計画的処理完了期限後に発見された継続保管事例


計画的処理完了期限後に発見された
継続保管事例
令和3年10月
環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物規制課
ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理推進室 11. 自家用電気工作物が継続保管となった事例 No.1
事例の概要 写真1低圧進相コンデンサーを処分するにあたり、微量PCB含有
の可能性について調査していたところ、休止設備に古い高
圧コンデンサーが残っていることに気づき、メーカーに問い
合わせ高濃度PCB機器であることが判明した。この事業
所はJESCO未登録台帳に記載された事業所であった。2空き家代執行で建物解体を計画。準備のため建屋内部を
調査したところ、2階電気室内で接続された高濃度PCB高
圧進相コンデンサーを発見。木床が腐食して危険であり、
また電気室前にはアスベスト含有石こうボードが山積みさ
れていたため、建屋解体時に搬出して自治体で継続保管
した。この建屋はJESCO未登録台帳に記載された場所で
あった。3確実な品番確認がされないまま、「高濃度PCB含有なし」
と判断し、電気保安法人の管理システムへ登録していた。
本部の指示により管理システムデータの総ざらいを実施し
たところ、使用中のキュービクルから高圧コンデンサーを
発見した。
発見された
コンデンサー
発見されたコンデンサー
残置されていた
電気室
発見された
コンデンサー
事例の概要 写真4事業者が発電機の処分を電気保安法人へ依頼したところ、発
電機がある建屋裏手の使用していないキュービクルから高濃
度PCB含有変圧器・コンデンサーを発見。電気保安法人の担
当は2〜3年ごとに異動があり、使用していないキュービクルの
存在が引き継がれていなかった。5事業者はコンデンサーの保守管理について、保安管理業者に
委託していたが、前任者の知識不足により、使用中の高濃度
PCB含有コンデンサーは廃棄する必要が無いと考えていた。
後任となった担当者が年次点検を実施した時に発見された。61980年代に竣工された建物。竣工数年後に高圧進相コンデン
サーが故障し、更新したコンデンサーが1960年代の物だった。
銘板の読み間違いにより、80年製だと認識していた。事業者が
委託先に低濃度PCB機器調査の指示を出し、主任技術者と
は別の電気技術者が調査したところ、高濃度PCB含有高圧コ
ンデンサーが使用中である事を発見した。21.自家用電気工作物が継続保管となった事例 No.2
使用されていない
キュービクル
発見されたコンデンサー
キュービクル内 発見されたコンデンサー
発見された
コンデンサー
製造年を読み
間違えた銘板
くろまる留意点くろまる
しろまる掘り起こし調査では電気主任技術者、保管事業者に隅々までよく確認していただくこと、立入調査では
自治体職員が隅々まで見て回ることが重要。
しろまる空き家については別途調査をしておくと効果的。 32. 高濃度PCB含有試薬が継続保管となった事例
事例の概要1研究用低温室の大掃除・棚卸しを行ったところ、実験室の奥に設置されていた棚に試薬が封入されたガ
ラス容器とPCBと記載された外箱を発見した。この液体を分析依頼したところ高濃度PCB廃棄物であるこ
とが判明した。2試薬棚を整理しているときにカネクロール(廃PCB原液等)が発見された。当該事業場において製造する
(製造していた)製品にPCBが関係することはなく、排水の検査の標準試薬として使用していたものと考え
られる。15年以上前から使用していない。
3. 銘板の張り替えが疑われる事例
事例の概要 写真1銘板にはくろまるくろまる社1975年製と記載があり、高濃度PCBは不使
用と判断。微量PCB混入疑いの年代であったため濃度分析
をしたところ高濃度PCB含有コンデンサーと判明。くろまるくろまる社へ
問い合わせたところ、「銘板には仕様書上有り得ない『形式』
『重量』が刻まれているため銘板張り替えの可能性が極めて
高い。」との回答があった。
くろまる留意点くろまる
しろまる試薬棚、保管庫など、実験室を隅々確認していただく必要がある。
しろまる研究者の中には高濃度試薬は廃棄する必要は無いと間違った理解をしている者もいるので、再度啓発し
ておくと効果的。
くろまる留意点くろまる
竣工年やキュービクル設置年によらず、銘板が不自然な場合(大きさが違ったり、銘板に加工跡がある等)
は念のため濃度分析を行うことが有効。
銘板が不自然に持ち手から突出していた
持ち手
事例の概要 写真1地方鉄道会社において社内の清掃コンテストがあり、その
一環で倉庫の整理をしたところ倉庫の奥に保管されている
コンデンサー4台を発見した。2自治体所有の廃ポンプ場に建物建設計画があり、ポンプ場
撤去のため制御盤内を確認したところ高濃度PCB低圧進
相コンデンサー(9kg)を発見した。3工場内の安定器調査でPCB含有不明の調査回答があり、
所管自治体が現場調査を実施。安定器は非PCB含有で
あったが、壁面の電動機器用電源設備に、銘板が脱落した
低圧進相コンデンサー(重量3.2kg)を発見。事業者が分析会
社へ分析依頼した結果、高濃度PCB含有判定であった。44.非自家用電気工作物が継続保管となった事例
鉄道会社にて発見されたコンデンサー
制御盤内に
低圧進相コン
デンサーが
発見された
コンデンサー設置場所
コンデンサー
上部の銘板が
脱落していた
事例の概要 写真4電解プラントの整流器内のコンデンサーついて、解体工事に伴い
再度調査したところ、高濃度PCB含有機器に該当することが判明。5溶接機製造メーカーから低濃度PCB含有コンデンサーが内蔵され
ていると回答があった溶接機。低濃度PCB廃棄物として処理する
ため,収集運搬業者と協議したところ高濃度PCB廃棄物ではない
かとの指摘を受け、コンデンサー製造メーカーに確認したところ高
濃度PCBを使用したコンデンサーであることが判明した。6アーク溶接機を電撃防止(感電防止)付に更新するとき、既存の
溶接機を処分するためメーカーに確認したところ高濃度PCB含有
コンデンサが内蔵されていることが判明した。54.非自家用電気工作物が継続保管となった事例
内蔵されたコンデンサー
溶接機
くろまる留意点くろまる
しろまる立入調査を行う場合には、非自家用電気工作物にも注意する。
しろまる今回事例に挙がった溶接機の他、レントゲン機器や昇降機制御盤にも注意を行う。
しろまるポンプ場は無人となっている場所が多いため、調査漏れとなりやすい。再調査を行っておくことが有効。
コンデンサ6台整流器盤内コンデンサ
内蔵コンデンサー
溶接機

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