『深海の闇の奥へ』=エディス・ウィダー著、橘明美・訳

(紀伊國屋書店・3300円)

10メートル潜るたびに水圧は1気圧増え、76メートル下降するごとに太陽光は10分の1になる。深海は闇の世界であり、人を寄せ付けがたい地球最後のフロンティアと位置づけられている。だが、世界で初めて生きたダイオウイカを撮影した海洋生物学者である著者の目には違って映った。

1984年に初めて潜水服を着て観測した時の光景を「海のなかで独立記念日の花火が上がっていた」と振り返る...