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環循施発第 2203251 号
令 和 4 年 3 月 25 日
各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長 殿
環境省 環境再生・資源循環局
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理推進室長
(公印省略)
試験研究等の用に供するため保管される高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品の
取扱いに関する留意事項について(通知)
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正かつ確実な処分に関しては、かねてより御尽力いただ
いているところ、感謝申し上げる。
さて、
使用中の高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品については、計画的処理完了期限内に
廃棄され、
高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物として確実に処分委託されることを確保するた
めに、ポリ塩化ピフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成 13 年法律
第 65 号。以下「ポリ塩化ビフェニル特別措置法」という。
)第 18 条において、所有事業者
に対し、
高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処分期間内
(特例処分期限日の適用を受けた場
合にあっては当該日まで)に、当該製品を廃棄することを義務付けられるとともに、その経
過後の高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品については、
所有者の主観的意思及び使用実態の
如何に係らず、
高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物とみなして、ポリ塩化ビフェニル特別措置
法及び廃棄物処理法の規定を適用することとされている。
一方、いわゆるPCB試薬については、公共用水域の水質監視や行政検査、生物への毒性
影響に係る研究等に用いられており、
こうした国民の健康の保護及び生活環境の保全を目的
とした試験研究並びにこれに付随して必要となる事業(以下「試験研究等」という。
)の用
に供するために保管されていると認められる高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品について
は、
ポリ塩化ビフェニル特別措置法の趣旨に照らして、高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物と
して確実に処分委託されることを担保する同法第 18 条の規定は適用されないと解するべき
である。したがって、処分期間(特例処分期限日の適用を受けた場合にあっては当該日)を
徒過してなお自ら処分又は処分委託していない場合であっても違法状態とは解されず、
当然
に改善命令や代執行の対象とはすべきではない。なお、当該使用製品に該当するか否かにつ
いては、
あらかじめ、都道府県知事が事業者に対して下記の要領により事業計画の提出を求
め、その内容を確認することにより判断することとされたい。
なお、
当該試験研究等に係る事業の廃止により、高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品が廃
棄され、高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物となった時点においては、保管事業者として遅滞
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なく自ら処分又は処分委託を行うことが必要となる。この際、
高濃度ポリ塩化ビフェニル廃
棄物処理業者の都合により処理委託ができない等の事情がなく、
自ら処分委託する意思がな
いと解される場合は、
違法状態と解して改善命令等の措置を講ずることが必要となるので留
意されたい。また、その事業計画が下記2の事項に該当しなくなったと判断される場合は、
高濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物として同様に対応を行うことが必要となるため、
ポリ塩化
ビフェニル特別措置法第 19 条において読み替えて準用する第8条第1項の規定による届出、
第 24 条の規定による報告徴収及び第 25 条の規定による立入検査により得られる情報も活
用の上で状況の把握に努められたい。
本通知は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 245 条の4第1項の規定に基づく技
術的な助言であることを申し添える。記1 事業計画に記載を求めるべき事項
(1) 当該事業の目的及び期間
(2) 当該事業に伴い保管が必要となる高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品の種類及び量
並びに使用目的
(3) 当該事業において一年間当たりで消費する高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品の量
の見込み
(4) 当該事業において一年間当たりで発生するポリ塩化ビフェニル廃棄物の種類及び量
の見込み並びにその保管及び廃棄の方法
(5) その他、後記2の確認に当たり必要となる事項
2 事業計画により確認をすべき事項
(1) 国民の健康の保護及び生活環境の保全を目的とした試験研究等の用にのみ供される
こと。
(2) 事業者が当該試験研究等、
又はこれらを目的としたポリ塩化ビフェニル使用製品の供
給について十分な実績を有する等の当該事業を実施するのに十分な能力を有すると認
められる者であること。
(3) 当該ポリ塩化ビフェニル使用製品の量が、
前記(1)の目的に照らして必要最小限である
こと。
(4) 当該ポリ塩化ビフェニル使用製品について、
紛失を防止するとともに生活環境の保全
上支障がないよう適正な保管を行うこと。
(5) 当該ポリ塩化ビフェニル使用製品が廃棄物となった場合に、
特別管理産業廃棄物保管
基準に基づき保管を行い、適正に処分等を行う能力があると認められること。
(以上)

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