2023年10月20日金曜日
勝手に音楽映画祭2023・秋。
こんにちは。
ほんの1か月ほど前は冷房つけてたのに、すでに部屋にはコタツ!
ほんの1か月ほど前は冷房つけてたのに、すでに部屋にはコタツ!
いつの間にかヒザやかかとは乾燥でカサカサ、指先もヒビ割れ!
郵便受けには年賀状のDM、テレビではクリスマスケーキのCM!
そして高松の池には白鳥がっ!
ヒィィィ!!!もう冬じゃんっ(゚Д゚;)!
なんて言いながら、少し前から風呂上がりには発泡酒じゃなくてしっかり芋焼酎のお湯割りを飲んでるし、
制服の下にはもう〇アリズムじゃなくて〇ートテックを着こんでいた私です。
怖いっ!なんだかんだいっていつのまにかちゃんと時の流れに身をゆだねて冬に侵されてる自分が怖いっ!
我ながらこのさりげない冬への順応性に、盛岡っ子の血を感じずにはいられませんね。
さすが、一年の半分が冬の盛岡で、真冬に生まれた私です。
原油価格は上がり、物価も上がり、冬は野菜も高いので泣きっつらにハチ状態ですが、
中劇ではすでに年明けまでラッシュアワーの満員電車並みにいろんな映画がぎゅうぎゅうづめなので、誰でもきっと気になる映画の2本や3本は見つかるはず。
小さな楽しみを見つけながら今年の冬もめげずに乗り越えましょうね。
そして、やはり今年もやってまいりました。
中劇恒例、『勝手に音楽映画祭』(夏休みと冬休みの間の静かな時期に、単館系の作品が集中するだけ)の季節です!!!
・・・・・え?もちろん、私以外のスタッフは知りませんので、問い合わせはしないでくださいね。
だって私が勝手に「あー・・今年もなんか音楽映画、多いなぁ~」と思っただけなんで!
一人でぼんやりと「なんかもうこれ、ほぼ音楽映画祭じゃん」って思っただけなんで!
別に、音楽映画を集めようとしたわけじゃなくて、
今年はほんとに、マジで、とにかく上映作品が多すぎて確率的に音楽映画に当たったっていうのと、あと、〝たまたま”です。
はい、出たー!
中劇お約束の「たまたま」パターン。
上映が決まった作品のリストを眺めてたら、
「ハッ!今気づいたけどなんか音楽映画、多くね( ゚Д゚)!?」のやつ。
つまり棚ボタ。
いいじゃん、いいじゃん!
流れに身をまかせるのも悪くないよ。
とはいえ、「音楽映画祭」と詠うには、作品どうしの上映の時期がちょっと離れすぎているので微妙っちゃ微妙。
ざっくり、10月から12月にかけてみたいな。
そのつもりで集めてないので、同時期に集中上映みたいにはできていませんでした。
流れに身をまかせすぎ!そういうところだぞ!中劇!!
・・・・適当!!
まあ、イメージ的には「コンスタントに音楽映画、やってるね!」と思っててもらえればOKです(?)
なんのこっちゃですが、とにかく芸術の秋だし!
猛暑でもなく、大雪でもなく、出かけるにもちょうどいい季節だし。
盛岡の短い秋を楽しんでいきましょうよ!
まずは、今週末から公開「白鍵と黒鍵の間に」
Ⓒ 2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
舞台は昭和63年の年の瀬。
はい、もう好きー!!!優勝ー!!
わが心の昭和。
私がこの小さな地方都市・盛岡で多感な思春期を過ごしていた昭和63年。
バブル全盛期の大都市・東京のど真ん中、銀座で繰り広げられる、
一晩三年の物語。
タイトルの「白鍵」と「黒鍵」は、つまりピアノ。
主人公は、場末のキャバレーでピアノを弾くジャズピアニスト志望の青年・博。
そこに、裏と表のような関係で絡んでくる敏腕ピアニスト・南。
オープニング、真っ暗な場面で近づいてくる夜の街のざわざわとした喧騒と、
静かに響いてくる心地よいピアノの音に身をゆだねれば、
未来に夢を見る〝博”と、夢を見失っている〝南”、
二人の人生が交わり連なり奏でる不思議な〝一夜”のジャズ・セッションにいつの間にか引き込まれます。
原作は、実際にジャズミュージシャンとして活躍中の「南博」さん(!)が書いた自伝作品で、自身がピアニストとしてキャバレーや高級クラブなどを渡り歩いた青春の日々を綴った小説。
ここでもうお察しだとは思いますが、こちら、実写映画化するにあたって面白いアレンジがされており。
小説の主人公は、原作者のお名前「南博」で書かれているのですが、
映画ではこれを〝南”と〝博”という二人の人物に分け、
しかもそれが3年というタイムラインがメビウスの輪のようにつながる一晩の物語として立体的、かつエンタメ性を盛り込んで描かれることに。
この作りが秀逸!
一人の青年の青春譚だった原作が、二人の青年が交わり周囲の様々なエピソードとともにクルクルと回り始め、バブルの銀座をスピード感と躍動感で突っ走るアンダーグラウンドなエンタメに昇華させています。
この複雑な設定で、一人を二人に分けた主人公を演じているのは、
今かなり注目の俳優・池松壮亮。
映画を中心に良作に出演を続ける、職人肌の若手俳優ですね。
数々の映画賞を受賞した「僕たちの家族」(中劇でもやりました!)、
「愛の渦」や「宮本から君へ」などの話題作、
最近では「シン・仮面ライダー」まで毎年たくさんの映画に関わる、
まさに〝映画俳優”といった感じ。
私は、去年とおととし、NHKで放送されたドラマ『オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ』(脚本・演出&犬の役:オダギリジョー)が大好きで、録画したやつを何度も見返しているくらいなんですが、
それよりもやっぱりこの方の説明で忘れちゃいけないのは子役時代に出演した映画「ラスト・サムライ」。
トム・クルーズ演じる主人公と心を通わす少年がいましたよね!?
あれが、この池松壮亮。
当時、13歳だった彼も現在33歳になり、年間何本もの映画に主演する売れっ子俳優に。
大きくなったなぁ・・・・・!!(何様?)
どんな作品でも超~~~ナチュラルにその映画に入り込み、まさにその場に生きているかのように自然にその役になじんでしまう彼なので、
今回の難しい二役も佇まいだけでまるで違うキャラクターとして当たり前に〝そこにいて”、
ストーリーを回していきます。
ピアノを猛練習して挑んだこの作品ですが、
売れっ子すぎてほかにも待機作の準備としてフィギュアスケートとボクシングの練習を同時期にやっていたという超ハードな日々だったとか。
しかも、ただピアノを弾くだけでなくジャズ・ピアノ!
その演奏シーンにも注目です。
ほかにも、安定の仲里依紗、いるだけでとにかくぞくっとするほど怖い森田剛、
調子のいいバンマスがピッタリすぎる高橋和也、なんかイラつくヤクザの松尾貴史と、
一癖ある役者が集結。
映画初出演の気鋭のサックス奏者・松丸契と、歌手役のクリスタル・ケイも参加したゴージャスな演奏シーンも必見。
みんな本気出してます。
Ⓒ 2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
Ⓒ 2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
全編ピアノやジャズ音楽に彩られた作品なので、音楽好きやジャズ好きにはたまらない作品なのは当然なんですが、
そのまた中心になる重要なキーになるのが「ゴッドファーザー 愛のテーマ」だったりして、映画好きも思わずニヤリの映画です。
ジャズをモチーフにした映画と言われると、なんとなくおしとやかな大人な映画なのかなというイメージになりがちですが、この作品は全然違う!
ヤクザ同士の揉め事、カネと欲望が渦巻くバブル期の銀座の裏側、
ミュージシャンの理想と現実・・・・といったいくつかのエピソードをジャズのメロディがまとめ、予測不可能なラストにもつれこむ、
密度の濃い昭和の空気をまとった大人のエンターテインメント。
いまふうにスタイリッシュでおしゃれに仕上げたような作りではなく、
あえて昭和の日本映画の雰囲気を意識した懐かしさが漂う映画です。
これはぜひ映画館で、心地よいジャズの響きを体じゅうで浴びながら昭和の銀座に舞い降りた気分でお楽しみください。
11月3日公開「ふたりのマエストロ」
(C) 2022 VENDOME FILMS - ORANGE STUDIO - APOLLO FILMS
世界最高峰〈ミラノ・スカラ座〉からの音楽監督への就任依頼。
父が生涯をかけて掴んだオファーは息子あての誤報だったー。
・・・・って、ああもう絶対、間違いなく面白いやつ!
このところのフランス映画の質の良さといったら目を見張るものがあります。
少し前の、「フランス映画って暗くて重くて、結局意味がわからない」みたいなイメージの時期を越え、今はストレートに心に刺さる良質の人間ドラマを次々と発表しています。
あの歴史あるお洒落な街並みを背に、良質の人間ドラマを作られてしまったら、
もうどこも勝てませんよね!
今回も、〝パリの華やかなクラシック界で活躍するオーケストラ指揮者の親子”なんていう、
さりげなさとは無縁の、というかありえないレベルの設定なのに、
なぜか誰でも共感する「親子の不協和音」「お互いの気持ちに気付かずすれ違い傷つけあう親子」を絶妙に描き出して驚きのステージへ向かうという奇跡のドラマを生み出しました。
クラシックの名曲に彩られた感動作。
大きなスクリーンで、コンサートホールでオーケストラを聴いているような気分でお楽しみください!
11月17日公開
「マシュー・ボーン in CINEMA 眠れる森の美女」
(C) Illuminations and New Adventures Limited MMXXIII Photo by Johan Persson
出ました。
久しぶりに来ましたね、マシュー・ボーン。
中劇では毎年恒例になっていた、大人気のバレエシリーズですが、このところはしばらくご無沙汰していました。
今、調べたところ、2年前の「赤い靴」が最後でした。
久しぶりに、大きなスクリーンでバレエが観られる!
嬉しいですねえ!
本物のバレエの公演はやはりちょっとなかなか手が出ないんですが、
映画館で観られるなら前のめりで観たい私です。
もともとは特にバレエが好きと言うわけでもないんですが、
このマシュー・ボーン in CINEMA でドハマり。
これまで中劇で上映したマシュー・ボーン作品はすべて観ました。
必ず現代風のアレンジが加えられているだけでなく、
バレエを一つのエンタメとして昇華させて華やかで躍動的な独特のステージを作り上げるところがすごい。
今回も、呪いにかけられ100年の眠りについたオーロラ姫の不滅の愛の物語が、
チャイコフスキーによるオリジナル版が発表された1890年から現代へと、歴史経過をたどりながら新たな傑作として生まれ変わりました。
これ、実は8年前に一度、中劇で上映しています。
私もそのとき観たのですが、めちゃくちゃ面白かったんですよ!
これ、宣伝とか営業とか抜きで、マジで!
ビックリしました。
なので、まさかまたスクリーンで観られるなんて嬉しいしかない!
今回は、2012年の初演から10周年を記念して、今年の1月にロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場(本場ロンドンでも有名な劇場。私も、ナショナルシアターライブやマシュー・ボーンを観るようになって知りました。)で撮影された舞台。
実際の劇場のざわめきのなか、キャストの細かい表情や滴る汗まで見える特等席で、
現地ではなかなか手に入らないプレミアチケットのバレエ作品を堪能してください!
12月1日公開「コンサート・フォー・ジョージ」
(C) 2018 Oops Publishing, Limited Under exclusive license to Craft Recordings
ザ・ビートルズのメンバー、ジョージ・ハリスンの一周忌にジョージの妻オリヴィアとエリック・クラプトンが中心となって開催したトリビュートコンサートを映像化。
今回は、ジョージ・ハリスンの生誕80周年記念で、
本コンサート開催から20年の時を経て、
妻オリヴィアと息子ダニーからのメッセージ映像が新たに追加され、
高音質リマスターで上映される劇場独占スペシャル版。
盟友エリック・クラプトンが主催し、
ポール・マッカートニー、リンゴ・スターをはじめとした豪華アーティストが集結し、
敬愛するジョージのために披露した一夜限りのスペシャルコンサート。
ジョージへの愛があふれる最高のメンバーによる伝説の一夜に浸ってください。
公式サイト→コンサート・フォー・ジョージ | culture-ville
今回は、ジョージ・ハリスンの生誕80周年記念で、
本コンサート開催から20年の時を経て、
妻オリヴィアと息子ダニーからのメッセージ映像が新たに追加され、
高音質リマスターで上映される劇場独占スペシャル版。
盟友エリック・クラプトンが主催し、
ポール・マッカートニー、リンゴ・スターをはじめとした豪華アーティストが集結し、
敬愛するジョージのために披露した一夜限りのスペシャルコンサート。
ジョージへの愛があふれる最高のメンバーによる伝説の一夜に浸ってください。
公式サイト→コンサート・フォー・ジョージ | culture-ville
とまあ、こんな感じでのんびり、ゆっくり、コンスタントに音楽映画を上映していきますので、芸術の秋、みなさんぜひ映画館で上質の音楽体験をしてくださいね!
先日、外回りの途中、ポタッと頭に冷たいものが。
え、雨??
と思った次の瞬間、私のすぐそばをバタバタッと鳥が飛んでいきまして。
「・・・・・・ハッ!まさか( ゚Д゚)!!!」
・・・・・まんまと鳥のフンが直撃しておりました・・・(/_;)
ブルー。超ブルー。
え、空はこんなに広いのに!
わざわざ私の頭にフンが命中することってある( ゚Д゚)!?
的、小さくね!?
ていうかもしかして射撃のプロ!?
だとしたら天才だね!!
いやもうなんていうか、ブルー通り越して黒。むしろ闇。
しかもそれ、午前中の出来事。
もう、最悪でしたね。
その日は帰りに映画観ようと思ってたけどやめましたもんね。
もうそんな気分じゃない。
ツイてるねえ!じゃないのよ。
宝くじ、買ってみれば!?でもないのよ。
もう、さっさと帰ってとにかくお風呂!
せっかく、久しぶりにたくさん映画観れてる月間だったのに!
この10月、中劇のはもちろんですけど、
フォーラムさんでは「BAD LANDS」と「雑魚どもよ、大志を抱け!」を観たし、南部興行さんでも「遠いところ」を観ました!
すごくないですか??
腰が重いで有名なこの私が!
しかもぜーーーんぶ、良かった!!面白かった!!みんな当たりでした!
これぞ、秋の大人映画月間の醍醐味というもの。
楽しいですねぇ( *´艸`)
そしてまだまだ観たいのが私の前に列をなして順番待ちをしています。
映画館で8回目の「さらば、わが愛」を観たかったのに、体調不良で泣く泣く諦めたのが痛かったけど、
このあとは、まず推し事のため絶対に1週目に「おま罪」を観なきゃいけないし、「アナログ」も観ないと。
それから南部興行さんには「オペレーション・フォーチュン」も「ほつれる」も「愛にイナズマ」も観にいくよー!
フー・・・中劇もぎゅうぎゅうづめで大変だけどね。
今日、ご紹介したもののほかにもミッチミチにスケジュールがつまっていてビックリです。
観るよ!観ますよちゃんと!
中劇も私も、このハードなスケジュールをどうやってこなしていくのか!
お楽しみに!!(予定、空けといてくださいね!)
★中劇公式サイト http://www.chugeki.jp/
2023年9月29日金曜日
秋の大人映画、豊作どころかぎゅうぎゅう詰め!
こんにちは。
急~に秋!!
数日前まで冷房つけて半袖で寝てたのに!
いきなり「寒っ(;゚Д゚)!!」
で、長袖着て布団かぶって寝ましたよね。
涼しくなるのはいいけど、もうちょっと余韻!!
心の準備したかった・・・・
さよなら夏・・・・・(何もしてないけど)。
そんなこんなで、4年ぶりに10台もの山車が出て太鼓の音が街中に響いた秋祭りも終わり、
盛岡も本格的な秋です。
大通りの山車のパレードを、一人涙ぐみながら(秋祭り、大好きなんですよ!観てるとなんか、泣けてくる。。。)観ている私に「あれ!ちょっと!何してんの!?」と声をかけてきた友人が何人か。
大通りの山車のパレードを、一人涙ぐみながら(秋祭り、大好きなんですよ!観てるとなんか、泣けてくる。。。)観ている私に「あれ!ちょっと!何してんの!?」と声をかけてきた友人が何人か。
私にもまだ友だちがいたんですね。(よかったです)
「このあと年下の映画ヲタクの恋人(女子)と飲むのよね、その時間までパレード観てるのよ」と言った私に、みんな苦笑いで手を振って去っていきました。。。
え・・・・いいじゃん!一人でパレード観たって!!
そして飲ませてよ、たまには外で!
この世はしんどいことだらけなんだからさぁ!(何があった)
ひととき、マニアックな映画の話でもして酔わせてよ!(好きにしましょう)
というわけで、ヲタクの秋。
というわけで、ヲタクの秋。
〝推し事”に精が出る季節です。
マニアックな映画だらけのシーズン突入ですよ!
でっかい映画ばかりの夏をおとなしく家で過ごしていた映画ヲタクよ、出でよ!!
楽しむのじゃ!!
まずはこちら。
「車線変更 キューポラを見上げて」
ちょっと地味?
真面目そう?
たしかにそんな感じのする映画ですよね。
でもこれ、良い映画でしたよ~(´ー`)
2019年にはほとんどの撮影を終えていたこの映画。
そこに降りかかったのは世界中を恐怖に陥れた新型コロナウィルス。
この映画も製作をストップせざるを得ない状況になりました。
そんな前も見えないようなコロナ禍を経て、地元・川口市の市民の支えもありやっと去年、完成を迎えた作品です。
イケイケで賞金王を狙える位置にいるオートレーサーの、若くてエネルギッシュなイケメン主人公。
美人でちゃきちゃきした恋人もいてね、もうねえ、勝ち組ですよ。
そんな彼がある日、練習中の接触事故で大けがをし、障がいを負ってしまいます。
日常生活すら一人ではままならない状態になったことがどうしても受け止めきれずに自暴自棄になる若者の姿に胸がしめつけられます。
家族には当たり散らし、
こんな自分には彼女を幸せにはできないと恋人とも別れ、
まさに絶望の淵。
そして渋々歩き始めた新しい道でも次から次といろんなことが。
わかる!わかるよ!
嫌々やってるとすべてが気にくわないし、「なんで自分が」「どうしてこうなる」そんなことばかりで何もかもがうまくいかないんですよね。
だけど、そんなときにひねくれて後ろばかり見るのをいったんやめてゆっくり周りを見渡すと、
すべてがうまくいってた時には全く気がつかなかったいろんなことに気付かされます。
それは障がいの有無に関わらず誰でもそう。
それまで気にも留めたこともなかったことに気が付くと、そこからはまた別の世界が広がっています。
この映画は、そんな身体だけでなく、知的や国籍などさまざまな障がいを抱える人たちと出会い、世界を広げていくことで、人として少しずつ成長していく主人公の姿を見守ります。
1962年に公開された吉永小百合主演の映画『キューポラのある町』で有名になった鋳物の街・埼玉県川口市を舞台に、
障がいを持った青年とそれを支える家族や周囲の人々を見つめる人間ドラマ。
映画のサブタイトルに「キューポラを見上げて」と入っているところからも、
この川口市がいかに映画『キューポラのある町』に影響を受けているのか、大事にしているのかが伝わってきますよね。
この映画のなかでも、映画『キューポラのある町』へのリスペクトを感じる部分がいくつもありました。
そもそも、主人公の父親が鋳物職人という設定からも「あぁ、もうそこからオマージュなのか!」とニマニマしてしまった私でしたが、
不慮の事故で障がいを負ってしまうことや、
川口市のもう一つのシンボルでもあるオートレースが出てくること、
在日朝鮮人の問題にも触れていることなど、
『キューポラのある町』に繋がるコンテンツがたくさん散りばめられているので、
『キューポラのある町』が大好き!という方だけでなく、観たことあるわ~って方ならそういう角度からも楽しめる作品になってます。
ほかにも、オートレースの裏側や、高齢化と後継者不足に悩む鋳物産業を取り巻く現状、
そしてパラスポーツの世界なんかを覗き見つつ、
障がいを持つ人々を特別扱いせず私たちと同じ場所にいる当たり前の存在として描き、
あくまでも人生を切り拓いていく主人公のバックグラウンドとして映し出しているのも興味深い。
私たちもどうしても、障がいを持つ方たちに対して必要以上に身構えたり、
過剰に気を遣ってしまったりしがちなんですが、
〝寄り添って見守る”ということを心掛けたいなと思いました。
鋳物の街・川口を支えるお父さんたちにもさりげなく変化が訪れるのもうまいですね。
主人公はもちろん、その家族も恋人も〝車線変更”。
〝車線変更”というタイトルに沿って、人生の車線変更を余儀なくされた人々をあたたかい目線で見つめる作品です。
しかも、なにげにキャストが豪華で驚きます。
10月1日に舞台挨拶で中劇に来てくださることになった村上弘明さんだけでなく、
主人公の母親役にはこの作品が遺作となった岡江久美子さん。
映画館のスクリーンで、あの溌溂とした素敵な笑顔がまた観られます。
さらに、平泉成、寺田農、藤田朋子、黒田福美・・・
周囲の人々がこのメンツ!
このくらいのキャストだと、それぞれのキャラクターがわかりやすくて良いですよね!
奇想天外でハラハラドキドキ!って作品ではありませんが、
私くらいのオバチャンになると、わけもなく自身満々でエネルギーが有り余っちゃってる感じの若くてイケイケなこの映画の主人公みたいな時期も通り過ぎてきたのでそんな自分がもし障がいを持ったら・・・と思ったり、
自分の恋人がこんなふうに事故で障がいを持ってしまったら・・・とか、
もちろん母親目線で「自分の息子が障がいを持ったら・・・」ていうのもリアルだし、
いろんな角度からたくさんのことを考えさせられる映画でした。
そして10月1日(日)、なんと村上弘明さんが中劇に舞台挨拶に来て下さることになったのです!!
ライブビューイングじゃないよ、本物ですよ!!
岩手が誇るイケオジです!
映画のなかでも、川口の鋳物工場にこんな渋いイケオジがいるのか!?まさか!!
ってくらいに、汚れた作業着でも隠しきれない色気が滴るダンディズム全開の村上弘明さんですが、なぜか薄汚れた工場で汗だくで働いている姿はすっかりオーラを消して地方都市の工場の社長になってるのがすごい。
朝10:15の回終了後に舞台挨拶です!!
ホンモノの村上弘明さんですよ!
みんなで目の保養しましょうね!!
みなさん、お誘いあわせのうえ、ぜひご来場ください!
お知らせ|盛岡 映画 -中央映画劇場 CHUGEKI
お知らせ|盛岡 映画 -中央映画劇場 CHUGEKI
そして先週末から上映中のこちら。
「ジョン・ウィック:コンセクエンス」
(R), TM & (C) 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
キアヌ・リーヴス演じる伝説の殺し屋ジョン・ウィックの死闘を描くアクションシリーズの第4弾。裏社会の掟を破ったことで粛清の対象になったジョンが、組織と決着をつけるべく動きだす。監督は前3作と同じくチャド・スタエルスキ。
主演のキアヌ、ローレンス・フィッシュバーン、ランス・レディック、イアン・マクシェーンらおなじみのキャストに加え、
『イップ・マン』シリーズなどのドニー・イェン(これは最高!!)、
『IT/イット』シリーズなどのビル・スカルスガルド(スウェーデンの名優ステラン・スカルスガルドは父、今年の初めに中劇で上映した『ノースマン』のアレクサンダー・スカルスガルドは兄)、
真田広之、リナ・サワヤマらが新たに出演。
今回も、惜しみなくお金と弾丸と火薬を使って思いっきり暴れてくれてます!
3年前、コロナ禍に入り、映画の製作も公開も延期や中断、
映画館では上映する作品がなくて困っていたとき。
中劇でもあの手この手で上映作品をかき集めて四苦八苦していたんですが、
そんなとき配給のポニー・キャニオンさんから「ジョン・ウィック全作はいかが?」とのありがたい提案で、シリーズ全作を続けて観られるという嬉しい企画ができることになったという、
中劇は足を向けては寝られない「ジョン・ウィック」シリーズです。
最初からエンジン全開でガンガン撃ちまくる、ぶっ通しの壮絶アクション。
めちゃくちゃ爽快だけど、ずっと体に力が入っているので観終わったあと肩こりがひどいかもね!
そしてごっついガンアクションと、これでもか!とてんこ盛りの特殊効果のため、
エンドクレジットが超~~~長くてついついもう出ちゃおうかな・・・と思ってしまいますが、そこを我慢してエンドクレジットを全部観て!
ぜーーーんぶ観終わると、もうワンクッションありますのでお楽しみに!
壮絶ガンアクションの次は生身の身体でガチンコ勝負のこちら。
10月6日公開
「アントニオ猪木をさがして」
(C) 2023 映画「アントニオ猪木をさがして」製作委員会
去年、79歳で逝去したプロレスラー、アントニオ猪木のドキュメンタリー。実業家や政治家としても活動した彼の軌跡を、人柄を知るさまざまな人物へのインタビューや、ファン視点のドラマ、アーカイブ映像を通してたどっていく。
ナレーションと主題歌を福山雅治が担当、
出演も豪華でみごたえたっぷり。
10月20日公開
「コカイン・ベア」
(C) 2022 UNIVERSAL STUDIOS
麻薬密輸人が捨てた大量のドラッグをクマが食べたという実話(!!)を基に、
コカインで凶暴化したクマに襲撃される登場人物たちの惨劇を描いたパニックホラー。
ほらー、出た出た。
中劇でもたまに、忘れたころに必ずやってくるおバカパニックムービー。
セイウチ人間、ゾンビになったビーバー、ムカデ人間、超下品なパペット、
これまでもなんだりかんだりやってきましたけどね。
ヤク中の熊って・・・・(-_-;)
いや、おバカと言っては熊さんに失礼か。
自らなりたくてラリってるわけじゃないですからね。
それでも、頭がお花畑になっちゃったクマさんも、
クスリで凶暴になっちゃったクマさんも、
ビジュアルはまんま野生のリアルなクマさんなだけに、気の毒やら怖いやらせつないやら。
麻薬王や警察、子供と母親、レンジャー、不良少年などがさまざまな思惑を抱え、クマの潜む森に入っていく。
もうー・・・ほっときゃいいのにね!
っていう、いかにもアメリカな、お約束的な、パニック映画です。
しかもプロデュースが、アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した『スパイダーマン:スパイダーバース』をはじめ数々のヒット作を手掛けてきたフィル・ロード&クリストファー・ミラー。
アメリカってけっこうこういうことしますよね~(^_^;)
大ヒットを飛ばした名作を手掛けた人が、次は超おバカな映画作ったりとか。
そうやってバランス取ってるのかな。
・・・って、結局観ちゃうし、なんだかんだいって結局楽しいんですけどね!
10月20日公開
「白鍵と黒鍵の間に」
(C) 2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
現役のジャズミュージシャンでエッセイストとしても才能を発揮する南博の回想録を実写映画化。昭和末期の夜の銀座を舞台に、ある出来事をきっかけに二人のピアニストの運命が大きく転換する物語。
原作者がピアニストとしてキャバレーや高級クラブを渡り歩いた青春の日々を綴った回想録を大胆にアレンジ。
南博がモデルの主人公を“南”と“博”という2人の人物に分けて、3年におよぶタイムラインがメビウスの輪のようにつながる一夜へと誘い、観る者を翻弄する。
「シン・仮面ライダー」でも話題になった池松壮亮が二人の主人公を演じ分けるのも注目ですが、
お話も、ヤクザ同士のもめごと、カネと欲望が渦巻く銀座の水商売の裏側、ミュージシャンの理想と現実といった複数のエピソードを同時進行させながら予測不可能なラストへと一気に加速。
キャストも森田剛、仲里依紗、クリスタル・ケイ、佐野史郎・・・
と、クセものだらけの狂騒の一夜に圧倒されてください。
10月27日公開
「唄う六人の女」
(C) 2023「唄う六人の女」製作委員会
こんなオシャサスペンス、中劇でやる日がくるなんてね!「ミロクローゼ」「オー!マイキー!」の鬼才・石橋義正10年ぶりの最新作。
中劇ではあまりお会いすることのない竹野内豊と山田孝之が主演を務め、
二人の男性が六人の女性たちに監禁される様子を描いたサスペンススリラーです。
山道での事故で気を失った二人の男性が、森の奥で美しく奇妙な女性たちに監禁される。
六人の女性たちを演じるのは、水川あさみ、アオイヤマダ、服部樹咲、萩原みのり、桃果、武田玲奈。
謎が謎を呼ぶサスペンスフルな展開、日本の映像美を切り取った映像美、
そして最後に明かされる〝真実”とはー?
っとまあ、ここまででとりあえず、10月までの上映予定。
このほかに、午前十時の映画祭と、前から上映が続いているものもいくつか。
マジすか?
2スクリーンなんですけど?
どうやってやるの!?
この秋の上映作品、どれもなんとかして観たいし、
あまり参考にならなくともできるだけここで感想をアップしてヲタクのみなさんの映画選びのお手伝いができればと思ってるんですが。。。
思ってはいる。
でもきっと全部は無理(/_;)
なのでいつもの。
今のうちにちょっとずつだけど一応紹介しておこうスタイル。
このなかでちゃんと観れたものがあったら、そして書く気力と時間があったら。
書きますよもちろん。
けど無理かも・・・(/_;)
観られなかった、あるいは書けない・・・・!!
になってしまった時のために、保険かけときます。
観られなかったとき、書けなかったとき。
そのときはゴメンナサイ!!
★中劇公式サイト http://www.chugeki.jp/
2023年9月15日金曜日
マニア向け映画&超絶エンタメ!どっち観る?
こんにちは。
秋です。
毎日まだ全然30℃超えてますけど、秋です。
誰がなんと言おうと。
だって9月だもん。
お祭りの山車が歩いてるもん!
そして足の指を虫に食われたもん!
そう、毎年、なぜか9月に入ると足の指を虫に刺される私です。
・・・・なんで!?
夏の間、ほとんど刺されなかったのに!
ピンポイントで足の指。
めっちゃ痒い!!
とにかくそれが秋(?)。
というわけで、あっという間に9月なかば。
口にパンをくわえて走る高校生のように、
ジャケットを着ながら走るサラリーマンのように、
猛ダッシュで電車に飛び乗るOLのように、
漫画みたいにわかりやすく切羽詰まった状態でゴールの見えない(本当に全部やれるのか、いややるしかないので動き出した)秋の新作ラッシュぎゅうぎゅう詰め大人映画シーズンを走り出した中劇です。
果たして、コンプリートできるのか!?
いや、します。
しないわけにはいかない。
だからついてきて!!!
まずは始まりました、映画ヲタクのみなさまお待ちかね。
「アステロイド・シティ」
(C) 2023 FOCUS FEATURES, LLC.
ビックリするくらいたくさんのお客さんが来てくれています。
ほんと、ビックリ。
え、そんなにみんな、ウェス・アンダーソン好きなの!?
ていうか、こんなにどこにいたの、映画ヲタクの方たち!?
ってくらいに、映画ヲタクのみならず大盛況です。
決して大衆受けはしないであろう、少し斜めの、通好みの、というかむしろマニアックな、
〝ザ・ミニシアター”的な作風。
でも毎回、ありえないくらいの豪華なキャストがこれでもかとてんこ盛りで驚きます。
今回もすごい。
トム・ハンクスにスカヨハに、エドワード・ノートンにエイドリアン・ブロディにマーゴット・ロビーに・・・・・それからそれから・・・。
もうあまりにも豪華すぎて、ウィレム・デフォーやマット・ディロンがエキストラの一般人に見えてしまう程度には感覚が麻痺しちゃうくらいに豪華。
キラキラと眩しすぎる砂漠の太陽に照らされるパステルカラーの色彩と、
のどかで穏やかで、かつお洒落な音楽。
そして出てくる人々みんながなぜか無表情で、ちょっと非現実的でいながらファンタジーでもない。
淡々と進むようでいて遊び心満載の、というかむしろ遊び心オンリーの世界観。
延々ずっと、本気で、遊んでる。
軽妙でウィットに飛んだせりふと、予測不能な展開。
でも絶妙に、何と言ったらいいのかわからない、表現がものすごく難しい、
フワフワしてて、ポヤポヤしてる、すっごく個性的で独特な味わい。
あぁぁ・・・・フル・スロットルでウェス・アンダーソン・・・・!!!
(C) 2023 FOCUS FEATURES, LLC.
もうなんだかんだ言えない!
他の人へのすすめ方も感想も、
そもそもどんな映画なのかすらもはや説明のできない作風なので、
ここでも何を言っても伝わらない気がする。
ていうか、観る人は私がここですすめるまでもなく絶対に観るし、
なんとなく観てみようかなと思っただけの人が観てもきっと何かが心に引っかかる。
〝心を揺さぶる!”とか、〝感動の涙が頬を伝う!”とかとは無縁ですけどね。
「ダージリン急行」も、「グランド・ブダペスト・ホテル」もいいけど、
「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」を観たときの衝撃を思い出しました。
いつも着てる赤ジャージが、お葬式のときは黒ジャージになった姿が強烈なクルクルパーマの親子(ベン・スティラー)。
観終わってすぐに、ネットで探しましたよね、アディダスの黒ジャージ。
なんかよくわかんないけどもう一回観に行ったしね。
ゲラゲラじゃなくてクスクス。
面白かったー!じゃなくてニヤリ。
だから、めちゃくちゃ面白いよー、絶対観てー!と、いろんな人にすすめるわけにはいかないけど、
なんかなんとなく一人でもう一回観たい。
そんな感じ。
不思議だなぁ・・・・毎回、不思議。
そして、思ったよりたくさんのお客さんが来てくれて、
パンフレットがすっごく売れて、リピーターの多い、
映画好きによる、映画好きのための、ヲタク心をくすぐる作品。
ほっこり、のんびり、ゆったり、誰かのおかしな夏の短い休日を覗き見る。
そういう映画です。
もう一本は、ウェス・アンダーソンとは真逆を行く超絶エンタメ。
私はこっちも大好物!!
9月22日公開
「コンフィデンシャル 国際共助捜査」
(C)2022 CJ ENM CO., LTD., JK FILM ALL RIGHTS RESERVED
北朝鮮のエリート捜査官と韓国の刑事がコンビを組んで活躍する姿を描いたアクション『コンフィデンシャル/共助』の続編。
前作も中劇で上映しました!
設定から最高だし、主演二人のビジュアルとキャラのコントラストも絶妙だし、
ストーリーはわかりやすくかつリアルに、
アクションは度肝を抜くくらいに徹底的にド迫力、
きれいどころも使いつつ、でもラブ要素は控えめに、
そしてそれを全編通してコメディ要素をまといながらユーモアたっぷりでやりきる。
そう、私も大好きな1980年代ハリウッド映画を彷彿とさせるハラハラドキドキで楽しくて、観たあと爽快な本格アクション映画。
最高です。
これを映画館で観ずしてどうする!?のやつ。
今回は、北朝鮮からの国際共助捜査の要請によって再びコンビを組むことになった二人とFBI捜査官が国際犯罪組織のリーダーを追跡する、
期待を絶対に裏切らないバディ系超絶ポリスアクションムービー。
こういうのってたいてい、1作目のほうが絶対面白いんですけどね。
これはもう、前作を上回る面白さ!
韓国映画、ノリに乗ってるなあ!!と唸りました。
国を挙げてエンタメにお金も力も全集中している韓国。
天井知らずでどんどんスケールもレベルも上がり続けてますね!
とどまることを知らないそのパワーは、映画もドラマも配信というボーダーレスな武器を有効に使って日本だけでなく世界中に韓琉ブームを巻き起こしています。
韓国作品がカンヌやアカデミー賞の常連になってきたことがそれを物語っていますよね。
わかるよ~面白いもんね~!
しかも、俳優陣も個性的で楽しいんですよね。
前作から今作までの間に、2020年Netflixで最高の視聴数をカウントし、
「日本で最も話題になった作品TOP10」の第1位に輝いたドラマ「愛の不時着」で、
一躍、全世界の恋人として大ブレイクしたヒョンビン。
ひたすらカッコいいんですよねぇ~( *´艸`)
今回はそこにさらに三枚目要素もほんのり上乗せして、
ついつい「か、カワイイ・・・・!!」と全女子の母性本能を占領する勢い。
私、「私の名前はキム・サムスン」というドラマが大好きなんですけどね。
いろんな韓国ドラマ観てますが、今でも韓国ドラマのなかで一番大好きな作品。
もう20年くらい前の作品になりますか。
そのドラマで初めて、ヒョンビンという俳優を知りまして。
それが超クールで性格の悪い御曹司の役で。
「・・・・・・・か、カッコいい・・・・・(≧▽≦)!!」
私の好きな韓国俳優で絶対的1位だったチャン・ドンゴンを超えてきました!(→私の好みはどうでもいい)
40歳となった今、キャリアを積んで脂も乗って、良い俳優になりましたねえ!
(C)2022 CJ ENM CO., LTD., JK FILM ALL RIGHTS RESERVED
今回も、愚直なほどに真面目で有能な北朝鮮のエリート捜査員を演じていますが、
前作で南の破天荒なオジサン刑事とバディを組んで壮大な事件を解決したことにより、
ユーモアの使い方を覚えて味わい深い人間味が加わり、魅力倍増。
ただでさえこんなカッコいいのに、かわいさまで出せるようになったらもう無敵でしょ。
そしてそのバディ役のユ・へジンが、今回もやっぱり上手い!!
ヒョンビンと並んだ時の、ビジュアルも体格も正反対の凸凹感がすでに面白いし、
設定やストーリーはシリアスでガチな本格刑事ものなのに全編通してクスクス笑えるという
絶妙なバランスを保ち続けるのは当然、この方の手腕。
そして今作ではここになんと、もう一人のイケメン登場。
NYからやってきた、仕事も女性の扱いもパーフェクトなこれまた有能なFBI捜査官。
これがダニエル・ヘニーという韓国系アメリカ人俳優なんですけどね、
このイケメンがまた「私の名前はキム・サムスン」に出てたんですよ~!!
一途なお医者さんの役でね。
これも良かったんだよなぁ・・・・(*´з`)
ってことで、棚の奥から「私の名前はキム・サムスン」(テレビで放送したときに録画したやつ)を引っ張り出してきてまた見始めた人がここにいますけどね。
そんなこんなで、前代未聞の悪党を捕まえるため集結した、3国の個性的な刑事たち。
それぞれの思惑や情報を隠したまま手を組んで敵に立ち向かうことになるが果たして・・・・!?
今回も、韓国映画のお家芸である容赦なく街を使ったド迫力のカーチェイスはもちろん、
徴兵義務のある韓国なだけにリアルな銃撃シーンと壮絶な生身のバトルが炸裂する本格アクションが物語の中心を貫き、
お約束ながらもつい笑ってしまう小ネタを挟みながら(コメディは実はこれが一番難しいんですよね。)、
イケメンが出ずっぱりで最初から最後まで目をハートにしたまま楽しめる、
子供から大人までみんなが大満足できる「これぞエンターテインメント!!」な作品です。
楽しかったーーー!!!!
このごろ、いろんなことで毎日イライラモヤモヤしていた私ですが、超絶スッキリ!!
明日からまたがんばろうと思える、爽快な映画でした。
皆さんも、いまいち気分がスッキリしないなあとか、
とにかく面白い映画が観たいなあとか、
そんなときは絶対これ!!
・・・・・・・・・がんばろう・・・・。。。
さてさて、まだまだ続く「中劇・秋の大人映画シーズン」がどうにもこうにも大変なので、ほんとはこのあとほかのいろんな作品のご紹介をしておきたかったんですけどね。
・・・・・まあ結局やっぱり今回も長くなっちゃったから無理だよね(*_*;)
腹八分目ってのが一番苦手な私です。
食べ物も、お酒も、遊びも、推し事も、そしてブログも。
やるときは徹底的に!すべて出し切るまで!ガチで!
そんな生き方しかできない私は常に、お金も時間もお尻に火が付いた状態で走ってます。
今の中劇の公開待機作品コーナーと一緒です。
常に全力!
元気があればなんでもできる!!
気合いだーーーーーー!!!
猛ダッシュだー!!!!
・・・・あ、何件もお問い合わせがきてた「アントニオ猪木をさがして」も上映決定しました♪
次回、まとめてご紹介しますね!
↓とりあえず、予習のために覗いてみてください。↓
思わず笑っちゃいます。
・・・・だって中劇、2スクリーンしかないんだもん( ゚Д゚;)!!!!
スケジュール、バグってる!?
知ってるよ、そんなこと!!
だから、一緒に笑ってください。
マジでどうすんの、これ!?ってね。
ええ、そうです、映画マニアのみなさま、
がんばって観に来てください。中劇にも。
じゃないと、いい映画集められないので!
たくさんのヲタクに支えられて、日本経済は回ってるんですよ。
共に手を取り合って頑張りましょう。
・・・・・と、いうことで、今から私はルミエールさんで「エドワード・ヤンの恋愛時代」を観てきます(´ー`)
〇十年前、台湾映画というものを初めて観て、カッコよくておしゃれで衝撃を受けた作品です。
え、まず中劇のを観ろって?
観ますよ、そりゃあ!
観るっていってんじゃん!
観るってば!
ちゃんと観て、書きますよ。ブログ。
・・・・・でも南部興行さんも今、秋の大人映画シーズンですごい観たいのばっかりなんですよ!!↓↓
なので、今日はまずルミエールさんに行ってきます♪
次の休みでは「ミステリと言う勿れ」を観るもんね!
・・・だから中劇のもちゃんと観るってば!「エクソシスト」(午前十時の映画祭で上映中)は嫌だけどね!ホラー映画だけは苦手なんで!
とにかく映画はちょうどいい時間のがあるときにサッと観に行っとかないと見逃しちゃうんで、暑くても、めんどくさくても、行きましょう!!
それではみなさんも体調管理とスケジュール管理を徹底して、
充実の映画シーズン楽しんでくださいね!!
★中劇公式サイト http://www.chugeki.jp/
2023年8月24日木曜日
胸熱爽快スポ根人間ドラマ「春に散る」
こんにちは。
暑さ寒さも彼岸まで。
暑さ寒さも彼岸まで。
というわけで、盛岡もお盆を過ぎてだいぶ過ごしやすく・・・
過ごしやすく・・・・・????
なりませんね( ゚Д゚)!!!
さすがにそろそろ朝晩くらいは涼しくなってもいい頃ですよね!?
ていうか、少し前まではお盆を過ぎたら盛岡なんかもう一気に秋でしたよね!?
やっぱり地球がおかしくなってます。
温暖化は心配だし、電気代は値上がりするし、節約したいのはやまやまなんですが。
・・・・・・暑い(;゚Д゚)!!なにしろ暑い!!!
子供の頃はエアコンなんかいらなかった(そもそも家になかった)のに、
今は朝起きたらまずつけて(暑いと食欲が出ないんですよね。。。)、
仕事が終わって家に帰ったらすぐつけて(暑いと動けません。。。)、
寝るときも設定温度は高めですけどつけてます(暑くて眠れないよね(/_;))。
冬生まれのせいか、暑さに弱くてごめんなさい。
ペンギンさんや白熊さんの住むところを減らしてるのは私です。
わかっちゃいるけど、エアコン使わずにはいられない。
こうやって温暖化が進むわけなんですね。
勉強になりますね(?)
そんなわけで夏休みも終わり、またいつもの静かな映画館に戻った中劇です。
え?夏休み中も静かだったって?
・・・・・・。
とにかく、夏休みが終わったということは、映画マニアたちの動きが活発になる「大人映画シーズン」がやってきたということ。
いいですね。楽しいですね!
中劇もなんだかんだでオファー殺到のためパンク寸前、すでに口からいろいろはみ出ちゃってる状態で今回の大人映画シーズン走り出してます。
中劇の公式サイトの近日公開コーナーにいくつか載せ始めてはいますが、
そのほかにも「!!!」「いいじゃん!!」「観たかった!!」と個人的に嬉しい作品が何本も待機中。
映画の情報解禁は、ロードショー系の大きな作品はもちろんですが小さめのセカンド作品(全国公開から遅れて上映になるもの)でも厳しいきまりがあるので、中劇では基本的に作品の公式サイトのシアターリスト(上映劇場案内)に名前が載ったら中劇の公式サイトに挙げて宣伝を始めるということにしています。
もうー、決まってるなら早く言ってよね!!という気持ちも、私も映画ヲタクなので超わかりますが、実は我々も、ジリジリしながら待っているんですよね、映画の公式サイトに名前が載る日を。
毎日、映画の公式サイトに見に行って、「・・・まだかー(-_-;)」ってね。
そう、皆さんと同じです。
さすがにおかしいでしょ!!ってほどに遅い場合は電話しますけどね。
「あのー・・・シアターリストにまだ名前が載らないんですが、そろそろ載せていただきたいんですが~いかがなもんでしょう?」ってね。
なので、言いたい!けど言えない!苦しい!!
というこの辛さ、どうかご理解いただき、一緒に公式サイトに名前が載る日を待ちましょう(?)
そんななか、中劇の大人映画シーズンのトップバッターとして上映が始まるのはこちら。
「春に散る」
©2023映画『春に散る』製作委員会
この映画のプロデューサーが、作家・沢木耕太郎が2017年に発表した小説の映画化権を獲得してから6年がかりで完成にこぎつけた、執念の作品。
沢木耕太郎といえば、それはもうやっぱり「深夜特急」ですよね!
バックパッカーのバイブルと呼ばれ、ノンフィクションにおいて独自の世界を築き上げた代表作。
私も若かりし頃にまんまとドハマりして何度も何度も読み返し、
そして「同じように旅をしたい!!!」と思ったのですが。
この小説にインスパイアされて企画されたテレビ番組「電波少年」のなかの『ユーラシア大陸横断ヒッチハイクの旅』(大人気でしたよね!私も好きで、帰国後に全国を回った猿岩石
のトークショーにも行きました。。。)を見てあまりにもハードだったため、
「・・・・・・・・やっぱ無理。」となり、
それでもやっぱり『深夜特急』のような旅への憧れはあきらめきれず、
結局のところ『ヨーロッパ3か国だけ横断列車&バスの旅(しかも1か月限定)』という、コンセプトはうっすら『深夜特急』へのリスペクトを残しつつも、よりマイルドで安全な旅に変更したバージョンで旅をしてきた私でした。
ちゃんと一人でアジアを回ったり、ヨーロッパをがっちりロシアの手前まで横断した友人もいましたが。
そこまでストイックでもない、暑さも虫も混雑も不便も苦手なくせにミーハーな好奇心だけは人一倍という私は、自分のなかでの折衷案を取ったわけなのでした。
ヨーロッパに行く前に、映画「恋する惑星」にハマって突然香港には行ってあったので、
『深夜特急』のスタート地点はクリア済みだったしね(?)
『深夜特急』に触発されたというわりに、目的は『映画のロケ地めぐり』というどこまでもミーハーなものでしたけど。
そりゃそうでしょ、私ですからね!
どんな旅行だって、映画のロケ地めぐり抜きではできませんよ!
私は沢木耕太郎のようなストイックな、「己の冒険心と好奇心の赴くままに旅をする」なんて高尚な旅行なんかしたことありません。
・・・・・で、何の話だっけ??
ごめんなさい、前置きが長くて「深夜特急」の映画なのかと思いました??
違うんです。
そうそう沢木耕太郎!
そうなんです、だからこんな私みたいな田舎のミーハーなただの小娘でさえもバックパック一つで海外に行って安宿を泊まり歩きたくなっちゃうくらいに面白い小説を書く作家なんですってことが言いたかっただけなんです。
自伝的作品である『深夜特急』をはじめ数々のベストセラーを世に放ってきた沢木耕太郎はノンフィクションやエッセイが有名な方なんですが、
スポーツを題材としたものも多く、なかでもボクシングに造詣が深いことでも知られており、ボクシングをテーマにした作品もいくつも発表しています。
そんな沢木耕太郎が2017年にノンフィクションではなく小説として発表したのがこの「春に散る」。
©2023映画『春に散る』製作委員会
主人公は二人の男。
40年前、日本のボクシングに失望してアメリカに渡った元プロボクサーが日本に帰国するところから始まります。
これが佐藤浩市。
めちゃくちゃ渋い!!もうそこにいるだけでボクサー。
そしてこの方が出てるというだけで「絶対面白そう」と思いますよね。
中劇で上映した作品のなかでパッと浮かぶだけでも「20歳のソウル」の名門吹奏楽部を率いる名物顧問や「せかいのおきく」でのちょっとワケありな元武士、
そして今回の「昔プロボクサーだったけど思うところあって帰国しました」の役なんかも、もうなんか出てきた瞬間、佇まいから姿勢から動きからその役のバックグラウンドまで透けて見えるような気がするくらいに完全にその役が入りこんでいるのがすごい。
「この人がやるなら絶対大丈夫」っていう安定感と信頼感、そして存在感。
もう一人の主人公は、不公平な判定にブチ切れてボクシングをやめてしまった若者。
こちらが今をときめく横浜流星。
もう・・・なんていうか・・・・ひたすらカッコ良い。
この、過去のボクサーと今のボクサーが出会い、人生が交錯していくたった一年間の物語。
映画の始まりはちょっとユーモアも交じえつつ、人生の夕暮れを迎えた男たちと今を生きる若者の不器用な出会いと交流が描かれてほっこりするんですが、
男たちが本気でボクシングに向き合い始めると途端に、熱くてワクワクするスポ根ドラマになってきます。
でも、ただただ暑苦しいスポ根じゃないのがいい!
目線はずっとフラットで、誰か一人の視点じゃないので熱すぎず。
一人一人を静かに見守り、そこに入り込みそうになるとサッと次の視点に移る、そんな感じ。
だからこそ、ボクシングはもちろん格闘技全般が苦手な私でも、本物の試合に即したボクシングの試合のシーンもリアルすぎて見ているこっちがしんどいくらいに白熱しているのに目を逸らさず観ていられたのかも。
そしてこの、ガチのボクシングシーンがまたすごい。
そもそも空手の有段者、そして今回の役のためにボクシングのC級ライセンスも取得したという本気も本気の横浜流星が、撮影が始まる前にこの映画のボクシング指導の方に「プロから見てカットでごまかしてると思われないようにしたい」と頼み込んだというガチっぷり。
試合のシーンの構成も徹底的にボクシングの本物の試合に沿って作られているし、
撮影の仕方もカメラのせいで芝居を切らないようシネスコサイズで複数のカメラで撮影、そして第11ラウンドだけは完全アドリブという、俳優もスタッフも本気のリアル。
ライバル役の坂東龍汰、そしてディフェンディングチャンピオン役の窪田正孝も、
体作りから食事までプロと変わらない本格的な指導のもと、厳しいトレーニングを乗り越えて撮影された、肉体と魂を燃やし尽くす激しくリアルなボクシングシーンは必見です。
シーンとした会場で、キュッキュッと鳴るステップの音と荒い息遣い、そしてグローブが風を切りパンチが体にめり込む音だけが聞こえる緊迫感は、本当にその場で試合を見ているように手に汗握ったし、
パンチをくらってリングに沈む男たちの姿は熱くせつなく心を揺さぶられました。
かといって、ついつい体に力が入ってしまうボクシングシーンだけではなく。
ボクシングのトレーニングと同時に紡がれていく人間ドラマチームの、
哀川翔と片岡鶴太郎の、妙に説得力のある元ボクサー感や、
27年ぶりに実写映画への出演となる山口智子、
そして、「今の日本でヒロイン役と言ったらとにかくこの人」の橋本環奈。
この布陣が強すぎる。
特に注目してほしいのは橋本環奈。
©2023映画『春に散る』製作委員会
この、ほんともうマジでどこから生まれたの?レベルのガチ天使クラスの超絶美少女・橋本環奈姫が、今回、ほんとに、大分の田舎から出てきたスッピンで飾り気もなく着ている服も小ダサい、しかも父親の介護疲れで表情も薄い素朴な娘を演じてるんです。
すごくないですか?
ちゃんと見るともちろん超絶美少女なんですけどね。地元で一番の超絶美人でミスなんとかあたり取ってそうなくらい美しいんですけどね。
それでもやっぱり今回は、天使オーラは完全に消しちゃってちゃんとダサいのがイイ!!(超絶褒めてます)
まだまだ若いので、少し前まではどうしてもアイドル女優といった空気感が抜けきれなかった環奈ちゃんですが、今回はそこから一つステージを上げ、
ハンパなく綺麗な女優さんにはもしかしたら一番難しいかもしれない〝田舎の普通の女の子”の存在感も演技もモノにしたかも。
このヒロインのエピソードなんかもできればもっとしっかり見たかったですけどねー!
全体的にちょっと駆け足な感じになってしまっていたのは否めない。
でもなにしろ原作は上下巻からなる長編。
それを2時間ちょっとで描き切るというのはまず無理というもの。
じっくり、ゆっくり、一人一人の人間を見つめたうえで、ボクシングを通じて交錯し少しずつ変わっていくいろんな人生を味わいたかったというくらい、キャストも絶妙で描き方もすっごく良かったので、これをきっかけに原作を読んでもらうといいのかもしれません。
お話も、派手なエンターテインメントではなくて、あくまでも現代の日本に暮らす一人一人に寄り添った、誰でもどこかに共感できる人間ドラマになってます。
ボクシングという一見派手なテーマのもとではありますが、
実は出てくる人みんな、全然キラキラしてない。
・・・・イケメンはどうやったってイケメンだけど。
イケメンたくさん出てて、それだけで癒されましたけど。
流星くんも、坂東龍汰くんも、窪田正孝も、鍛え抜かれた上裸で汗だくで命賭けで戦ってるんだもん!
目の保養。ありがたい。最高です。
ほんとみんなカッコイイよねぇ~~~( *´艸`)!!!
不器用で人生に挫折した人(イケメンだけど)とか、
ほんとはいい子なはずなのにプレッシャーで強がってるボクサー(イケメンだけど)とか、
田舎で介護に明け暮れて疲れ果てた娘さん(超絶美人だけど)とか、
バブル期に日本を離れ、病気を抱えて戻ってきたら疲弊した国と光を失った故郷になってて哀しくなっちゃうおじさん(イケオジだけど)とか、
男運が悪くてしょうもない暮らしから抜け出せない母親(坂井真紀、こういう役似合いすぎ)とか。
出てくる人みんなが重くてリアル。
そんな人たちが、夢と一瞬の光を求めてすべてを懸ける胸熱なドラマです。
それでも重くなりすぎず、一歩引いた目線ですべてを冷静に見つめて「今この瞬間を生き切る」人たちの魂の叫びを描きだす、爽快で希望にあふれた作品です。
©2023映画『春に散る』製作委員会
監督は、「64ーロクヨンー」「護られなかった者たちへ」で数々の映画賞を受賞、
「糸」「ラーゲリより愛をこめて」では大ヒットを記録した瀬々敬久。
温かくも一歩引いた冷静な目線で、深く力強い感動作を送り出してきた映画職人。
若いころ沢木耕太郎のノンフィクション作品を夢中になって読んだ経緯を持つ監督自身が「これぞ沢木耕太郎というような映画を撮りたいと思った」と語っており、
まさに世代を超え、時代を熱く焦がし続ける者たちの魂の叫びをスクリーンに描きだしています。
観たあとの心には、不思議な解放感と同時にほんのりと切なさが残る、
熱く儚い大人の青春映画。
白熱のボクシングシーン、絶対にスクリーンで観てくださいねー!!
さてさて、暑いなかでも毎日ものすごい数の見なくちゃいけないドラマやバラエティ番組に追いかけられつつ、映画もなんとか観ようと頑張っている私です。
この大人映画シーズン、もちろん中劇の作品は可能な限り観ようと思っているし(思ってはいます。もちろんね。)、
先日、推し活もかねて観た「トランスフォーマー」(当然、日本語吹き替え版。みなさん、「トランスフォーマー」観てください。まだの方や迷ってる方はぜひ。もちろん日本語吹き替え版ね。子供も楽しめる究極のエンターテインメントでした!)がめちゃくちゃ面白かったので、なんならもう一回観たいし、
南部興行さんの近日公開作品が私のヲタク心をくすぐる神ラインナップなのでマジでスケジュール大変なんですけど!!とニヤニヤしているところ。
ああー大変大変!通わなくちゃ!
さあ、夏休み期間は観るものがなくてわりとおとなしめにおうちにこもってた映画マニアのみなさん、出番ですよ!!
選り好みせずにすべての映画館の上映予定をチェックして、思う存分マニアックな映画生活を再開してくださいね!
中劇もまだまだ新作入ってきますからね、お楽しみにー!!!
★中劇公式サイト http://www.chugeki.jp/
2023年8月4日金曜日
観ました。「君たちはどう生きるか」*ネタばれ無し*
こんにちは。
8月ですって。
まったくそんな感じのしない、静かな夏休みを迎えた中劇です。
子供があまり来なくて大人ばかり、
グッズも無くて(パンフすら発売はこれから)ほんとに静か。
もう何十年も夏休みにはポケモンをはじめとしたいろんな東宝系のでっかいアニメ作品を上映してきた中劇なので、
ロビーや売店に響く子供たちの声が無いとどうも「夏」っていう実感が出ないんですよ。
「クレヨンしんちゃん」で子供たちが来てくれるようになると、
やっと夏休み感が出そうです。
というか、マジで夏、感じさせてくださいよ!!
子供たち、頼むからたくさん来てくれよ!!
小学生男子が満面の笑みで「この山盛りポップコーンのために毎回、中劇に来てます!!」と言ってくれたポップコーンも、
子供を4人連れてきたお母さんから「このジュース、ほんと助かります!!」と言ってもらえたプレゼントのミニジュースも、
夏休み用にどっさり準備してしまったんですからね( ゚Д゚)!!
来てくれないと困るのよ!!
みなさん、夏休みの映画はぜひ、
ゆっくり観られてお財布にも優しい中劇へ( `ー´)ノ
・・・・と、周りの方たちに宣伝してくださいね。
10人に宣伝しないとあなたに災いが・・・・じゃないです。
10人に宣伝したらきっとあなたに幸せが訪れることでしょう♪
たとえば・・・私から感謝状が届くとか!?
それとも私の連絡先ゲットにしましょうか!?
「あ、それは大丈夫でーす!」とか言われそうですね。
余談ですけど、あの、今の若い子たちが使う「大丈夫です」は、私の頭の辞書にある「大丈夫です」とは全く反対の意味みたいで毎回、困惑します。
私の「大丈夫」は、「OK」の意味なんですけど、今の若い人たちの「大丈夫」は「NG(お断りします)」の意味で使うんですよ!
どういうことなんですか!?いつからそうなったのさ!?何が正解!?
みなさんはどうですか??
・・・・・・また話がそれましたね。
そんなわけで(?)絶賛上映中。
「君たちはどう生きるか」
(C) 2023 Studio Ghibli
いまだに、この画像しか使わせてもらえません。。。徹底してます。
そして観ましたよ。
お客さんたちと一緒に初日に。
でも、観てすぐにブログを書き始めると、いらんことまで語ってしまいそうだったので少しほとぼりが冷めるまで寝かせてみました。
やっと最近、完全シークレット状態だった中身が明かされてきたとはいえ、
なんだかあまりネタバレをする人は多くはないようですね。
パンフもまだなので、詳しいことや製作サイドからの情報もあまり出ていないからでしょうか。
それとも日本人、意外と真面目?
空気を読んで、ネタばれしないようにしている?
とりあえず、友達の中学生男子は観終わってからもあの不思議な鳥の声が菅田将暉だということが信じられず、確認するためにもう一回観ると言っているそうですし(そもそもメガネを忘れたらしい!いや、メガネ!!それはかけてくれよ( ゚Д゚;)!!)、
小学生女子は、ジブリ映画につきものの、あの小さくてかわいい不思議な生き物の集合体(まっ黒クロスケとか、コダマとか、そういうやつ。今回もちゃんと出てます、カワイイの。)がとにかくカワイかったのでもう一回観たいと言っていたし、
私はひたすらいろんな人から「どんな映画なの!?結局、なんの話なの!?」などと聞かれても、隠すつもりは毛頭無いけど、「ほんとにちゃんと面白い!でも、なんの映画とかどんな映画とか、マジで説明が難しくてきっと何を言っても伝わらないからとにかく自分で観てきて!」と言っている状態で、
まあつまり、そんなこんなでリピーターも出るし、よくわかんないけど一応観るか、の人もいるのでヒットしているのかもね。そう、都会は。
・・・・・ってところでしょうか。
って、映画館スタッフのくせにそんな感想で終わらそうとするなんて雑すぎますよね(-_-;)
まあ、まだまだ「これから観るよ!」って方もいると思うので、ネタバレなしで少しだけ。
不思議な体験でした。
映画を観ながら耳をすまして、「この声は・・・・もしやあの人・・・(前にもジブリ作品で声の出演してた)!」とか、
「ハッ(゚д゚)!これ、〇×△□じゃん!!(超有名売れっ子俳優)」とか、
「誰だっけ、この声・・・誰だっけ誰だっけ・・・・わかった!!!」とか、
キャストを推理しながら観るなんて・・・!!
想像以上に楽しかったですよ(*‘∀‘)
今はもうだいぶ声の出演もバレてきましたけど、
キャストも内容も登場人物も、全くなんの情報もなく観る映画って初めてかも。
お話は、壮大な世界観を持ちながらも、本質はとても小さな物語。
でもよく考えてみると、宮崎駿作品ってみんなそうかも。
壮大なスケールで描かれてはいるけれど、
結局のところ、自分や家族なんかのごくごく小さなお話だったりしますよね。
そういった意味ではやはり根本は同じなんだなと思いました。
時代なんかいつでもよくて、場所なんかどこでもよくて、
思春期まっただなかという感じの少年と少女、
お話の鍵を握るおばあちゃん、
とてつもなく大きなお屋敷(お城?)、
ちっちゃくてかわいい生き物の集合体(?)、
水、空、森、
そして自分ではどうしようもない自然や出来事や問題に立ち向かう主人公。
そして「うわぁ、そうきたかーーーー!」のエンディングテーマ。
参りました。
まあ、せっかく徹底的にすべてを隠して上映が始まったこういう作品ですからね、
つべこべ言わずにその波に乗ってしまえばいいじゃない。
あちこちからいろんな情報が入ってきちゃう前に。
そして、よくわかんなくても、
何が言いたかったんだろうと思ったとしても、
それでもやっぱり、また観たくなっちゃうんですよねぇ。。。なぜか。
もう一回観たらわかるかな。
あのシーン、もう一度ちゃんと観てみたいな。
なーんて思ってさ。
そのうちテレビでやるようになったらついつい何度でも観ちゃってさ。
そうして「あ!!!!そういうことか!!」ってわかるときがきたりしてさ。
大人になっても、大人になったらなったでやっとわかることがあったりしてさ。
そしたら今度は自分の子供に観せたりして、一緒に観たりして、
そうやって、ずーーーっと寄り添って一緒に成長していくのがジブリ映画だよな~。
なんて思ったりしてさ。
そんで観終わると、やっぱりパンフ、欲しいですよねー!!
私もです。
諸事情により(お財布、保管場所、などなど)、今は気に入った映画のしか買わなくなりましたけど、実は大昔の東映マンガ祭りやら「劇場版アルプスの少女ハイジ」なんていう子供の頃に観た作品から、若いころはマジでつまんなかったクソ映画やしょうもないB級映画の紙質だけじゃなく中身もペラッペラなクソみたいなパンフまで(口が悪くてゴメンナサイ!)とにかく映画館で観たものはすべてパンフを買うというちょっと強迫観念じみたクレイジーな収集癖があった私なので、
今でもやっぱりジブリ作品のパンフは欲しいよね~!
先日、ルミエールさんで「パリ・タクシー」と「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」を観て、
面白かったのでやっぱりパンフが欲しくて買おうと思ったらどちらも「注文したけど入荷が無かったんですよ~!」と言われて「えー!欲しかった!」などと思わずゴネたくらいの私ですからね。(ゴネるのは迷惑なのでやめましょう。)
まあ、「君たちはどう生きるか」のパンフレットは、これから販売になると決まっているので楽しみに待ちましょうね!
これはほんとに、読むのが楽しみ!
私の見解で合っているのか、あれは本当にこういうことだったのか、
宮崎駿監督や鈴木P、そして製作サイドのお話が早く知りたいです。
あとは、やっぱり自分で観てみてほしいかな!
私ももともと、ほかの人の感想とかあんまり知りたくないほうの人なんですよね。
自分は凄く良かったのに他の人がぼろくそに言ってると、もう「私は好きだよ!」とは言えなくなってしまうんですよね。。。ついついね。
周りに合わせてしまったりね。
同意まではしなくとも、うんうんなるほどーなんて相槌打ったくらいにしてね。
こんな私でもやっぱり反対意見は言いにくいわけです。
だから、映画は一人で観るのが好きです。
感想言わなくて済むから。
・・・・友達がいないわけじゃないやい(;゚Д゚)!!
平日の・・・・昼間に・・・・空いてる友達がいないだけ・・・・です。。。
って、そんなことはどうでもいい。
みなさん、ほんとにこれはマジで、意地張ってるんじゃなくて、
一人で観るのもいいですよ。
誰に気兼ねするでもなく好きなものを、好きな時に。
一緒に観たこの人、この映画どうだったかななんて考えずにね。
なんか、誰かと一緒だと気になるじゃないですか絶対に。
自分がつい笑っちゃったシーンとか、チラッと隣を見たりしてね。
そしたらその人は全く笑ってなかったりしてね。
あ・・・・・・合わない・・・・( ゚Д゚)なんて思ったりしてね。
そして今回のこの「君たちはどう生きるか」はまさに、お一人様での鑑賞をおすすめします。
ほんとは家族連れで一組の人数が多いほうが映画館としても映画業界としても助かるわけなんですが、今回ばかりはそれよりも『映画好き』『映画ヲタク』として言わせていただきます。
この映画に限っては、大人一人で、ゆっくりと観て、観終わったあとじっくりと感慨にふけるのが、おすすめです。
カフェとかね、静かなバーみたいなとこでもいいね!
「え、あれ、どういう意味!?」とか、
「あのシーンはよかったなー」とか考えながらね。
ほんとはねー!パンフ見ながらがいいんだけどなー!
まだ販売前なんだよなー!!!
早く売ってよー!!!(完全に観客目線)
早く売ってよー!!!(完全に観客目線)
近々、発売になると思うのでぜひ買って、読んでくださいね!
入荷したらすぐに情報流しますから!ツイッターで!
ツイッター担当のNさんが!(丸投げ)
そんなこんなで、いろんな意味で映画業界が「君たちはどう生きるか」に振り回されている間に、いつのまにか季節は真夏。
そしてさんさの太鼓が響く真夏の盛岡に、
クレヨンしんちゃんが降臨です。
「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE
超能力大決戦~とべとべ手巻き寿司~」
(C) 臼井儀人/しん次元クレヨンしんちゃん製作委員会
相変わらずなんのこっちゃなタイトルですが、
毎年必ず、子どもだけでなく親も楽しめる(なんなら親だけ泣く)クレヨンしんちゃん。
ふだんは春先、ゴールデンウイークがシーズンの映画なんですが、
今年はなんと、シリーズ初の3DCG化。
めちゃくちゃ綺麗な映像で、しんちゃんのプクプクのほっぺもツルツルのお尻も、
感動するくらいに美しい映像でお贈りします。
なんと脚本&監督は大根仁!
私も大好きな「モテキ」や「週刊 真木よう子」、「エルピスー希望、あるいは災いー」、それから大河ドラマ「いだてん」も手掛けていましたね!
関わるほとんどの作品で、自分で脚本も書く大好きなクリエーターです。
そして毎回、気になるのはゲスト声優。
バイトはうまくいかず、推しのアイドルは結婚、さらには暴行犯に間違われ警察に追われるという運の悪さで暗黒のエスパーとなった男という残念な悪役を演じるのはなんと、
松坂桃李!!
ちゃんとしたイケメン持ってきたーーー!!!
松坂桃李が、イケメンオーラを消して声だけでどこまで残念男子になりきれるのか楽しみですね。
それと、お約束のお笑い班で空気階段の二人!
空気階段、好きですよ~!面白いですよね!
こちらはこちらで楽しみです♪
毎回、主題歌もセンスが良いと評判のクレヨンしんちゃんですが、
今年はなんとサンボマスター!
セレクトが毎回、絶妙~なところ突いてきますよね!
混雑具合についてはそのとき次第なのでなんともいえませんが、
子ども映画がにぎわう午前中の時間帯は大きいほうの劇場で上映するので、
席が無いってほど混み合うことはないと思います。
心配であれば、中劇公式サイトの上映時間のところからオンラインのチケット販売に飛んでみて空席状況をご確認くださいね。
子供会の団体観賞も続々予約が入ってきています。
ポップコーン付きで予約していただければ、ご来場時にすぐにお渡しできますのでぜひご利用くださいね♪
家族みんなで笑えて泣けて「面白かったーー!!」と言える映画です。
暑くて外に出たくないけど、家にいると子供たちがうるさい・・・!
なんてときは迷わずみんなで、涼しい映画館にお越しください♪
さてさて、子供映画でにぎやかな夏休みはあっという間に過ぎ去り、すぐに秋になる盛岡ですが。
このごろなぜかあちこちの配給会社さんからとにかくいろんな映画のオファーが届いてMMK(モテてモテて困る、の意味。昭和の言葉です)の中劇です。
どうしちゃったんでしょうか。
嬉しいんですけど、どうにもこうにも中劇、
2スクリーンしかないって言ってるじゃんかーーーーーーー!!!!
スクリーンいくつのシネコンだと勘違いしてるんでしょうかね?
魅力的な作品ばかりなんですが、それだけでなく強大なる大人の事情とか、
「イエッサー!」しか返事の選択肢が無いお話がいきなり入ってきたりもするので、
魅力的なお誘いがあったからといって二つ返事でOK ができるわけでもなく。
とはいえ、映画館である以上は、たくさんの素敵な映画を上映したいというのはスタッフみんなの根本的な当たり前の思いなので、なるべくたくさん上映していきたいとは思っています。
・・・・というわけで、すでに今から秋の作品がぎゅうぎゅう詰めで渋滞になることが決定しています。
中劇公式サイトの近日公開コーナーで発表になっているものもありますが、
まだ載せられないものもいくつかありますし、上映検討中のものもあるので、
映画好きのみなさんは覚悟しておいてくださいね!
盛岡のくせに暑い夏でほんと大変ですが、
それもあと数週間というところでしょうね。
お盆が過ぎて子供たちの学校が始まるころになれば、
暑さも和らいで同時に各映画館もまたすぐに良作が列をなして並ぶ大人シーズンが来ますので、体調を崩さないよう気を付けてお過ごしくださいね。
私も気を付けます。
目下の悩みは、休肝日が無いこと( ゚Д゚)!!
・・・だって暑いんだもん!!
飲みたいじゃん!!お風呂上りにはシュワシュワのやつ!!
すぐにできそうだと思うでしょ?
でも残念ながら私の場合、自分に甘いで有名な、意志の弱い女なんです。
がんばって休肝日作ります。
だからみなさんもがんばって!(?)
★中劇公式サイト http://www.chugeki.jp/
2023年7月13日木曜日
「君たちはどう生きるか」
こんにちは。
夏ですね。
夏ですね。
映画館の繁忙期がやってまいりました。
毎年、7月に入るとどこの映画館もソワソワザワザワとしてきます。
映画会社はどこも夏には両腕ブン回して、大人向けも子供向けも大入りが期待される大作を用意してくるので、全国の劇場はその夏休み映画たちの準備でてんてこ舞い。
中劇でも、いつもより売れるはずのポップコーンや販売機のお菓子の注文、
近隣の幼稚園保育園や小中学校に配布する割引券の準備、
そして毎年必ず大量に入荷して来る販売グッズの準備・・・・
なんかで・・・・・バッタバタでぐっちゃぐちゃで、残業だらけ・・・・
のはずなんですけど・・・・・。
・・・・・・・静か( ゚Д゚)!!!
今年、静かすぎて怖い・・・!!
え、今日、こんな時間に帰っていいの??
もうすぐどでかい夏休み映画、始まるのに!?
あとやることないの!?
毎年、この時期は次から次とやらなきゃいけないことに追いかけられてヘトヘトで帰ることが多いんですけど、今年は拍子抜け。
毎日、タイムカードをつくときに「・・・・え、ほんとに帰って大丈夫?私、何か忘れてない!?」と不安になる7月は初めて。
「え?何か大きい映画始まるんだっけ?」ですって!?
始まりますよ!!!!!
ヤバいやつが( ゚Д゚)!!!
「君たちはどう生きるか」
(C) 2023 Studio Ghibli
スタジオジブリ最新作。
十年ぶりに宮崎駿が原作・脚本・監督を務める冒険活劇です。
『風立ちぬ』から10年!?
もうそんな!?
それが衝撃。
2~3年前の感じがしますけどね。。。
10年なんかあっという間だなぁ・・・・
などと感慨にふけっている場合ではありません。
「え!?ジブリの新作なんかあるの!?知らなかった!!」
なんて声もけっこう、わりと、そこそこ・・・・いや、かなりあります。
だって、なーんにも情報出てないですもんね!!
7月なかばからの公開で、7月に入っても予告も、声の出演キャストも、内容も、
一切情報が出ていない!
チラシも作られてないし、なんと公式サイトすらできていない!!
・・・・すごいですよね。
上映劇場にも、この、上の画像と同じポスターが届いただけで、あとは全くなんにも届かず、何の情報もありません。
みんなこのポスターを見て「なに?鳥?目はどれ?」ってなってますよね。
そしてこの映画のタイトルを初めて知った時、
「あれ?なんか本屋さんで見たことあるかも??」と思ったのは私だけではないかも。
というか、知ってる人、読んだよって方も少なくないかも。
でも、少し前から本屋さんで平積みになっていた吉野源三郎氏の同名小説『君たちはどう生きるか』は、あくまでタイトルの元ネタであり、内容との関連性は一切無いそうです。
そして、そのほかのことはほとんどわかっていません。
そのため、いろんな人がいろんなところで考察したり推理したりもして水面下ではあちこちざわついてはいるんですが、
映画館は、なんというか、目隠しをされたまま準備をしているような、
でもそもそも準備する物すらあんまり無いので困惑しているような、そんな感じ。
明日から始まるというのに!
これ、ただ単純に私たち映画館スタッフに箝口令が敷かれているから言わないってわけではありません。
まあ、ある意味、箝口令が敷かれてはいるんですが、それだって最低限の日にちやら上映の仕方やらのビジネス的なやり取りくらいで、
それはこの映画に限らずどの映画だってふだんから口外しないのは当たり前なんで。
というよりそもそもこの映画については、
「映画館スタッフもなーんにも知らない」んです。
我々がこの映画のことについて知ってることは、ほぼみなさんと同じです。
誰が声をやっているのかも、どんなストーリーなのかも、主人公の性別はもちろん、そのビジュアルさえ、劇場スタッフのだーれも知りません。
映画の上映には欠かせないチェック上映(試し写し)でさえ、最低限の人数で「物理的に冒頭だけちゃんと映るかどうかのチェック」のみ。
徹底した情報管理です。
ますます気になる!!!!
ってところを突いてきてるんですね!
ただ、劇場側はいろんな意味で超~~~~ドキドキ。
音量とか映り具合とか大丈夫!?
から始まり、最終的には、
「・・・・っていうかお客さん、来るんだよね( ゚Д゚)!?」
・・・・・ビジネスなんで、やっぱりそこはね。気になりますよね。
とはいえ、結局のところ我々は、現時点でできる限りの準備をしてあとは公開日を待つだけ。
もう、気になった方には観に来てもらうしかありません。
なにしろこちら、パンフレットすら最初は販売しません( ゚Д゚)
公開後、しばらくしてから販売する予定。
とにかく映画館で観れる人だけが観て、観た人だけがどんな映画なのか知ってる、特別感。
いや、映画のパンフレット好きの私としては、それはちょっと残念なんですけどねー!!
映画観た日とは別に、もう一回映画館にパンフ買いに行かなきゃいけないからねー!
面倒だよねー!たまに売り切れて、そのあともう入荷が無いとか言われたりしてね!
だから、映画観たらそのまま帰りにパンフ買いたいんですよー私!!
そして帰りのラーメン屋とかコーヒーショップとかで、パンフ読みたいんですよー私!
だって今日もやりました、それ。
「波紋」観てパンフ買って、ラーメン屋で読みました。
それが映画ヲタクの至福の時なわけですよ(*´з`)
でも、それよりも、どの人も中身を知らずに真っ白な状態で映画を観てほしい!
ほんとに映画館で観た人だけが語れる映画にしたい!
そういうことなんでしょうかね。
ジブリさん、本気です。
映画観て、気に入って、もう一回観に行ったときにパンフを買う。
これでいきましょうか。
売り切れてないといいけど(/_;)
ここだけの話、パンフレットやグッズってね、大手の映画会社の大きな作品ほど、映画館には注文個数の自由はないんですよ。
残念なことに、パンフやグッズを作っている会社の采配で、「この映画館はたいして売れないでしょう」と判断されたら少ししか入ってこないし、
逆に劇場側が「この映画のパンフはそんなにいらないよ」と思っていてもいきなり大量に送られて来たりね。
よく売れるからとこちらが追加注文をしてもスルーされたりね!(→言いたいことが山ほどある人)
映画館なんてそんなもんですよ(-_-;)
なんの権限もないんだからさ!!特にうちみたいな弱小はね!
・・・あれ?何の話ししてたっけ?
そうそうパンフね。
というわけで、いろいろあるけどとにかく「君たちはどう生きるか」のパンフは、
公開してすぐは販売してませんので要注意。
入荷については、東宝の公式ツイッターや中劇の公式ツイッターでお知らせしますので、
それから買いに来てくださいね。
そしてもっと気になるのは、そう、混むのかどうかってことですよね?
わかるわかる。
私もスッゴク気になってます。
でも。
・・・・・・・正直、全然わかりません( ゚Д゚)!!!!
いつも通り、チケットは劇場窓口でもオンラインでも2日前から買えるので、
ほんとに買わなくてもいいので「どうなってるかな~」って覗いてみたらどうですか?(→なんかひとごと)
だってほんとにわかんないんだもん!!
ふだんの中劇なら、
「え?あれ?なんでこんなに空いてるの?」とか、
「もっと混んでると思ったー」とか、
お客さんたちの無邪気な刀で正面からぶった斬られることも多いんですけど。
今回ばかりは本当にわかりません。
東京みたいに激混みになるのか、
それとも「あれ・・・・?」ってことになってるのか。
でも、今回のこのやり方だと、最初はジワジワで徐々に口コミで広がり、そのうちドカーン!でロングラン。のパターンかなと私は読んでいます( `ー´)ノ
→何様?
だって、みんな知らないからね!どんな映画なのかも、なんならいつから上映するのかってことも!!
明日(7月14日)だよ!!!
なので、逆に、口コミで「ヤバイ!マジすごい!!」とかで噂になって爆発する前に早めに観ておいたほうがいいのかも!?
ただ、今言えることは、
どうしても早く観たいのであれば念のため、朝よりは夕方の回、
そして週末や祝日よりは平日のほうがマシだと思いますよということくらい。
ゴメンナサイ。。。。
手探りすぎて、このくらいしか言えません。。。
あとは、いつもの夏休みと同じです。
◎全席指定で、チケットは劇場窓口・オンラインともに2日前から購入可能。
早めにチケットを買っておいて、映画に間に合うように劇場に来てくれればOKです♪
◎盛岡の近隣幼稚園・保育園、小中学校に配布した割引券も忘れずに!
でも万が一忘れても、中劇の公式サイトに同じ割引券が載っているのでそれをお見せいただいても同じサービスが受けられるのでぜひご利用ください!
◎駐車場のサービスは、金田一、MOSS、リリオです。
オンライン購入の方も当日、駐車サービスがあるので駐車券、必ずお持ちくださいね。
◎中劇は飲食物持ち込み可能。
電気代や灯油・ガソリン、食料品や日用品も値上がりして大変なのに給料は上がらずしんどいですよね。
そんなときは中劇で、家から水筒、コンビニおにぎり持参で映画も有りですよ♪
◎劇場ロビーには、ジュースとお菓子の販売機があります。
それと「大盛りで嬉しい!コスパ最高!」と評判の(自己申告じゃありません。ほんとに言ってもらってます!)ポップコーンもありますのでぜひお試しくださいね!!
このくらいかな。
あとはもう、蓋をあけてみないとわかりません!
明日からの上映なのに、私ももちろんですが劇場スタッフも誰一人観れていないという、前代未聞の謎作品。
ちょっと面白くなってきましたね!
私も、公開後にみなさんと一緒に劇場で観ることになりますが、
とにかく早めに観ます!
だってさ、口が軽い奴って絶対いるじゃないですかー!
悪気はなくてもポロッと大事なことを口滑らせてさ、「あれ?まだ観てなかったの!?」とか「ごめん、絶対もう観てると思ったからさー!」とか言ってくる奴!
この前代未聞の大作の内容を、そんなデリカシーの無い(映画好きの心理や真理をわかってない)人たちの世間話なんかで知りたくないじゃないですか!
だからみんなで、さっさと観ましょうよ!
やっぱりここはひとつ一大ムーブメントが起きる前に、というかそのムーブメントを起こした最初のメンバーになるために( `ー´)ノ
・・・・・などとわざとらしく大口をたたいてみましたが、
まあ結局のところ、たくさんのお客さんに来てほしい(来てもらわないと困る)ので、
映画好きのみなさんからまずは、尻込みせずに観ていただきたい。
アニメはちょっと・・・とか、混みそうだから落ち着いてからでいいや・・・とか言わずに。
ほんとになんの前情報も先入観もなく評価も全く耳に入ってこない真っ白な状態で映画を観ることって、今の時代は逆に難しいですからね。
そんな体験を楽しんでみましょうよ(*‘∀‘)
「君たちはどう生きるか」
明日7月14日(金)朝8時より全国公開です!!!
さてさて結局、寝落ちに寝落ちを重ねて公開日前日の更新となってしまった今回。(→いつもですけど)
早めに書き始めたんだけどなー(/_;)
とはいえ、7月に入ってもいつもの忙しさが無いのをいいことに、わりと意欲的にいろいろ映画を観ている私です。
中劇での上映作品ももちろん必死で観ましたけど、
ふだんは〝雨”とか〝眠い”とか〝めんどくさくなった”とかで行くのをやめがちな他劇場さんの作品もちゃんと観てます。珍しく。
巷でスーパーヒットと騒がれている「スーパーマリオ」も、テレビシリーズが大好きだった「岸辺露伴」も、「パリ・タクシー」も、「アフターサン」も「波紋」も!
すごくないですか!?この!めんどくさがりの私が!こんなに!!
みんな超よかったよ!!起きるのめんどくさくてこのまま寝てようか迷ったけどがんばって行ってよかったよ!(→映画館スタッフのセリフとは思えませんね)
スーパーマリオは寝ちゃったけど!!音デカいし楽しかったのになんで寝たんだろ!!
中学生のころ、無限アップしなくても全面クリアできるほどやりこんだのに!(関係ありません)
まあ前の晩、ヲタ活で夜更かししたからでしょうね、間違いなく。
この夏も、映画ヲタクと〇ャニヲタの二刀流でがんばります!!
あーほんと、二刀流って大変だなー・・・(*´з`)!(→大谷翔平を語るのと同じスタンスで言わないでください)
そんなこんなで、珍しく精力的に映画を観ているのですが、
なにしろ中劇の7月公開作品は「君たちはどう生きるか」のみ!
・・・・なんか、逆に圧を感じる・・・!!
適当なこと書けない( ゚Д゚;)!!
とりあえず、早めに観ますね。。。
映画ヲタクのみなさん、一緒に観ましょう!!
くれぐれも、観てない人がたくさんいる前で大声で感想を喋らないように気をつけて!!
★中劇公式サイト http://www.chugeki.jp/
2023年6月30日金曜日
映画館で世界旅行
こんにちは。
夏ですね。
夏ですね。
だって帰り道、さんさの太鼓の音が聞こえるんだもん!
暑くて、さんさの太鼓が聞こえたら、そしたら盛岡はもう夏です。
間違いない。
家にいて、さんさのパレードの音が聞こえてくるという場所に育った私としては、
仕事帰りにさんさの太鼓の音が聞こえてくると、ソワソワしちゃうわけです。
え?さんさ?
・・・・・出ませんよ?
一度も出たことは無いですよ?
なんか、出るほうにはどうも縁がなくて・・・・(人見知りなので)
人前で踊るのも苦手だし・・・・・(踊り全般、センスゼロ)
それにあの、「夏だぜ!祭りだぜ!」っていう雰囲気だけで酒が飲めるというか、なんならそれだけでいいというか・・・・(便乗するだけ)。
さんさの期間は、映画館通りにもたくさんの出店が並ぶので、
休憩時間にそこでいろいろ買ってきてみんなで食べたりとか、
帰りしな、内丸のあたりの道路に出てるテーブル席でビール飲んだりとか、
それが楽しみだったりして( *´艸`)
・・・・まあ、そんなもんです。
暑いのも、汗かくのも、虫も大嫌いなので夏そのものは苦手だったりするんですけど、
〝夏の雰囲気”だけは好きっていう、
でもできれば涼しい建物のなかにいたいけどー!
みたいな、なんていうか・・・・
ただの・・・・・ミーハー?
まあ、それも夏です♪
そんななか、かきいれどきの夏休み前、粒ぞろいの新作ラッシュで朝から晩までフル回転中の中劇です。
(→というより、覚悟を決め気合いを入れていかないといけないジブリ作品【7月14日公開「君たちはどう生きるか」】公開前に、待機中のすべての作品をこなすという使命?任務?のためと言ったほうがいいかもしれない。。。)
朝9時の回から、夜9時スタートの回まで、
もう、ぎゅうぎゅう詰めで、これ以上食べられないよー!みたいな、口からちょっと出ちゃってるくらいのお腹パンパンの状態で無理やり走ってる状態。
もう、ぎゅうぎゅう詰めで、これ以上食べられないよー!みたいな、口からちょっと出ちゃってるくらいのお腹パンパンの状態で無理やり走ってる状態。
なので。
・・・・・・・・・・観に来てください(>_<)!!!
こんな状態で、お客さんが来ないんじゃ目も当てられない!
せめて観に来てもらわなきゃ!!
というわけで、スケジュールが渋滞中でどの作品もあまりのんびりとは上映できなさそうなので、気になったらとにかくさっさと観てしまってくださいね。
6月30日公開
「コンパートメントNo.6」
さて、今、平日休みの昼下がり、コーヒーをおかわりしながら心おきなく仕事ができる涼しくておしゃれなお店でこのブログを書いているんですけど、
© 2021 - Sami_Kuokkanen, AAMU FILM COMPANY
こちらは、第74回カンヌ映画祭でグランプリに輝き、アカデミー賞国際長編映画賞フィンランド代表選出、ゴールデングローブ賞ノミネート、そして本国フィンランドではフィンランド・アカデミー賞と言われる映画賞で7冠、ほかにも世界中の映画賞を席巻して話題になった作品。
カンヌのグランプリといえば、最高賞であるパルムドールに次ぐ第二席の賞。
これはなかなかにすごいこと。
この年のカンヌは、パルムドールが「TITANE/チタン」、
監督賞が「アネット」のレオス・カラックス、
脚本賞は「ドライブ・マイ・カー」という、映画マニアもそうでない人も注目して日本でも大いに沸いた年でした。
そこで、静かに第二席であるグランプリを受賞していたのがこの作品だったってわけ。
「あぁ、あの年ね!!」と私もあとで気付きました。
1990年代を舞台に、寝台列車でモスクワからひたすら北上する女子大生の一人旅を見つめるロードムービー。
ここで説明しておきたいのは、そう、この映画が北欧フィンランドの作品だということ。
フィンランドの映画と言えば、中劇ではシリーズすべてを上映してきたおしゃれでかわいくてとにかく目にも心にも癒やしだった「オンネリとアンネリのおうち」が浮かぶんですが、
今回はそっち系ではなくて、どちらかというとアキ・カウリスマキ系というか。
延々の曇天に笑わない主人公、そしてストーリーもエンタメじゃなくて淡々と日常を見つめる徒然系。
しかも舞台は、モスクワから世界最北端の駅へ向かう寝台列車。
傷心旅行はやっぱり北だよね!ってのは万国共通の感覚なのか?
などとしょうもないことを考えつつ、
色素が薄くて無表情な、いかにも北のほうの国の美人さんのちょっと危なっかしくてドキドキな一人旅を見守ります。
この映画はほとんどが列車の中。
そのうえ、列車の中から見える風景は常に曇り空、あるいは雪。
登場人物は、全体を通しても両手で足りるくらい。(いや、片手!)
色味も、雰囲気も、ストーリーも、地味!オブ地味!
でも、決して重くはないし、鈍い笑いとほのかなユーモアも漂う。
そしてなんか、全体を覆う空気がカラッと明るい朗らかさとは違う、どことなく暗くてどんよりとしたなんか・・・・・こう・・・・わかります・・・・・!?
ポップとまではいかないけど、軽やかな暗さ?みたいな。
もう、ザ・北欧!!なんですよ。
でもその感じ、嫌いじゃない方は意外と多いですよね?
私も嫌いじゃない。むしろ好き。
・・・・って、こんな説明で北欧の映画の良さ、伝わるかなあ!!!
ジャンルとしてはロードムービー、だけどどんどん寒くて日照時間も減っていく北に向かうなんとも微妙な空気感。
そして一人旅に出た主人公が、寝台個室で最悪の出会いをした男性と過ごすたった2日やそこらのなんてことないお話。
なので、どっかーん、バッキーン、ハラハラドキドキ、
あるいはキラキラ、ワクワク、胸キュン、
なんかを期待する方にはおすすめしません。
北欧の映画に慣れていて、なおかついろんなマニアックな映画を観るのが好きないわゆる映画ヲタクの方には激推しの映画です。
別に、そこかしこに伏線が散りばめられているわけでもないし、
最後にどんでん返しがあるわけでもないし、
列車系ロードムービー(兼、胸キュンラブストーリー)の代表作リチャード・リンクレイターの「ビフォア・サンライズ」(→私が映画館で観てイーサン・ホークに超ーー胸キュンした当時はタイトルが「恋人までの距離(ディスタンス)」だったんですけどね。)みたいな、美しい風景の中を美しい男女がおしゃれな会話を繰り広げながら進んでいく恋愛モノでも全く無い。(言い切りました。)
映像も地味、ストーリーもこれ以上ないってくらいにシンプル。
なのに。
それなのに。
なぜか心がザワザワする。
何かを思い出しそうになる。
観終わったあと、なんかいとおしくなる。
不思議な映画です。
アカデミー賞じゃなくてカンヌなの、超ーーーーわかりみ。
私の場合はたぶん、仏頂面で他者を寄せ付けず、自分の価値観だけに凝り固まってカッコつけてるけど実は孤独で寂しがりや、素直じゃないけど素直になりたいとは思ってる、
そんな主人公が若いころの自分と重なってしまったからかも。
なんか主人公のラウラ、妙~に親近感を覚えたんです。
根拠の無い自信と無意味なプライドを振りかざして、
私はあなたたちとは違うので!みたいな顔してカッコつけてた、
めちゃくちゃカッコ悪かった時代の自分を見せつけられた気がして。
自分とはステージが違うとわかってはいても同じところにいると思いたいセレブな恋人ともなんとなく心が離れてしまったような気がする現状、
一緒に行こうと約束した旅行をドタキャンされて気付いてしまった何か。
それでも一人でどこかに向かうというのも悪くない、ちょっとカッコいいかもと思いながら寝台個室に入ったらそこにいたのは粗野な酔っ払い。
って、なんかわかるーーーー(>_<)!!!
いろんなことがちょっとづつズレている感じ。
思ってたんと違ーーーーーーう!!!なことの連続。
なんか知ってる、こういう子。
こんなはずじゃなかったと思いながらもリタイヤはできずに、
わざとらしく自分の周りにシャッターを下ろして、
つまらなそうに所在なさげに一人イヤホンでウォークマンを聴いていた(そのくせ外で何が起こっているのか気になってチラチラ覗いたり音楽のボリュームを下げて外の音を聞いたりしている)かわいくない女子大生がいたんですよ!!
・・・・・私だよ( ゚Д゚)!!!
この映画の舞台も1990年代。
それはもう、主人公はマジで私です。
ほんとは旅先で「ビフォア・サンライズ」のイーサン・ホークみたいなイケメンと恋に落ちたいのに、長い時間個室で一緒になることになった男性は、雑で粗野で気配りも共通項も全くなさそうな酔っぱらいの労働者。
薄目でパッと見、「トレインスポッティング」のユアン・マクレガーに見えないこともないけど・・・の色素薄い系のロシア人。
「でもなんか無理ーーーー!!!!最悪ーーーー(/_;)!!」
ってなってる主人公。
めっちゃわかる!!!
© 2021 - Sami_Kuokkanen, AAMU FILM COMPANY
初めての一人旅に寂しさと居心地の悪さを感じつつも少しワクワクしながら、
延々と続く線路、窓の外はどんよりとした灰色の空。
孤独じゃないと言い聞かせるために電話ボックスに入るもつながらない電話。
絶対に交わることは無いと思った相手との時間に、いつの間にか感じる安心感。
自分が何かの役に立ったような気がして最高の気分だったのに思いっきり裏切られて絶望する、青春あるある。
自分の視野が狭く世界はものすごく小さかったのだということに気付いたときの虚無感とともにやってくる解放感。
恋でも愛でもないけど何か大切なものに気付いたような曖昧な瞬間。
そんな、うまく説明できないけど胸の奥にひっそりと沈んでいた滓(おり)のような小さな感情たちを揺すぶって思い出させられるようなシーンの連続でした。
あえてザラついたような映像も、ときおり聴こえてくる音楽も、
すれ違ってばかりで素直じゃない若者たちの不器用な会話も、
カセットテープのウォークマンも、白黒だらけの街並みも。
すべてがアナログで、懐かしくて、ダサくて、そして愛おしい。
そんな映画でした。
もう一本、6月30日から。
「聖地には蜘蛛が巣を張る」
©Profile Pictures / One Two Films
なかなかお目にかかれない、イランが舞台のペルシャ語作品で、
題材はイランの聖地で起きた娼婦連続殺人事件。
実在の殺人鬼による連続殺人事件を元にしたクライム・サスペンスです。
監督は、イラン出身で現在はデンマークを拠点に映像作家として活動するアリ・アッバシ。
第71回カンヌ映画祭(出た!カンヌ!)の「ある視点」部門グランプリを受賞した『ボーダー/二つの世界』の監督です。
閉鎖的な国の、女性蔑視が当たり前の状況で、売春婦の連続殺人事件がテーマ。
まだまだ表現の自由がきかないイランでは撮影の許可がおりず、撮影はヨルダン。
主人公を演じるのは自身もセックススキャンダルで国を追われた女優というのもまた生々しい。
毎年、ものすごい数の観光客や参拝者が訪れる聖地で、
神々しくそびえ立つモスクのすぐ横では夜な夜な娼婦が客をとり、
売人が覚せい剤を売り、警察はそれを見て見ぬふりをするー。
格差や差別や貧困、汚職・・・・
どうにもならないどんづまりの日々の中で、
ただ命を奪われる女性たち、事件を追う女性記者、そして犯人を冷静に見つめるカメラ。
終始、暗くて重くてしんどい映画なんですが、
それでもヘビーになりすぎずにすんなり入っていけるのは、
視点がクールでどこにも重点を置いていないせい。
感情移入しすぎないで、それぞれの立場からの事実として入ってくる感じ。
ただ、とにかく気分が悪いのはひたすらに女性蔑視の価値観のなかで威圧的で高圧的でムカつく男性陣の姿。
これもまたどうしようもなく歴然とそこに存在する事実なのもまた虚しい。
©Profile Pictures / One Two Films
この映画が(事件が)恐ろしいのは、犯人が頭のイカれた単純なシリアルキラーではなくて、信仰も厚く妻にも子供にも優しい普通の男性ということでもあるし、
その犯人が16人もの女性を殺したというのに逮捕後も全く罪の意識を感じずに「街を浄化した」と胸を張っていたことでもあり、
そんな犯人を英雄視する世間や役人たちが実際にいたということでもあり、
それは決して遠い国の大昔の話でもなくて現代の私たちのすぐそばでもおこりうる(実際起こっている)出来事だということ。
蜘蛛の巣に囚われてしまった女性たち、
複雑な心情のなかで次から次と殺人を繰り返す犯人、
そして自ら囮になることで犯人を捕まえようとする主人公。
それぞれを囲む家族の姿も見つめながら、
それらが交わり、クライマックスかと思いきや、実はもっと怖いのはその先だったという現実。
監督は、この映画をメッセージ性のある作品とは捉えてほしくないと言い切ります。
なるほど、だからテーマの重さのわりにシンプルで客観的な空気感が感じられたのか。
©Profile Pictures / One Two Films
中東の乾いた砂漠色の風景と淫靡な夜の闇に隠れた聖地の裏の顔。
そして現代社会でまだまだ当たり前にはびこる女性蔑視と格差社会。
犯人は誰だ!?でもないし、犯人逮捕がゴールでもない犯罪映画。
独特の乾いた空気感と聞きなじみのないペルシャ語の響きが、
私たちを異国の砂漠の街に連れて行き、
ニュース映像だけでは伝わらない、遠い国の現実や社会問題を、
まるで自分の目の前で起こっていることのように浮かびあがらせます。
敬虔な信者であり良き父親であるはずの人間が、一方的で偏執的な大義のためだけに16人もの女性を殺すのか?
被害者が娼婦であるというだけで世論が「殺されても仕方ない」という空気になってしまうものなのか?
そしてそもそもそれはこの国が古くから抱えている人間の尊厳や男女の格差から生まれる価値観によるものだとしたらちょっとなかなかに深くて難しい大きな問題なんだろうと思うと胸の奥のほうがズシンと重く暗い気持ちになりました。
いやぁ~これもまた、興味深く面白く、そして大変勉強になる作品でした。
文化も歴史も価値観も全く違う国のことを知ることができるから、やっぱり映画は私の教科書です。
ベトナム戦争も、ユーゴの内戦も、フランスの移民問題も、中国の格差社会も、
朝鮮戦争も第二次世界大戦も北欧の神話も江戸時代の循環経済も、中東問題も、
世界のさまざまな国々の文化や生活や現実やそれぞれ抱える社会問題も。
すべて映画が教えてくれました。
あ、そんな、ためになるような映画ばかり観てるわけでもないですけどね。
エンタメ作品も、推しが出てるだけの映画も好きですけどね( *´艸`)
でも、本を読むのやニュースを観るのも苦手、って方も、映画ならすんなり入ってくるんじゃないですかね。
自分が知らないことを知るのは楽しいし、世界が今、どうなってるのかを垣間見るのも面白いものです。
さあ、次は何を観ようかな♪
と、言いつつ、ほかにもまだまだいろんな国のいろんな時代のいろんな世界を覗き見ることができる映画、あるんですけど!!
上映中「アルマゲドン・タイム」
(C) 2022 Focus Features, LLC.
「エヴァの告白」「アド・アストラ」など幅広いジャンルで活躍する脚本家、映画監督であるジェームズ・グレイが自分の実体験を元にした半自伝的作品であり、
ジェームズ・グレイ本人が監督・脚本・製作を務めた作品。
80年代ニューヨークを舞台に、多感な12歳の主人公の友情や家族とのかかわりを通して世界を知り、現実を見て、世の中を知っていく姿を見つめるストーリー。
ジェームズ・グレイといえば、近年の有名作品ではなくて私はなんといってもこの方の長編映画監督デビュー作である「リトル・オデッサ」がダントツ。
めちゃくちゃカッコいいときのエドワード・ファーロングと、
一番イカレてるときのティム・ロス(究極の褒め言葉です)が兄弟役っていうだけで観たいでしょ!?ていうか観るでしょ、当然!?
で、たしかにイケメン度合いがピークだったエドワード・ファーロングは眼福だったんだけど、
映画自体は、ほんとに、マジで、なんていうか、その後のトラウマになるくらいに重くてしんどくて、観終わった後もしばらく引きずりましたね。
でも、私はこの方の作品は、壮大なテーマの作品じゃなくて、
「リトル・オデッサ」然り、「アンダー・カヴァー」然り、
この方の生まれ育った町であるニューヨークが舞台の人間ドラマのほうが好きだなー。
だからこの「アルマゲドン・タイム」も絶対好きだなー。
アンソニー・ホプキンスに、アン・ハサウェイ。
キャストもいいよねぇ~。。。。。
・・・・・・まだ観れてないけど( ゚Д゚)
観ないうちは語れない。というか語りたくない。(→ビジネスに向かない人)
ワガママな広報担当でゴメンナサイ(-_-;)
なんならもう一本、6月30日から始まる
「ウーマン・トーキング」も観れてない(/_;)
これも、絶対観ないといけないやつ!!
(C) 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
こちらは今年のアカデミー賞で最優秀脚色賞を受賞した作品。
監督・脚本はサラ・ポーリー。
私も大好きな女優さんです。
カナダの大ヒットドラマ「アボンリーへの道」の主人公を演じたことでも有名ですが、
なんといっても私は映画「死ぬまでにしたい10のこと」が大好きで!!
あの映画の、儚げで、それでも決して後ろ向きではない、死を冷静に受けとめながらも家族への自分にできうる限りの愛情を伝えようとする主人公を演じたサラ・ポーリーがものすごく魅力的で素敵で、大好きでした。
近年は映画製作や監督業に力を入れているのでスクリーンで見ることができないのが残念ですが、
アメリカ映画界を揺るがした例のハーヴェイ・ワインスタインの件も、
彼女が映画出演から距離を取った理由の一つであることをサラ本人が明らかにしているので、
もうーーーー!なんてことしてくれたんだ、あのスケベ親父( ゚Д゚)!!!
と、私は非常に憤慨しているところなんですが。
そんな彼女がこのご時世で、自ら脚本を書いてメガホンをとって送り出したのが、
この「ウーマン・トーキング」であるというのもなかなかすごいストーリですね。
自給自足の小さな村で起きた連続レイプ事件をめぐり、
自分たちの尊厳や未来をかけて行われる話し合いを描いたお話。
実話をもとにした、こちらもまた現代に生きる私たちのすぐそばにある物語。
・・・・・・・うぅ・・・早く観よう(>_<)!!!
このところ、ラインナップ悪くないよねともっぱらの噂の中劇で(え、私が思ってるだけじゃないですよね!?ね?ね?)、
「ライオン少年」から「聖なる復讐者」、
「せかいのおきく」に「ウーマン・トーキング」、
「聖地には蜘蛛が巣を張る」と、
〝格差社会”や〝女性蔑視”などの社会問題がテーマの、見応えのある作品がズラリと並んだのは圧巻ですよね!
今なら、北欧の最北端の駅に向かう列車のなか(「コンパートメントNo.6」)や、
差別や冷戦問題が国全体を覆っていた1980年代のニューヨーク(「アルマゲドン・タイム」)、
それから20世紀初頭のアラブ独立闘争さなかの中東(「アラビアのロレンス」)にも飛び込める映画館です。
中劇の、涼しく快適な劇場のグリーン車並みにゆったりとした椅子で、
時代も国境も飛び越えて、ぐるっと世界を回っちゃってください( `ー´)ノ
さて、今、平日休みの昼下がり、コーヒーをおかわりしながら心おきなく仕事ができる涼しくておしゃれなお店でこのブログを書いているんですけど、
向かいに座っている若い女性が、ずっとスマホの画面を見ながら踊ってるんですよね(^_^;)
座ったまま、腕だけで複雑な踊りを・・・・TikTokでやってるようなやつね。
なんか夢中で、ノリノリで。
それが気になっちゃって気になっちゃってブログが全然進みませんでした。。。
今の子たちって、なんか・・・・すごいですね。
まあ踊りが苦手な私だと、腕だけだろうが足だけだろうがそもそも覚えられないのでお話になりませんけどね。
そんなだから、さんさも出たことないんですよ。
唯一、人前で踊ったことがあるのは高校時代の何かの会(しかも自分のクラスだけ)での、
Winkの「寂しい熱帯魚」だけっていう私でした。あれがピーク。
・・・・・ヤバい!!歳、バレる( ゚Д゚)!!!→だいたいバレてる。
えっとー・・・・・またしても長くなったのでこのへんで帰りましょうかね。。。
はい。
さてさて、こんなに作品がぎゅうぎゅうづめの5月6月でしたが、
7月公開予定の作品はなんと「君たちはどう生きるか」一本のみ!
・・・・・・は?
・・・・・・え?
ま・・・・・その・・・・・つまりそういうことです。
6月から引き続き上映のものはもちろんあるんですけどね。
ガチ中のガチで戦闘態勢に入るジブリ作品なので、同時期にいろんなものは入れられないということで。
でも、実はその「君たちはどう生きるか」については、チラシも、予告も、テレビスポットも全く無しで、事前情報皆無の状態で公開になる模様。
今のところ、ポスターしか届いていませんし、内容も当然全くわかりません。
どうなることやら。
7月は、厳戒態勢での公開後に、お客さまたちと一緒に宮崎駿監督の最新作を観てからの更新になるかも(^_^;)
その代わり、少し落ち着いた8月はいくつか作品が決まってきてますので乞うご期待。
今年ももう半分終わりですが、後半戦も猛ダッシュでぶっ飛ばしますのでついてきてくださいね!!
★中劇公式サイト http://www.chugeki.jp/
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