ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について


環循規発第 1910112 号
環循施発第 1910111 号
令 和 元 年 10 月 11 日
各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長 殿
環境省 環境再生・資源循環局
廃棄物規制課長
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理推進室長
ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について
(通知)
ポリ塩化ビフェニル廃棄物(以下「PCB 廃棄物」という。
)の適正かつ確実な処分に関して
は、かねてより御尽力いただいているところ、感謝申し上げる。
PCB 廃棄物については、主に廃重電機器等を中心に処理が進められてきたところであり、
その廃重電機器等の PCB 廃棄物の該当性については、これまで「重電機器等からの微量の
PCB が検出された事案について」
(環廃産発第 040217005 号)において通知した考え方に沿
って、判断されてきたところである。
そうした中、
昨今では塗膜くずを中心として廃油以外の多様な低濃度 PCB 汚染物の処理が
進められてきており、PCB 汚染物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第2条の4第
5号ロに定めるポリ塩化ビフェニル汚染物をいう。
)の該当性の判断基準について一部不明
確であったことから、自治体の判断が分かれていることなどが、PCB 廃棄物の適正な処理の
推進において支障となってきた。
こうした背景を踏まえ、
環境省では、
「平成 30 年度低濃度 PCB 廃棄物の適正処理推進に関
する検討会」及び「第 26 回 PCB 廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」において、これ
まで通知によって判断基準が明確化されてきた廃重電機器中に使用された絶縁油以外の
PCB 汚染物等(PCB 汚染物並びに PCB に汚染された廃油、廃酸、廃アルカリ及びその他の物
質)の PCB 廃棄物の該当性の判断基準について検討を行い、基本的な考え方を取りまとめ、
本年3月 28 日付通知「低濃度ポリ塩化ビフェニル汚染物の該当性判断基準について」
(環循
規発第 1903283 号・環循施発第 1903281 号)においてお示ししたところである。
同通知においては、分析方法について、
「分析方法については、別表に提示したものとす
る。ただし、
「低濃度 PCB 含有廃棄物に関する測定方法(第3版)」(平成 29 年4月環境省)
で示す方法については現時点では準用するものとし、一部、検出下限値の設定等について環
境省で検討し、今後通知する。
」としていたところであり、今般、技術的検討の結果、
「低濃
度 PCB 含有廃棄物に関する測定方法(第4版)
」を取りまとめるに至ったため、同通知を廃
止するとともに、改めて下記のとおり通知する。
なお、本通知は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 245 条の4第1項の規定に基づ
く技術的な助言であることを申し添える。記1. PCB 廃棄物の処理においては、処理物の判断基準の設定において考慮されているリ
スクの考え方が基礎となっているため、PCB 汚染物等の該当性判断基準の設定について
はこの考え方を踏襲し、
別表のとおり原則として処理物の判断基準と同じ数値を PCB 汚
染物等の該当性の判断基準とする。
2. 上記1.に加えて、例外的に、塗膜くずに代表されるような PCB を含有する廃棄物
であり、PCB を含む油が自由液(注)
として明らかに存在していない場合については、PCB
の含有濃度が 0.5mg/kg 以下となる場合は、PCB 汚染物に該当しないものと判断するも
のとする。こうした PCB を含む油が自由液として明らかに存在していない場合として
は、塗膜くず、少量の低濃度 PCB 汚染油が染み込んだもの(紙くず、木くず又は繊維く
ず)等とする。
3. 既に発出した
「重電機器等からの微量の PCB が検出された事案について」
(環廃産発
第 040217005 号)において、PCB 廃棄物の該当性判断基準が示されている廃重電機器等
については、従前どおりの基準を適用する。また、廃棄物の処理及び清掃に関する法律
施行令(昭和 46 年政令第 300 号)第2条の4第5号ル(8)において定める特定の工
場又は事業場で排出される汚泥、廃酸又は廃アルカリについても、従前どおりの運用と
する。
4. 分析方法については、別表に提示したものとする。
注:PCBを含む油が染み込み又は付着した廃棄物から、
PCBを含む油が染み出し又は脱離し
て、液体状態として確認できるもの。
(以上)
(別表)
対象 形態 卒業基準 PCB 汚染物等ではな
いことの判断基準
分析方法
廃油 当該廃油に含まれる
もの
0.5 mg/kg以下 同左 ・告示第 192 号(注2)別表第二
・告示第 192 号別表第三の第一
・簡易測定法マニュアル(注3)
廃酸、廃
アルカリ
当該廃酸、廃アルカ
リに含まれるもの
0.03 mg/L 以下 同左 ・環境庁告示第 13 号(注4)
廃プラ 付着し、又は封入さ
れたもの
0.5 mg/kg超の PCB が含まれ
た油が付着していないこと
同左 ・告示第 192 号別表第三の第二
・告示第 192 号別表第三の第三
含有濃度 0.5mg/kg
以下(注1)
・低濃度 PCB 含有廃棄物測定方法
(注5)
金属くず 付着し、又は封入さ
れたもの
0.5 mg/kg超の PCB が含まれ
た油が付着していないこと
同左 ・告示第 192 号別表第三の第二
・告示第 192 号別表第三の第三
陶磁器
くず
付着したもの 0.5 mg/kg超の PCB が含まれ
た油が付着していないこと
同左 ・告示第 192 号別表第三の第二
・告示第 192 号別表第三の第三
紙くず 塗布され、又は染み
込んだもの
検液中の濃度が 0.003 mg/L
以下
同左 ・告示第 192 号別表第四
含有濃度 0.5mg/kg
以下(注1)
・低濃度 PCB 含有廃棄物測定方法
木くず、
繊維くず
染み込んだもの 検液中の濃度が 0.003 mg/L
以下
同左 ・告示第 192 号別表第四
含有濃度 0.5mg/kg
以下(注1)
・低濃度 PCB 含有廃棄物測定方法
コンクリ
ートくず
付着したもの 検液中の濃度が 0.003 mg/L
以下
同左 ・環境庁告示第 13 号
汚泥 染み込んだもの 検液中の濃度が 0.003 mg/L
以下
同左 ・環境庁告示第 13 号
含有濃度 0.5mg/kg
以下(注1)
・低濃度 PCB 含有廃棄物測定方法
その他 検液中の濃度が 0.003 mg/L
以下
同左 ・環境庁告示第 13 号
注1: PCB を含む油が自由液としては明らかに存在していない場合に限る。
注2: 特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法
(平成4年厚生省告示第 192号)注3: 絶縁油中の微量 PCB に関する簡易測定法マニュアル(第3版)平成 23 年5月環境省
注4: 「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」昭和 48 年2月環境庁告示第 13 号
注5: 低濃度 PCB 含有廃棄物に関する測定方法(第4版)令和元年 10 月 環境省

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