トピックス tag:j-parc.jp,2019年02月14日:/c/topics/3 2024年09月04日T02:39:13Z KEK一般公開2024を9月7日に開催します tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1391 2024年09月04日T02:34:58Z 2024年09月04日T02:39:13Z J-PARC J-PARC News 第232号 tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1389 2024年08月30日T05:05:53Z 2024年09月03日T09:55:24Z PDF(590KB) しかく日本加速器学会で二つの賞を受賞(7月31日〜8月3日) ... J-PARC PDF(590KB)

しかく日本加速器学会で二つの賞を受賞(7月31日〜8月3日)

7月31日から8月3日まで山形市で行われた本学会で、以下の賞を受賞しました。

(1) 技術貢献賞
加速器第三セクションのサハ プラナブ氏が受賞しました。本賞は、加速器の建設、運転、利用の高度化、製造技術の開発等に対する寄与が顕著であると認められる技術的貢献に対して授与されるものです。
数値シミュレーションと実際のビームを用いた試験により、J-PARCの加速器の一つであるRCSのビームロスを最小限に抑える研究を進めました。本成果はRCSの1MWでの安定運転や、将来的なMRのビーム強度増強の実現に不可欠になるものと考えられます。

(2)年会賞
加速器第三セクションの小島邦洸氏が受賞しました。本賞は研究活動・研究者生活の初期段階にある、学生や若手研究者を奨励することを目的とし、学会年会において優れた内容の発表に対して授与されるものです。
RCSのビーム損失を低減させる研究から、大強度ビーム運転時にビームロスの少ない条件を見出したことが評価されました。

news232_1.jpg

しかくプレス発表

(1)水を極限までおしてみた- 超高圧中性子回折実験で水素結合の対称化の観察に成功! -(6月27日)

氷を圧縮していくと、隣り合う酸素原子間にある水素原子が、中心に移動する「水素結合の対称化」を起こすことが古くから知られていました。しかしこれを、水素原子の位置を特定できる中性子を使って直接観測するのは実験的に難しく、高圧中性子科学における最重要課題の一つとなっていました。
本研究チームでは、ダイヤモンドより硬い「ナノ多結晶ダイヤモンド」を用いた高圧セルを開発し、これを用いてJ-PARC 物質・生命科学実験施設(MLF)の超高圧中性子回折装置「PLANET」で100GPa(大気圧の百万倍)までの高圧実験を行うことで、氷の水素結合の対称化が約80 GPaで起こることを世界で初めて明らかにしました。
本成果は、氷の物理化学的理解のみならず地球深部や宇宙空間にある氷の状態を推定するのにも役立つと思われます。
詳しくはこちら(J-PARC HP) https://j-parc.jp/c/press-release/2024/06/27001362.html

(2)カイラリティと電気トロイダルモーメントの結合に基づく新しい強誘電性発現機構を提案・実証
- 新しい磁性・導電性強誘電体開発の加速に期待 -(8月8日)

磁性や電気伝導性を併せもつ強誘電体は、新しいデバイスの原理となり得る特異な物性の発現舞台です。研究グループでは強誘電体を結晶対称性の観点から再考し、カイラリティと電気トロイダルモーメントの結合が強誘電性を発現することを発案しました。そしてSrM2V2O8 (M = Ni, Mg, Co) という磁性元素を含む物質群において、MLFの 「SuperHRPD」を用いてらせん鎖の回転の変化を観測し、発案したメカニズムに基づく強誘電性を実証することができました。
本成果は、従来見過ごされてきた組成や結晶構造をもつ物質が、強誘電体になり得る可能性を提示するものです。これにより、磁性強誘電体はもちろん、導電性を併せもつ非従来型の強誘電体の物質開拓も加速されることが期待されます。
詳しくはこちら(J-PARC HP)https://j-parc.jp/c/press-release/2024/08/08001384.html

しかくJ-PARCハローサイエンス「検出器周りで活躍する超伝導磁石」(7月26日)

低温セクションの角直幸氏がJ-PARCでの様々な研究施設で使用されている超伝導磁石の原理や特徴について紹介しました。
極低温に冷やすことで電気抵抗がゼロになる超伝導を使うと、強力な電磁石を作ることができます。超伝導磁石は、強力な磁場で粒子を曲げて「加速器で用いる」イメージが強くあるかもしれませんが、J-PARCで行われている実験の様々な部分で活躍し、研究を支えているのです。
例えば中性子寿命測定実験では、強力な磁場をかけることにより、背景事象と本来測定したいβ崩壊を分けることができ、精度の良い測定を行うことができるようになります。
他にもCOMET実験では、100兆回に1回あるかないかの現象を探索するために、用途の違う3つの巨大な超伝導磁石が、ビームを収束させ、目的の粒子を選別し、信号を検出するために用いられています。

news232_2.jpg

しかく「エコフェスひたち2024」に出展(7月20日、日立シビックセンター等)

多くの子どもたちの夏休み初日に、日立シビックセンター等で実験・体験を通して学べる環境イベント「エコフェスひたち2024」が開催されました。
J-PARCセンターのブースでは、超伝導コースター実演とJ-PARCの紹介を行いました。-200°C近くまで冷やした超伝導体が浮上したままレールに沿ってジェットコースターのように滑走する超伝導コースターは、子どものみならず、大人にも人気です。
また、J-PARCの模型やポスターを展示し、J-PARCが燃料電池の性能向上などに貢献していることなどを紹介しました。

news232_3.jpg

しかくこども霞が関見学デーで「光のまんげきょうをつくろう」工作教室に参加(8月7、8日)

「こども霞が関見学デー」は、子供たちを対象に各府省庁の業務説明や職場見学等を行うことにより、広く社会を知る体験活動の機会とし、親子のふれあいを深めることを目的とする取組みです。今年は28府省庁等がプログラムを実施しました。文部科学省内の日本原子力研究開発機構のブースでは、光のまんげきょうを作りながら、光は波であることや光の三原色などを学びました。また、J-PARCの紹介も行いました。
子供たちは、分光シートを使ったまんげきょうを様々な光源に向け、歓声を上げながら虹色の光の見え方の違いを観察しました。心に残る夏休みの思い出となったことと思います。

news232_4.jpg

しかく「サイエンス×東海村×J-PARC展 」開催中(7月20日〜9月29日、東海村歴史と未来の交流館)

ワークショップ「とうかいサイエンスラボ」ではJ-PARCの研究員も参加して、皆さんと一緒に実験や工作をしました。
科学者たちの素顔に迫る企画展、謎解きミッション、特別展示などは9月29日までお楽しみいただけます。是非、お越しください。
詳しくはこちら(東海村歴史と未来の交流館ページ) https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/soshikikarasagasu/kyoikuiinkai/shogaigakushuka/9/1/2/9785.html

news232_5.jpg

≪お知らせ 1≫

しかくJ-PARC施設公開2024開催のお知らせ(9月28日)

9月28日(土)、J-PARC施設公開2024を開催します。実験施設や加速器などの見学(一部事前予約制)、サイエンスカフェ、体験コーナー、実験工作教室、スタンプラリーなど、たくさんのイベントがあります。また、キッチンカー、J-PARCグッズ等の出店もあります。皆様お誘いあわせの上お越しください。
(注記)ご来場方法など、ホームぺージでご確認下さい。
詳しくはこちら(J-PARC施設公開2024特設ページ)https://j-parc.jp/OPEN_HOUSE/2024/

news232_6-1.jpg

≪お知らせ 2≫

しかく J-PARC市民公開講座開催のお知らせ(10月14日)

J-PARCセンターでは施設の利用運転開始から15周年を記念し、10月14日〜18日、J-PARCシンポジウムを開催予定です。それに合わせ、10月14日(月・祝)に、一般向けの市民公開講座「J-PARCが創る未来、探る謎 -次世代のエネルギーから宇宙まで-」を水戸市民会館で開催します。こちらもぜひお越し下さい。
詳しくはこちら(J-PARC市民公開講座特設ページ)https://j-parc.jp/symposium/j-parc2024/pub-lecture/

news232_6-2.jpg

news219_sanpo.png



J-PARCさんぽ道 49 -建設工務部署のJ-PARC施設勉強会を開催-

2011年3月11日に起きた東日本大震災では、加速器トンネルの中が浸水するなどの甚大な被害を受けましたが、その年のクリスマスには運転を再開しました。その復旧の早さは驚異的だと、世界中の加速器関係者から絶賛されています。日本原子力研究機構(JAEA)では、各所に点在する研究施設の技術的視察を通し、建屋や工務関係の情報共有を行い、建設や修理、維持管理等のノウハウを伝承していくことを目的に、毎年、建設工務部門連絡会という会合を開いています。
今回の連絡会では、7月26日にJAEAに勤務する建設部や工務部署の職員がJ-PARC施設を視察しました。建設時期から20年程度経過した建物の老朽化に関する技術的な問題点を共有するため、リニアックやRCSの加速器トンネル、物質・生命科学実験施設の屋上などに行きました。J-PARCの建屋や施設の特徴の他に、復旧の手順などに関しても詳しい解説がありました。

news232_7.jpg

]]>
日本加速器学会で2賞を受賞 tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1388 2024年08月23日T00:36:04Z 2024年08月23日T00:52:25Z J-PARC 7月31日から8月3日まで山形市で行われた本学会で、以下の2賞が受賞されました。

技術貢献賞

J-PARC-Topics20240823_01 加速器第二セクションのサハ プラナブ氏が受賞しました。
本賞は、加速器の建設、運転、利用の高度化、製造技術の開発等に対する寄与が顕著であると認められる技術的貢献に対して授与されるものです。
数値シミュレーションと実際のビームを用いた試験により、J-PARCの加速器の一つであるRCSのビームロスを最小限に抑える研究を進め、RCSの1MWでの安定運転や、将来的なMRのビーム強度の実現に不可欠となる成果を挙げたことが評価されました。

年会賞

J-PARC-Topics20240823_02 加速器第三セクションの小島 邦洸氏が受賞しました。
本賞は研究活動・研究者生活の初期段階にある、学生や若手研究者を奨励することを目的とし、学会年会において優れた内容の発表に対して授与されるものです。
RCSのビーム損失を低減させる研究から、大強度ビーム運転時にビームロスの少ない条件を見出したことが評価されました。

]]>
【10月14日(月・祝)開催】J-PARCシンポジウム2024市民公開講座のお知らせ tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1386 2024年08月19日T08:06:24Z 2024年08月19日T08:10:57Z J-PARC J-PARC Project Newsletter No.95, July 2024 (英文) を発信 tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1382 2024年08月06日T00:18:53Z 2024年08月06日T00:19:58Z J-PARC 「J-PARC施設公開2024」の開催について tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1379 2024年07月31日T02:04:25Z 2024年07月31日T03:23:37Z J-PARC main_s

J-PARCセンターは9月28日(土)に、年に一度の施設公開を開催します。

宇宙・物質・生命のなりたちにせまるJ-PARCの最先端の研究に直接触れる機会です。世界最高強度を誇る大きな加速器、巨大な実験装置をご覧ください。また、サイエンスカフェ、実験工作教室なども開催します。(注記) 1

開催日時:2024年9月28日(土)午前9時30分から16時00分まで(雨天決行)
受付(来場者駐車場・無料シャトルバス乗場):
・9時〜15時00分まで
日本原子力研究開発機構本部(JAEA)駐車場にて受付を行います。
茨城県那珂市東海村舟石川765-1
(注記) JR常磐線・東海駅から徒歩5分
(注記) 来場者駐車場
・受付後、無料シャトルバスにて会場へご案内します。(J-PARCへの入構は、 無料シャトルバスのみです。)
・中学生以上の方は、顔写真付きの身分証明書を必ずご持参ください(例:運 転免許証、マイナンバーカード、学生証、パスポート等)。
・身分証明書がない場合は入場できません。
参加費:無料
その他:ご来場のための予約は不要ですが、リニアック見学ツアー、JRR-3ビームホール見学ツアーは、事前申込み制(応募者多数の場合は抽選)になります。
詳しくは≫ J-PARC施設公開2024特設サイト
(注記) 1 当日のイベントや公開する施設などの詳しい情報は随時掲載い たします。

]]> J-PARC News 第231号 tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1378 2024年07月26日T05:15:10Z 2024年07月31日T07:39:19Z PDF(761KB) しかくJ-PARCリニアック棟における溶融痕の発見について ... J-PARC PDF(761KB)

しかくJ-PARCリニアック棟における溶融痕の発見について

7月5日(金)、リニアック棟1階冷却水コールド機械室3(非管理区域)でチラー冷凍機の内部に溶融痕を発見し、公設消防により火災と判断されました。本事象に伴う人的災害の発生及び周辺環境への影響はなく、モニタリングポストの指示値にも変動はありませんでした。原因は調査中です。
皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げるとともに、再発防止に努めます。

J-PARCセンター長 小林 隆

しかくJ-PARC講演会2024「加速器-その原理とがん治療への応用」を開催(7月6日)

東海村産業・情報プラザ(アイヴィル)で開催され、146名が参加しました。
講演ではまず、加速器ディビジョンの近藤恭弘氏が、J-PARCの3つの加速器の構成、原理、特徴等を説明しました。続いて筑波大学 医学医療系・教授/陽子線医学利用研究センターの榮武二氏が、最先端の粒子線治療の現状について、X線、陽子線、重粒子線の比較を交えて説明しました。最後に筑波大学 医学医療系・教授/陽子線医学利用研究センター長の熊田博明氏が、がん細胞を選択的に破壊できるBNCT(中性子捕捉療法)について、中性子の発生源が原子炉から加速器に変わりつつある現状を説明しました。また、講演の前後と休憩時間には、職員によるポスターを使った加速器の説明がロビーで行われ、J-PARCの加速器に興味を持った方々の質問に答えました。
会場にはがんを経験された方やそのご家族もいらっしゃり、予定時間を超えるほどの質疑応答が行われました。この講演会を通し、加速器とその応用についてご理解が進むとともに、がん治療の明るい未来を描く手がかりとなることを期待します。
本講演会の様子はYouTube J-PARCチャンネルでご覧いただけます。J-PARC講演会2024特設ページよりご確認下さい。
http://j-parc.jp/symposium/lecture2024/

news231_1.jpg

しかくプレス発表

世界最高のプロトン伝導度を示す完全水和した酸化物を発見 -中低温での高性能な燃料電池につながる新しい材料設計戦略 -(5月29日)

現在実用化されている固体酸化物形燃料電池(SOFC)は動作温度が高いため、より低い温度領域で高いプロトン伝導度を示す材料を用いた、プロトンセラミック燃料電池(PCFC)の開発に期待が高まっています。研究グループでは、従来とは全く異なる新しい材料設計戦略により、50〜500°Cの中低温領域で世界最高のプロトン伝導度を示す新物質BaSc0.8W0.2O2.8を発見しました。また、この物質が高い伝導度を示す要因を、物質・生命科学実験施設(MLF)のBL09「SPICA」を用いた結晶構造解析と理論計算によって明らかにしました。
今後、BaSc0.8W0.2O2.8を電解質に用いることで、現在よりも低い温度領域で高性能なPCFCの作製のほか、水素ポンプや水素センサーなどさまざまな電気化学デバイスへ応用可能なクリーンエネルギーの材料としての応用も見込まれます。
詳しくはこちら(J-PARC HP) https://j-parc.jp/c/press-release/2024/05/29001343.html

しかく令和6年度 中性子産業利用報告会を開催
(7月11〜12日、秋葉原コンベンションホール及び一部リモート配信)

本報告会は、J-PARC MLF及び研究用原子炉JRR-3が供給する中性子やミュオンの産業利用について、産業界からの要望とマッチングを図ることに重点を置いて開催しています。
今年度は2日間で247名が参加しました。トヨタ自動車 庄司哲也氏の「MIとDX解析プラットフォームWAVEBASEを介した材料の計測データ解析」と京都大学 平山朋子氏の「トライボロジー現象解明に向けた中性子線分析の活用」の特別講演などが行なわれました。

news231_2.jpg

しかくJ-PARCハローサイエンス「パワーアップしたJ-PARC長基線ニュートリノ振動実験」(6月28日)

素粒子原子核ディビジョンの坂下健氏がJ-PARCのニュートリノ施設の役割と高度化について紹介しました。
東海村にあるJ-PARCからニュートリノを飛ばし、岐阜県飛騨市にあるスーパーカミオカンデでそのニュートリノを観測する実験はT2K実験と呼ばれます。T2K実験ではミューニュートリノが電子ニュートリノに変化することを、世界で初めて観測しました。現在は、「宇宙から反物質が消え、物質だけが今ここに存在している謎」に迫るため、ミューニュートリノが電子ニュートリノに変化する確率と、その反粒子である反ミューニュートリノが反電子ニュートリノに変化する確率の違いを調べる実験を行い、それらに差がある可能性を見出しました。しかし、この変化確率が明らかに異なると決定するためには、より多くのニュートリノを観測することが必要です。
そこで加速器とビームラインの高度化によるニュートリノの生成量の10%アップと、新型のニュートリノ検出器導入によって粒子の飛来方向の同定や粒子識別を可能にしました。さらに2027年度からは受け手である測定器も‘スーパーカミオカンデ’から‘ハイパーカミオカンデ’へと進化を遂げ、より多くのニュートリノを観測する計画です。

news231_3.jpg

しかくGSA(ジオ・スペース・アドベンチャー)(7月13〜14日、岐阜県飛騨市)

神岡鉱山の坑道やスーパーカミオカンデ施設が見られる大人気の地底探索イベント、GSAが開催されました。5年ぶりにフル開催となった今回のGSAは、全国各地から800名以上の参加がありました。
イベントの一環としてサイエンスセミナーが企画され、J-PARCセンター素粒子原子核ディビジョンの中平武氏がT2K実験について講演をしました。講聴した方からは、ニュートリノと反ニュートリノの違いやT2K実験の方法など、多くの質問がありました。
T2K実験では、J-PARCとスーパーカミオカンデはなくてはならない存在です。これからも双方で連携、高度化を図りながら実験を進めていきたいと考えています。

news231_4.jpg

しかく「サイエンス×東海村×J-PARC展 」が開催(7月20日〜9月29日、東海村歴史と未来の交流館)

夏休みが始まった7月20日(土)に「サイエンス×東海村×J-PARC展〜せかいは“つぶ”からできている〜」が始まりました。子どもたちがナゾ解きステージを攻略し、ミッションをクリアして宇宙の始まりの謎を解き明かすという企画で、東海村とJ-PARCセンターが共催しています。期間中、科学者と一緒に実験や工作をするワークショップ「とうかいサイエンスラボ」や、東海村に集まる科学者たちの素顔に迫る企画展も行われます。
オープニングでは、東海村吹奏楽団が科学や宇宙にちなんだ楽曲を披露し、来館者を楽しませてくれました。館内では早速、沢山の子どもたちがミッションに挑戦したり、サイエンスラボに参加していました。
この企画展は9月29日(日)まで開催されます。ぜひ、つぶつぶワールドに変身した東海村歴史と未来の交流館で宇宙の始まりの謎解きにチャレンジしてはいかがでしょうか。
詳しくはこちら(東海村歴史と未来の交流館ページ) https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/soshikikarasagasu/kyoikuiinkai/shogaigakushuka/9/1/1/6270.html

news231_5.jpg

しかくミュオンにコーフンクラブで徳化原(とっけはら)古墳の見学(7月7日、城里町)

梅雨明けを思わせる晴天と体温並みの気温の中、2024年度の第2回宇宙線ミュオンで古墳を透視プロジェクトが行われました。
今回はこれから宇宙線ミュオンで透視する「古墳の石室とはどういうものなのか」を理解するため、児童・生徒22名に加え、保護者、スタッフ総勢50名で茨城県東茨城郡城里町にある古墳時代終末期(7世紀後半)に築造された徳化原古墳を見学しました。まず、古墳に隣接する「いせきぴあ茨城」で同古墳を発掘した茨城大学 人文社会科学部教授の田中裕氏から古墳時代についての概説に続き、古墳の石室および徳化原古墳についての講義を受けました。
その後、徳化原古墳に移動し、石室を見学しました。安全上の理由から、石室内部に入ることはできませんでしたが、田中氏から内部をライトで照らしながら石室内部の説明があり、参加者は熱心に見学していました。そして、最後に「これから透視する東海村舟塚2号墳の石室はどこにあるだろう」という予想を立てて、見学会は終了しました。

news231_6.jpg

しかくJ-PARC出張授業を東海村立中丸小学校で実施(6月25日)

J-PARCセンター加速器ディビジョンの高柳智弘氏(中丸小学校出身)が、中丸小学校6年生へ「J-PARC講話」を行いました。児童から、「J-PARCに行ってみたい。」「むずかしい話だと思っていたけれど、説明のたびに例えばの例を挙げて話してくれたので、内容がわかりやすかったです。」「笑いもまじえながら話してくれて、勉強の話が長いといつもだったらつかれちゃうのに、とても楽しかったです。」などの感想が寄せられました。

news231_7.jpg

≪お知らせ≫

しかくJ-PARC施設公開2024開催のお知らせ(9月28日)

9月28日(土)、「東海村で最先端の加速器サイエンスにふれてみよう!」と題し、J-PARC施設公開を開催します。宇宙や物質・生命の謎に迫る、J-PARCの巨大な実験施設、加速器などの見学(一部事前予約制)や、サイエンスカフェ、実験工作教室などもあります。是非お越しください!
詳しくはこちら(J-PARC施設公開2024特設ページ)https://j-parc.jp/OPEN_HOUSE/2024/

news231_8.jpg

news219_sanpo.png



J-PARCさんぽ道 48 -講演会の司会者を追って〜加速器の技術者 杉田萌さんの活躍〜

午後1時半、お客さんたちはおしゃべりをやめ、自分の席につき始めました。225席ある多目的ホールの座席は3分の2が埋まっています。客席の照明が徐々に暗くなっていきます。スポットライトが杉田さんを照らします。趣味の一環で所属している楽団で司会をした時のことが、杉田さんの頭の中をよぎります。
杉田さんはJ-PARCに勤務する技術職員です。2021年に入所し、RCSの安定運転のため、電磁石や電源の開発やメンテナンスが普段の業務です。そんな杉田さんが全く畑違いである「講演会の司会」という大役を引き受けることになったのは、この時の経験を生かせると思ったからでした。 杉田さんが講演者のプロフィールや講演内容を紹介します。今まで念入りにスタッフの中で打ち合わせをしてきた内容です。間違えるわけにはいきません。
講演が始まります。杉田さんは舞台の裏に入りますが、安心はできません。講演後、感想を添えるため、講演の内容を理解し、まとめておく必要があるからです。
質疑応答に入ります。がんを経験した方をはじめ多くの皆様から、的を射た、はっとするような質疑応答が続きます。杉田さん自身、もっと聞いていたいという思いがあるのですが、どこで区切るかという厳しい決断が彼女自身に委ねられています。会場にはまだ手を挙げている人が大勢います。杉田さんはソフトかつはっきりした口調で、質疑応答の終了を宣言します。
杉田さんは、司会という立場でお客様と発表者との橋渡しをすることにより、いかに多くの人が加速器を使ったがん治療に興味を持っているかが実感できたそうです。加速器はビーム物理やビーム利用を支える技術として、縁の下の力持ちという扱いを受けることが多くありました。しかし、この講演会で加速器の技術そのものが人々の役に立っていることが身をもって体感でき、応援してくださる多くの人々の期待を想像しながら研究活動を続けていきたい、と述べていました。
J-PARCでは、若手職員が様々な経験をし幅広い分野で活躍するよう期待しています。

news231_9.jpg

]]>
中性子・ミュオンスクール開催のお知らせ tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1377 2024年07月22日T07:57:02Z 2024年07月22日T07:58:31Z J-PARC <span class="naked_sign">×</span><span class="naked_aural">ばつ</span>J-PARC展〜せかいは′′つぶ′′からできている〜」を開催! tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1373 2024年07月11日T07:11:34Z 2024年07月11日T07:19:57Z J-PARC 【追加募集】宇宙線ミュオンで古墳を透視プロジェクト!第2期参加者を大募集!!【東海村 site】 tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1366 2024年07月02日T09:11:39Z 2024年07月02日T09:12:19Z J-PARC J-PARC News 第230号 tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1363 2024年06月28日T01:17:43Z 2024年06月28日T05:07:03Z PDF(598KB) ≪Topics 1≫ しかく世界最強のJ-PARC MLFのパ... J-PARC PDF(598KB)

≪Topics 1≫

しかく世界最強のJ-PARC MLFのパルス中性子源が目標性能を達成
-世界一の強度で長期運転を実現-(5月31日)

J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)の中性子発生装置が、4月8日から50日以上にわたり、施設建設時からの目標性能である「1000 kW相当の陽子ビーム出力での長期にわたる運転」を達成しました。水銀標的をはじめとする様々な機器の改良と検証を積み重ねながら段階的に出力を上げました。米国、EU諸国、中国など世界中の国々が高出力かつ高性能のパルス中性子源の開発に凌ぎを削る中、MLFのパルス強度は世界第2位の米国のSNSの2倍以上になりました。
パルス中性子を用いた実験は、物質科学や生命科学の先進的な研究を行う上で非常に有効な手段です。今後はさらに安定な運転実績を積み重ねるとともに、長寿命化を含めた設備の高度化を進め、より多くの研究成果創出に貢献していきます。
また、MLFの中性子源の上流に設置されているミュオン源も、同時に世界一の強度と長期間運転を達成しています。
詳しくはこちら→https://j-parc.jp/c/press-release/2024/05/31001347.html

news230_1.jpg

≪Topics 2≫

しかくJ-PARCプレス勉強会を開催(6月5日)
「世界初!素粒子ミュオンの加速に成功、標準理論の超精密検証へ」

MLFでは、冷却した素粒子ミュオンを、光速の約4%まで加速することに世界で初めて成功しました。前人未到のミュオンの加速実現で、2024年は「ミュオン加速元年」となりました。
MLFで作られた光速の30%程度の速度を持つ正ミュオンをいったん光速の0.002%まで減速させ、冷却することで向きと速さを揃えました。それを高周波加速空洞に入射することにより、ミュオンを光速の約4%まで再び加速することに成功しました。これは標準理論の超精密検証実験を始めるための大きな一歩となります。また加速ミュオンを用いた全く新しいイメージングによって、ミュオン顕微鏡、文理融合研究などさまざまな応用も期待できます。
本成果は5月17日にプレス発表され、多くの人々に理解していただくため、6月5日にプレス勉強会を開催しました。8社9名、Zoomを含めると11社12名に参加いただき、J-PARC全体とミュオンの説明の後、MLFのS2、H1、H2エリアでの見学を行いました。記者からは、今後目標とする正ミュオンの加速エネルギーや他国の現状等についての質問が次々に発せられ、勉強会は盛況なものになりました。
詳しくはこちら→https://j-parc.jp/c/press-release/2024/05/17001336.html

news230_2.jpg

しかくプレス発表

(1)シリカがタイヤを高性能化する秘密を中性子と水素のスピンで解明
-「埋もれた界面」を観測する新技術で、複合材料の高機能化に貢献-(5月16日)

自動車用のタイヤは、ゴム材料にシリカナノ粒子を添加し結合させることで、グリップ性能と燃費性能の向上を両立させています。その結合を強化するためにカップリング剤を添加しますが、それがどのように機能しているかを確認する手法がありませんでした。 研究グループでは、MLFのBL17「SHARAKU」を用いて、新たに開発した中性子と水素のスピンを制御するスピンコントラスト変調中性子反射率法により、ゴムとシリカの界面に生成するカップリング剤の単分子層の観察を可能にしました。界面に生成する厚さ2nmのカップリング剤層について、その構造や組成を決定し、更に添加方法によってゴム材料とシリカの結合の強さに違いが現れることも明らかにしました。
本成果によって、今後耐摩耗性が大幅に改良されたタイヤが開発されると期待されます。また今回開発した同手法は、さまざまな複合材料における界面状態を決定できるので、各分野における材料開発にも貢献していくと考えられます。
詳しくはこちら→https://j-parc.jp/c/press-release/2024/05/16001335.html

(2)酸化ルテニウムは本当に第三の磁性体か?
-素粒子ミュオンと第一原理計算で挑む「悪魔の証明」-(5月20日)

金属磁性体は、原子のスピンがすべて同じ向きに揃っている強磁性体と、スピンが互いに逆向きに揃っている反強磁性体の大きく2種類に分類されます。ところが最近、反強磁性体の中に強磁性体の性質を合せ持つ「交代磁性」と呼ばれるものの存在が予想されるようになり、酸化ルテニウム(RuO2)がそのような第三の磁性体の候補として注目が集まっていました。
反強磁性体は磁石に引き寄せられないので、元々磁性を示さない金属(常磁性体と呼ばれる)と見た目には区別がつきません。そこで、研究グループではRuO2の交代磁性の前提となる反強磁性の有無を調べるため、MLFのS1「ARTEMIS」実験装置を用いたµSR測定を行いました。その結果、RuO2は限りなく常磁性体に近いことがわかりました。
交代磁性を示す反強磁性体は、周囲の磁場の影響を受けないなど好都合な性質を持つ次世代の電気・磁気デバイス材料 として期待されています。RuO2については、交代磁性がないことを証明する「悪魔の証明」はさておき、その電子状態の基本的な理解から再検討を促すきっかけとなりそうです。一方で、不純物や欠損によってRuO2の磁性を制御できることも示唆しており、今後の材料開発の新たな指針となりえます。
詳しくはこちら→https://j-parc.jp/c/press-release/2024/05/20001338.html

しかくJ-PARC安全の日(5月30日)

J-PARCセンターでは、2013年のハドロン実験施設での放射性物質漏えい事故以来、事故発生日の5月23日前後に毎年「J-PARC安全の日」を開催しています。今年度はハイブリッド方式により352名が参加しました。
午前は安全情報交換会として、火災防止に関する事例研究について各セクションからの報告と意見交換が行われました。午後は安全文化醸成研修会として、最初に安全貢献賞と良好事例の表彰を行いました。続いて、名古屋大学名誉教授/あいち・なごや強靱化共創センター長の福和伸夫先生による講演「温故知新で大規模地震に備える」が行われました。我が国の耐震設計基準は地盤に関係なく全国一律なこと、大都市の脆弱性、災害の歴史を教える場がないこと等の問題点を指摘し、国と個人が一丸となって地震への対応を再考する必要性が述べられました。その後、記録映画「放射性物質漏えい事故-社会からどのようにみられたか-」を上映して閉会となりました。
J-PARCでは2013年の事故の教訓を風化させることなく次の世代につなぐため、今後もこの行事を毎年行うとともに、職員一同が安全を常に最優先しながら研究活動を推進していく所存です。

news230_3.jpg

しかくJ-PARCハローサイエンス「J-PARC加速器ビームパワー増強」(5月31日)

加速器ディビジョンの五十嵐進氏が、パワーアップしたJ-PARCのメインリング加速器(MR)について紹介しました。
MRは2008年の運転開始以来ビームパワーを増強しており、昨年度、当初目標としてきた750kWを超えました。現在、 220兆個もの運動エネルギー30GeVの陽子を、1.3秒周期でニュートリノ実験施設へ供給しています。加速周期を短くするために電磁石電源や高周波加速空洞を増強するなど、さまざまな技術の改良を積み重ねてきた成果です。
素粒子・原子核実験の成否は、実験施設に供給される陽子の数に大きく依存します。加速器で一度に加速する陽子の数を増やし、より短い周期でビームを出射できれば、ビームパワーは増強し、より感度の高い実験を行うことができます。
これからも加速器の増強を続け、加速周期を更に短くすることを計画しています。また、陽子同士の反発力などによるビームの拡がりをビーム調整により抑え、供給する陽子数を増やし、4年後には約2倍の1.3MWにビームパワーを到達させることが目標です。

news230_4.jpg

しかくMRでこれまでの記録を更新するビームパワーでの利用運転を実現
記念写真撮影を実施(6月21日)

MRでは、これまでの記録を更新するビームパワーでの利用運転を実現しました。ニュートリノ実験施設へ供給する速い取り出し(FX)ではビームパワー800 kW、ハドロン実験施設へ供給する遅い取り出し(SX)ではビームパワー80 kWでの安定運転を達成しました。今後、さらにビームパワーを増強していく予定です。これを祝して、関係者が中央制御棟に集まり、横断幕を掲げて記念写真を撮りました。

news230_5.jpg

しかくJ-PARC出張講座を群馬工業高等専門学校・津山工業高等専門学校で実施(6月17、18日)

「ミクロの世界を見る加速器の仕組み〜素粒子現象から大構造物まで透視するミューオン加速技術〜」というテーマで実施し、それぞれ20〜25名が参加しました。
講師は加速器第七セクションの大谷将士氏が務め、加速器の仕組みから医療・産業への利用、さらにミューオンによる物性・素粒子研究について紹介しました。講演後のアンケートでは、「とても分かりやすく基礎的な知識から解説していただいたので、楽しくお話を聞くことができた」「加速器から得られることやわかっていることを詳しく知りたい」などといった意見が寄せられ、素粒子や加速器への関心を喚起する良いきっかけとなりました。

news230_6-1.jpg news230_6-2.jpg

しかく「宇宙線ミュオンで古墳を透視プロジェクト」今年度の活動を開始(6月23日、歴史と未来の交流館)

昨年4月にスタートした本プロジェクトの第2期として、24名のメンバーのうち18名の子どもたちが集まり、第1回が6月23日に歴史と未来の交流館で開催されました。開講式では、物質・生命科学ディビジョン下村氏のミュオンの講義に引き続き、山田東海村長にご挨拶を頂き、その後、素粒子原子核ディビジョン藤井氏の指導で霧箱を作りました。カップを黒布で覆ってアルコールを注ぎ、中心に線源を置き、ドライアイスで冷やすと、線源から出るアルファ線が飛行機雲のように見えました。
本プロジェクトは今後、毎月1回の開催を予定しています。今年度は、昨年度に製作した「歴史と未来の測定器」の測定を開始して古墳の謎に挑むこと、測定器をもう1台作ることを目指し、活動を進めます。
詳しくはこちら(東海村生涯学習課ページ)→ https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/soshikikarasagasu/kyoikuiinkai/shogaigakushuka/9/1/2/8705.html

news230_7.jpg

≪お知らせ≫

しかく企画展「サイエンス×東海村×J-PARC展 〜せかいは“つぶ”からできている〜」開催のお知らせ

東海村歴史と未来の交流館がつぶつぶワールドに大変身! 謎解きミッションや、科学実験教室「とうかいサイエンスラボ」、いつでも遊べるワークショップなど、楽しいイベントが盛りだくさん!また、企画展「科学者たちの素顔」も同時開催です。是非お越しください。
詳しくはこちら(東海村歴史と未来の交流館ページ)→ https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/soshikikarasagasu/kyoikuiinkai/shogaigakushuka/9/1/1/6270.html

news230_8.jpg

しかく加速器運転計画

7月の運転計画は、次のとおりです。なお、機器の調整状況により変更になる場合があります。

news230_9.jpg

news219_sanpo.png



J-PARCさんぽ道 47 -MLFの見学-

J-PARC見学者の皆様をMLFの実験ホールへご案内すると、感嘆の声が上がることがあります。ジャンボジェット機2機分が格納できる建屋のキャットウォークからは、中性子源が入る巨大な紺色の筒から放射状に広がる中性子ビームライン、その奥には複雑に分岐するミュオンビームラインがご覧いただけるからです。
本号でも紹介した通り、MLFでは、世界最強のパルス中性子源の目標性能を達成し、素粒子ミュオンの加速に成功した、という2大ニュースが飛び込んで来ました。これを機にMLFの実験ホールでは人々がさぞ賑やかに動き回るようになったかと思うと、そんなことはありません。MLFの運転中は、研究者や技術者が、キャビンというビームライン近くの小屋や自分の居室から、リアルタイムで遠隔で機器を監視し、実験結果を見ているからです。もちろん、今までよりも詳細なデータや未知のデータが入ってくるので、MLFの職員はより忙しくなっています。
来月からの夏季期間、J-PARCはメンテナンスのため運転を休止します。その間、試料や測定機器の入れ替えや調整のため、多くの職員が実験ホールで作業している風景が見られることでしょう。

news230_10.jpg

]]>
会期:R6.7.20(土)〜R6.9.29(日) 場所:東海村歴史と未来の交流館【東海村 site】 tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1361 2024年06月25日T07:07:13Z 2024年06月25日T07:09:07Z J-PARC KEK一般公開2024開催日決定のお知らせ【KEK site】 tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1357 2024年06月19日T02:22:56Z 2024年06月19日T02:25:08Z J-PARC 「J-PARC施設公開2024」のお知らせ tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1350 2024年06月17日T08:19:00Z 2024年06月17日T08:57:06Z J-PARC J-PARCセンター施設公開の予定をお知らせします。

施設公開開催予定:2024年9月28日(土)

詳細は、後日お知らせします。

【関連記事(アーカイブ)】

]]>
J-PARC News 第229号 tag:cms01.j-parc.jp,2024:/c/topics//3.1346 2024年05月31日T05:39:32Z 2024年06月03日T07:41:49Z PDF(577KB) しかくプレス発表 (1)微生物の酵素が天然ゴムを分解す... J-PARC PDF(577KB)

しかくプレス発表

(1)微生物の酵素が天然ゴムを分解するしくみを水素原子まで可視化して解明(3月18日)

天然ゴムのアラビアガムは、食品や化粧品、錠剤のコーティングとして医薬品などに広く利用されています。このアラビアガム分子の末端を切断できるラムノシングルクロン酸リアーゼ(FoRhmal)という酵素について、J-PARC 物質・生命科学実験施設(MLF)の茨城県生命物質構造解析装置「iBIX」を用いた立体構造解析により水素原子の位置を決定することに成功し、切断のメカニズムの解明ができました。今後複雑なアラビアガムの構造や生理機能の解析、新たなオリゴ糖の生産などに応用が期待されます。
詳しくはこちら→https://j-parc.jp/c/press-release/2024/03/18001306.html

(2)多彩なスピン構造の間のトポロジカル数スイッチングに成功 -超高密度な新しい情報担体としての活用に期待-(4月1日)

ガドリニウム(Gd)は中性子の吸収断面積が極めて大きく、通常の中性子回折実験では磁気構造解析ができませんでした。そこでGdの吸収断面積は中性子のエネルギーが約100 meVを超えると急激に小さくなることに注目し、中性子回折実験に初めて成功しました。
正方格子構造を持つ希土類合金(GdRU2Ge2)をMLFの高分解能チョッパー分光器「HRC」で測定したところ、直径2.7ナノメートルという極小サイズの磁気スキルミオン(渦状の電子スピン構造を持つGd原子の集合体)を発見しました。さらに、この磁気スキルミオン(磁性体中のスピン渦構造)に対し、様々な大きさの磁場を外部からかけると「楕円形スキルミオン」や「メロン-アンチメロン分子」「円形スキルミオン」といった多彩な渦の巻き方を持つ(トポロジカル数が異なる)スキルミオンを発現することも明らかにしました。
実証した外部磁場による多彩なトポロジカルスピン構造間の切り替え(スイッチング)は、極小サイズの超高密度な次世代のメモリ素子への応用に貢献すると期待されます。
詳しくはこちら→https://j-parc.jp/c/press-release/2024/04/01001317.html

(3)資源のリサイクル技術を進化させる新たな視点
-「超分子集合体」による希少金属の選択性と抽出速度のコントロール -(4月12日)

溶媒抽出法は、混ざり合わない2つの液体の相の間で、物質がどちらの液体相に溶けやすいかを利用した分離・精製方法です。このうち、パラジウム(Pd)とネオジウム(Nd)との分離において、油相に使う溶媒の種類を変えることで抽出する金属と抽出速度が変わることを発見しました。この現象を明らかにするために、X線小角散乱とJ-PARC のBL16 ソフト界面解析装置「SOFIA」を組み合わせて分析したところ、X線小角散乱では油相に使う溶媒の違いにより抽出剤がつくる超分子集合体の特性が変化することが明らかになり、SOFIAでは界面において抽出剤の密度が変化し、抽出剤が疎な場合は金属イオンの抽出速度が低下することが明らかになりました。
今回の結果は、従来の溶媒抽出法に超分子集合体の視点を加えた新しい金属イオンの分離方法や、新しい抽出剤の設計につながる可能性を示しています。
詳しくはこちら→https://j-parc.jp/c/press-release/2024/04/12001321.html

news229_1.jpg

(4)カイラル結晶構造と反強磁気秩序の自発的出現
-時間と空間の反転対称性が同時に破れた新奇構造を発見-(4月26日)

空間反転対称性の破れた結晶構造に自発的に相転移し、さらに磁気秩序によって時間反転対称性も破れうる物質を開拓すべく、Remeika相化合物Nd3Rh4Sn13に着目しました。KEKフォトンファクトリーでのX線回折実験とJ-PARCのBL18 特殊環境微小単結晶中性子構造解析装置「SENJU」、BL14 冷中性子ディスクチョッパー型分光器「AMATERAS」、及びJRR-3における中性子散乱実験により、この物質が空間反転対称性の破れたカイラル結晶構造に相転移し、さらに時間反転対称性の破れた反強磁気秩序が出現することを明らかにしました。
本研究のような、カイラル対称物質における新しい電子状態や磁気秩序状態の研究は、物質科学の発展のみならず、将来のデバイスや素子への応用にもつながると期待されます。
詳しくはこちら→https://j-parc.jp/c/press-release/2024/04/26001328.html

(5)特殊な『元素』に頼らず、分子の『配列』を活かして
- 水素イオンを高速で伝導する高分子膜を開発!-(4月26日)

水素燃料電池に重要な水素イオン伝導性高分子膜としてフッ素を多く含む高分子膜が使われてきましたが、環境問題を考慮すると同等の性質を持ったフッ素を含まない水素イオン伝導性高分子膜を生み出す技術が不可欠です。そこで、高分子膜中における界面ホッピング伝導機構に着目し、界面にスルホネート基を有する自己組織性分子が規則正しく密に並んだ高分子膜を作成しました。水素イオンの伝導性をJ-PARCのBL02 ダイナミクス解析装置「DNA」で中性子ビームを用いて解析した結果、従来の遅い界面ホッピング伝導を覆す、着想通りの高速水素イオン伝導が生じていることが明らかになりました。さらに膜中の水は全て結合水という特殊な状態になっており、0°Cでも凍らない、高温でも蒸発しにくい、燃料電池に有利な状態となっていることが分かりました。
今後、分子改良を進めることで、現状ではまだ5%程度含むフッ素含有率を0%にした究極の水素イオン伝導性高分子膜も作ることができると考えています。
詳しくはこちら→https://j-parc.jp/c/press-release/2024/04/26001329.html

news229_2.jpg

しかくJ-PARCハローサイエンス「中性子と単結晶が導き出す分子の真の形」(4月24日)

中性子利用セクションの大原高志氏が単結晶構造解析について紹介しました。 結晶学はX線の正体が電磁波であると示すなど、いくつものノーベル賞を受賞している分野です。結晶は同じ形のブロックが周期的に並んでおり、特定の面で決まった方向に波を反射します。単結晶構造解析は、この原理を使って結晶中の原子の配置を解明し、結晶の分子の形を明らかにする手法です。本手法にはX線を用いることが多いですが、中性子を使うとX線では観察が難しい水素原子の結合位置までもがはっきりと捉えることができます。
J-PARCのMLFには2台の単結晶解析装置があり、1台は大原氏が装置責任者を務めている「SENJU」です。測定に使う試料のサイズは通常より一桁小さい体積で十分で、-270°C以下から500°C以上という様々な温度環境や高い磁場のもとでも解析を行うことができます。物理や化学用の回折が得意で、発見から約200年間、構造が不明のままであったガラスの基本分子を解明したのも、このSENJUです。
原子レベルの詳細な構造や特徴は、物理学、化学、生物学、自然科学全般の非常に重要な情報の基です。単結晶中性子構造解析とは分子の性質を知る、まさに究極の方法といえるでしょう。

news229_3.jpg

しかくKEKがニコニコ超会議2024に出展(4月27〜28日)

KEKは千葉・幕張メッセで行われたニコニコ超会議2024(リアル開催)に「超KEK」と題し、KEKやJ-PARCなどで行われている研究について紹介するブースを出展しました。ニコニコ超会議は、株式会社ドワンゴによって運営されている日本最大級の動画サービス「ニコニコ動画」のユーザーが主体となり、ネットとリアルで開催する文化祭です。今年はリアル会場に12万5362人が集まりました。KEKが出展するのは2023年に続いて2回目となります。
超KEKブースではJ-PARC物質・生命科学ディビジョンの瀬戸秀紀氏による「防弾スイーツ超実験」のほか、霧箱の観察や真空装置の実験など来場者が実際に体験できる「超KEK体験コーナー」を設け、来場者の興味を引きました。
また、「超KEK生放送」として研究者によるトークの様子がネットで生配信され、物質・生命科学ディビジョンの下村浩一郎副ディビジョン長による「ミュオンでコーフン」、加速器ディビジョンの大谷将士氏による「すごいJ-PARC加速器」、素粒子原子核ディビジョンの多田將氏による「すごいニュートリノ」など、J-PARCに関連するトークも数多く行われました。
このほか、茨城県、サザコーヒーと共同で開催したスタンプラリーや、謎解きに答えて回せる超巨大ガラポンなどでJ-PARCグッズを景品として配布するなど、多くの方にJ-PARCを知っていただく良い機会になりました。

news229_4.jpg

しかく加速器運転計画

6月の運転計画は、次のとおりです。なお、機器の調整状況により変更になる場合があります。

news229_5.jpg

≪お知らせ≫
しかくJ-PARC講演会2024「加速器-その原理とがん治療への応用」開催のお知らせ(7月6日)

7月6日(土)、東海村産業・情報プラザ(アイヴィル)多目的ホールにて、J-PARC講演会2024「加速器-その原理とがん治療への応用」を開催します。 入場無料、事前申込不要です。ぜひご参加ください!
詳しくはこちら(J-PARC講演会2024特設ページ) http://j-parc.jp/symposium/lecture2024/

news229_6.jpg

news219_sanpo.png



J-PARCさんぽ道 46 -新緑の候-

人が受ける情報の7割以上は視覚から入ると言われています。人の肉眼で見ることができる可視光は、だいたい波長が780nmの赤から380nmの紫までです。その中で緑色は、可視光の中間付近である550nmの波長を持ち、目への負担が最も少ない色なのです。
J-PARCは巨大な顕微鏡とも言える「ものを極限まで見つめる」施設です。多くの陽子を光速近くまで加速し、非常に多くの二次粒子を創り出し、それを試料に照射してその構造や原子の動きを見たり、二次粒子自身の正体を突き止めることを目的としています。もちろんこれらの「もの」は肉眼では見えませんので、電子データを解読することになります。この巨大で繊細な施設を安全に動かし、得られたデータのわずかなサインを見逃さないためには、われわれの目と精神を酷使せざるを得ないこともあります。
今の季節、J-PARCの建屋から一歩外に出れば、鮮やかな緑が目に飛び込んできます。J-PARC敷地内に広がる新緑は、ものを極限まで見つめて疲労した目や精神を回復し、明日への活力の源になっています。

news229_7.jpg

]]>

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /