嘩ばかり起きるのは自閉症のせい"などという想いを抱いてしまうから危険だということです。
次に"脳タイプ"について話されました。
脳タイプの話は、告知にとても大切で、脳のタイプだと考えることで、自己肯定的に考えやすいということに納得でした。
脳には色んなタイプがあり、右利きか左利きかも脳のタイプだと、分かりやすく事例をあげられました。
例えば、改札口や財布のファスナーやセンスも右利き用に作られています。
そんなことに気づきもしてこなかった私ですが、世の中は多数派仕様になっているのだそうです。左利きの人は、右利き用の道具を使えるようにできていたほうがいいように、少数派の自閉症タイプの脳の人も、多数派社会では、技を磨いていかないといけないと言われました。
話の要所要所で、4月に話されたことも交えながら、困難は具体的支援で何とかするしかないのだと話されました。
どうにもならない状況は、その状況はどうやって変わることができるのだろうと考えることから始め、何かを諦めるために、何かを強要するために診断名を利用するのではなく、どうして困っているのか、原因を考えて対策を考える、手を打つことが大切だと話されました。
してほしくないことをする時、どうしてその行動をしているかを考えることが第一で、子供がそのことをしないように頑張ったり、抑えることはできないと言われたことが印象的でした。やめなさいと我慢させ、無理にブレーキをかけさせていたこともあったので、反省する機会となりました。
告知をするにあたっても、こうした困った状況をも乗り越え、安定した状態のときでないとしてはいけないことが分かりました。つまり、本人が困っているときに告知をするべきではないということです。また、困難な状況でも、家庭もしくは学校だけでも、支援する人が変われば必ず子供は変わりますと言われました。
「苦手があってもやりようがある」という経験を積んでいくことが告知前に必要なことだということです。
成功体験を積んでいないのに告知をしても、副作用が出てくるということにも納得できました。
そして、告知をするときは、キーワード(特性のいい面・長所となりえる所)を渡していきながら、伝えること。例えば「苦手があるけれど、あなたはこういったいい所もあるから乗り越えられたよね」といったことです。
自分に、成功の経験があることで、実感でき、納得できるのです。先生の話を聞くまでは、早く告知をして、自分を知ることができたら、変わるのではないかという甘い考えも少しありましたが、まだまだすべきことがたくさんあるなと思いました。
「やりようがある」と成功体験をたくさん積ませていきたいと思います。
最後に先生は、「自分の人生に誇りをもって選び取ってもらいたい」と言われました。
選択肢を多く持つことではなく、1つしかなくても納得して選び取れる人になってもらえるように支援していくことが大事。
「ここに生まれたから仕方なく、投げ出すわけにはいかないから仕方なく育てているというのではなく、今を選びとっているのだと思ってください」という言葉が、心に突き刺さりました。
苦しいこともたくさんあるけれど、子供ができるようになることが嬉しかったり、得意なことを見つけると嬉しかったり、笑っていると幸せだったり、小さなことにこんなにも感動する気持ちは、この子がいなかったら確かに知らなかった。とても大切な気持ちを振り返ることができる時間となりました。
そして、もっとできることを増やしてやりたい、この人生を楽しんで選びとってもらいたいという、目標ができました。
連続講座ということで、たっぷりの時間を使って、より深くお話を聞くことができたと思います。先生が、この子たちを優しい目で見られてお話していただけたことが、何より嬉しく穏やかな気持ちになりました。貴重なお時間を感謝いたします。

セミナー新聞記事のご紹介



<保護者 K>
その他、多くの参加者から感想をいただいていますので、ご紹介いたします。
〇療育の中で子どもたちと接するときに配慮すべき点を再確認することから始まり自己理解の進め方について学ぶことができて良かったです。医師ではないので告知をする立場ではありませんが、関りの中でキーワードを用いながら、納得できる"実感"をいかに積み重ねられるか、もう一度考えたいと思いました。まず、彼らの思い、困り感を分析して支援を検討したいです。丁寧で温かいお話、ありがとうございました。(保育士)
〇今まで親御さんとお子さんと一緒に手探りで頑張ってきたことが、その方向であっているん だと確信できるお話でした。そして「こんな上手な伝え方があったのか!」という発見がたくさんあって、明日からまた頑張ろうと思えました。(臨床心理士)
〇就学前の子どもへの療育を行っているため本人の告知については今まであまり考えたことがありませんでした。私たち支援者は子どもの人生のほんの一瞬にしか関わることができないので、つい狭い視野で子どもを見てしまいがちですが、今日の話を聞いて、子どもが自分について考え始めたとき、長い未来のことも想定しながら親子共に関わっていきたいと感じました。(臨床心理士)
〇キーワードの提供のところが一番心に残り、参考になりました。
「〇〇が苦手だけど〜するとできるようになった」と本人に返せるように、ワザ(工夫)の事例を学び続けていきたいです。
「学校でも家庭でも困難の解決を子どもの努力に委ねてはいけない」心に留めておきます。(教諭)
〇実際の告知の場面をDVDで見せていただき、具体的によく分かりました。
告知のお話はとても大切なことで、告知の前に成功体験を積み重ねることの大切さを強く感じました。(支援学校教諭)
〇支援級に在籍している小6の子どもがいます。とても今回の内容はタイムリーでした。
今後の本人の道すじのヒントをいただきました。「支援の成功体験が土台となる」これはこれからの成長や本人が人生を歩む上で必要不可欠なことだと改めて感じました。今日得られたことを大切に、子どもとの関りを意識していこうと思います。(保護者)
〇お話を聞いて、告知に対して、もっと慎重に考えていかなければという思いを持ちました。子どもに対して、もっと毎日を大切に過ごせるような工夫を続けていきたいと改めて感じました。(保護者)
〇告知に関して、うちの子どもたちは年齢的にもう少し先です。でもそれ以前に、今向き合っている問題を解決していく経験が、将来の告知に向けて大事なことだとよく分かりました。トラブルに関してしっかり向き合うよう、専門家の先生とのつながりを大事にして
頑張りたいと思いました。(保護者)
〇「告知」は通過点に過ぎず、これからがスタートと思い、息子が日々をスムーズに楽しんで生活していけるように支援していくことが大切だと分かりました。親はいつまでも支えていけないので、息子自身の自立や誰かに相談する技術を育てることが大事だと思いました。息子が自分自身のことを理解することの糸口のための「告知」と再認識できました。(保護者)

平成28年度 教師・保育士対象 即実践講座 お知らせ

☆ 第4回 ☆ 平成28年9月9日(金)19:00〜20:55
テーマ :コミュニケーション ?B コミュニケーションの評価と文脈
場 所 : 岡山県生涯学習センター 大研修室(岡山市北区伊島町3-1-1)
講 師 :坂井 聡 先生(香川大学教育学部特別支援教育 教授)
☆ 第5回 ☆ 平成28年10月14日(金)も同じ会場です。
2学期も始まり、学校の先生方には、夏休みの間に子どもたちがどう変わったのか、注意深く見守っておられることと思います。
その子たち一人ひとりに合わせた 支援の方法のヒントをこの講座から見つけていただきたいと願っています。
まだ、途中参加もOKですので、よろしければ新しい方も申し込んで下さい。
参加費:一般 20,000円、賛助会員 17,000円 全10回分
申込・問合せ:Tel.086‐955‐6758、Fax.086-955-6748
http://ww3.tiki.ne.jp/~teppey/2016sokujissen.pdf

育てる会 バス旅行のお知らせ

今年も、いよいよバス旅行の募集を始めます。
行先は、昨年と同様に大阪USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)です。
日 時:平成28年10月15日(土) 6:00〜20:00(集合5:50 赤磐市)
目的地:大阪ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)
募集定員:50名(家族構成にもよりますが、先着順 18〜20家族 程度)
募集開始:9月9日(金)10:00〜 受付開始(それまでは受付できません)
参加費:2,000円(バス代、おやつ代に充当)
(入場料・昼食代は各自でお支払いください)
申込先:育てる会事務局 TEL.086−955−6758
対 象:正会員 保護者・本人・兄弟姉妹(親戚の方はご遠慮ください)
助 成:サン基金
詳しい旅行日程等は、参加される方にしおりの形でお送りする予定です。
みんなで協力しあって、楽しい旅行にしたいと思っています。

OHAの会のお知らせ

OHAの会は高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害で知的障害のないタイプの子どもを持つお母さんのための会です。
日 時:平成28年9月15日(木) 9:30〜11:30
場 所:おひさまハウス 食堂
申込み:Tel.086-955-6758(事務局)
9月からの読書「あたし研究」事務局に入荷しましたので、まだお持ちでない方は声をかけてください。

木工教室の報告と感想

8月28日(日)、岡山生涯学習センターにて、成羽より木工作家の川付先生を講師にお迎えしての、夏休み恒例の木工教室が開かれました。
今回は、作品名「マイポスト」です。
子ども達には目と口をそれぞれにデザインしてもらい、切り抜きます。
また、前面はホワイトボードになっているので、お部屋の中で伝言板やメモにも使える便利なポストとなっています。
参加者から感想をいただきましたので、ご紹介いたします。

〇 今年は素敵なポストができあがりました。
ちょうど、木工教室の数日前、午後から突然の雨で我が家のポストに入りきらなかった郵便物が濡れたうえ、地区の回覧までもびしょ濡れになったということがありました。回覧板だけでも軒下においてもらうように置き場を用意しようと思っていました。その回覧板や広報も入る大きさなので、ばっちり使うことができそうです。
毎年、子どもより父親の方が楽しみにしている木工教室、来年も川月先生の教室を楽しみにしています。
〇 今日は夏休み最後、親子でポストを作りました。とてもきっちりと作られた先生のキットをもとに、子供たちは目と口をデザインして糸鋸で切り、マグネットボードつきのポストに貼り付ける。子供の作業も簡単で、やるべきことがよく分かって、集中できたし、本体のポストも組み立てやすく分かりやすくお母さんが組み立ててもピッタリでした。子供の目、口、パーツと組み合わせて、色も塗り、ねじで金具をつける経験もさせることができ、短い時間でとても良い体験となりました。子供に合った作業とキットの準備があってこそです。毎年のことながら、ありがとうございました。
〇 やすりでこするところがたのしかった。(子供)
〇 素敵なポストが出来上がりました。子供が自分でできるところは頑張って取り組んでいて、成長が見られました。子供がやりやすい様に準備して下さり本当にありがとうございました。また、来年も楽しみにしております。

18歳の春を目指すクラブ お知らせ

18歳で花咲く春を迎えたいと願って、活動しています。
9月29日(木)には、いよいよ武蔵先生をお迎えします。
先生から、当日の予定が届きましたので、お知らせします。
10時〜11時 講義
11時〜12時 グループに分かれて、課題に取り組む
12時〜13時 昼食(あれば、ツール見学)
13時〜14時半 取り組んだ内容について、交流
年齢層が広くなりましたので、講義の後、
*変化に弱いので、変化に対応できるようにしたい
*本人の感情の自覚について
*本人にふり返りながら、1日のライフスキルのチェック
*幼児期に取り組んでおきたいこと
の4つのグループに分かれます。
他の方の取り組みを知ったり、自分の取り組みに対して、専門家の目から、貴重なご意見が頂けると思います。
皆さん、奮ってご参加お願いします。
途中退室も可能ですが、昼食をご持参下さい。
日時 平成28年9月29日(木) 10時〜15時(受付9時45分〜)
場所 きらめきプラザ 4階会議室(岡山市北区南方2-13-1) ?рO86−227−2666
尚、正会員の方は、1000円で参加できます。
多数のご参加、お待ちしています。
申し込み先 育てる会事務局 ?рO86−955−6758まで

サッカークラブのお知らせ

日時:平成28年9月11日(日)10:00〜12:00(9:45集合)
場所:岡山市内グラウンド
持ち物: マイボール、ゼッケン、ハチマキ、お茶(ボラさんの分も)、個人ノート、出席カード、親リーダーはグループノート
3歳から中学生までの15人程度で活動しております。
小さいお子さんは、リレーをしたり、パスをしたりといった内容で、サッカーというより、ボール遊びのような感覚で参加していただけたらと思います。
学生ボランティアの方が個別にサポートしてくれます。
体験、見学大歓迎です。たくさんのご参加お待ちしております。
申し込み、お問い合わせは、事務局(Tel.086-955-6758)まで

水泳教室のお知らせ

日 時:平成28年9月18日(日) 15:30〜17:30
場 所:OSKスポーツクラブ(岡山市北区絵図町1−50)
連絡先:育てる会事務局(086-955-6758)
当日のキャンセルは担当携帯まで・電話またはSMSにて連絡してください。
新たに参加されたい方、体験されたい方は事務局までお問い合わせください。
★欠席される方は9月15日(木)までに連絡してください。
体験してみたい方は、1回 1000円ですので、気軽に参加してください。
プールは正会員限定で、育てる会で貸し切っていますので、安心してお越しください。
ぐんぐん だより

ぐんぐんぴっぴ

7月の終わりに、ぴっぴを利用しているお子さんが在籍している幼稚園保育園の先生対象で、ぐんぐんぴっぴの見学会を行いました。
赤磐市、岡山市から5園11名の先生方が参加してくださいました。
各エリアの説明や、ぐんぐんぴっぴで大切にしていることについての説明を聞いていただいた後は各園ごとにわかれてお子さんを担当しているスタッフが質問を受けました。
どの園の先生方も熱心に質問したり、園での様子をお話ししたりしてくださいました。
私たちがお子さんに関われるのは一週間でほんのわずかな時間です。こうやって園の先生がお子さんたちのことを真剣に考えてくださる姿を拝見し、お子さんたちに毎日特性を配慮した関わりをしてくださることで、みんなどんどん成長できるだろうな、と嬉しく思いました。
一方でぴっぴを利用している子は落ち着いているから、他の気になるお子さんや、集団の中で特性にいかに配慮したらよいかといった質問も受け、園の先生たちの日々の大変さもひしひしと感じました。
私たち療育施設の役割として、小集団で個別にお子さんの様子を把握し、そのお子さんの特性や関わり方などについての情報をいかに家庭に、そして園に届けていくかがとても大切だと思いました。
今後もぴっぴでの療育で何ができるかに留まらず、親御さんを介して、また園と直接連携しながらお子さんの成長を促していきたい、お子さんがどこでも楽しく生活していけるようお手伝いをしていきたいと思いました。

さて、8月はお盆がありましたね。
今年はカレンダーの都合上、ぴっぴのお休みは月曜日のみでスタッフは「お盆休み!」という気がしませんでしたが、世間のお盆を含んだ夏休み期間中、嬉しい楽しいことがありました。いつもよりたくさんのお父さんが療育に参加してくださったのです。お子さんたちもなんだか嬉しそうで、お父さんに先輩風を吹かせて遊び方を説明する子、ダイナミックに遊んでもらって大喜びの子など、良い意味でいつもと一味違う雰囲気でした。
あるお父さんが、療育を希望して見学に来られた時以来、初めてお子さんとぴっぴに来られました。
お母さんは夏休みのお姉ちゃんとお留守番でした。
お子さんが困った時にお父さんを頼ってくっついてくると「家ではこんなことないのに」と少し嬉しそう。家での様子を聞かせていただくと、奥さんがぴっぴを参考にしておもちゃの置き場所を工夫したりコミュニケーションの支援をよくされておられることなどを話してくださいました。
困っていることなどのお話もお母さんと同じ内容で、お家でお子さんのことをご両親でよくみておられるのだなぁと感じました。優しそうでお子さんのことを大切にされてるお父さんだったね〜、とスタッフみんな嬉しく見送りました。
すると翌週、お母さんから新情報をいただきました。
お父さんが、すごく感動しておられた、ということなのです。
最初に見学に来られた時に、ぴっぴでどんなことをしているか、何を大切にしているか、どんなことができるようになるかなどの説明を聞いて、お父さんは、そんなこと我が子にできるのかなあと思ったそうです。
ところが、療育に通いだして約9ヶ月経った今、ぴっぴで過ごすお子さんを初めて見た時、お子さんはたくさんのことができるようになっていたのです。
自分の欲しいものを要求し、おやつの一粒が床に落ちてしまって食べられなくなったのでお大騒ぎしたけど、最後には納得しておやつの続きを食べられたり、始まりと終わりの会にちゃんと着席して参加できていたり。
就園していないので、お父さんは家以外での我が子の様子を見たことがなかったと思いますが、お子さんはイキイキと遊び、すべきことに取り組み、思いを伝えていたのです。
お父さんは着席しているお子さんを見て実は涙をこらえておられたそうです。
療育後、靴を履き終えた我が子をぎゅっと抱きしめたそうです。そして、お母さんに言われたことには、お子さんがおやつを落として残念で慌てていた時、ぴっぴのスタッフがその気持ちを理解して、普通の態度で接してくれていたことが嬉しかったと言われたそうです。
私たちが当たり前にしているそんな些細なことを嬉しいと感じられたお父さん。
普段の暮らしの中では外出先等でお子さんが困っている時、周囲の人に気を遣い、神経をすり減らしておられることがうかがえました。
世の中の自閉症の理解が進んでいるかどうかは別としても、我が子の行動が目立ってしまう時、親御さんはどうしても気遣いが絶えません。ぴっぴに来ている時は、そんな気遣いから解き放たれて、安心してほっと一息入れたり、私たちスタッフと一緒にお子さんのかわいい今を愛おしみ、味わっていただきたいと痛感しました。
そして、お父さんはあの日ぴっぴで覚えた毛布ブランコを、おうちでもたくさんしてくれるようになったそうです。小さい今だけしかしてあげられない毛布ブランコ、しっかり親子で楽しんでくださいそして、ぜひまた遊びに来てくださいね。きっともっと成長しているはずです。
ぐんぐんぴっぴ 療育スタッフ

赤磐ぐんぐん

長い夏休みも終わりました。
長い時間お子様と過ごす中で、お子さまの新たな発見、成長を感じる事ができましたか?
今回も、療育中のエピソードからお話を紹介したいと思います
ある日、Aくんがおままごとで遊んでいました。
スケジュールを終えて、Bくんも遊びのエリアにやってきました。Bくんは、おままごとをしているAくんをみつけて、「いれて!」と言いました。
でも、Aくんに「今はひとりでする」と、断られてしまいました。
ちょっと残念そうなBくんに先生が声をかけました「Aくん、今は一人で遊びたいんだね。残念だけど、他のことをして遊ぼうか♪」
Bくんは気持ちを切り替えて別のおもちゃを選んで遊ぶことができていました。
自閉症スペクトラムはコミュニケーションと社会性、想像力に特性があります。自分の気持ちや意思をうまく表現できなかったり、話し言葉を聞いて理解することが難しかったり、気持ちを切り替えることに苦手さがあります。
ぐんぐんの遊びのエリアにはコミュニケーションがとりやすくなるための工夫がしてあります。
カードで欲しい物を伝えられるようにもしていますが、遊びのエリアを細かく区切ることで、「かして」「いいよ」のやり取りが教えやすくなっています。
AくんとBくんは先生の介入も受けながら、コミュニケーションが上手にとれるようになってきています。
Bくんは、入れてもらえなかった時、先生にちょっと手助けをしてもらいながら気持ちを切り替えることもできるようになってきました。
コミュニケーションの力を伸ばすこと、社会性を伸ばすことは、それらに弱さを持っている自閉症スペクトラムの子どもたちにとってはとても難しいことです。
しかし、教え方を一工夫することでその力は伸びていきます。自閉症スペクトラムの子どもたちは成功体験から学ぶ力を持っているので、大人が適切に介入しながら相手とのやり取りの成功体験を積み重ね、「伝える力」「伝える楽しさ・喜び」を感じてほしいと思っています。
先ほどのお話には続きがあります・・・。Bくん、違う遊びをしていましたがやっぱりおままごとがしたかったので、もう一度Aくんの側に行って、「いれて!」と言いに行きました。もう一度断られてしまう可能性も大きいので、スタッフはすぐに介入できるように側でスタンバイしていました。
すると、Aくんが「いいよ♪」と言ってくれたのです!Bくんはとってもうれしそう♪
嬉しそうにしているBくんを見て、Aくんも嬉しそうでした♪
一度断られても、もう一度聞いてみるといいことがありました(^^)
「Bくん、Aくんに、いいよって言ってもらえてよかったね」
「Aくん、一人で遊ぶのも楽しいけど、Bくんと一緒に遊ぶのも楽しいね♪」
みんなが笑顔で楽しく遊びの時間を過ごせて、とってもほっこりする気持ちになる出来事でした。
これからも、子どもたちとたくさんの嬉しい体験を共有しながら過ごしていきたいなと思います。
赤磐ぐんぐん療育スタッフ

ぐんぐんキッズ

「今年は酷暑になることでしょう」の予報通り、今年の夏は暑かったですね。
ぐんぐんキッズに来ている子どもたちは、小学生以上なので、色々なことにチャレンジしてもらう夏休みにしました。
清掃活動(窓ふきや草抜きや掃除)、調理(パフェ作りやピザ作り)、制作(暑中見舞いや夏休み工作)など、普段の短い療育ではなかなか挑戦できないことに、自閉症スペクトラムの子どもたち一人一人に合わせた工夫をしながら取り組んでもらいました。

清掃活動の草とりでは、「2リットルペットボトルが草でいっぱいになるまで!」の目標を設けると、分かりやすいらしく、一生懸命草を抜いてくれました。「ぼく、まだまだ抜く!」と張り切ってしてくれたAくん。何と記録は7杯分!
ぐんぐんぴっぴにまで出張して、草とりをしたところ、ぴっぴの先生たちに「助かるー!」「さすが小学生!」と言われて皆恥ずかしそうにしつつも、ニコニコでした。

赤磐市立中央図書館に行って、自分の好きな本を借りる活動も行いました。
本を選べない時にどうしたらいい?
読みたい本が他の人と重なった時どうしたらいい?
図書館でのマナーは?
もしまだ借りていない人がいたらどうやって待つ?
など、事前に子ども同士で確認しあってから出発することで、適切に過ごすことができていました。
カウンターのお姉さんに「おすすめの本はありますか?」と積極的に聞く姿も見られ、成長に驚きました。

調理のピザ作りでは、本人に合わせた好みの具材をお母さんが用意してくださり、それを自分なりにトッピングして、先生にオーブンで焼いてもらい、昼食に食べました。冷凍ピザ生地・ケチャップ・チーズだけはこちらで用意し、あとはそれぞれ自分好みのピザです。
ピザが焼けるまでは本を読んで待ち、できあがったものに「わー!」と歓声が上がりました。
お互いに「いいなー」「それもおいしそう」と見せ合いながら食べたり、「上手にできたから、少しお母さんにも食べさせたい」と全部食べたいのを我慢して残す子もいました。

また、ぐんぐんキッズの年齢になると、「お母さんが家でもできるやり方」だけでなく、「お母さんが我が子に合わせた支援グッズを作れるように」ということも重要なポイントになります。
暑中見舞い作りでは、保護者の方に、「お子さんがあて名を自分で書ける工夫を考えてみてください」とお願いしたところ、ハガキをコピーしたものにお母さんがお手本を書いてくださった方が多かったです。
「住所をこっちに書いて」「あて名はこのあたり」「違う違う!」と言う必要がなく、同じように書くことで、字のバランスやどこに何を書いたらいいかが明確になるようでした。
しろまるしろまるさんって誰?」と聞くと、「しろまるしろまるに住んでいるおばあちゃんだよ!」「学校のお友達だよ!」などと教えてくれて、「じゃあ、その人がもらって嬉しいと思うことを書こう」と伝えると、「元気にしていますか?」「ぼくはプールで真っ黒だよ」「また一緒に遊ぼうね」など、相手に伝えたいメッセージを考えて書くことができていました。

お弁当注文・支払体験(ほっかほか亭)では、「お子さんが自分で注文できるように、財布やグッズを工夫してください。また注文した後に待つ時間があるので、待つグッズをお願いします」とお願いしたところ、我が子が使いやすいものはどういうものか(文字だけ?写真だけ?大きさは?財布と一体型?など)それぞれのお母さんが自分で考えてくださって持たせてくださいました。
なかなか普段自分で注文をすることがないという子は、緊張から「先生が言って」と言ったり、財布の小銭を出すのに苦労したりもありましたが、お店の方もお願いしていたため、気長に待ってくださり、無事皆注文することができました。

自閉症スペクトラムの子どもたちは、新しいことが苦手というイメージがあると思います。ですが、子どもたちの強みとして、「何度か経験したことはパターンで理解しやすい」という特性もあります。買い物経験がある子・家事経験のある子・作業経験のある子は、キッズで初めての活動をする際にも、そのパターンをうまく活かすことができることが多いです。
小学生のうちは、一人で買い物をしたり、掃除をしたりなどということは機会を作らなければなかなか経験しにくいと思います。だからこそ、ぜひ色々な経験をあえて設定していってほしいのです。
「今すぐに一人で何でもできるようにしよう!」というのではなく、小学生の間は保護者の方も付添ながら、買い物の練習をしたり、料理や掃除などの練習をしたりを丁寧にしてみてください。
小学生時代に培われたそれらは「生活力(=生きていく力)」として、将来社会に出て行く時に役立ちます(知的障害があるなしに関わらず)。
今年の夏、ぐんぐんキッズのお母さんたちの連絡帳を見ていると、色々なことに挑戦したお母さんが多く、とても嬉しく思いました。今の頑張りは、必ず将来につながります!
2学期は行事が多いですが、焦らずに一歩ずつ進んでいきましょう。9月からもぐんぐんキッズへの応援、よろしくお願いします。
ぐんぐんキッズ 療育スタッフ

☆支援センターNEWS☆

朝晩は涼しい風が吹くようになり、少しずつ確かに季節が変わっていることを実感しますね。
夏休みが明けて久しぶりに会う子ども達は、背がぐんと伸びていたり、真っ黒に日焼けしていたりしてひとまわり大きくたくましくなったように感じます。
行事の多い二学期がいよいよ始まりますが、リズムを整えていいスタートができていますか?今年の夏うまくいったこと、いかなかったことを振り返って来年に生かしていきたいですね。
さて、この夏は支援学校高等部の方々が夏休みの宿題として支援センターを訪ねてきてくれました。
卒業後につながる先の一つとして、また家族以外の相談先として支援センターがどんなところなのか知っておこうという試みのようです。
初めてのことが苦手なタイプの皆さんなので、場所を見て知っておく、スッタッフと顔を合せておく、どのような手順で利用したらいいのか分かっておくことはとても大事なことですね。発達障害支援センターだけでなく地域生活支援センター、相談支援事業所、障害者就業・生活支援センター、若者サポートステーション、市の健康増進課など様々な相談機関があります。
学校を卒業するとどこに相談していいか分からないので不安だという声も聞きますが、つながる先は意外とたくさんあります。いざという時のために、どうぞ自分に合うところを見つけておいてくださいね。定期的に相談に来ている方、精神的にしんどくなると連絡をくれる方、進学などの節目で助言を求める方など支援センターとのつながり方も様々です。

先日支援センター主催の夜間講座、3回目が終わりました。
お忙しい中、毎回熱心に参加していただきありがとうございます。前半は発達の基礎的なお話、後半は検査結果から何が課題かを読み取り、日々の関わりにどんなことができるかを考えるグループワークでした。少し難しいと感じられたかもしれませんが、次回にもう少し詳しくグループワークのまとめをお話しして、次に進みたいと思っています。そして、最終回は昨年に引き続き「保護者とのつき合い方について」です。支援者として、保護者にどんな声掛けができるのか一緒にアイデアを出し合える回にしたいなと思っています。
9月16日(金) 18:30〜20:00 中央公民館
予定に入れておいてくださいね。ご参加、お待ちしています。
あかいわ発達障害支援センター 相談員:政田 亮子

グループホーム寄付 御礼

今月も温かいご寄付、ありがとうございます。

【 ご寄附をいただいたみなさま 】 (8.1〜8.31)

しろまる T.M 様 (赤磐市)
平成28年8月31日現在 寄付金合計 26,359,936円となりました。
今後ともご支援のほどよろしくお願いします。
寄付金振込口座 中国銀行 赤磐支店 普通預金 1321755
岡山県自閉症児を育てる会 代表者 鳥羽美智代
以前は「育てる会会報」はHPにも全文をUPしていましたが、容量等の事情により、現在は一部抜粋にさせていただいています。
なお会報は正会員・賛助会員の方へは郵送でお届けしています。
もしご希望の方がおられましたら、ぜひ賛助会員に申し込みをお願いします。年会費 3000円です。
応援よろしくお願いします。
申込み方法の詳細は「育てる会 HP」に記載しています。

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