PCB廃棄物の処理に係る規則等の改正について


環廃産発第 1511242 号
平 成 27 年 11 月 24 日
各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部(局)長 殿
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部改正等について(通知)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令
(平成 27 年環境省令
第 35 号)及び環境大臣の定めるポリ塩化ビフェニル汚染物(平成 27 年環境省告示第 135
号)は、本年 11 月 24 日に公布され、PCB 廃棄物に係る規定については本年 12 月 14 日か
ら、
産業廃棄物処理施設の設置者に係る一般廃棄物処理施設の特例に係る規定については、
同日から施行されることとなった。
ついては、左記事項に留意の上、その運用に遺漏なきを期されたい。
なお、本通知は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 245 条の4第1項の規定に基
づく技術的な助言であることを申し添える。記第一 改正の趣旨
ポリ塩化ビフェニル(以下「PCB」という。)が使用された安定器が廃棄物となったもの
(以下「PCB 使用廃安定器」という。)の分解又は解体については、「ポリ塩化ビフェニ
ル廃棄物が使用された廃安定器の分解又は解体について(通知)」(平成 26 年9月 16 日
付け環廃産発第 14091618 号本職通知。
以下
「PCB 使用廃安定器通知」
という。)において、
PCB 使用廃安定器の適正な処理に係る留意点を周知したところであるが、今般、当該内容
について廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和 46 年厚生省令第 35 号。以下
「規則」という。)等において、改めて処理基準等として位置づけることとした。併せて、
平成 24 年8月の PCB 廃棄物適正処理推進に関する検討委員会の報告書(以下「報告書」と
いう。)等を受けて、低濃度 PCB 廃棄物の燃焼条件の適正化について技術上の基準及び維
持管理基準を改正することとした。
また、産業廃棄物処理施設の設置者に係る一般廃棄物処理施設の特例について、災害廃
棄物に係る分別の特例を設けることとした。
第二 PCB 廃棄物の処理に係る規則等の改正について
1 PCB 使用廃安定器に係る処理基準等の改正について
(1)改正の内容
PCB 使用廃安定器については、環境省調査により、PCB が封入されているコンデン
サ以外の部位にも、PCB による汚染が生じていることが分かった。これを受け、コ
ンデンサ充填材固定型安定器及びコンデンサ外付け型安定器のそれぞれについて、
PCB 使用廃安定器通知により、前者については分解又は解体作業は認めるべきでは
ないこととし、後者については、原則禁止とした上で、一定の条件を満たした場合
には例外的に認めることとした。
これを受けて、特別管理産業廃棄物の積替えに係る基準及び保管基準において、
ポリ塩化ビフェニル汚染物であつて環境大臣が定めるものにあつては、人の健康又
は生活環境に係る被害が生じないように形状を変更しないこととした(規則第8条
の 10 及び第8条の 13)。なお、環境大臣が定めるものは、廃蛍光ランプ用安定器、
廃水銀ランプ用安定器又は廃ナトリウムランプ用安定器であって、かつ、ポリ塩化
ビフェニルが付着し、又は封入されたもの(コンデンサと充填物の接合が電線のみ
により行われているものであって、膨張、腐食等により、当該コンデンサからポリ
塩化ビフェニルの漏えいが認められないものを除く。)とした(平成 27 年環境省告
示第 135 号)。
これにより、原則、廃蛍光ランプ用安定器、廃水銀ランプ用安定器又は廃ナトリ
ウムランプ用安定器であって、かつ、ポリ塩化ビフェニルが付着し、又は封入され
た PCB 使用廃安定器について、PCB 廃棄物の保管場所から PCB 廃棄物の処分施設に
持ち込むまでの間においては、分解又は解体作業等により形状を変更してはならな
いこととなった。ただし、目視により、膨張、腐食、油にじみ等コンデンサの形状
及び性状に変化が生じていないことが確認できた場合において、安定器から外付け
のコンデンサを取り外すことができる場合であって、かつ、高濃度の PCB を封入し
たコンデンサと、その PCB に汚染された可能性があるものの PCB 濃度は低濃度であ
ると考えられるコンデンサ以外の部分に分解又は解体できるものについては、当該
コンデンサをそれ以外の部分から取り外すことができる。ただし、この場合であっ
ても、PCB 使用廃安定器通知の2(1)及び(2)の要件を遵守する必要があるこ
とに留意されたい。
(2)違反事例に対する対応
(1)に違反した事例については、その状況に応じて、廃棄物の処理及び清掃に関
する法律(昭和 45 年法律第 137 号。以下「法」という。)第 12 条の2第1項又は
第2項違反になることから、違反行為を把握した場合には、生活環境の保全上の支
障の発生又はその拡大を防止するため速やかに行政処分(改善命令等)を行われた
い。
2 低濃度 PCB 廃棄物の焼却処理に係る技術上の基準及び維持管理基準について
法第 15 条第1項に規定される産業廃棄物処理施設の都道府県知事等の設置許可につ
いて、
許可対象となる廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令
(昭和 46 年政令第 300
号)第7条第 12 号に定める廃ポリ塩化ビフェニル等、ポリ塩化ビフェニル汚染物又は
ポリ塩化ビフェニル処理物の焼却施設の技術上の基準及び維持管理基準について、現
行では、いずれの基準についても、PCB 廃棄物の燃焼条件を 1,100°C以上で2秒以上滞
留と規定している。
今般、報告書及び実証試験の結果等を踏まえ、低濃度 PCB 廃棄物(無害化処理に係る
特例の対象となる一般廃棄物及び産業廃棄物(平成 18 年環境省告示第 98 号)第2項
第1号から第3号までに掲げる産業廃棄物をいう。以下同じ。)に限っては 850°C以上
で2秒以上滞留とする旨、新たに規定することとする(規則第 12 条の2(技術上の基
準)及び第 12 条の7(維持管理基準))。
第三 産業廃棄物処理施設の設置者に係る一般廃棄物処理施設の特例について
法第 15 条の2の5第2項において、非常災害により生じた廃棄物の適正な処理を確
保しつつ、円滑かつ迅速に処理するための必要な応急措置として、産業廃棄物処理施
設の設置者は、当該施設において処理する産業廃棄物と同様の性状を有する一般廃棄
物として環境省令で定めるものを処理する場合には、事後の届出でその処理施設を当
該一般廃棄物を処理する一般廃棄物処理施設として設置できることとされている。
しかし、環境省令で定める当該一般廃棄物が、他の一般廃棄物と分別して収集された
ものに限ることとされていたため、非常災害時においても、産廃処理施設で受け入れ
る災害廃棄物について、排出現場から仮置き場まで運び出されるまでの間、一律に、
他の一般廃棄物と分別して収集することを求めることとなり、迅速な災害廃棄物の処
理に支障を生じるおそれがあった。
そこで、
非常災害時に市町村から委託を受ける等により災害廃棄物の処理を行う場合
に限り、処分までの間に他の一般廃棄物と分別されたものについては、当該一般廃棄
物が他の一般廃棄物と分別して収集されたことを求めないことした(規則第 12 条の 7
の 16)。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /