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令和元年台風第19号
大崎地域広域行政事務組合消防本部
令和元年台風第19号
消防活動の記録
大崎市鹿島台大迫地区冠水被害状況 (注記)国土地理院ホームページより転載
(注記)大崎市鹿島台大迫地区冠水状況 札幌市消防局提供
(注記)大崎市古川新沼地区冠水状況
(注記)大崎市田尻大貫地区冠水状況
(注記)大崎市鹿島台大迫地区での危険物漏洩に伴う活動状況
(注記)大崎市鹿島台大迫地区での危険物漏洩に伴う活動状況
(注記)大崎市鹿島台姥ヶ沢地区での活動状況
(注記)国土交通省排水ポンプ車による大崎市鹿島台大迫地区排水作業
(注記)自衛隊との大崎市鹿島台大迫地区での活動状況
目 次
はじめに
・・・・・・・・・・・・・・P1
【I】令和元年台風第19号災害の概要
1 令和元年台風第19号の特徴 ・・・・・・・・・・・・・・P2
2 気象状況 ・・・・・・・・・・・P3〜P6
3 河川状況 ・・・・・・・・・・・P7〜P9
4 被害の概要 ・・・・・・・・・・・P10〜P11
【II】構成市町,消防本部の対応
1 市町の対応 ・・・・・・・・・・・P12〜P14
2 消防本部会議 ・・・・・・・・・・・・・・P15
3 大崎消防本部配備体制 ・・・・・・・・・・・・・・P16
【III】災害への対応
1 通信指令センター ・・・・・・・・・・・P17〜P18
2 災害活動状況 ・・・・・・・・・・・P19〜P21
3 各署所の動き ・・・・・・・・・・・P22〜P25
【IV】県内広域消防相互応援
1 丸森町への応援 ・・・・・・・・・・・P26〜P29
今後の備え
・・・・・・・・・・・・・P30〜P31
資料編
台風第19号に伴う大雨の要因について ・・・・・・・・・・・・・・P32
過去の豪雨災害の概要 ・・・・・・・・・・・P33〜P36 -1-令和元年台風第19号消防活動の記録
はじめに
令和元年 10 月 12 日(土)から 13 日(日)にかけて,関東地方を縦断し,東北地方の東海上に
抜けた台風第 19 号は,大崎地方でも総雨量が 200 mmを超えるなど,
「平成 27 年 9 月関東・東北豪
雨」
以上の記録的な豪雨となりました。
圏域の東部を中心に大規模な浸水や冠水被害をもたらし,
圏域住民の暮らしに大きな影響を与えました。
本記録誌は,これまで長年にわたって圏域住民から育まれ,支えられてきた当組合消防の令和
元年台風第 19 号における消防活動を記録として後世に伝えるとともに,今後の消防防災活動に
役立てることを目的として編集したものです。
何とぞ御高覧の上,消防行政に対しましての御理解を深めていただき,より一層の御支援を賜
りますようお願い申し上げます。
令和 2 年 1 月
大崎地域広域行政事務組合消防本部管内図 -2-【I】令和元年台風第19号災害の概要
1 令和元年台風第19号の特徴
令和元年台風第 19 号は 10 月 6 日 3 時,南鳥島近海で発生。発生から僅か 42 時間で中心気圧が 915hpa
と猛烈な勢力に発達,12 日 19 時前に強い勢力を保ったまま,静岡県伊豆半島に上陸した。その後,関東地
方を縦断,13 日未明に東北地方の東海上に抜け温帯低気圧に変わった。大量の水蒸気を含んだ状態で上
陸したため,東海から東北を中心に広い範囲で記録的な大雨や暴風,高潮となり,複数の河川が氾濫するな
ど,列島に大きな爪痕を残した。
雨については,10 日から 13 日までの総降水量が,神奈川県箱根で 1,000 mmに達し,東日本を中心に 17
地点で 500 mmを超えた。特に静岡県や新潟県,関東甲信地方,東北地方の多くの地点で 3・6・12・24 時間降
水量の観測史上 1 位の値を更新するなど記録的な大雨となった。気象庁はこの大雨について,10 月 12 日
15 時 30 分から順次,1 都 12 県に大雨特別警報を発表し,最大級の警戒を呼びかけた。
この大雨の影響で,広い範囲で河川の氾濫が相次いだほか,土砂災害や浸水害が発生した。これら大雨
による災害及び暴風等により,人的被害や住家被害,電気・水道のライフラインへの被害,道路の通行制限
及び鉄道施設・航空機の運休等の交通障害が発生した。
大崎地方においても,10 月 12 日から 13 日にかけての記録的な大雨の影響で,甚大な被害をもたらしたも
のである。
台風第 19 号
12 日 19 時前
伊豆半島に上陸
13 日未明
宮城県に最接近
13 日 12 時
温帯低気圧に変化
台風経路図
(注記)気象庁ホームページより転載 -3-【I】令和元年台風第19号災害の概要
2 気象状況
(1)日本列島
台風の接近に伴い,東海地方や関東地方では 10 月 12 日朝から激しい雨が降り,気象庁は 12 日の夕
方に 1 都 6 県に大雨特別警報を発表,13 日未明には宮城県を含む 1 都 12 県に大雨特別警報が発表さ
れた。これは,平成 25 年に特別警報が創設されて以来,史上最多の発表となった。
(2)大崎地方
大崎地方では 10 月 12 日 12 時 48 分,管内全域に暴風警報,17 時 17 分には大雨警報が発表された。
さらに 13 日 0 時 30 分には,管内全域に「平成 27 年 9 月関東・東北豪雨」以来 2 度目となる大雨特別警
報が発表される。
しかく天気図・衛星画像・雨量分布 -4-【I】令和元年台風第19号災害の概要
(注記)気象庁ホームページより転載 -5-【I】令和元年台風第19号災害の概要
甚大な浸水被害に見舞われた大崎市古川地域では,11 日から 13 日までの総雨量が 241.5 mm,大崎
市鹿島台地域では 292.5 mm(気象庁観測値)となり,平成 27 年 9 月関東・東北豪雨,昭和 61 年 8 月 8・5
豪雨を超える記録的な雨量となった。
気象警報等 日 時
暴風警報 10 月 12 日 12 時 48 分発表
大雨警報 10 月 12 日 17 時 17 分発表
土砂災害警戒情報 10 月 12 日 19 時 10 分発表
洪水警報 10 月 12 日 20 時 34 分発表
大雨特別警報 10 月 13 日 0 時 30 分発表
令和元年
台風第19号
平成27年9月
関東・東北豪雨
昭和61年8月
8・5豪雨
1ヶ月の
降水量
降水量
10 月 11 日 35.5 mm 9 月 10 日 77.5 mm 8 月 4 日 43.0 mm
10 月平均
降水量
112.8 mm
10 月 12 日 159.0 mm 9 月 11 日 117.5 mm 8 月 5 日 181.0 mm
10 月 13 日 47.0 mm ― ― ― ―
総降水量 241.5 mm 195.0 mm 224.0 mm
しかく令和元年台風第 19 号における大崎管内気象警報等
しかく令和元年台風第 19 号と過去の豪雨災害時の降水量比較
(注記)気象庁ホームページより転載 古川観測所測定値
しかく降水量分布図(10 月 10 日 0 時〜10 月 13 日 24 時)
(注記)気象庁ホームページより転載 -6-【I】令和元年台風第19号災害の概要
しかく宮城県の期間降水量(10 月 11 日 15 時〜10 月 13 日 9 時)
観測地点
降水量
単位:mm
観測地点
降水量
単位:mm
筆甫 594.5 泉ヶ岳 247.5
丸森 427.0 桃生 242.0
仙台 383.5 米山 240.5
雄勝 367.0 蔵王 238.0
白石 365.0 石巻 230.0
女川 357.0 東松島 228.5
岩沼 357.0 古川 208.0
大衡 319.0 江ノ島 194.5
名取 290.0 築館 192.5
塩釜 287.0 気仙沼 183.0
加美 284.0 新川 171.0
鹿島台 274.0 駒ノ湯 156.5
亘理 268.0 川渡 138.5
志津川 251.0 鶯沢 110.0
しかく大崎管内観測地点の降水量
16 17 18 19 20 21 22 23 24 1 2 3 4 5 6
12日 13日
古川 1 0 2.5 14.5 16 16 20.5 27.5 32 25 12.5 5 3 0 1.5
川渡 0 1 0.5 11 10.5 11 12.5 14 20.5 21 9.5 7.5 0.5 0 0
加美 1.5 1 4.5 18 32 29.5 34 42 38 22 11.5 10.5 2 1.5 1
鹿島台 1 0 4.5 14 13.5 12.5 30 42 42 45 30 9.5 1.5 2.5 0.505101520253035404550観測地点(古川・川渡・加美・鹿島台)ごと降水量
(注記)気象庁ホームページより転載
単位:mm降水量mm
(注記)12 日 16 時から 13 日 6 時まで
時 間 -7-【I】令和元年台風第19号災害の概要
3 河川状況
10 月 11 日からの降水により,大崎管内を流れる小規模河川,代表的な一級河川についても越水や堤防
の破堤により,住宅地,水田等が広範囲にわたり浸水した。
大崎市鹿島台大迫地区では大郷町の吉田川が決壊したことにより,広範囲で家屋の浸水被害が発生し多
数の住民が取り残されるなど,甚大な被害が発生した。
(1)大崎市鹿島台大迫地区冠水被害状況
10 月 13 日,大崎市鹿島台大迫地区を流れる吉田川が氾濫し,河川左岸より同地区へ流入した。
しかく河川時間的水位状況
月 日
水防団待機
水位 4.0m
氾濫注意
水位 5.7m
避難判断
水位 8.0m
氾濫危険
水位 8.20m
計画高
水位 8.20m
洪水ピーク
水位 9.92m
10 月12日 21:20 23:10
10 月13日 1:10 1:20 1:20 4:30
(注記)粕川水位観測所(鳴瀬川水系吉田川)地点
(注記)時間は東北地方整備局聴き取り
しかく冠水地区と世帯数
冠水地区 世帯数 人 数
上志田地区 84 世帯 263 名
下志田地区 125 世帯 372 名
合 計 209 世帯 635 名
(注記)大崎市聴き取り
上志田地区
(84 世帯 263 名)
下志田地区
(125 世帯 372 名)
鶴田川
吉田川
冠 水 範 囲
志田谷地排水機場
黒川郡大郷町粕川字伝三郎地先
左岸堤防決壊の為上流から流入
吉田川左岸越水箇所
(注記)冠水範囲大崎市提供
(注記)大郷町粕川の堤防決壊箇所 幅約 100mが決壊した -8-【I】令和元年台風第19号災害の概要
(2)大崎市古川西荒井地区冠水被害状況
10 月 13 日,大崎市古川西荒井地区を流れる渋井川が氾濫し,河川右岸から同地区へ流入した。
しかく河川時間的水位状況
月 日
水防団待機水位
(2.55m)
氾濫注意水位
(3.05m)
避難判断水位
(3.60m)
氾濫危険水位
(3.80m)
越 水
10 月 12 日
23 時 00 分
(2.60m)
10 月 13 日
0 時 20 分
(3.08m)
1 時 50 分
(3.64m)
2 時 20 分
(3.88m)
4 時 05 分
(注記)西荒井観測局(鳴瀬川水系渋井川)地点
(注記)時間は宮城県河川流域情報システム参照
しかく冠水地区と世帯数
冠水地区 世帯数 床上浸水 床下浸水
若木地区 11世帯 7世帯 4世帯
東田地区 7世帯 3世帯 4世帯
大田地区 7世帯 1世帯 6世帯
合 計 25世帯 11世帯 14世帯
破堤箇所(R1.10.13.6:00) 破堤箇所(R1.10.14.12:00)
法崩箇所(R1.10.13.6:00) ポンプ稼働状況
(若木橋上流)(注記)順次移動
R1.10.14.14:00
東北自動車道
東北新幹線
国道4号
至仙台
冠 水 範 囲
:法崩箇所
:破堤箇所
(注記)冠水範囲大崎市提供
(注記)大崎市聴き取り -9-【I】令和元年台風第19号災害の概要
(3)大崎市古川新沼地区冠水被害状況
10月13日,大崎市古川新沼地区を流れる多田川及び名蓋川が氾濫し,同地区へ流入した。
しかく冠水地区と世帯数1冠水地区 世帯数 床上浸水 床下浸水
行人堰地区 8世帯 4世帯 4世帯
大下地区 1世帯 1世帯 0世帯
合 計 9世帯 5世帯 4世帯1多田川
名蓋川
多田川
矢ノ目排水機場
1右岸
右岸
左岸
2左岸 3左岸
4右岸1234
(注記)冠水範囲
大崎市提供
(注記)大崎市聴き取り
冠水範囲
-10-
【I】令和元年台風第19号災害の概要
4 被害の概要
しかく道路の交通規制
冠水や倒木などの影響で,生活道路を含め多数の道路が通行止めになった。
路 線 名 状 況 規制解除
国道 347 号線 加美町筒砂〜加美町外川 全面通行止め(土砂災害のおそれ) 10 月 13 日
県道 249 号線 岩入一迫線 全面通行止め(土砂災害のおそれ) 10 月 16 日
国道 457 号線 加美町新木伏 全面通行止め(冠水のため) 10 月 13 日
国道 346 号線 涌谷町成沢字杉の沢 全面通行止め(法面崩壊のため) 10 月 18 日
国道 347 号線 古川渋井字水押 全面通行止め(冠水のため) 10 月 13 日
主要地方道古川登米線 田尻字町 小塩 大貫字上長根 全面通行止め(冠水のため) 10 月 14 日
一般県道大迫松山線 松山千石字松山 全面通行止め(冠水のため) 10 月 13 日
主要地方道鹿島台高清水線 美里町中埣字東田 全面通行止め(冠水のため) 10 月 14 日
一般県道涌谷田尻線 田尻大沢字百々一 全面通行止め(冠水のため) 10 月 14 日
主要地方道古川一迫線 古川雨生沢字鹿ノ沢 全面通行止め(冠水のため) 10 月 13 日
一般県道坂本古川線 古川穂波 3 丁目 堤根堅堀 全面通行止め(冠水のため) 10 月 14 日
一般県道涌谷三本木線 三本木桑折字八幡東 美里町字西館 全面通行止め(冠水のため) 10 月 14 日
主要地方道涌谷津山線 涌谷字千間江〜涌谷字酌子 全面通行止め(冠水のため) 10 月 14 日
一般県道小野田三本木線 三本木斉田字伊勢堂〜三本木坂本 全面通行止め(冠水のため) 10 月 13 日
一般県道柳沢中新田線 加美町米泉字上川原 全面通行止め(法面崩壊のため) 11 月 16 日
主要地方道最上鬼首線 鬼首小向原〜山形県境 全面通行止め(土砂災害のおそれ) 10 月 15 日
県道坂本古川線(大崎市古川新沼地区) 国道 4 号線(大崎市三本木地区)
-11-
【I】令和元年台風第19号災害の概要
月 日 区 分 人 数 発生場所 概 要
10 月 13 日 中等症 1 名 大崎市古川 避難中に転倒
10 月 13 日 軽 症 1 名 涌谷町涌谷 自宅冠水に伴い,低体温症疑い
月 日 時 刻 場 所
10 月 12 日
21:08 美里町練牛 10 戸未満 10 月 13 日 17:40 解消
23:48 美里町北浦 10 戸未満 10 月 13 日 12:55 解消
10 月 13 日
1:17 大崎市三本木伊場野約 10 戸 10 月 13 日 12:55 解消
2:22 涌谷町成沢約 40 戸 10 月 13 日 13:39 解消
9:04 大崎市鳴子温泉 10 戸未満 10 月 13 日 11:26 解消
10 月 15 日 15:09 大崎市鹿島台大迫 150 戸 10 月 22 日 12:00 解消
月 日 路 線 名 状 況 規制解除
10 月 12 日
東北自動車道 全面通行止め
10 月 14 日時点
通行止め箇所無し
三陸自動車道 全面通行止め
仙台北部道路 全面通行止め
月 日 路 線 名 規制解除
10 月 12 日
東北新幹線 終日運転見合わせ
10 月 15 日 5 時 30 分
より
通常運転
陸羽東線 終日運転見合わせ
東北本線 一部運休
石巻線 終日運転見合わせ
しかく人的被害
しかく停電情報
しかく高速道等交通規制
しかくJR 運行情報
-12-
【II】構成市町,消防本部の対応
1 市町の対応
市 町 発令時間 配備体制 種 別 対象地域
大崎市
10 月 12 日 9:00 1 号配備
10 月 12 日 15:00 避難準備 警戒レベル 3 発令 市内全域
10 月 12 日 20:00 避難勧告 警戒レベル 4 発令 古川地域長岡,雨生沢地区
10 月 12 日 20:15 避難勧告 警戒レベル 4 三本木地域斉田,音無地区
10 月 12 日 20:45 避難勧告 警戒レベル 4 鹿島台,三本木,松山,田尻
10 月 12 日 21:30 2 号配備 避難勧告 警戒レベル 4 鹿島台地域大迫地区
10 月 12 日 23:00 避難勧告 警戒レベル 4 三本木地域全域
10 月 12 日 23:50 避難勧告 警戒レベル 4 岩出山
10 月 13 日 1:00 避難指示 警戒レベル 4 市内全域
10 月 13 日 3:30 3 号配備
10 月 13 日 3:45 警戒レベル 5 発令
鹿島台地域上志田地区で
吉田川越水
10 月 13 日 4:05 警戒レベル 5 発令
古川地域西荒井地区で渋
井川越水
色麻町
10 月 12 日 10:00 0 号配備
10 月 12 日 13:00 1 号配備
10 月 12 日 15:00 避難準備 警戒レベル 3 発令 色麻町全域
10 月 12 日 17:30 2 号配備
10 月 12 日 18:00 避難勧告 警戒レベル 4 発令 17 地区
10 月 12 日 22:20 3 号配備
10 月 12 日 22:40 避難指示 警戒レベル 4 4 地区
加美町
10 月 12 日 10:00 0 号配備
10 月 12 日 13:00 1 号配備 避難準備 警戒レベル 3 発令 加美町全域
10 月 12 日 16:00 2 号配備
10 月 12 日 18:00 3 号配備
10 月 12 日 19:00 避難勧告 警戒レベル 4 発令 加美町全域
10 月 12 日 23:38 避難指示 警戒レベル 4 下狼塚,平柳,雑式目
10 月 13 日 0:30 避難指示 警戒レベル 4 加美町全域
涌谷町
10 月 12 日 9:00 3 号配備
10 月 12 日 11:00 避難準備 警戒レベル 3 発令 涌谷町全域
10 月 12 日 16:30 避難勧告 警戒レベル 4 発令 涌谷町全域
10 月 13 日 1:30 避難指示 警戒レベル 4 涌谷町全域
美里町
10 月 12 日 9:00 2 号配備
10 月 12 日 12:30 避難準備 警戒レベル 3 発令 美里町全域
10 月 12 日 19:00 避難勧告 警戒レベル 4 発令 美里町全域
しかく各市町の非常配備体制,災害警戒レベル発令状況
- 13 -
【II】構成市町,消防本部の対応
緊急速報エリアメール
- 14 -
【II】構成市町,消防本部の対応
くろまる避難所開設,避難状況
令和元年台風第 19 号災害において,各地区に発令された避難準備・避難勧告・避難指示に伴い,
最大で 54 箇所の避難所を開設,最大 2,952 名が避難した。その後,自宅での生活が困難となった方が
避難所で生活したが,12 月 1 日の旧鹿島台第 2 小学校の閉鎖をもって,全ての避難所が閉鎖された。
市 町 発令時間 避難所開設数 避難世帯数・避難人数
大崎市東部
10 月 12 日 15:00 7 箇所 81 世帯・142 名
10 月 12 日 20:00 15 箇所 668 世帯・1,616 名
10 月 14 日 9:00 3 箇所 111 世帯・264 名
10 月 18 日 8:00 1 箇所 56 世帯・153 名
12 月 1 日 10:30 閉 鎖
大崎市西部
10 月 12 日 15:00 5 箇所 12 世帯・28 名
10 月 13 日 20:00 6 箇所 69 世帯・113 名
10 月 13 日 9:00 閉 鎖
色麻町
10 月 12 日 14:30 3 箇所 0 世帯・0 名
10 月 12 日 17:00 3 箇所 49 世帯・84 名
10 月 13 日 2:00 4 箇所 205 世帯・483 名
10 月 13 日 7:00 閉 鎖
加美町
10 月 12 日 13:30 5 箇所 2 世帯・16 名
10 月 12 日 17:00 8 箇所 21 世帯・51 名
10 月 12 日 20:00 12 箇所 70 世帯・154 名
10 月 12 日 23:00 15 箇所 114 世帯・294 名
10 月 13 日 11:00 閉 鎖
涌谷町
10 月 12 日 11:00 8 箇所 0 世帯・0 名
10 月 12 日 17:00 10 箇所 世帯不明・264 名
10 月 14 日 15:00 1 箇所 4 世帯・11 名
10 月 15 日 8:30 閉 鎖
美里町
10 月 12 日 12:30 4 箇所 0 世帯・0 名
10 月 12 日 17:00 4 箇所 世帯不明・182 名
10 月 14 日 6:30 閉 鎖
旧鹿島台第2小学校体育館
(注記)産経新聞ホームページより転載
(注記)各市町聴き取り
- 15 -
【II】構成市町,消防本部の対応
2 消防本部会議
台風の上陸前の早期から災害対応体制を確立するため,消防本部では 10 月 11 日 13 時 00 分,第 1 回消防
本部会議を開催。最新の気象情報や降水量のピーク時予想などから,対応策を検討した。
その後,被害状況や避難状況などから随時会議を開催し対応策を検討,大崎消防本部一丸となり夜を徹して
災害対応にあたった。最終的に,消防本部会議は計 6 回開催された。
しかく消防本部会議開催状況
日 時 決 定 事 項
第 1 回
10 月 11 日
13:00〜
大型で猛烈な台風であるため,早期態勢の確立を決定
第 2 回
10 月 12 日
9:00〜
各気象警報発令を勘案しながら,第 1 次,第 2 次非常配備体制を執るこ
とを確認,また,職員参集は,安全を考慮した時間帯で行うことを決定
第 3 回
10 月 12 日
18:00〜
管内全域に大雨警報の発令を受け,21 時を目安に第 3 次非常配備を決定
第4回
10 月 12 日
20:50〜
気象状況を勘案し 21 時をもって,第 3 次非常配備の発令を再確認
第 5 回
10 月 13 日
3:30〜
仙南消防本部への広域応援を検討するため,各署所の状況確認を実施
第 6 回
10 月 13 日
8:30〜
被害状況から 9 時 30 分に第 2 次非常配備へと移行。その後は,各署所の
実情に応じて判断することを決定
- 16 -
【II】構成市町,消防本部の対応
3 大崎消防本部配備体制
消防本部会議での決定事項により,12 日 17 時 17 分に大崎管内一斉での第 2 次非常配備を発令。その後,
同日 21 時 00 分に第 3 次非常配備を発令した。
また,第 3 次非常配備は,平成 27 年関東・東北豪雨時に冠水により職員の参集に支障をきたした教訓と,参
集職員の安全を最大限考慮し,大雨特別警報発令前に配備完了した。
しかく配備体制移行状況
10 月 非常配備体制 消防本部 古川管内 鳴子管内 加美管内 遠田管内 備 考
12 日
第 1 次非常配備 12:00 12:48
暴風警報発令
12:48
第 2 次非常配備 17:17
大雨警報発令
17:17
第 3 次非常配備 21:00 大雨特別警報
0:30 発令
5:45 解除
13 日
第 2 次非常配備 9:30 9:30 ― 9:30 9:30
第 1 次非常配備 ― ― ― ― 15:00
解 除 19:30 17:15 9:30 12:00 18:00
通常体制 第 1 次非常配備 第 2 次非常配備 第 3 次非常配備
80 名 131 名(51 名増強) 165 名(34 名増強) 251 名(86 名増強)
台風進路について10月9日15時の予報(上陸約3日前)
10月9日15時の予報の
予報円の中心の進路
実際の進路
(速報)
9日15時時点の
12日15時の予報
非常に強い
950hPa 45m/s
(注記)気象庁ホームページより転載
- 17 -
【III】災害への対応
1 通信指令センター
(1)通信指令センター受付体制の強化
大崎消防本部通信指令センターでは,常時 4 名を配置し 119 番通報の受付,適切な車両への出動指
令,出動隊との無線交信を行っている。
令和元年台風第 19 号への対応については,総務省消防庁から発出された「消防災第 88 号 台風第 19
号への対応について(令和元年 10 月 8 日)」,「消防応第 40 号 台風第 19 号の接近に伴う被害状況等の
報告について(令和元年 10 月 8 日)」,「消防情第 83 号 令和元年台風第 19 号に備えた通信手段等の
確認について(令和元年 10 月 8 日)」による助言と,平成 27 年 9 月関東・東北豪雨災害の経験に基づき,
台風上陸前から通信機器の再確認,情報伝達体制の確立等準備を行った。
災害発生が予想される 10 月 12 日は,災害対応に備え 12 時 00 分,17 時 17 分,21 時 00 分と非常配
備体制を順次改組。管制員を増員し,計 10 名で多発する 119 番通報の対応及び情報収集など体制の強
化を図った。
(2)119番入電及び指令状況
10 月 12 日 22 時 00 分頃より,大雨による被害について 119 番の入電があった。23 時 00 分頃からは「家
屋の浸水」,「道路の冠水」,「用水路の越水」などの通報が多くなり,降雨量のピークを迎えた 13 日 0 時 00
分から 1 時 00 分までの 1 時間には,台風に起因する災害に対する出動指令は 17 件となった。降雨量の
推移とともに,「水没した車両への閉じ込め」,「浸水により避難が困難」などの通報が増していった。
16時 17時 18時 19時 20時 21時 22時 23時 24時 1時 2時 3時
12日 13日
降雨量 1.0 0.0 2.5 14.5 16.0 16.0 20.5 27.5 32.0 25.0 12.5 5.0
119入電状況 1 4 12 19 8 2 30.05.010.015.020.025.030.035.0
時間毎 降雨量と119番入電状況
降雨量 119入電状況降水量mm
mm 件
時 間
- 18 -
【III】災害への対応
しかく令和元年 10 月 12 日〜13 日の入電状況
日 時
総入電
件 数
台 風 に
起 因 す
る 入 電
件 数
その他災害
救 急 火 災 救 助 その他
浸水
冠水
強風
危険物
漏洩
その他12日
〜20:59 37 0
21:00〜 2 1 1
22:00〜 5 3 3
23:00〜 12 11 1113日
0:00〜 19 17 3 1 13
1:00〜 12 7 1 2 4
2:00〜 13 2 1 1
3:00〜 8 1 1
4:00〜 9 3 1 1 1
5:00〜 4 1 1
6:00〜 4 1 1
7:00〜 7 3 1 1 1
8:00〜 8 1 1
9:00〜 40 9 4 1 4
合 計 180 60 12 2 2 7 2 0 0 35
(注記)総入電件数は訓練通報,間違い,試験を除く全ての入電件数
涌谷町字新下町地区の冠水状況
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【III】災害への対応
2 災害活動状況
大崎消防本部では第 3 次非常配備体制下において,関係機関との情報交換を密に災害対応にあたっ
た。特に,大崎市の古川地区及び鹿島台大迫地区での河川氾濫による浸水被害が甚大であった。同地区
における住宅等からの避難支援では,当消防本部,陸上自衛隊所有のゴムボートによる活動を実施。さら
には,宮城県,山形県の防災ヘリコプター,札幌市消防局の消防ヘリコプター,秋田県警,山梨県警のヘ
リコプターによる救出活動が行われた。
その他災害の内訳 件 数 出動隊数 出動人員
浸水による避難 9 件 大崎市 9 24 隊 74 名
車両水没 5 件 大崎市 5 5 隊 23 名
危険物流出 7 件 大崎市 5・涌谷町 2 21 隊 65 名
土 砂 2 件 大崎市 1・涌谷町 1 2 隊 8 名
支 援 2 件 涌谷町 2 2 隊 7 名
強風による建物損壊 1 件 大崎市 1 1 隊 4 名
倒 木 1 件 大崎市 1 1 隊 4 名
誤 報 1 件 大崎市 1 1 隊 4 名
合 計 28 件 57 隊 189 名
しかくその他災害内訳 28 件(大崎市:23 件 涌谷町:5 件)
大崎市鹿島台姥ヶ沢地区での活動状況
大崎市鹿島台大迫地区での自衛隊との活動状況
- 20 -
【III】災害への対応
(1)吉田川決壊による 大崎市鹿島台大迫地区 23 世帯 52 名
ヘリコプターによる搬送・・・32 名
ボートによる搬送・・・・・・18 名
徒手による搬送・・・・・・・ 2 名
(2)大雨による浸水 大崎市鹿島台木間塚地区 11 世帯 23 名
ボートによる搬送・・・・・・23 名
(3)渋井川決壊による 大崎市古川西荒井地区 9 世帯 33 名
ボートによる搬送・・・・・・28 名
徒手による搬送・・・・・・・ 5 名
(4)名蓋川決壊による 大崎市古川新沼地区 5 世帯 12 名
ボートによる搬送・・・・・・12 名
搬送種別 活 動 機 関 搬送人員
ヘリコプターによる搬送
宮城県防災航空隊,山形県防災航空隊
札幌市消防局,秋田県警,山梨県警
32 名
ボートによる搬送
大崎消防本部(延べ 8 艇)
大崎市消防団(1 艇)
,陸上自衛隊(4 艇)
81 名
徒手による搬送 大崎消防本部 7 名
合 計 120 名
札幌市消防局提供 山梨県警ヘリコプターの活動状況
しかく浸水による孤立の状況及び救出人員
- 21 -
【III】災害への対応
くろまる危険物漏洩
大崎市鹿島台大迫地区において,浸水によるホームタンク等の転倒,農業用施設からの重油など,地区一
帯に危険物が流出。鹿島台総合支所において,鹿島台地域災害対策関係機関連絡会議が 11 月 1 日まで
の間に計 8 回開催される。会議での協議などを踏まえ,10 月 20 日から 23 日までの延べ 4 日間,ボートを使
用して油処理マットなどによる吸着処理,回収作業を実施。4 日間で,延べ 61 人の隊員で活動。
また,下志田橋右岸の排水路南北 2 箇所にオイルフェンスを設置,10 月 22 日以降には少量危険物施設
の立入検査や各戸を巡回し,漏油箇所の拡散防止を図りながら火災予防対策を実施した。
重油等が混入した稲わら
(拡散防止作業を実施)
浸水地区へのボートによる危険物吸着活動 漏油箇所の確認作業
(注記)エムテックス(株)様より大崎市が寄贈を受けた,油処理マットを活用し,漏油の回収作業にあたった。
- 22 -
【III】災害への対応
3 各署所の動き
くろまる各署所の現況(平成31年4月1日 現在)
(1)古川消防署管内
しかく古川消防署
・職 員 数:57 名(交代制勤務 48 名,毎日勤務 9 名)
・配置車両:11 台(指揮車 1 台,ポンプ車 1 台,化学車 1 台,大型水槽車 1 台,はしご車 1 台,救助工作
車 1 台,救急車 2 台,その他の車両 3 台)
しかく志田分署
・職 員 数:20 名(交代制勤務 18 名,毎日勤務 2 名)
・配置車両:4 台(ポンプ車 1 台,水槽付ポンプ車 1 台,救急車 1 台,その他の車両 1 台)
しかく田尻分署
・職 員 数:19 名(交代制勤務 18 名,毎日勤務 1 名)
・配置車両:4 台(ポンプ車 1 台,水槽付ポンプ車 1 台,救急車 1 台,その他の車両 1 台)
しかく三本木出張所
・職 員 数:17 名(交代制勤務 15 名,毎日勤務 2 名)
・配置車両:3 台(ポンプ車 1 台,救急車 1 台,その他の車両 1 台)
(2)鳴子消防署管内
しかく鳴子消防署
・職 員 数:39 名(交代制勤務 35 名,毎日勤務 4 名)
・配置車両:6 台(指揮車 1 台,救助ポンプ車 1 台,水槽付ポンプ車 1 台,はしご車 1 台,救急車 1 台,
その他の車両 1 台)
しかく岩出山分署
・職 員 数:19 名(交代制勤務 18 名,毎日勤務 1 名)
・配置車両:4 台(ポンプ車 1 台,水槽付ポンプ車 1 台,救急車 1 台,その他の車両 1 台)
(3)加美消防署管内
しかく加美消防署
・職 員 数:37 名(交代制勤務 33 名,毎日勤務 4 名)
・配置車両:6 台(指揮車 1 台,救助ポンプ車 1 台,水槽付ポンプ車 1 台,大型水槽車 1 台,救急車 1 台,
その他の車両 1 台)
しかく西部分署
・職 員 数:20 名(交代制勤務 18 名,毎日勤務 2 名)
・配置車両:4 台(ポンプ車 1 台,水槽付ポンプ車 1 台,救急車 1 台,その他の車両 1 台)
(4)遠田消防署管内
しかく遠田消防署
・職 員 数:42 名(交代制勤務 38 名,毎日勤務 4 名)
・配置車両:8 台(指揮車 1 台,救助ポンプ車 1 台,水槽付ポンプ車 1 台,大型水槽車 1 台,救急車 2 台,
その他の車両 2 台)
- 23 -
【III】災害への対応
くろまる各署所の体制(消防活動規程第 17 条第 2 項に基づく,非常配備状況)
(1)第一次非常配備(10 月 12 日 13:00 発令)
所属
勤務人員
備考
発令前 (招集人員) 発令後
古川消防署 14 名 +4 名 18 名 【署】
警防隊・救助隊 1 隊 4 名
古川救助隊を専任
遠田第 2 救急隊を専任
【分署】
救急隊を専任
警防隊 2 隊(各 3 名)
【出張所】
警防隊 1 隊 3 名
志田分署 6 名 +4 名 10 名
田尻分署 6 名 +4 名 10 名
三本木出張所 5 名 +1 名 6 名
鳴子消防署 9 名 +2 名 11 名
岩出山分署 6 名 +4 名 10 名
加美消防署 9 名 +4 名 13 名
西部分署 6 名 +4 名 10 名
遠田消防署 11 名 +4 名 15 名
(2)第二次非常配備(10 月 12 日 17:17 発令)
所属
勤務人員
備考
発令前 (招集人員) 発令後
古川消防署 18 名 +3 名 21 名 【署】
指揮隊 2 名の確保
通信 1 名
【分署】
警防隊 1 隊のみ 4 名
通信 1 名
【出張所】
警防隊 1 隊 4 名
通信 1 名
志田分署 10 名 +2 名 12 名
田尻分署 10 名 +2 名 12 名
三本木出張所 6 名 +2 名 8 名
鳴子消防署 11 名 +2 名 13 名
岩出山分署 10 名 +2 名 12 名
加美消防署 13 名 +3 名 16 名
西部分署 10 名 +2 名 12 名
遠田消防署 15 名 +3 名 18 名
(3)第三次非常配備(10 月 12 日 21:00 発令)
所属
勤務人員
備考
発令前 (招集人員) 発令後
古川消防署 21 名 +15 名 36 名
志田分署 12 名 +5 名 17 名
田尻分署 12 名 +6 名 18 名
三本木出張所 8 名 +2 名 10 名
鳴子消防署 13 名 +12 名 25 名
岩出山分署 12 名 +5 名 17 名
加美消防署 16 名 +10 名 26 名
西部分署 12 名 +5 名 17 名
遠田消防署 18 名 +14 名 32 名
- 24 -
【III】災害への対応
くろまる主な活動概要
しかく古川消防署
10 月 13 日,大崎市古川西荒井地区の若木橋下流で渋井川右岸の決壊により,付近一帯が冠水し住宅が
孤立した。消防隊及び消防団が連携し, 9 世帯 33 名をボートで救出した。
また,大崎市古川新沼地区では,名蓋川右岸の決壊により,県道坂本古川線の落合橋から堅堀橋までの
付近一帯が冠水し,5 世帯 12 名をボートで救出した。
なお,現場は強風及び流速が早かったため,船外機付きボートによる救出活動を行った。
しろいしかく志田分署
10 月 13 日,大崎市鹿島台木間塚字姥ヶ沢地区では用水路が溢れて浸水が発生し,11 世帯 23 名をボー
トで救出した。
また,大崎市鹿島台大迫地区を流れる吉田川の上流(大郷町粕川地区)が決壊し,大迫志田谷地地区の
合計 209 世帯に及ぶ大規模な浸水が発生,他機関(自衛隊,消防防災ヘリ,警察等)からの応援を受け,ボ
ート及びヘリコプターにより,23 世帯 52 名を救出した。
さらに,大迫志田谷地地区に流出した漏油の回収作業を,10 月 20 日から 4 日間実施した。
しろいしかく田尻分署
10 月 12 日 19 時 10 分,土砂災害警戒情報発表により大崎市役所田尻総合支所と連携し,ポンプ車,連
絡車で土砂災害警戒区域及び氾濫想定区域の避難広報を実施した。
大崎市田尻地区各所で道路冠水が多数発生し,活動の支障となった。
しろいしかく三本木出張所
第 1 次非常配備体制後,平成 27 年 9 月関東・東北豪雨時に発生した道路冠水箇所を事前確認するとと
もに,大崎市三本木地区における土砂災害警戒区域及びハザードマップによる浸水想定区域の把握に務め
た。
随時,大崎市役所三本木総合支所で開催された現地災害対策会議には出張所長が出席し,被害や避難
所開設状況等について情報共有を図った。
大崎市鳴子温泉地区では,災害出動を伴う大きな人的・家屋被害はなかったことから,早期に非常配備体
制を解除し,宮城県広域消防相互応援協定に基づく応援活動隊として丸森町へ派遣し行方不明者の捜索
活動等を行った。
しろいしかく岩出山分署
大崎市役所岩出山総合支所にリエゾンを派遣し,避難状況や冠水による通行止め箇所等の情報共有を図
り,土砂崩れや河川等の氾濫危険箇所等の警戒活動を円滑に実施した。
(1)古川消防署管内
しかく古川消防署
10 月 13 日,大崎市古川西荒井地区の若木橋下流で渋井川右岸の決壊により,付近一帯が冠水し住宅が
孤立した。消防隊及び消防団が連携し, 9 世帯 33 名をボートで救出した。
また,大崎市古川新沼地区では,名蓋川右岸の決壊により,県道坂本古川線の落合橋から堅堀橋までの付
近一帯が冠水し,5 世帯 12 名をボートで救出した。
なお,現場は強風及び流速が早かったため,船外機付きボートによる救出活動を行った。
しろいしかく志田分署
10 月 13 日,大崎市鹿島台木間塚字姥ヶ沢地区では用水路が溢れて浸水が発生し,11 世帯 23 名をボート
で救出した。
また,大崎市鹿島台大迫地区を流れる吉田川の上流(大郷町粕川地区)が決壊し,大迫志田谷地地区の合
計 209 世帯に及ぶ大規模な浸水が発生,他機関(自衛隊,消防防災ヘリ,警察等)からの応援を受け,ボート
及びヘリコプターにより,23 世帯 52 名を救出した。
さらに,大迫志田谷地地区に流出した漏油の回収作業を,10 月 20 日から 4 日間実施した。
しろいしかく田尻分署
10 月 12 日 19 時 10 分,土砂災害警戒情報発表により大崎市役所田尻総合支所と連携し,ポンプ車,連絡
車で土砂災害警戒区域及び氾濫想定区域の避難広報を実施した。
大崎市田尻地区各所で道路冠水が多数発生し,活動の支障となった。
しろいしかく三本木出張所
第 1 次非常配備体制後,平成 27 年 9 月関東・東北豪雨時に発生した道路冠水箇所を事前確認するととも
に,大崎市三本木地区における土砂災害警戒区域及びハザードマップによる浸水想定区域の把握に務めた。
随時,大崎市役所三本木総合支所で開催された現地災害対策会議には出張所長が出席し,被害や避難
所開設状況等について情報共有を図った。
(2)鳴子消防署管内
しかく鳴子消防署
大崎市鳴子温泉地区では,災害出動を伴う大きな人的・家屋被害はなかったことから,早期に非常配備体
制を解除し,宮城県広域消防相互応援協定に基づく応援活動隊として丸森町へ派遣し行方不明者の捜索活
動等を行った。
しろいしかく岩出山分署
大崎市役所岩出山総合支所にリエゾンを派遣し,避難状況や冠水による通行止め箇所等の情報共有を図
り,土砂崩れや河川等の氾濫危険箇所等の警戒活動を円滑に実施した。
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【III】災害への対応
しかく加美消防署
加美町・色麻町では,119 番入電による災害出動はなかったが,両町へリエゾンを派遣し,避難状況や冠
水による通行止め箇所等の情報共有を図った。
加美消防署の北側を流れる鳴瀬川が増水した為,深川から鳴瀬川に接続される水門が閉鎖された。降雨
量が増したことにより,水門で堰き止められた川水及び内水が行き場を無くし,加美消防署敷地が冠水したこ
とから,10 月 13 日 3 時 00 分に色麻町及び加美町の役場庁舎に車両及び職員を移動配置し災害対応体制
を構築した。
しろいしかく西部分署
10 月 13 日早朝,管内の被害調査に出向。加美町宮崎北川内地区の住宅前の橋が崩落,加美町宮崎米
泉地区の法面の崩落,加美町小野田鹿原川前地区の道路の破損,また同地区の橋の崩落を確認するが,
当分署管内で台風第 19 号に係る災害及び人的被害の発生はなかった。
しかく遠田消防署
10 月 13 日,大崎市鹿島台へのボートを使用した救出応援出動 2 件,遠田消防署のヘリポートを使用し,
宮城県防災航空隊及び山形県消防防災航空隊,札幌市消防局消防航空隊が計 7 回 19 名を救出したヘリ
ポートの安全管理に伴う支援出動 1 件,その他冠水によりホームタンク等からの危険物漏洩や避難困難者等
の避難支援による災害出動 5 件,計 8 件の災害活動にあたった。
また,遠田消防署は,国土交通省が作成している浸水想定区域にあり,鳴瀬川が氾濫危険水位(野田橋)
の 6.7mを超えたことから,消防車両の出動体制を確保するため,10 月 13 日 6 時に涌谷町町民医療福祉セ
ンターと美里町文化会館に消防車両を移動配置した。
(3)加美消防署管内
しかく加美消防署
加美町・色麻町では,119 番入電による災害出動はなかったが,両町へリエゾンを派遣し,避難状況や冠水
による通行止め箇所等の情報共有を図った。
加美消防署の北側を流れる鳴瀬川が増水した為,深川から鳴瀬川に接続される水門が閉鎖された。
降雨量が増したことにより,水門で堰き止められた川水及び内水が行き場を無くし,加美消防署敷地が冠水
したことから,10 月 13 日 3 時 00 分に色麻町及び加美町の役場庁舎に車両及び職員を移動配置し災害対応
体制を構築した。
しろいしかく西部分署
10 月 13 日早朝,管内の被害調査に出向。加美町宮崎北川内地区の住宅前の橋が崩落,加美町宮崎米泉
地区の法面の崩落,加美町小野田鹿原川前地区の道路の破損,また同地区の橋の崩落を確認するが,当分
署管内で台風第 19 号に係る災害及び人的被害の発生はなかった。
(4)遠田消防署管内
しかく遠田消防署
10 月 13 日,大崎市鹿島台へのボートを使用した救出応援出動 2 件,遠田消防署のヘリポートを使用し,宮
城県防災航空隊及び山形県消防防災航空隊,札幌市消防局消防航空隊が計 7 回 19 名を救出したヘリポー
トの安全管理に伴う支援出動 1 件,その他冠水によりホームタンク等からの危険物漏洩や避難困難者等の避
難支援による災害出動 5 件,計 8 件の災害活動にあたった。
また,遠田消防署は,国土交通省が作成している浸水想定区域にあり,鳴瀬川が氾濫危険水位(野田橋)
の 6.7mを超えたことから,消防車両の出動体制を確保するため,10 月 13 日 6 時に涌谷町町民医療福祉セ
ンターと美里町文化会館に消防車両を移動配置した。
加美消防署玄関前の状況 10 月 13 日 3:00 頃撮影
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【IV】県内広域消防相互応援
1 丸森町への応援
大崎消防本部では,宮城県広域消防相互応援協定に基づき仙南地域広域行政事務組合消防本部より応
援要請を受ける。10 月 13 日から 10 月 25 日までの内 9 日間,計 14 隊 48 名の隊員を派遣し,丸森町での
行方不明者の捜索活動及び救急搬送業務,住民の安否確認を実施。
(注記)10 月 19 日は悪天候のため活動中止。10 月 21 日以降は,活動隊の規模が縮小され,大崎消防本部の派遣割当てが 22 日及び 25 日のみとなった。
日 時 措 置 概 要
10 月 13 日(日)0:50仙南地域広域行政事務組合消防本部より宮城県広域消防応援協定に基づき,
応援要請を受ける。
10 月 13 日(日)
0:50〜
要請段階では大崎管内における災害に優先的に対応し,当消防本部における消
防力を勘案しつつ応援の可否について調整を図る。
代表消防機関(仙台市消防局)から消火小隊1隊の派遣を打診される。
10 月 13 日(日)8:30管理者の承認を受け,応援を決定する。
応援決定に伴い,消防本部内に支援本部を設置する。
10 月 13 日(日)
9:30〜
鳴子消防署の非常配備体制を解除し,出動車両の回送等を行い鳴子隊の出動
体制を整える。
10 月 13 日(日)
10:38〜20:45
第 1 次派遣として鳴子隊(消火小隊)が出動し,丸森町五福谷地区における住民
の安否確認を実施した。
10 月 14 日(月)
8:00〜21:25
第 2 次派遣として加美隊(消火小隊)が出動し,丸森町大内地区における住民の
安否確認を実施した。
10 月 15 日(火)
7:30〜20:53
第 3 次派遣として古川隊(消火小隊)が出動し,丸森町大内地区及び金山地区
における住民の安否確認を実施した。
10 月 16 日(水)7:06〜
10 月 18 日(金)
20:40
【宿営実施】
《消火小隊》
第 4 次派遣として遠田隊(消火小隊)が出動し,丸森町子安地区における住民の
安否確認を実施するとともに,丸森町子安地区及び中島地区における行方不明
者の捜索活動を実施した。
(注記)10 月 16 日,1 名救出。
《救急小隊》
第 4 次派遣として遠田隊(救急小隊)が出動し,丸森病院入院患者 3 名を他の病
院へ搬送した。
《後方支援小隊》
第 4 次派遣として消防本部隊(後方支援小隊)が出動し,現地滞在に伴う宿営及
び給食活動を実施した。
10 月 20 日(日)
7:03〜19:04
第 5 次派遣として加美隊(消火小隊)が出動し,丸森町中島地区における行方不
明者の捜索活動を実施した。
10 月 22 日(火)
6:00〜15:50
第 6 次派遣として鳴子隊(消火小隊)が出動し,丸森町子安地区における行方不
明者の捜索活動を実施した。
10 月 25 日(金)
6:00〜15:40
第 7 次派遣として鳴子隊(消火小隊)が出動し,丸森町子安地区における行方不
明者の捜索活動を実施した。
宮城県広域消防相互応援派遣が終了となった。
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【IV】県内広域消防相互応援
くろまる支援本部会議開催状況
応援隊派遣に伴う各種調整事項の協議や応援活動に係る報告等を行うため,消防本部内に支援本部を
設置。10 月 13 日から 25 日まで支援本部会議を 10 回開催した。
しかく令和元年台風第 19 号に伴う宮城県広域消防相互応援派遣スケジュール
消防本部出動の状況 子安地区での活動状況
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【IV】県内広域消防相互応援
広域消防応援要請書 中島地区での活動状況
宿営場所
解団式の状況
(注記)出動にあたり,(株)共栄防災様より寄贈を受けた,ブルーシート,スコップ等を活用し活動させていただきました。
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【IV】県内広域消防相互応援
宿営場所
大河原総合体育館 R1.10.16〜18
集結場所
旧斉川小学校
(白石市) R1.10.16〜18
第四次派遣活動隊(救急小隊)...遠田隊
転院搬送元 丸森病院 R1.10.16〜
前進指揮所
耕谷ふるさとセンター R1.10.16
前進指揮所
あぶくまの里 R1.10.17
集結場所(現地調整所)
舘矢間まちづくりセンター R1.10.13〜20
解団式
舘矢間まちづくりセンター R1.10.25
集結場所
一休館丸森 R1.10.21〜25
前進指揮所
小斎まちづくりセンター R1.10.15
第四・五次活動隊
(消火小隊)
...遠田隊,
加美隊
中島地区 R1.10.18 , 20
第六・七次派遣活動隊
(消火小隊)
...鳴子隊
子安地区 R1.10.22 , 25
第一次派遣活動隊(消火小隊)...鳴子隊
五福谷地区 R1.10.13
第四次派遣活動隊(消火小隊)...遠田隊
子安地区 R1.10.16〜17 第二次派遣活動隊
(消火小隊)
...加美隊
大内地区 R1.10.14
第三次派遣活動隊(消火小隊)...古川隊
大内・金山地区 R1.10.15
しかく宮城県広域消防相互応援隊(大崎隊)の動き
丸森町
大崎市
白石市
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今後の備え
まとめ
大崎消防本部では,昭和 45 年発足以来,大規模な水害を経験し体制整備,必要資機材の検討等を
重ね,ライフジャケット,ボート等の水難資機材を地域実情に併せて整備してきました。
今回の台風第 19 号の対応にあたっては,これまでの経験を活かしながら仙台管区気象台や河川事
務所等,関係機関の情報を収集するとともに,消防本部会議を随時行い,管内市町と情報共有しながら
配備体制を強化し対応しました。
甚大な被害の中でも,死者が発生しなかったことは不幸中の幸いであり,圏域住民が「命を守る行動」
を理解し,積極的な避難行動を行った成果であると言えます。
また,管内の災害対応を継続しながら仙南地域広域行政事務組合管轄への「宮城県広域消防相互
応援協定」に基づく派遣を行い,大崎消防が一丸となり消防力をフル活用し災害対応にあたりました。
今後の備え
1 非常配備体制
平成 27 年 9 月関東・東北豪雨時に,冠水により招集に苦慮した経験と「大型で猛烈な台風」であ
ることから,早め早めの非常配備体制を執ったことにより消防力が確保され,災害対応することがで
きた。
配備車両に併せた招集人員を明確化する等の検討を行い,見直しを行いながら今後の災害に備
えて参ります。
2 災害対応
毎年実施している「水防工法研修会」を継続して実施し,技術の伝承を図って参ります。
古川消防署に配備していたウレタンボート(平成 29 年度 浜口ウレタン(株)より寄贈)を遠田消防
署に配置換えするとともに,牽引車(トレーラー)を整備し,迅速に使用できる体制を構築します。
令和元年度に総務省消防庁から無償貸与される,中型水陸両用車を土砂災害危険の高い(管
内の土砂災害指定区域 40%以上)鳴子消防署に配備し,迅速かつ効果的に活用できる体制を構
築します。
来年度,当消防本部管轄で行われる予定の「北上川下流・鳴瀬川総合水防演習」等により自然
災害への備えを行うとともに,圏域住民に「命を守る行動」について普及啓発して参ります。
各関係機関及び県内消防本部との連絡体制を確実に行い,円滑な活動が行えるよう調整を図っ
て参ります。
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今後の備え
3 安全管理
「要救助者を早く救いたい」「傷病者を早く病院に収容したい」等,消防の使命を果たそうという思
いから安全管理意識が希薄にならないように,劣悪な現場状況において,危険を予測した行動,判
断ができるよう安全管理体制の徹底を図って参ります。
浸水想定区域内にある加美消防署及び遠田消防署は,色麻町,加美町及び涌谷町との連携が
発揮され,消防車両の円滑な移動配備により災害対応体制の構築が図られた。今後更に連携を深
め万全を期して参ります。
4 広域応援
平成 28 年台風第 10 号被害による岩手県,平成 30 年北海道胆振東部地震による北海道と 2 回
の緊急消防援助隊派遣活動を経験したことにより,迅速な応援体制の構築とスムーズな広域応援
活動に繋がりました。
来年度,当消防本部管轄で行われる予定の「緊急消防援助隊北海道東北ブロック合同訓練」等
により「応援」「受援」体制の検証を行いながら,大規模災害に備えて参ります。
おわりに
地球温暖化による異常気象が予測される中,全国的に甚大な被害をもたらす自然災害が毎年のよう
に発生している状況を踏まえ,大崎消防本部の経験,全国各地の災害を教訓とし,圏域住民に「安心安
全」を提供するため,更なる成長と進化をめざし消防業務に取り組んで参ります。
世界農業遺産 大崎耕土
(注記)宮城県ホームページより転載
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資料編
令和元年台風第 19 号に伴う大雨の要因について
令和元年台風第19号の影響により,東日本から東北地方を中心に広い範囲で記録的な大雨となり,河川が相次
いで氾濫するなど,各地で甚大な被害が発生した。この台風やその接近・上陸に伴い観測された大雨や暴風など
の特徴と,1都12県において大雨特別警報の発表に至った大雨をもたらした気象要因について,速報的に解析し
た結果を10月24日に報道発表で公表した。大雨の要因について解析をさらに進め,数値予報の技術を適用した。
特に地形の影響により降水量が多くなった地域に着目し,定量的な解析を実施した。さらに被害が大きかった地域
における大雨について解析し,その要因を示した。
くろまる記録的な大雨をもたらした主な気象要因について
東海地方から東北地方で記録的な大雨をもたらした気象要因について解析をさらに進めた結果,次の3点が主
要因であることがわかった(図1)。
1 大型で非常に強い勢力をもった台風の接近による多量の水蒸気の流れ込み
2 台風北側の前線の形成・強化及び地形の効果などによる持続的な上昇流の形成
3 台風中心付近の発達した雨雲の直接的影響
大雨が降る場合には必ず多量の水蒸気が上昇し,凝結することで多量の降水を作り出す必要がある。台風中
心付近の雨雲がまだ関東甲信地方に到達していない時期においても,1と2の効果による降水が生じていた。そ
して台風中心付近が通過する際,3の効果が加わり、結果として総降水量が多くなった。
しかく図1 台風第 19 号による記録的な大雨の気象要因のイメージ図
(注記)気象庁ホームページより転載
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資料編
過去の豪雨災害の概要
しかく平成 27 年 9 月関東・東北豪雨
平成27年9月7日に発生した台風第18号は,9月9日午前10時過ぎに愛知県の知多半島付近に上陸し,本土を
横断した後に日本海へ進み,同日午後9時に温帯低気圧に変わった。日本海を北上するこの温帯低気圧と,日本
の東海上(太平洋)にある台風第17号の影響で,関東地方北部から東北地方南部にかけては記録的な豪雨に見
舞われ,大小多くの河川が氾濫するなどにより甚大な災害が発生した。宮城,栃木,茨城の3県で8名の尊い命を
奪い,出秋を襲ったこの豪雨は,気象庁によって「平成27年9月関東・東北豪雨」と命名された。また,平成25年8
月の特別警報制度開始以降,東北地方で初めてとなる「大雨特別警報」が宮城県に発令された(9月11日午前3
時20分)。大崎市では,9月10日の降り始めからの総雨量が,国土交通省北上川下流河川事務所の大崎観測所
(江合川)で194mm,小野田観測所(鳴瀬川)で235mm,嘉太神観測所(吉田川)で354mmに達し,9月11日未明にか
けては,3時間雨量が100mm前後を記録する豪雨となった。
しかく平成27年9月関東・東北豪雨 大崎管内降水量調(北上川下流河川事務所観測)
観測所 大 崎 小野田 嘉太神
総雨量 194.0mm 235.0mm 354.0mm
3時間雨量
98.0mm
(観測史上1位)
108.0mm
(観測史上1位)
125.0mm
(観測史上3位)
9月11日
1時00分〜4時00分
9月11日
0時00分〜3時00分
9月10日 22時00分〜
9月11日 1時00分
大崎市古川師山地区から米袋, 西荒井及び
矢目地区にかけての冠水状況
大崎市古川矢目地区から西荒井, 米袋及び
師山地区にかけての冠水状況
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資料編
くろまる災害活動状況
大規模な浸水被害の現場では,災害対策基本法に基づき,大崎市長の依頼と県知事の派遣要請を受けた自
衛隊( 150名 )と,各防災機関で定める応援計画に基づいて出動した,警察関係4機関(94名),消防関係2機関
(39名)の合計7機関283名が人命救助等の活動を実施した。ヘリコプターやボート等の機材を使用した住民の救
助活動は,古川・三本木・田尻地域において実施され,合わせて192名が救助された。
内訳は,古川地域で,浸水孤立状態となった西荒井・師山・新沼( 高倉 )地区で,9月11日の日没までに176
名が救助,避難所に搬送された。三本木地域の大豆坂地区では,大崎消防本部のボートで13名,田尻地域の大
沢百々地区では,地元自主防災組織のボートで3名が救助された。
防 災 関 係 機 関 名 従事者数
投 入 機 材
ヘリコプター ボート
自衛隊( 陸上自衛隊第 22 普通科連隊) 150名 4機 3艇
宮 城 県 5名 1機
宮 城 県 警 察 本 部 70名 4艇
海 上 保 安 庁(宮城海上保安部) 7名 1機
福 島 県 警 察 本 部 6名 1機
新 潟 県 警 察 本 部 6名 1機
大崎地域広域行政事務組合消防本部 19名 4艇
仙 台 市 消 防 局 20名 2機
合 計 283名 10機 11艇
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資料編
しかく昭和 61 年 8 月 8・5 豪雨
区 分 被 害
人的被害
死 者 1 名
行方不明 0 名
住家被害
全 壊
43 棟
43 世帯
211 名
半 壊
161 棟
161 世帯
816 名
一部破損
578 棟
716 世帯
2,627 名
床上浸水
24 棟
24 世帯
78 名
床下浸水
158 棟
321 世帯
1,228 名
計測地点 8 月 4 日 8 月 5 日 計 時間最大
鹿島台 52 mm 219 mm 271 mm 5 日 6 時 34 mm
鹿島台町中心部の冠水状況
昭和 61 年 8 月 1 日にルソン島の東で発生した台風
10 号は,南西諸島東海上を北東に進み,8 月 4 日 9
時には室戸岬南方付近に達し、毎時 55kmの速い速度
でさらに北東に進み,4 日 21 時に石廊崎の南で温帯
低気圧に変わったものの,勢力を維持しながら房総半
島をかすめ,6 日 9 時に仙台湾沖に達した。当地域で
は、台風の北上に伴い 4 日 8 時頃から小雨が降り始
め,夜になって降り出し総雨量が 271 mmに達し,昭和
23 年のアイオン台風,昭和 25 年の豪雨以来 36 年ぶ
りの洪水をもたらした。
救助された住民
(鹿島台町姥ケ沢地区)
(注記)鹿島台町 吉田川洪水の記録 / 宮城県ホームページより転載
しかく被害状況
しかく鹿島台町の降水量
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資料編
(注記)宮城県ホームページより転載
令和元年台風第19号消防活動の記録
発 行 年 月 令和 2 年 1 月
編 集 ・ 発 行 大崎地域広域行政事務組合消防本部警防課
〒989-6174 宮城県大崎市古川千手寺町二丁目 5 番 20 号
電話(0229)22-2351(代) FAX(0229)24-4048
(注記)本誌の記事・写真の無断転載を禁じます。

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