視障協だより 第278号令和5年11月発行 社会福祉法人長野県視覚障害者福祉協会 事務局〒390.0802長野県松本市旭2.11.39電話0263325632FAX0263.32.7854 理事長より ....................................1 事務局より ....................................6 音訳事業部より ....................................7 事業推進委員会だより事業推進委員会より ....................................9情報機器研究部より .................................... 10女性部より .................................... 11訃報 .............................................. 14 理事長より 理事長青木勝久 暑くて長い夏もようやく終わりを迎え、秋なのか冬なのかよくわからない今日この頃です。会員の皆様いかがお過ごしでしょうか?夏バテをして体の不調を感じておられる方もおられると思います。元に戻すよう時間をかけて頑張ってください。 さて、10月2日に法人の「業務監査」が行われ、6月20日の評議員会において出席者から出されていた「定款」の一部見直しについて、県の担当者に聞いてみました。「長野県としては、社会福祉法人の定款は、国で定められたガイドラインどおりに運用されるものを認可の対象とする為、ご指摘の内容の変更は認可されません。長野県視覚障害者福祉協会という法人名で十分に対象者が明確になっていると考えます。」との回答でした。 10月17日の第5回理事会にこの事が報告され、理事全員の賛成により定款変更しない事が承認されました。 8月29日、30日に新潟市で開かれた「北信越ブロック会長連絡会議」には、私と事務局次長の中村と2人で参加してまいりました。聞いてはおりましたが、新潟市の暑さとじめじめしていた陽気にはうんざりいたしました。それにしても、長野県から新潟県へは遠いですね!松本から「特急しなの」で長野駅、新幹線で高崎まで乗って上越新幹線に乗り換えて新潟駅まで向かいました。そこから在来線で亀田駅まで向かい、徒歩で普通の人ならば5、6分。私が歩いて10分以上をかけ、会場である「新潟ふれ愛プラザ」にやっとの思いで到着しました。到着早々、会議をする前に疲れ切ってしまいました。13時30分からの会議は「同行援護」についてオンラインで講師のお話をお聞きいたしました。本協会での「ガイドヘルプ事業所しらかば」は8月31日で休止いたしましたので、あまり参考にはなりませんでしたが、全国どこの事業所も経営は大変のようで、何とかしなければと思いました。石川県では10月から事業所を立ち上げるとのこと、頑張って欲しいと思います。やはり利用者が高齢化していることもあり、福祉有償運送についてもう少し国のガイドラインを見直してほしいと思います。 その後各県の状況報告、令和4年度のブロックの活動報告、令和5年から6年にかけての事業の予定を話し合いました。話しは尽きる事なく、17時過ぎに全ての議題が終了となりました。その後、交流会を挟み、宿泊先のホテルの一室に各県会長が集い、23時頃まで話し合いを重ねました。 翌日は、昨日と同じ「新潟県ふれ愛プラザ」に移動し、新潟県の事務局長から「にいがたアイサポートセンター」についてのお話をお聞きいたしました。新潟県視障協は、行政からの委託事業や補助事業に力を入れ、十分な蓄えと、収益を得られるようになった為、会員の会費を昨年から1,000円に値下げし、会員の増加を図ったそうです。更に、日常生活用具や補装具の展示スペースには時計や白杖、拡大読書器、暗所視支援眼鏡など最新の用具が、沢山展示してありましたし、今年度からは、理学療法士も雇い入れたともお話ししておられました。「隣の芝生はよく見える」と言いますが、うらやましく思いました。来年度の会長連絡会議は本県が当番県で、8月27日と28日に長野市内で開催予定です。会長連絡会議以外の行事予定は、次号2月号に掲載いたします。 最後に会員の皆様方にお願いがございます。 協会のホームページをご覧になる場合は「社会福祉法人長野県視覚障害者福祉協会」と検索してください。いろいろなサイトに載せていただいてありますが、なかなか更新がされておりません。できるだけ新しい情報取得のため、ご協力をお願いいたします。 今年も1年間ご協力いただきましてありがとうございました。次号は来年2月の発行です。会員の皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。 【令和5年度第2回全国団体長会議の報告】 10月13日(金)13時30分.16時30分、第2回全国団体長会議に、青木理 事長が県知事懇談に出席の為、代理として事務局が出席致しました。 この日は会議では無く、「マイナンバーカードに関する最新動向」と 「重度障害者等就労支援特別事業」についての研修が行われました。 会員の皆様にも、是非お伝えしたい内容でしたので、長い文章になり ますが、最後までお付き合い下さい。 まず始めに、マイナンバーカードの最新動向について総務省自治行 ふなきまお 政局住民制度課マイナンバー制度支援室の課長補佐船木麻央氏より、マイナンバーカードのセキュリティ面や、安全性について伺いました。マイナンバーカードが多様化される事により、様々な不安があると思います。 総務省としては ?@紛失・盗難の場合は、24時間365日体制で停止可能。 ?Aアプリ毎に暗証番号を設定し、一定回数間違うと機能ロックがさ れ、不正に情報を読み出そうとすると、ICチップが壊れる仕組に なっている。 ?Bプライバシー制の高い、税金や年金などの個人情報はICチップに 記録されない。 ?Cマイナンバーを知られても、個人情報を調べることはできないの で、個人情報を盗まれる事はありません。また、ご自身の情報が 見られる「マイナポータル」のログインにはカードと暗証番号が 必要です。 そういった事で、安心していただきたいとお話しされていました。続いて、申請状況と取得状況や申請の仕方の説明があり、マイナンバーカードと健康保険証の紐付けについての説明がありました。現在、長野県内の病院でも、徐々に顔認証付カードリーダーの設置が進んでいます。使い方は、それぞれの端末で多少の違いがあるとは思いますが、端末の所定の場所にマイナンバーカードを置きます⇒タッチパネル操作で本人確認の方法を選びます⇒顔認証を選んだ場合には、顔の撮影。暗証番号入力を選んだ場合には、タッチパネルに暗証番号を入力⇒診療・薬剤情報、特定健診情報等の閲覧同意を選択⇒操作完了⇒マイナンバーカードを取り出す。というような流れです。これに関しては、この研修会に参加された多くの方から、様々な意見や質問がありました。まず、顔認証は、眼球や目線の有無で認証の精度が変わらないのかという質問に対しては、事前に登録した顔認証データで照合するため、問題は無いが、事前に登録したデータに無い情報「マスクをしている・メガネをかけている」などの複数の相違が重なると認証されない事もあるとの回答でした。また、視覚障害者が暗証番号等を入力する際、音声が出なければ入力が難しいが、音声が出れば周りの 患者さんに聞かれてしまう恐れがある。また、病院のスタッフに入力 をしてもらったとしても同じだと思う。という意見に対しては、現在、操作端末はタッチパネル式しかありませんが、今後テンキーを搭載した端末の開発も考えていますが、マイナンバーの認証方法には、視覚障害者自身が操作端末を使用せずに、「目視モード」というモードがあり、病院スタッフが「目視モード」を選択し、マイナンバーカードの写真と本人とを目視確認を行う認証方法も認められているので、活用していただきたいそうです。ただし、これに関しては、医療現場に周知浸透されていない為、今後周知徹底を図っていくそうです。健康保険証のマイナンバーカード化については、令和6年の秋以降には、新規の健康保険証は発行されず、令和6年秋の時点で手元にある有効な保険証は、その時点から最長で1年間使用可能になるそうです。また、福祉や医療関係の受給者証の紐付けは、来年末以降、導入希望の自治体からスタートするそうですし、身体障害者手帳は今現在、紐付けの予定は無いという事でした。続いての質問は、保険診療を行うあはき治療院や訪問マッサージ自営業の場合、端末設置に関わる費用はどれくらいするのか。というご質問については、詳しい金額の把握はありませんが、専用端末購入については一定の補助があり、お手持ちのパソコンを使用する場合には、汎用カードリーダーを購入していただき、スマホやタブレットなどのモバイル端末を使用する場合には、アプリを導入(令和6年9月末頃に配信予定)していただくようになると説明がありましたが、視覚障害者が使いやすい端末という物は、現在は無いという事でした。また、受領委任を行っている施術所等については、患者の資格情報を確認することができる「オンライン資格確認システム」の導入を令和6年4月以降に開始し、義務化を令和6年10月末頃までの目安で進めるとのお話しでした。 次に、重度障害者等就労支援特別事業について、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課就労支援係長小松伸明氏から制度の説明があり、今現在、実際に事業を導入している自治体数と支援事例の報告がありました。令和2年10月に開始されたこの事業自体が、まだまだ自治体や当事者に浸透されていない為、全国でも54市町村が実施中、23市町村が実施準備中と、この事業が開始されてから3年も経った今もなお、活用促進されていない事を数字で垣間見ることが出来ました。そこで、長野県はどうなのかと気になるところでしょう。我が県では、南箕輪村が筋ジストロフィー症の方に通勤帰宅時の車への移乗、職場内の移動、食事介助、排泄介助を受けながら、1日7時間、週5日勤務で訪問介護事業所の職員として、業務日誌や各種書類の作成を行っているそうです。その他、長野市はニーズがあれば実施出来るような状態にあり、上田市は、要項等を整備中とのことでした。何故、当事者にとって非常に喜ばしいこの事業が利活用されていないのか、厚労省が自治体に対して、アンケートを行ったそうです。多くの自治体が、「ニーズが無い」「ニーズが無いから予算を立てられない」「事業自体がよく分からない」「事業の取り組み方が分からない」という回答が殆どだったそうです。これを受け、厚労省としては、今年度末に市町村に対して提出依頼を行う「障害福祉計画策定」に、重度障害者等就労支援特別事業について入れ込み、活用に繋げて行きたいとお話しをされていました。 「重度障害者等就労支援特別事業」とは令和2年10月から、通勤や職場等における支援に取り組む意欲的な企業や自治体を支援するため、雇用施策と福祉施策が連携して実施する事業です。当事者が、自治体に地域生活支援促進事業による「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」を申し込み、雇用主が(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構に助成金の申請をして、支給を受けます。【雇用施策で出来る事】:雇用する重度障害者等のために職場介助 者・通勤援助者を委嘱した企業に対し、 (独)高齢・障害・求職者雇用支援機構で、 その費用の一部を障害者雇用納付金制度に 基づく助成金で助成。《障害者雇用納付金制度に基づく助成金の内容》?@重度訪問介護サービス利用者等職場介助助成金〇助成対象:障害者の業務遂行のために必要な職場介助者の委嘱に係る費用 〇助成率:4/5(中小事業主は9/10)〇限度額:障害者1人につき、月13.3万円まで(中小事業主は、月15万円まで)〇支給期間(上限):開始から年度末?A重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金〇助成対象:障害者の通勤を容易にするための通勤援助者の委 嘱に係る費用〇助成率:4/5(中小事業主は9/10)〇限度額:障害者1人につき、月7.4万円まで(中小事業主は、月 8.4万円まで)〇支給期間(上限):3月間(.年度末) 【福祉施策で出来る事】:自営等や企業で働く重度障害者等に対して、市町村から重度訪問介護等事業者を通じ、通勤や職場等における支援を地域生活支援促進事業として実施。 《重度障害者等就労支援特別事業の内容》?@地域生活支援促進事業による「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」 ○しろまる企業が障害者雇用納付金制度に基づく助成金を活用しても支障が残る場合や、重度障害者等が自営業者等として働く場合等で、自治体が必要と認めた場合に支援 ○しろまる実施主体:市町村等(補助率:国50/100、都道府県25/100) 事務局より 【年末年始休館のお知らせ】 県視覚障害者福祉センターは、12月28日(木).1月8日(月)まで年末年始休館と祝日の為、連休となります。新年は、1月9日(火)より業務を始めますので、よろしくお願い致します。 音訳事業部より 1.ごあいさつ 菊薫る季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。先日、長野県内で活躍されている音訳ボランティアの方々の講習会を開催いたしました。参加者は40年以上のベテランさんから新人さんまでとなりました。毎年開催している講習会ですが、今年は例年にも増して多くの音訳ボランティアさんが参加してくださいました。長野会場、松本会場と県内2カ所で開催し、全部で108人の音訳ボランティアさんが集い、賑やかな会となりました。音訳ボランティアさん同士の交流や情報交換ができ、有意義な勉強会となったようです。利用してくださる方が聞きやすいためにと、日々研鑽を積まれているボランティアさんが作られた録音図書をどうぞゆっくりお聞きになってください。お聞きになられたご感想などもお待ちしています。 2.今月のおすすめ新作録音図書 1少年と犬馳星周はせせいしゅう著傷つき・悩み惑う人びとに寄り添っていたのは一匹の犬だった。人という愚かな種のために神が遣つかわした贈り物...。 さいちょう 2 最長片道切符 11195.7キロ 日本列島ジグザグ鉄道の旅 はらぐちたかゆき 原口隆行著 わっかない ひぜんやまぐち 北海道の稚内駅から佐賀県の肥前山口駅までの鉄道旅行の記録。耳で聞く旅をお楽しみください。3レッドゾーン夏川草介なつかわそうすけ著コロナ上陸直後の長野県の公立病院の話。手探りで治療法を探りながら、ほぼ誰からの協力も得られず、だだ疲弊ひへいしながら治療にあたっていくチームの物語。4夜明け前第一部(下)島崎藤村しまざきとうそん著 木曾きそ街道かいどう・馬籠本陣まごめほんじんの当主となった半蔵はんぞうは、幕末の時代の動きを、街道の中でも外でも痛切に感じていた。そして、徳川慶喜とくがわよしのぶが大政たいせいを奉還ほうかんした。 かって しばた 5 あんの明日 お勝手のあん7 柴田よしき著 くれないや 紅屋の料理人として益々成長しているやすは、今まで嫌っていた豚肉の料理に挑戦する気持ちが出てきた。ただ、山路一郎やまじいちろうさんとの事をどうすればいいのか、心は揺れていた。6首里しゅりの馬うま高山たかやま羽根子はねこ著 沖縄の個人美術館を手伝いながら、パソコンを通じて遠く離れた人々にクイズを出すという一風変わった仕事に就く未名子みなこ。そんな未名子の生活が台風の日に現れた宮古馬みやこうま(ナークー)の出現を機に変 わっていく不思議な物語。7とどのつまり人は食う佐野洋子エッセイコレクション佐野さの洋子ようこ著 幼少期に食べた中国の味から晩年に食べた手作りごはんまで、「食」をテーマにしたエッセイ集。毎日の食事を大切にしたくなる、力が湧く「食」の話。8橋をかける子供時代の読書の思い出 美智子みちこ著 イビー 「子供の本を通しての平和」をテーマに開いたIBBY世界大会に、ビデオを通とおしてなされた美智子皇后の講演録。本で知った美しさ、本から感じた不安、本から得た喜びなどについて語る。日本語・英語の完全収録版。 録音図書貸出をご希望される方は、音訳事業部(電話026-217-3201)までご連絡ください。 事業推進委員会より 委員長藤森吉明 10月1日(日)、午後1時30分より県視覚障害者福祉センターにて卓球バレーの体験会を行いました。この日は、長野県障がい者スポーツ協会より、指導員2名がルール説明とゲーム運営にお越し下さり、会員・付き添い併せて12名で練習をし、ゲームを行いました。 ルールは、普通の卓球台とサウンドテーブルテニスのボールを使い、ネットを挟んで、両サイドに椅子を2脚ずつと、正面に椅子を2脚ずつ置き、一チーム6人構成で、ラケットは幅45cm、高さ10cm、厚さ1cm、片面半分斜めにカットしたラケットで、底の厚い方が台の面に当たるように持ち、卓球台から5.7?B上げたネットの下をボールを転がして、相手コートへ3打以内で返す競技です。基本的には、6人制のバレーボールのルールが元になっています。椅子に座って行うため、身体に負担が少なく、大いに盛り上がり、とても楽しい体験会でした。 情報機器研究部より 部長前野弘美 令和5年度情報機器講習会実施報告令和5年8月20日に視覚障害者福祉センターに於いて「見えない人の読書環境について知る」のテーマで講習会を実施した。受講者は13名で実際に図書の閲覧や朗読の声を聞いた。誰もが本を読むことが出来る社会が近付いて来てほしいものです。背景など昨年(2022(令和4)年8月5日)誕生した「市町村と県による協働電子図書館」(愛称:デジとしょ信州)に関しての講演を聴き、アクセシブルライブラリーの解説を聞きました。「デジとしょ信州」は、プラットフォームを県が維持し、電子書籍(コンテンツ)を長野県の77すべての市町村で分担購入する、新しいしくみの電子図書館です。「デジとしょ信州」のスタートによって、地形的な課題を乗り越え、長野県民は、だれでも、いつでも、どこからでも、無料で本(電子書籍)が読めるようになりました。この「だれでも」をさらに推進してくれるのが「アクセシブルライブラリー」です。アクセシブルライブラリーは視覚障害者への提供を目的とした書籍の朗読を提供する仕組みで、スマートフォンやパソコンで読書が出来ます。使用料は無料です。アクセシブルライブラリーは会員登録をすれば直ぐに使用出来ます。アクセシブルライブラリーの利用には障害者手帳が必須です。講習内容(1)講演。(2)質疑応答。(3)体験・アクセシブルライブラリーの閲覧 と朗読の聴取。(4)会員登録の仕方を聞いたり実際に会員登録をした。講習会を終えて色々な形で提供される図書が増えることは視覚障害者の読書困難を解消する一助となると思います。今回の朗読も聞きやすい音声で分かり安かったです。皆さまも是非アクセシブルライブラリーをご活用ください。 登録などに関しての問合せは県立ながの図書館へお願いします。県立長野図書館総務企画課企画係係長篠田尚利しのだなおとし様〒380-0928長野市若里1-1-4 電話:026-228-4939(直通)FAX:026-291-6252e-mail:ken-tosho@library.pref.nagano.jp 終わりに、ご協力を頂きました県立長野図書館の篠田尚利様に心よりお礼申し上げます。 松本市は10月1日より中央図書館でアクセシブルライブラリーの登録が出来る様になりました。他の市町村もそれぞれの図書館などで登録が出来る様に成っているかもしれません。 女性部より 部長住吉冬子 皆様こんにちは。お元気にお過ごしでしょうか?今回は、8月30日(水)から31日(木)にかけて、神奈川県藤沢市で行われた、第69回全国視覚障害女性研修大会の報告をさせていただきます。なお長野県からは、会員・ヘルパー合わせて9名が参加いたしました。 1.代表者会議について まず今年度は、改めて次の3名の方々が常任委員に任命されました(継承略)。 成田優子なりたゆうこ(岩手県)、宇う都つ木泰代ぎやすよ(神奈川県)、森きみ子(佐賀県)次に、各ブロックから提出された議題をご紹介いたします。あ.食品の正味期限・消費期限の記載は、視覚障害者にも分かりや すいように、文字を大きくしていただきたい。い.スーパーマーケットなどでの有人レジの台数を増やしていただきたいと共に、視覚障害者が単独でもセルフレジを使用できるよ う、カードやお金の納入口などの表示をはっきり見ることのでき る拡大文字にしていただきたい。 う.新しく公共トイレを設置する場合には、トイレの配置や表示・特に水洗ボタンの位置や形状といった規格の統一化など、視覚障害者にも使いやすい形での設計をお願いしたい。 え.JRを初め、全国のあらゆる鉄道会社において、ICカードでも障害者料金で使えるようなシステムを作っていただきたい。お.テレビ放送におけるニュース速報の音声化と、外国語の日本語吹き替えおよび字幕の拡大と時間延長をお願いしたい。 か.スマートフォンなどの新たな情報端末を、視覚障害者も容易に活用できるようにするため、研修機会の充実とサポート体制の充実を要望する。 き.だれもが最低限の文化的で豊かな生活を送るために、障害者基礎年金の増額を要望する。 これらのすべての議題において当日の会議では、もはや女性部のみでは無く、すべての視覚障害者に共通した要望事項であるという意見が出され、私も本当にその通りだと思いながら、これらの議題を承認いたしました。 2.レポート発表と意見交換について 今年度は、「同行援護サービスを利用して思うこと」というテーマ で、全国6ブロックの方からの発表がありました。6名の発表を聞く中で、いくつかの共通点がありました。まず、徐々に視力が落ち、自分の力だけでは外出できないと落ち込 んでいた時にこのサービスを知り、使い始めたという方がほとんどでした。 そして、ヘルパーさんと共に日々の通院や散歩・買い物・行事への参加など、安心して前向きに充実した日々を送れていることに対する感謝の気持ちが溢れていました。 しかしその一方で、特に地方に住んでいる方の中には、少しでも早くヘルパーの自家用車を使っての移動も可能なサービスにしてほしいという意見や、ヘルパー不足により、土・日などを中心に、自分がも う少し出かけたいという思いをかなえられずにいる切なさも耳にしま した。 さらに、当日の助言者の一人であった日視連の竹下会長の、「このサービスを上手に使うコツは、ヘルパーさんとの人間関係をうまく保ちながら、ヘルパー・利用者共に一定のマナーを守りつつ、寄り添う意識で利用していくことです」という言葉を聞き、私自身も、これからそのような思いでこのサービスを使い、有意義な毎日を過ごしていこうと改めて思わせていただきました。 3.講演今回は、「幸福な国と言われるデンマークでは、障害のある人々の暮らしも幸せなのか?」というテーマで、東洋大学福祉社会デザイン学部人間環境デザイン学科の菅原すがわら麻衣子まいこ教授による話をお聞きしました。1時間程の講演でしたが、まず日本でいうと、ほぼ九州の面積に相当する国に約500万人の方が暮らしていること、子供の頃から大人などとの上下関係を意識せず、対等に自分の意見を言ったり行動する教育を受けて育つこと、日本と比べて買い物の仕方や仕事をする時間などがおおらかで国全体がのんびりしているというような、デンマークの特徴を知ることができました。また、国内には日本ほどの点字ブロックの設備は無いものの、国内で多く使用されている自転車専用道路が単独でもうけられていることによって、視覚障害者も比較的安全に歩道を歩けることも分かりました。その他視覚障害関連では、強度の弱視である研究員の方の話や、数人の視覚障害者が経営するブラシ専門店の話などをスライドを使いながら行っていました。近年、スライドを用いての講演はある意味あたりまえですが、その画像の情報内容を理解しきれなかったことに加えて、個人的にはデンマークに暮らす視覚障害者の買い物や、スマートフォンの使用方法といったような、いわゆる何気ない日常生活の様子をお聞きできなかったのが少し残念に思いました。 報告は以上です。対面による大会が4年ぶりだったということもあったかもしれませんが、全体を通してどことなく懐かしさを感じながら参加いたしました。来年の第70回の全国大会は、香川県の高松市で、9月の初旬に1泊2日の日程で行われる予定です。今年よりも遥かに遠い場所なので、私も今から少しどきどきしていますが、今年同様来年も、きっと有意義な大会になると思います。 訃報 謹んでご冥福をお祈りいたします。 萩原はぎはら俊とし様(伊那支部)令和5年9月28日に、お亡くなりになりました