毎日新聞

2023毎日デザイン賞受賞者決まる(2024年3月5日)

重松象平氏(建築家)

「感性のあるグローバリズム」

この1年間にデザインの全分野において傑出した成果に贈られる「2023毎日デザイン賞」(毎日新聞社主催)の選考委員会が開催され、建築家・重松象平氏の「感性のあるグローバリズム」に決まり、5日発表された。
重松氏はニューヨークを拠点に世界各地で活躍している、今最も注目される建築家の一人。
2022年12月から翌年5月に日本で開催された「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展では、その空間デザインを担当。日本の地域性を反映させ、ディオールの世界観を読み解いた幻想的でダイナミックな空間は没入感に満ち、多くの人々を魅了して絶大な人気を博した。
また、「⻁ノ門ヒルズステーションタワー」(23年10月開業)では、建築デザインを担当し、メトロ新駅直結の駅前広場が一体的に作られ、地下2階から3層にわたっての吹き抜けの大空間や、タワーの最上階にはホールやギャラリーを備えた情報発信拠点「TOKYO NODE」を設けるなど、都市再生の新しいかたちを壮大なスケールで実現した。
現在も「江戶東京博物館」の空間デザインなど複数のプロジェクトが進行中で、今後の活躍にますます期待が高まる。

毎日新聞ニュースリリース

受賞インタビュー動画はこちらからご覧いただけます(毎日新聞デジタル)

毎日デザイン賞とは

グラフィックやインテリア、クラフト、ファッション、建築など、あらゆるデザイン活動で、年間を通じて優れた作品を制作、発表し、デザイン界に大きく寄与した個人、グループ、団体を顕彰する賞です。(主催・毎日新聞社)
1955年に毎日産業デザイン賞として創設され、デザインの多様化を背景に76年に毎日デザイン賞と名称を変更した後も我が国のデザインの活性化とともに歩み続けています。国際的、文化的な賞として高い評価を受けています。

賞牌 デザイン=田中一光

Mainichi Design Awards

Mainichi Design Awards honors individuals, groups, and organizations that have made significant contributions to the design world by creating and presenting outstanding works throughout the year in all design activities, including graphics, interior design, crafts, fashion, and architecture. (Sponsored by The Mainichi Newspapers)

Mainichi Design Awards was established in 1955 as the Mainichi Industrial Design Award, and has continued to grow along with the revitalization of design in Japan since its name was changed to the Mainichi Design Awards in 1976 against the backdrop of the diversification of design. It is highly regarded as an international and cultural award.

2023受賞者

重松象平氏(建築家)
「感性のあるグローバリズム」

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー=Photography by Jason O'Rear

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
=Photography by Jason O'Rear

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー=Photography by Jason O'Rear

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
=Photography by Jason O'Rear

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー=Photography by Tomoyuki Kusunose

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
=Photography by Tomoyuki Kusunose

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー=Photography by Tomoyuki Kusunose

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
=Photography by Tomoyuki Kusunose

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーのステーションアトリウム=Photography by Tomoyuki Kusunose

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーのステーションアトリウム
=Photography by Tomoyuki Kusunose

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー最上階の『TOKYO NODE HALL』=Photography by Tomoyuki Kusunose

虎ノ門ヒルズ ステーションタワー最上階の『TOKYO NODE HALL』
=Photography by Tomoyuki Kusunose

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景
=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景
=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景
=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景
=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」の「ミス ディオールの庭」=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」の「ミス ディオールの庭」
=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

展覧会「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」の会場風景
=Photography by Daici Ano Courtesy Dior

プロフィール

しげまつ・しょうへい
建築家、国際的建築設計事務所OMAのパートナーおよびニューヨーク事務所代表、九州大学大学院人間環境学研究院教授、BeCATセンター長。
1973年福岡県生まれ。96年九州大学工学部建築学科卒。その後、渡欧し、98年よりOMAに所属。2006年同ニューヨーク事務所代表。以来、世界各地で超高層ビル、美術館、大学施設、集合住宅、店舗、展覧会など多岐にわたるプロジェクトのデザインを指揮している。

受賞のことば

自分は「グローバリズムの漂流者」です。1996年に渡欧し、運良く国際的にプロジェクトを展開する設計事務所に入所することができました。以降、世界中がグローバル化を謳歌する潮流に乗って、多様な価値観を持った国々や地域で多岐にわたる建築や都市の仕事をし、その経験を通して、何事にもオープンなマインドを持つに至りました。しかし、国際的に活動すればするほど、ある文化に帰属しているという意識は低くなっていきました。建築家として基盤となる場所がないことは、芯がない感じがしましたし、作風もどこかモダニズムの焼直しのようで独自性や時代性がないと感じていました。そんな危機感のもと、経済成長率で場所を選ぶことをやめて、2006年にニューヨークで事務所を立ち上げたときから建築に対する取組み方も変わっていった気がします。街に出て、多くのイベントに参加し、大学で教鞭をとり学生や他の建築家と意見交換し、積極的にローカル文化に浸るようにしました。そして10年が経ち、徐々にアメリカで実作ができてきたとき、日本での機会を頂くこととなりました。皮肉にも日本が最後に辿り着いた場所でした。ハイスタンダードな施主、協働者、施工者に恵まれて、日本独特の進め方を学びながら、7年で大きなプロジェクトを完成させることができました。グローバル・メゾンの世界巡回展もグローバル企業が入居する超高層複合ビルも、まさにグローバル化の権化のような存在です。しかし今回この賞を頂くことができたのは、それらデザインに、グローバリズム禍10年で得た客観的知見と、ニューヨークの10年で築いた基盤という二つの異なる変遷があって初めて保つことができた、グローバル化とのいい距離感があったからかもしれません。そのうえ、これは希望的観測ですが、この7年間で徐々に培うことができた日本人としてのアイデンティティや感覚が加わり、建築とセノグラフィーを通して伝わってくれたのかもしれないと。この賞は、世界を漂流していた自分に、居場所を与えてくれそうです。

選評 選考委員、滋賀県立美術館ディレクター(館長) 保坂健二朗

今日、人は地球の隅々まで行くことが可能になった。そんな世界において文字通りグローバルな建築家として活躍している重松象平は、今後の建築にとって大事なのは、目立つなにかをつくることではなく、人の感性と結びついた空間をつくることであるのをよくわかっている。
たとえば「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」の展示は、さまざまなテイストの空間が町の連なりのように連続するようデザインされていた。しかも、そうやって辿りつく高さ19メートルのアトリウムでのインスタレーションは、斜面と段状の構成を使うことで見事にヒューマンスケールに落とし込まれていた。人間の感性と空間とが繊細な操作で結びつけられていたからこそ、来場者は、大空間の中でも、圧倒的な物量とゴージャスな装飾の中でも、自分は疎外などされていないとわかり、むしろ自らの身体がいきいきとしてくることを感じ取れたのである。
「虎ノ門ヒルズステーションタワー」も同様で、地下に実装されたステーションアトリウムは高さ10メートル、広さ2000m2という大空間だが、機能に基づく形体操作と素材の選択により空間は複雑に分節化され、ヒューマンスケールになっている。しかもそこには広場らしい適度な無駄がある。重松によって、超高層ビルにようやく人間性が呼び戻され、その結果私たちは未来の都市に対してポジティブに感じられるようになったのだ。

選考経過

◇類いまれなる論理と言葉
デザインの全分野における傑出した成果に贈られる「2023毎日デザイン賞」の候補(個人、団体)は毎日新聞社が委託した別掲の調査委員から推薦された。今年は以下27件が候補となった(1件辞退)。=敬称略
1赤木明登 2芦沢啓治 3大西麻貴+百田有希(o+h) 4岡崎智弘 5緒方慎一郎 6河原シンスケ 7菊地敦己 8北川一成 9金野千恵 10坂本龍一 11GKデザイングループ 12重松象平 13須藤玲子 14Time and Style/Prestige Japan Inc. 15高木由利子 16TOPPAN株式会社 トッパンアイデアセンター 17DRILL DESIGN 18長坂常 19中村竜治 20新山龍馬 21パナソニック株式会社 22廣川玉枝 23宮前義之+Nature Architects 24森永邦彦(ANREALAGE) 25森本千絵 26山﨑健太郎 27吉泉聡(TAKT PROJECT)
選考委員会は1月15日、委員全員が出席し、実施した。事前に候補者から送付された印刷物やプロダクトを適宜、参照しながらエントリーシートにそって作品画像や映像資料を閲覧した。その後、議論へと移行。各選考委員が賞にふさわしいと考える候補を4〜5件ずつ挙げた結果、412182327に複数票が入った。これらの候補を中心に具体的な議論へと移った。
4は、新型コロナウイルス禍で生まれた時間を利用してスタートしたマッチ棒を使ったコマ撮りプロジェクトに注目が集まった。毎日、撮影してはSNS(ネット交流サービス)にアップし続ける地道な創作態度を評価する声が多かった他、「コマ撮り映像を他の追随をゆるさない独自ジャンルにまで昇華させた」との称賛も得た。
国際的な建築設計事務所OMAに所属する12は、東京都港区に2023年10月に開業した「虎ノ門ヒルズステーションタワー」を設計。22年12月から23年5月にかけて都現代美術館(東京都江東区)で開かれた「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展での会場デザインも「あれほどのものは見たことがない」と話題を集めた。タワーの新しい造形性、会場構成の訴求力の高さが認められた。
リノベーションに長く取り組む18には、その空間を体験する人に驚きや喜びを与える力があるとされた。特に「狛江湯」(東京都狛江市)の取り組みには「既存の銭湯の概念がくつがえされた」と驚きの声があがった。テクノロジーを活用した三次元成形のテキスタイルなどを手がける23には「世界的に見てもユニーク。未来性もある」と推す声があった。また、23年7月から11月にかけて21_21 DESIGN SIGHT(東京都港区)で開催された展覧会「Material,or」でディレクターを務めた27をめぐっては、「この展覧会で掘り下げた思想は今後のデザインを豊かにする」と期待が集まった。
こうした議論の末、大賞候補は、コロナ禍をきっかけにグラフィックの可能性を問い続ける4と、森ビルやディオールといった資本力のある企業と先端的な仕事を行った12に絞られた。
選考委員の一人は「長期的な街づくりにおいて建築家が負う責任は、非常に重い。その点を踏まえて慎重に議論すべき」と提案。それを受けて現代社会における都市のあり方、残すべき景観をめぐって意見が交わされた。その上で、12が手がけた虎ノ門ヒルズステーションタワーは、地下鉄虎ノ門ヒルズ駅と直結する形で広場が設けられ、公共空間が広く確保された点などを指して「12は都市を開発するデベロッパーに社会性を担わせる論理と言葉、テクニックを持っている」との意見があがった。「圧倒的にアウトプットのクオリティが高い」とする見解でも一致し、12が満票で大賞に決まった。

毎日新聞社は、調査委員のジェンダーバランスの均衡を実現するため、今回新たに6人の女性に調査委員を委託した。その結果、調査委員における女性の比率は前年の25%から38%に伸びた。【平林由梨】

選考委員・選考要項

選考委員(五十音順・敬称略)


Photo. Muryo Honma (Rhizomatiks)
齋藤精一
パノラマティクス主宰

-講評
本年も第一線で活動されているデザイナーの方々が、ご自身の出身分野のデザインだけではなく多くの分野に関わり、美しく社会にとって必要なデザインを実装する力を強く感じました。デザインはその時に必要な役割を美しく、さまざまな事情や環境を考慮して実装する行為であると私は信じているのですが、受賞された重松さんは、大きな装置としての建築や都市を設計されることで、街や人の未来だけではなく経済とデザインの関係性を大きく推し進めていると感じました。


撮影:伊藤彰浩
柴田文江
プロダクトデザイナー

-講評
今年の審査会で感じたことは、やはり素晴らしいデザインを作り出す能力とそれを実現する力によって圧倒的なものができるということ。卓越した造形力や、面白い発想は現実になって初めてそのパワーを放つからだ。時として予算などの条件に恵まれたプロジェクトであればあるほど、実現するために越えなければならないハードルは多くなるだろうが、それらをクリアする確実なデザインの力を感じることができた作品が選ばれたように思う。


Photo by Masayuki Hayashi
須藤玲子
テキスタイルデザイナー

-講評
デザインの定義が変わってきている。その潮流は、オープンデータとAIモデルの開発により「誰もがデザイナーになりうる」、そんな議論から始まった今年度の選考会。選考を巡る議論は長時間に及んだ。候補には、異分野の才能が集ったプロジェクトが多数あった。中でも賞に選ばれた作品は、分野を超えた共創が新たな価値を生むことを、美術館の空間を最大限に生かした圧倒的な展示構成により示していた。その振り切り感は今年度の話題をさらった展覧会と言える。


永井一史
アートディレクター

-講評
各分野でデザインを牽引してきた方たちから本当に1名だけを選ぶことができるのかと感じるのは毎年のことだ。しかしじっくりと時間をかけ、丁寧な議論を尽くしていくと、その輪郭ははっきりしてくる。都市の真ん中に新しい造形言語を持ちこみ美しい風景を生み出した。また別の空間の仕事では、圧倒的な表現力によって、人が押し寄せるある意味デザインの事件を創出した。重松象平さんに本年度の毎日デザイン賞を贈りたい。


撮影:木奥恵三
保坂健二朗
滋賀県立美術館ディレクター(館長)

-講評
キュレーションもする身としては、デザインの展覧会に小さくも確かな一石を投じた菊地敦己のプロジェクトには呻らされたし、ひとりの生活者としては、新しいライトレールの開設に伴い住民も参加できるトータルデザインを実践したGKデザイングループや、銭湯のデザインと役割を文字通りリノベートする長坂常のプロジェクトには、まだまだ日本の未来も明るいと感じられた。そうした中で、重松象平のプロジェクトは、自分が世界市民でもあることを自覚させられる魅力的な力と秘められた批評精神とを持つものであった。

選考要項

作品対象年度

2022年11月から2023年10月末までの間に制作発表されたもの。

作品対象

プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、クラフトデザイン、パッケージデザイン、照明デザイン、インテリアデザイン、インスタレーションデザイン、ファッション・テキスタイルデザイン、建築・環境デザイン、電子メディアデザインなどあらゆるデザイン活動で、年間を通じて優秀で新鮮な業績をあげたものを選出する。

選考

調査委員から推薦を受けた候補作品を、選考委員会で映像・文献資料を参考にしながら賞を決定する。

表彰

毎日デザイン賞は原則として1件で、賞状・賞牌・賞金100万円を贈呈する。

選考日程

2023年11月26日(日) 候補作品を調査委員によって選出
2024年1月15日(月) 選考委員会開催
2024年3月5日(火) 毎日新聞紙上にて発表

選考委員(五十音順、敬称略)

齋藤精一(パノラマティクス主宰)
柴田文江(プロダクトデザイナー)
須藤玲子(テキスタイルデザイナー)
永井一史(アートディレクター)
保坂健二朗(滋賀県立美術館ディレクター(館長))

調査委員(五十音順、敬称略)

筏久美子(TOTOギャラリー・間 代表)
石上純也(建築家)
伊藤香織(東京理科大学教授)
岩崎一郎(プロダクトデザイナー)
植木啓子(大阪中之島美術館 学芸課長)
大貫卓也(アートディレクター)
葛西 薫(アートディレクター)
川上典李子(21_21 DESIGN SIGHT アソシエイトディレクター)
川島蓉子(ジャーナリスト)
川渕恵理子(合同会社文化星人 代表)
倉森京子(NHKエデュケーショナル チーフプロデューサー)
小池美紀(株式会社ハウ代表)
小泉 誠(家具デザイナー)
近藤康夫(インテリアデザイナー)
佐藤可士和(クリエイティブディレクター)
佐藤 卓(グラフィックデザイナー)
田中元子(株式会社グランドレベル代表)
田根 剛(建築家)
土田貴宏(デザインジャーナリスト)
ナガオカケンメイ(デザイン活動家、D&DEPARTMENTディレクター)
中村至男(グラフィックデザイナー)
新見 隆(武蔵野美術大学教養文化・学芸員課程教授、武蔵野美術大学美術館・図書館 館長)
西尾洋一(カーサ ブルータス編集長)
西沢立衛(建築家)
橋本優子(近代建築・デザイン史家)
服部一成(グラフィックデザイナー)
林 千晶(株式会社Q0 代表取締役社長)
原 研哉(グラフィックデザイナー)
原 久子(アートプロデューサー、大阪電気通信大学教授)
廣村正彰(グラフィックデザイナー)
深澤直人(プロダクトデザイナー)
藤井 保(写真家)
堀部安嗣(建築家)
三澤 遥(デザイナー)
皆川 明(デザイナー)
面出 薫(照明デザイナー)
本橋弥生(京都芸術大学教授)
森山明子(神戸芸術工科大学副学長)
矢島進二(公益財団法人日本デザイン振興会 常務理事)
矢野直子(積水ハウス株式会社 業務役員 デザイン設計部長)
山中俊治(デザインエンジニア、東京大学特別教授)
横川正紀(WELCOMEグループ代表)

表彰式

4月17日にホテル椿山荘東京で表彰式を開催しました。

重松象平さんに、受賞のよろこびやこれからのデザイン界の展望についてお話いただきました。

選考委員で滋賀県立美術館ディレクター(館長)の保坂健二朗さんに、今回の選考について講評をいただきました。

過年度受賞者

2022/R4 《68th》

「企業の柱になるデザイン」 岩崎一郎(プロダクトデザイナー)

SIGMA - fp

(注記)1976年(昭和51年)名称変更(旧:毎日産業デザイン賞)

2022/R4 《68th》

「企業の柱になるデザイン」

岩崎一郎

2021/R3 《67th》

「不可視の記憶をコモンセンスにするデザイン」

田根 剛

「いつも新しくて嬉しいカタチ」

柚木沙弥郎

2020/R2 《66th》

「立ち去りがたい建築」

堀部安嗣

2019/R1 《65th》

「現象から引き出すデザイン」

三澤遥

「センシュアルな写真表現」

吉田ユニ

[特別賞]

「自動運転バスの提案」

良品計画+Sensible 4

2018/H30 《64th》

「『なるほど』の視点と表現」

中村至男

「折りのデザイン」

山口信博+折形デザイン研究所

2017/H29 《63rd》

「先鋭的なグラフィックデザイン活動」

井上嗣也

「一連の建築作品」

西沢立衛

[特別賞]

「長年の建築写真活動」

藤塚光政

2016/H28 《62nd》

「プログラミング可視化への挑戦」

真鍋大度+ライゾマティクス

[特別賞]

「土地の力を引き出すデザイン」

梅原 真

2015/H27 《61st》

「想いをとどける服づくり」

皆川明

[特別賞]

「長年のデザイン普及活動」

株式会社アクシス

2014/H26 《60th》

「『感じ』をデザイン」

鈴木康広

「潔いデザイン」

長嶋りかこ

[特別賞]

「デザインの多視点を提示」

21_21 DESIGN SIGHT

「心地よい暮らしの基準確立」

無印良品

2013/H25 《59th》

「ほがらかなデザイン」

佐野研二郎

「良いものの発掘と再生」

ナガオカケンメイ

[特別賞]

「長年にわたる文字を基点とした表現活動」

平野甲賀

2012/H24 《58th》

「心豊かな暮らしのデザイン」

小泉誠

2011/H23 《57th》

「人にやさしいプロダクトデザイン」

柴田文江

「新しいグラフック表現の開拓」

服部一成

2010/H22 《56th》

「JR九州の車両デザインをはじめとする公共デザイン」

水戸岡鋭治

「一連のギャラリー展示・空間構成に対して」

石上純也

2009/H21 《55th》

「大気の陰影をとらえた一連の写真」

藤井 保

2008/H20 《54th》

「インタラクティブデザインの創造的な活動」

中村勇吾

「建築空間と融合した一連のサイン計画」

廣村正彰

[特別賞]

「30年にわたるグラフィックデザイン活動への貢献」

社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)

2007/H19 《53rd》

「一連のブランドづくりとディレクション」

永井一史

「地域活性とデザインプロデュース」

北山孝雄

[特別賞]

「50年を超えるデザイン啓蒙活動」

松屋銀座

2006/H18 《52nd》

「ホテル マンダリンオリエンタル東京のテキスタイルに集約された一連の活動」

須藤玲子

「グラフィックデザインを中心とする領域を超えた活動」

佐藤可士和

[特別賞]

「半世紀にわたる日本のデザイン振興に対して」

グッドデザイン賞(Gマーク)

2005/H17 《51st》

「『佐藤雅彦研究室展』にみるコミュニケーションワークス」

佐藤雅彦と佐藤雅彦研究室

[特別賞]

「『五十嵐威暢シリーズ展』の活動」

五十嵐威暢

2004/H16 《50th》

「テクノロジーと人間をつなぐデザイン」

山中俊治

[特別賞]

「デザインギャラリーの20年間の活動」

大迫修三

2003/H15 《49th》

「一連の広告アートディレクション」

大貫卓也

「A-POCのデザイン」

藤原 大

[特別賞]

「『世界グラフィックデザイン会議・名古屋2003』企画に対して」

世界グラフィックデザイン会議・名古屋2003企画委員会

2002/H14 《48th》

「展覧会『デザインの解剖』」

佐藤 卓

「環境と行為によりそうデザイン」

深澤直人

2001/H13 《47th》

「化粧品ブランド『qiora』のデザイン」

平野敬子・工藤青石

「空間デザインの新たな挑戦」

吉岡徳仁

[特別賞]

「デジタルデザインの本質を見据えた啓発性」

前田ジョン

2000/H12 《46th》

「『東証アローズ』のインテリアデザイン」

近藤康夫

「『紙とデザイン』のアートディレクション」

原 研哉

[特別賞]

「『印刷博物館』の開設」

粟津 潔と凸版印刷株式会社

1999/H11 《45th》

「エンターテインメントロボット"AIBO"の発想とデザイン」

ソニー株式会社AIBO開発チーム

「境界を超えたアートとデザインの関係」

日比野克彦

[特別賞]

「文字とデザインによる文化活動」

株式会社モリサワ

1998/H10 《44th》

「さわやかな情感をもつ広告表現」

葛西 薫

[特別賞]

「資生堂展にみる企業の文化性」

株式会社資生堂

1997/H9 《43rd》

「公共空間の光デザイン活動」

面出 薫

「『和田 誠 時間旅行』展の成果」

和田 誠

[特別賞]

「長年にわたる展覧会、セミナー、出版活動」

ギャラリー・間

1996/H8 《42nd》

「APSカメラのデザイン」

塩谷 康

「プリーツをはじめとする衣服素材の開発」

皆川魔鬼子

[特別賞]

「視聴覚障害児と共遊できる玩具の提案とその成果」

社団法人日本玩具協会「小さな凸」実行委員会

1995/H7 《41st》

「紙の建築のデザインとその社会性」

坂 茂

[特別賞]

「ギンザ・グラフィック・ギャラリーの10年間の活動」

1994/H6 《40th》

「勝井三雄のハイテクを生かしたグラフィック表現」

勝井三雄

1993/H5《39th》

「コンピュータ・グラフィックスによる新しい映像表現」

河原敏文

[特別賞]

「季刊『クリエイション』の編集・発行」

亀倉雄策

1992/H4《38th》

「個性に根ざしたグラフィックデザイン」

仲條正義

1991/H3《37th》

「格調のある量産家具デザイン」

川上元美

1990/H2《36th》

「身障者用具へのデザイン的視点」

川崎和男

「グラフィックデザインにおける日本的精神性」

佐藤晃一

1989/H1《35th》

「CIデザインの理論化と実践」

中西元男とパオスの人々

[特別賞]

「世界デザイン会議'89名古屋の開催とその成果」

諸星和夫を中心とする世界デザイン会議実行委員会

1988/S63 《34th》

「CFにみる映像表現」

操上和美

[特別賞]

「カー・デザインにおける時代感覚」

日産自動車株式会社デザインセンター

1987/S62 《33rd》

「内田繁のインテリアデザイン活動」

内田 繁

「大型ポスターに見るグラフィック表現」

サイトウ・マコト

1986/S61 《32nd》

「パッケージを中心とする一連のグラフィックデザイン活動」

松永 真

1985/S60 《31st》

「交感スルデザイン」に集まった5人のデザイナーの活動と小池一子

・安藤忠雄「六甲の集合住宅、店舗TIME'Sなどにみる斬新な空間構成」
・川久保玲「先鋭的コンセプトによる衣服デザイン」
・喜多俊之「国内外におけるグローバルなデザイン」
・黒川雅之「照明具など高質度で多彩なインダストリアルデザイン」
・杉本貴志「鉄や木材などナマの素材を使った空間デザイン」
・小池一子「交感スルデザインのプロデュース及び佐賀町エキジビットスペースにおける企画・展示」

1984/S59 《30th》

「現代彫刻と融合した一連の商業空間」

杉本貴志

1983/S58 《29th》

「ガラスを用いた一連のデザイン」

葉 祥栄

1982/S57 《28th》

「ホンダシティ」

渡辺洋男ほかシティ開発グループ

「富山県立近代美術館のポスターデザイン」

永井一正

[特別賞]

「半世紀にわたるデザイン評論活動」

勝見 勝

1981/S56 《27th》

「ファッションライブシアターとAXISビルの総合的デザインプロデュース」

浜野安宏

1980/S55 《26th》

「スカイラインGTのトータルデザイン」

桜井真一郎

「サントリーの広告活動に於けるアートディレクション」

浅葉克己

1979/S54 《25th》

「フォトモンタージュによる一連の作品」

木村恒久

1978/S53 《24th》

「二川幸夫の建築写真とその出版活動」

二川幸夫

「大衆小型カメラコニカC35シリーズ」

小西六写真工業株式会社

[特別賞]

「第8回世界クラフト会議・京都実行委員会」

1977/S52 《23rd》

「遊具および公園などの環境デザイン」

仙田 満

1976/S51 《22nd》 (注記)この年より毎日デザイン賞に名称変更

「三宅一生の衣服デザイン活動」

三宅一生

1975/S50 《21st》

「パルコ一連の広告デザイン」

石岡瑛子

「羽生道雄氏を中心とするモノプロのデザイン活動」

1974/S49 《20th》

「1971年〜74年展ー千年王国への旅」(1974年10月15日〜25日、東京・新宿伊勢丹)

横尾忠則

「白山陶器における新しい食器群」

森 正洋

1973/S48 《19th》

「『西武劇場ポスター、文楽の造本、観世能ポスター』一連のデザイン活動」

田中一光

[特別賞]

「世界インダストリアル・デザイン会議実行委員会」

1972/S47 《18th》

「『キッコーマン醤油』一連の広告イラストレーション」

大橋 正

「商店建築における一連の家具とディスプレイ」

倉俣史朗

1971/S46 《17th》

[準賞]

「長 大作・松村勝男・水之江忠臣3氏のファニチャー・コレクション」

長 大作、松村勝男、水之江忠臣

「粟辻博氏のインテリア・テキスタイル・デザイン活動」

粟辻 博

1970/S45 《16th》

「石井幹子氏の照明デザイン活動」

石井幹子

「福田繁雄氏の3Dデザイン活動」

福田繁雄

[特別賞]

「EXPO'70のストリート・ファニチュアとその展開」

〈ディレクター〉栄久庵憲司〈チーム〉剣持勇デザイン研究所、トータル・デザイン・アソシエート、GKインダストリアルデザイン研究所

1969/S44 《15th》

「百貨店における商品デザインの組織的研究」

鈴木庄吾氏をチーフとする伊勢丹研究所ID研究室

1968/S43 《14th》

「軽量型汎用エンジンG25およびそのアタッチメント・シリーズ」

本田技研工業株式会社

[奨励賞]

「トミーマジック・スカイレールおよびメカニック・シリーズ」

トミー工業株式会社

[特別賞]

「日本の広告美術─明治・大正・昭和全3巻」

東京アートディレクターズ・クラブ

1967/S42 《13th》

「紙製家具と卓上電気置時計などの開発」

Qデザイナーズ<代表者>渡辺 力

「資生堂ウインドーなど一連の展示構成」

伊藤隆道

[特別賞]

「国際・国内にわたる15年のデザイン運動」

日本デザインコミッティー

1966/S41 《12th》

「グラフィック・デザイン展《ペルソナ》」

粟津 潔、宇野亜喜良、片山利弘、勝井三雄、木村恒久、田中一光、永井一正、福田繁雄、細谷 巖、横尾忠則、和田 誠

[特別賞]

「15年にわたり工業デザイン運動に貢献した日本インダストリアル・デザイナー協会(JIDA)」

1965/S40 《11th》

「NEC銀座ネオン塔を代表作とする一連のネオンサイン広告デザイン」

伊藤憲治

[特別賞]

「大阪市の街頭ゴミ容器の計画と都市美の推進に貢献した人々」

1964/S39 《10th》

「量産家具におけるデザインの確立」

株式会社天童木工製作所

[特別賞]

「オリンピック東京大会運営におけるデザイン・ポリシーの確立」

日本オリンピック委員会委員長 竹田恒徳

1963/S38 《9th》

「工業生産のためのファニチュア・デザイン一連の作品」

剣持勇デザイン研究所

「オリンピック公式ポスター三部作」

亀倉雄策

[特別賞]

「季刊『グラフィック デザイン』におけるエディターシップ」

勝見 勝

1962/S37 《8th》

[準賞]

「ヤマハ電動オルガンを中心とする楽器デザイン」

GKインダストリアル・デザイン研究所

「ライトパブリシティにおける村越襄、早崎治、細谷巖氏らを中心とするフォト・デザイン」

ライトパブリシティのフォト・デザイングループ

1961/S36 《7th》

[毎日産業デザイン賞]

「ソニーの製品における一連のデザイン活動」

ソニー株式会社

[部門賞=重工業]

「トヨペット・コロナ1500」

トヨタ自動車工業株式会社デザイン課員

[部門賞=グラフィック・デザイン]

「音楽会ポスターを中心とする一連のグラフィック・デザイン」

杉浦康平

[部門賞=その他]

「製紙におけるシリーズ・デザイン『アングルカラー・STカバーなど』」

原 弘

1960/S35 《6th》

[作品賞] 工業デザイン部門

「C100型スーパーカブ号」本田技研工業株式会社

本田宗一郎氏を中心とする本田技術研究所造型室員

[作品賞] 商業デザイン部門

「『アサヒビール』一連の新聞広告デザイン」

山城隆一氏を中心とする日本デザインセンターメンバー

[特別賞]

「創立10年を迎えた日本宣伝美術会(日宣美)」

1959/S34 《5th》

[作品賞] 工業デザイン部門

「セコニックの8ミリ撮影機・映写機ならびにセコニック製品における一連のデザイン活動」

KAK(河 潤之介、秋岡義夫、金子 至)

[作品賞] 商業デザイン部門

「テレビコマーシャルを中心とする一連のデザイン活動」

寿屋(サントリー株式会社)宣伝部/開高 健、柳原良平、酒井睦雄、山口 瞳

1958/S33 《4th》

[作品賞] 工業デザイン部門

「一連の作品(久保田鉄工株式会社のディーゼル・エンジンほか農機具)」

金子徳次郎

[作品賞] 商業デザイン部門

「東京ADC編・'57年鑑広告美術」

東京アートディレクターズ・クラブ

1957/S32 《3rd》

[作品賞] 工業デザイン部門

「真野善一氏を中心とする松下電器産業株式会社中央研究所意匠部」

松下電器産業株式会社中央研究所意匠部

[作品賞] 商業デザイン部門

「年間を通じての一連の作品」

亀倉雄策

1956/S31 《2nd》

[特別賞] 工業デザイン部門

「ダットサン・1955年112型セダン」

佐藤章蔵

[特別賞] 商業デザイン部門

「グラフィック'55展」

原 弘、河野鷹思、亀倉雄策、伊藤憲治、大橋 正、早川良雄、山城隆一

1955/S30 《1st》

[作品賞] 工業デザイン部門

「松田三輪トラック、蛇の目ミシン」その他

小杉二郎

[作品賞] 商業デザイン部門

「年間を通じての一連の作品」

早川良雄

[特別賞] 工業デザイン部門

国井喜太郎

[特別賞] 商業デザイン部門

山名文夫

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