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皆さんこんにちは。暑い暑い夏が長らく続きましたが、ようやく爽やかな秋の気配を感じるようになりました。私事ですが、この時期になると毎年思い出すことがあります。ずっと若いころ、春に「爽やかですね」という言葉を使ったところ、先輩から「爽やかは秋に使う言葉だよ」と教わりました。今では春秋問わず使われているように思いますが、やはり「爽やか」はさらりと乾いた秋風のイメージがふさわしく、春だと「麗らか(うららか)」の方がピッタリくるのでしょうか。
今年の秋も短そうです。この機を逃さず、市内各地にお出かけください。今回は、秋の爽やかな風をより魅力的に感じることができるJAZZの話題をお届けします。
神戸は、日本のジャズ発祥の地。大正12年に「日本のジャズの父」と言われる井田一郎率いるジャズバンドが日本で初めて演奏を披露したことに由来します。歴史あるジャズ喫茶やライブレストラン、ラジオの功労もあり、街そのものにジャズ文化が息づいているように思えます。
いまや全国各地でイベントが開催されており、仙台の定禅寺や横浜、高槻など、街中でジャズを楽しむフェスが人気です。神戸・阪神間でも、毎年春先から秋深まる頃まで定期的に市内各地でイベントが開催され、中には関西圏の大学の部活・サークルの学生が自分たちで企画・運営を行うイベントや、中高生のビッグバンドによる夏のジャズの祭典もあります。最近、地域の方々によって開催されるジャズイベントなども増えてきました。年に一度、大規模なイベントが開催されるのも華やかなお祭りのようでいいのですが、いつも街なかのどこからかジャズの音色が聴こえてくる、ストリートピアノと同じく外を歩くと何かしら音楽を感じることができる、そういう神戸のまちのセンスの良さも素敵だと思いませんか。市民の日常に芸術や文化が寄り添い、根付いている。私はそういうさらりとした神戸の粋なところが大好きです。
10月にも市内各地で毎週のようにジャズイベントが開催されます。
10月5日(日曜日)には「兵庫津ジャズライブ」を開催しました。ポイントは「お寺でジャズ」です。兵庫津は、踊り念仏を広めた時宗の祖、一遍上人がお亡くなりになった地です。踊り念仏は今でいう所のコンテンポラリーダンスに通ずるものがあるのでしょうか。とにかく兵庫津には文化や音楽を受け入れてくれる寛容さを感じます。当日の演奏も時宗普照院のお堂、天台宗能福寺、そして新川運河や兵庫津ミュージアムが会場となり、関係者のご協力の下、由緒ある歴史にジャズが溶け込んだような雰囲気を醸し出していました。今回から、公募によるアマチュアバンドの出演枠も設けて、若いプレイヤーを中心とした裾野を拡げる取組みも開始しました。個人的にユースの演奏はフレッシュでエネルギッシュなところが大好きです。
この日は兵庫区役所や神戸市中央卸売市場とも連携し、兵庫運河祭や8年ぶりとなる市場まつりとも同時開催し、辺り一帯は大盛況でした。
[画像:兵庫津JazzLive1] [画像:兵庫津JazzLive2]
[画像:兵庫津JazzLive3] [画像:兵庫津JazzLive4]
10月の三連休は神戸の賑わいの中心地である中央区がJAZZに染まります。10月11日(土曜日)〜12日(日曜日)には北野の9つの会場で42回目を迎える「神戸ジャズストリート」が開催されます。神戸の秋の風物詩ともいえる一大イベントです。
10月13日(月曜日・祝日)には東遊園地やウォーターフロント、旧居留地の6会場で「神戸ジャズセンテニアル」を開催。こちらは2023年の神戸ジャズ誕生100周年を機にスタートした新しいJAZZフェスティバルです。
10月18日(土曜日)には、灘区の県立美術館と市立王子動物園を結ぶ「ミュージアムロード」付近で「1DAY JAZZ ROAD」を開催します。こちらのポイントは「美術館でジャズ」。この辺りは、県立美術館や横尾忠則現代美術館、BBプラザ美術館のほか街区周辺に約40のパブリックアートがあり、まちの風景の一部となっています。演奏会場は、県立美術館南側、JR灘駅北駅前広場、そして横尾忠則現代美術館内の1階ステージです。さらにBBプラザではジャズの街神戸の歩みを感じることができる歴史パネルの展示も行っています。入場は全て無料です。
昨年は、強い雨と風で、惜しくも屋外演奏が途中で中止を余儀なくされましたが、六甲山や海をバックに、芸術文化漂う街でのジャズ演奏は、これぞ神戸!といった雰囲気を楽しめますよ。
10月は、神戸のさまざまな地で街に溶け込むジャズを感じてください。
兵庫県神戸県民センター長
内藤 良介
≪以下に「過去の神戸県民センター長だより」のリンク先を掲載しています。≫
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