2019年6月8日土曜日

ヤンゴン中華街を歩こう[2]3大廟巡り〜慶福宮 編


福建省からの華僑が築いた「慶福宮」。広東系の廟より福建系のほうが、控えめな色合い。

ヤンゴンのチャイナタウンで人気の観光スポットのひとつが、「」です。
(東南アジアのチャイナタウンなら大抵そうなのもしれませんが)ここの廟は主に、広東省出身者が建てた廟と、福建省出身者が建てた廟の2種類にわけられます。

ヤンゴンにある3大廟の内訳。建立年は右から観音古廟(1823)、慶福宮(1861)、龍山堂(1875)


廟では、仏教や道教等の神様どれかではなく、祖先や民間信仰の神様を一緒に祀っていて、自分たちが信じている神様まとめてぜんぶ、という印象です。
中国では明朝末期、3教混合(儒教、道教、仏教)の信仰が民間に信仰していったそう。華僑もその流れをくんでか、ヤンゴンにある廟でも3教混合の神が祀られています。


慶福宮の内部。写真中央奥に祀られるのが媽祖



3大廟(1)Kheng Hock Keong 慶福宮


3大廟の中でも特に有名なのが「Kheng Hock Keong(慶福宮)」。南北に伸びるシンオーダン通りが、ヤンゴン川に沿って伸びるストランド通り(ミャンマー語ではカンナーラン)に突き当たる位置にあります。

資料によれば、植民地時代にはここに華人専用の埠頭があり、中国からの帆船が出入りしていたとのこと。商業・交易を生業としていた福建人は、埠頭のそばに廟を建て、媽祖(航海の神)を中心とした神々を祀りました。

慶福宮には媽祖以外にも、保全大帝(健康・長寿の神)や山西夫子(商業・職業の神)、土地神八神など様々な神がおられます。
華僑の廟に祀られている神様は本当に多種多様!しかも同じ神様でも複数の呼び方(名前)があるんです。調べればいろんな神話や逸話が出て来て面白いんですが、キリがない…

私がここで気になったのは、中央に祀られた媽祖の祭卓下にひっそりとあった神様です。そばにいた地元の方が指差しで教えてくれ、「ホウヤーゴン」というのだそう。虎の置物と石彫りの虎(だと思う)像が、しゃがんで覗き込まないと見えない位置に祀られていました。

これ。

虎は、ここに限らず各廟で目にします。気になって調べてみたら、中国文化研究者の川野先生とい方が、廟の虎について詳しく書いたブログを発見!

台湾と福建系華人の虎爺(虎爺の話その2)
─虎爺を巡る民間信仰 (台南城隍廟とシンガポール大伯公廟
ブログ「アジアの街並−東南アジア旧市街・中国古鎮・日本昔町ー川野明正の研究室」より

川野先生によると、台湾や福建系華人の民間信仰では、“虎は神様に帰依して神使いとなることも”あり、台湾では虎は、土地神・山神の乗騎なのだそうです。また、ときには財神であり、子供の守り神でもあると。

虎ひとつとっても、実に様々な神となるのですね。とても興味深いです。きっとこの慶福宮にいた「ホウヤーゴン」も、このどれかの神様なんだと思います。(削除) (でもホウヤーゴンてどういう意味なんだろう…)。 (削除ここまで)

*追記 2019/7/11
川野先生によると、虎爺公(虎の神、中国語読み:フーイエゴン)のことを、福建南部方言ではホーヤーゴンと言うのだそうです。スッキリしました!

「龍山堂」の入り口で見かけた虎の彫刻

「観音古廟」の神様とともに祀られた虎。

ちなみに上の観音古廟の写真、4年前くらいに撮影したのですが、先日再訪してみたら、



塗り直されていました!




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ヤンゴン中華街を歩こう[1]チャイナタウンってどんなとこ?





2019年6月3日月曜日

ヤンゴン中華街を歩こう[1]チャイナタウンってどんなとこ?


福建省からの華僑が建てた「慶福宮」(Strand Rd.)。


ダウンタウンとチャイナタウンのあゆみ


「ヤンゴンの中華街を、じっくり散策してみたいね」
街歩き仲間とずいぶん前から話していたこの企画が、今週ついに実現することに!
そこで街歩きの予習も兼ねて、ヤンゴンの中華街についてこれまで見聞きしたことを、まとめて書いてみようと思います。
(このページは、ヤンゴンのフリーペーパー「MyanMyan」(2015年掲載)で書かせてもらった中華街記事の内容を抜粋し、修正加筆しています)

ダウンタウン中央に鎮座する、スーレーパゴダ。その奥にはヤンゴン川とダラ郡区も見える。(※この写真は北側から撮影しているので、右手がインド人街&中華街。)

ヤンゴンのダウンタウンの西側に、チャイナタウン(中国語では唐人街、ミャンマー語ではタヨウッダン)はあります。チャイナタウンの東にはインド人街があり、スーレーパゴダ、さらに東に進めば植民地時代の“コロニアル建築群”と、ダウンタウンは見所満載のとても興味深いエリアです。


そもそもダウンタウンは、1852年、イギリスが英緬戦争で勝利したことで、本格的に開発が進められました。現在の碁盤目状の街は、このとき形成されたもの。

イギリスは下ビルマを「英国領ビルマ」としてインドの自治州にし、ヤンゴンを「ラングーン」に改め、商業と政治の中心地に整備しました(ラングーンが英国領ビルマの首都となったのは1885年)。

当時、川沿いのダウンタウンは、港で働くための労働力としてすでにやって来ていたインド人が住むエリアで、住民の半数以上がインド大陸東海岸から来た人々だったそうです。そのエリアの中に、華人の居住区が定められました。



ビルマは中国の雲南省と国境を接しているので、昔から中国人の陸路往来が活発でしたが、ラングーンに住んだのは主に、海を渡って来た福建省と広東省の出身者たちでした。

商人として富を得ていた福建省出身者は、ヤンゴン川沿い(現在のストランド通り)にあった交易港の向かいに航海の神を祀り(慶福宮)、その周囲一帯を拠点としたそうです。

一方、職人業で身を立てていた広東省出身者の生活は、マハバンドゥラ通りが中心でした。ラングーン開発で建設業の需要が高まったのに伴い、たくさんの広東人が、大工としてやってきたそうです。

現在は“串焼きストリート”として知られる19番通りも、昔は広東人しかいなかったとか。マハバンドゥラ通りは、当時住人から「広東大街(大通り)」と呼ばれ、多くの商店や飲食店が立ち並ぶメインストリートでした。

ヤンゴンのチャイナタウンといえば有名なのが、19番通りの”串焼きストリート”。夜は観光客や地元民で賑わう

ちなみに、シンガポール発の有名な軟膏「タイガーバーム」の発明者、胡子欽氏の家族は、1870年代に福建省からラングーンに渡ってきたそうです(胡子欽氏はラングーンで生まれ、家族とともに広東大街で「永安堂」という薬局を経営していました)

その後、中国で起こった大躍進政策(19581961)や、文化大革命(19661976)などの影響により、中国本土各地から200万を越える中国人が国境を越えてヤンゴンへ移住したそうです。チャイナタウンでは、広東省や福建省と同じくらいの頻度で祖先が雲南省出身だというミャンマー人によく出会います。

チャイナタウンのマハバンドゥラ通り界隈。漢字表記はそれなりにあるけれど、イメージで思い描くチャイナタウンの街並みっぽさは少ない。


ヤンゴン中華街の特徴

中華街といえば漢字があふれ、中華料理店や雑貨店で賑わうイメージ。でも、ここにはそんな派手さはありません。街が「中華風」から脱却せざるをえなかった時代があり、今もそのまま時を重ねています。

1962年、ビルマはネ・ウィンの軍事政権に突入。
ビルマに根付いて財産を蓄積した外来者(南アジア人、華人)を対象に、企業や土地を国有化する政策を打ち出します。これにより、母国に戻る人、海外他国へ転出する人、ビルマに残る人(外に出たくても出られなかった人々含む)に分かれました(ミャンマーの地方には、今でも村単位で残るコミュニティもあるそうです)。

企業や学校などが国有化され、華人の経済・教育方面にも大きな影響を与えました。学校が国有化されたことにより、ビルマ全土に約300あった華人の学校もなくなります。

中国で文化大革命(19661976)が起こった際には、ビルマの華人社会にも波及。一部で毛主席語録を学習する人々も現れます。こういった流れから、ビルマでも排華事件(1967)が発生。毛沢東バッヂをつけた華人だけでなく、皮膚が白くてズボンを履いているだけで、攻撃の対象になったケースもあるそうです。

これをきっかけに、華人社会ではビルマ国籍の取得とビルマへの同化が加速しました。

それでも、困難な時代を一族や同郷者で助け合い、たくましく生き抜いてきた人々。今尚チャイナタウンには、たくさんの「○○(会)館」(相互扶助組織)の看板が掲げられています。

ここは華人たちの“落地生根”(土地に定着して根をおろす)の歳月が感じ取れる、貴重な場所だと感じるのです。





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2019年5月26日日曜日

[家ご飯の味方]Whose foods?のレトルト食品「牛ステーキ」

お肉のほかソースと牛脂、食べ方の説明書付き。


最強のレトルト食品に出会う


昨日、久しぶりにFarmars Market @Karaweik Gardensに出かけてみました。

そこで知ったのが「Whose foods?」という食品販売店です。牛肉のレトルトパウチを販売していたので、試しに牛ステーキを味見。全く期待してなかったんですが、これがめちゃくちゃおいしかった!

中はほんのり赤みがかっていて、簡単に嚙み切れるほど柔らかいんです。かかっていた醤油ベースのソースも絶妙。しかもなんと、使っているのはミャンマー産牛肉とのこと。ミャンマーの牛肉は硬くて味がしない印象だったんですが、これは真逆。あまりに美味しくて驚きでした。


この感動をもっと共有したくて、自宅用にも購入。
ちょうどこの日の夜は、友人宅で飲み会が開かれたので、このステーキを持参したところ、もう絶賛の嵐。日本人6人、全員一致で「すっごく美味しい」評価でました。

ミャンマーでこんなステーキが食べられるなんて!
しかも自宅で好きな時に!!
開発・販売してくれて本当にありがとうと、お店の方に感謝の気持ちを伝えたいです。


「牛ステーキ」は、レストランと食材販売を兼ねた店舗にて販売しています。ローストビーフもあり、こちらも最高に美味しかった。


○牛ステーキ(レトルトパウチ、持ち帰り用)7,000Ks

お店のFacebookページ
https://www.facebook.com/WhoseFood/
※UNI VEGEという店名を、Whose foods?に変更するそうです



牛ステーキの食べ方


レトルトといっても、お湯であたためるだけ、というわけではありませんでした。
1.冷蔵庫から出した肉を、まず袋ごと、常温の水に浸ける。
2.開封し、お肉の両面をフライパンで軽く焼く(トータルで45秒)。
という作業が必要です。

でもこのおかげで、まるで作りたてのような牛ステーキが味わえます。
詳しい作り方は、お肉購入時に添付されてる説明書でご覧ください。


***
Whose foods?のお店も、近々詳しく紹介したいと思います。
お野菜たっぷりで美味しく、小さい子供から大人まで満足できるメニューがいろいろありました!幼児とのランチに使えるお店が見つかってうれしいな。

2019年5月18日土曜日

【ヤンゴン百景30】1歳のお誕生日会。

自宅のリビングに、お客さんがいっぱい!
招待状の制作を依頼した会社が、サービスでくれたという特大ポスターが目立ちます。



友人の娘さんが、この5月で1歳になりました。
今日はそのお誕生会!
たくさんのお客さんとともに、私もお祝いのごちそうを頂いてきました。私は、これまでミャンマー家庭のお祝いごとに参加したことがなく、初めてのことばかりでとても楽しかったです。

友人の自宅は、ミャンマー人のご主人の実家近所にあるので、招待客は義理のご家族、親戚をはじめ、ご近所さんや友人たちなど総勢70名! これは友人家庭が特別なのではなく、ヤンゴンではごくごく一般的なお祝いの規模なんだそう。


円卓いっぱいに、たくさんのお料理が並びました!


なんせ人数が多いので、メインの料理はケータリングを依頼。それに加えて、自宅で複数の食事やデザートを作ってくれていました。
メインは、鶏肉のダンパウッ(野菜・肉などの具材、香辛料と米を共に炊き上げたもの)。十分な量をケータリングしたものの、昼には足りなくなって、私たちは自家製のチェッターヒン(鶏肉のおかず)トーバタミン(バターライス)を頂きました。これがとっても美味しかった!大皿にこんもり盛られたライスも、全部ぺろり。
停電で、室内ながらじんわり汗をかきつつの食事。ひんやりアイスクリームもありがたかったです。


ケータリングした店のスタッフさんが、部屋の片隅で盛り付けもやってくれてました。


ミャンマー伝統のお菓子に、自家製ゼリーなど。
姪っ子さんが、台所で取り分けのお手伝い。


伝統菓子のターグープディン。ターグーは、ミャンマー語でタピオカのことだそう。


以下は、友人に聞いた、今日のタイムテーブル。
自宅に70人ものお客さんを招くのがどれほど大変か。すべてのお客さんに挨拶するだけでもひと苦労ですね。

====================
早朝5時
準備開始。

午前7時
早朝にお坊さん達を自宅に招き、お経をあげてもらう。家族や親類とともに朝食をとる。

午前9時
一般のお客さんが来始める。ミャンマーでは一般的な、好きな時間に来て好きな時に帰るスタイル。

昼12時
停電スタート。時を同じくして、来客がピークに達する。私たちが到着したのもちょうどこの時で、自宅の1階が来客で溢れかえる。

午後2時
お客さんを全員お見送り完了。

午後4時
片付けなどすべて完了。
====================


友人は、来客がいちばん多い時間帯に私たちを招待したことをしきりに詫びていましたが、私たちからすれば、賑やかな時に来られてよかったな。いろんな人が入れ替わり立ち替わり、こども(今日の主役)にお祝いの言葉をかけたり、あやしたりしている様子は喜びに満ちていて、幸せなひとときでした。

こうやって、こどもが育つ地域の人たちに、こどものことを知ってもらう機会って、とても大事なことだなと思います。

素敵な会に招いてもらえて、本当によい1日でした。


連れてったこどもも、一緒に円卓を囲んで。



2019年5月8日水曜日

インドネシアの人気ヘアオイル「ellips」が、ヤンゴンのスーパーでも買える幸せ。


いちばん香りが好みの黄色と、ピンクのボトル入り。(いずれもヤンゴンで購入)



ミャンマーの商品ではないのですが… 
これ、すごくよいんです。インドネシアのヘアオイル「エリプス」。

数年前、バリを旅行したときに知ったのですが、バリを訪れる日本人女性がこぞって買い占める(ような印象を受けた)ほど、超定番の人気ヘアオイルです。

ネットでバリのお土産事情を調べれば調べるほど、多くの方がこれを褒めちぎっているものだから、私も現地で買って使ってみたところ、ほんとによかった!
ショートヘアなら一粒(写真左)で十分だし、とってもサラサラの髪になる。そして何より、香りがすごくいいんです。

もっとたくさん買えばよかったなー、
と思っていたら、なんとヤンゴンのスーパーにも置いてるではないですか!
すべてのエリプス商品が入ってきているわけではなさそうです。私がヤンゴンで見かけたのは、上の写真の1回使い切りタイプ(4種類くらいある)と、ポンプ式(1種類)。それでも十分うれしいけれど。


先月の水祭り連休、私は再びバリで過ごしました。
そして、このエリプスを友人達にも配ってみたところ、
「すっごくいい香り!そしてサラサラで嬉しい」
「(使い切りタイプの)1粒でも、セミロングの髪が十分サラサラになった」
「これでこの価格はすごい」
などの反響あり。やっぱりこれいいんだ!と再確認できたので、ブログに書くことにしました。

私はいつも、Market Placeで買ってます。使い切りタイプで、1,470チャットくらいだったかな。他のスーパーでは見たことないので、確実に手に入れたかったら、Market Placeがおすすめです。

(削除) こっちで生活しているとミャンマー土産ネタがつきてしまうのですが、そんなときはこういう「ミャンマーで買える東南アジアのもの」もいいかなーと考えたり。 (削除ここまで)
(削除) このヘアオイルは、きっと喜んでくれるはず! (削除ここまで)
※このことをFacebookに投稿したところ、日本在住の友人から、「いまはダイソーやキャンドゥでも売ってるよ」との情報もらいました。がーん、知らなかった!!
でも、100均の商品をお土産に渡す行為自体は避けられたので、教えてくれたみなさまに感謝。事前にわかって本当によかったです…

2019年4月28日日曜日

植民地時代の写真を買いました。

リビングには合わない気がして、寝室の向かいの壁に。


写真「The long, long Burmese day」


ミャンマー新年の連休前に、一枚の写真を買いました。
お茶屋さんなのかギャラリーなのか謎の場所、「The tea factory」で開催された、Yangon zayというイベントに足を運んだときのことです。

建物2階にあがってみると、かなり高価でゴージャスなインテリアショップになっていて、その一角に、たくさんの古い写真が飾られていました。大半はミャンマーが英国領ビルマだった頃のもので、当時の王族や市民、踊り子などの人物写真に建築物、パゴダなど。

どれも非常に美しく撮影されていて、魅力的なものばかり。本来の目的のイベントよりも、写真を見てまわるほうに専念してしまいました。フレーム付きで1枚45ドル〜。私でも思い切れば買える価格にかなり悩みましたが、結局この日は思いとどまりました。


それでもやっぱり欲しくなり、再び訪れて購入したのが、上の写真です。1891年に撮影された、「The long, long Burmese day」というタイトルの一枚。人生で初めて買った写真!
イギリス人が椅子で思いのままにくつろいでおり、インド系(?)の召使いが彼らをうちわで扇いでいるというもの。飼い犬たちも、ご主人様の傍で昼寝しています。

撮影された1891年は、ラングーンが英国領ビルマの首都となって5年が経ち、すでにインドからの労働者が街にあふれていた頃。カンドーヂ湖とインヤ湖の北側に裕福な住宅街が形成され、軍人や富裕層の社交場「ペグークラブ」も出来ていました。

一見のどかな写真だけれど、その時代背景にも思いを巡らさずにはいられません。きっとこの先日本に帰国しても、これを見るたびに、ミャンマーの歴史を思い返すのではないかなあと。



ジョージ・オーウェルの小説「ビルマの日々」


少し前、ヤンゴンの日本人会図書室で、ジョージ・オーウェルの小説「ビルマの日々」(日本語訳版)をみつけて読んだのも、この写真を買った動機のひとつかもしれません。

社会に出てからあまり読書をしなくなった私。彼が有名な作家とは知らなかった…。

1903年、英領インドのベンガルで生まれたオーウェルは、1922年にマンダレーのインド警察訓練所に入所し、ビルマ各地で勤務しました。1927年にイギリスへ帰国後、警察を辞めて作家活動を開始。1934年に「ビルマの日々」を出版。その後、彼の代表作となる「動物農場」「1984年」などを出版。1950年、46歳で亡くなったそうです。

小説「ビルマの日々」は、ヤンゴンが舞台。植民地下のビルマに赴任し、(削除) ダウンタウンの (削除ここまで)Kyauktada(チャウタダ地区に暮らすイギリス人男性が主人公です。物語自体はとても暗いですが、当時の人々の生活や街の様子が所々で描写されているのが興味深かった。もしヤンゴンに住んでいて読んだことがないなら、ぜひこっちにいるうちに!

(追記:このブログを読んだ方から教えていただきました。小説の舞台となっているチャウタダは、実際のヤンゴンのチャウタダとは別物で、架空の場所なのだそうです。そして、ヤンゴンでもないそう(そういえば、ラングーンだという表記はありませんでした…))


主人公の男性は犬を飼っていたこともあり、私は「The long, long Burmese day」の写真を初めて見た時、この小説をモチーフに撮影されたものなんじゃないかと考えました。
しかし、写真に付記された情報が正しければ、1891年の撮影なので、小説の出版よりだいぶ前(作者すら生まれてない)。双方の関連性はわかりませんが、私は小説を読んで間もない時にこの写真と出会ったため、ちょっとした運命を感じたのでした。 

「The tea factory」で売られていた写真は、「Art prints Myanmar」というサイトで購入できるようです。
写真以外にも、昔の地図やイラストレーションなどかなり種類が豊富!自分の職場や自宅のあるエリアが当時の写真で残っていたら、ラッキーですよね。


Art prints Myanmar

https://sites.google.com/site/artprintsmyanmar/


余談ですが、ヤンゴンのサヴォイ・ホテルの館内に、とても美しい熱帯植物画が飾られています。ホテル1階のトイレ傍にあるのですが、いつもここを通るたび、素敵だなあと思っていました。それがなんと、このサイトの商品に同じものを発見。うれしい!

どれを買おうかじっくり考えて、帰国前に手に入れる予定。
ここでは素晴らしい制作物がたくさん閲覧できるので、ネットで見るだけでも楽しいです。興味がある方は、ぜひのぞいてみてください。


2019年4月11日木曜日

母親世代へのミャンマー土産、何がいい?



ヤンゴン生活の、狭い日本人コミュニティ。その良き点の一つに、老若男女、世代を超えてお友達を作りやすいことが挙げられると思います。

日本人同士だということ以外にも、共通の話題がたくさんあるから話がしやすい。日常生活全般において、みなだいたい同じ関心ごとや疑問、悩みを持っています。さらに女性同士・主婦同士ともなれば、行動パターンも似てる!


世代が違うと、同世代の友人同士では出てこない発想を得られることがあります。

今日、私(30代後半)の両親とほぼ同じ世代の友達・AさんとBさんの二人と、昼食をご一緒したときのこと。いつも選ぶのに悩んでいる、ふたりの母親(夫と私の)へのお土産のことを、相談してみました。


*********************

宝石の購入経験が豊富な方と、一緒に行ったボージョー市場の店舗で購入。気に入ってます。

1 ゴールデンパール


私:
もう何度も帰省してるので、定番のお土産はネタが尽きて…。
お二人は、ミャンマーで買った物の中で、何が気に入ってますか?同世代のお友達には何をあげてます?

Bさん:
予算にもよるけれど、値が張っても構わないなら、ゴールデンパールかしらねえ。シンプルだし、洋服にも合わせやすいし。

私:
確かに、それはよく聞きます。定番ですよね、忘れてました! 今日Aさんが付けているパールのネックレスもステキ。

Aさん:
これ(ネックレス)ね、良いのだけれど、付け外しがすごく大変なのよ。留め具が小さすぎてね。

Bさん:
そうそう、指先の細かい動きがね。こっちには、留め具が大きくて付けやすいものって、売ってないわよね。留め具を日本で買ってきて、こっちで交換したらどう?最近は、マグネット式の留め具もあるし。あれ、すごく便利よ。

私:
日本で買ってきた留め具を、ヤンゴンで付け替えてもらえるんですか。そしてマグネット式!そんなのあるんですね、知りませんでした。

Aさん:
そうね。お母さん(私の母、60代半ば)にあげるのなら、金具は付け外ししやすいものを日本で買ってきてあげるのが、絶対おすすめ。

私:
なるほど、それは考えもしなかったです。次の帰省の時に金具を調達して、本帰国が決まったら、パールを奮発しようかな。


これもボージョー市場で。かたちが好きで買ったけど、持ち手の部分に物がつっかえるのが難点。


2 プラスチックや籐のカゴ


Aさん:
こっちによく売っている、プラスチックのテープで編んだカゴはいいと思う。カラフルなものではなくて、シンプルでシックな色味の、ね。

Bさん:
でも、ヤンゴンでは持ち歩いても、日本では難しいかなあ…

Aさん:
家の中で使うのよ。単色で控えめな感じなら、とても重宝すると思う。

私:
車の中に、荷物入れとして置いて使ってる方もいますよね。水を気にしなくていいから、庭やベランダでも使えそうです。

Bさん:
私なら、自然素材が好きだから、ラタン(籐)のカゴがいいなあ。ただ、あれ固くてかさばるのよね。スーツケースに入れられるサイズならいいんだけど。柔らかいタイプのものがいいかな。

私:
ラタンのカゴ!いいですねー。帰省するときはスーツケース空いてるから、いけそうです。


dacco.にて購入。草木染めの柔らかな風合いがよい。

3 ストール、白きくらげ


Bさん:
ミャンマーにはシルクとか綿のストールがたくさんあるから、それはどう? つい最近も、自分用に綿のストールを買ったの。

私:
ストールは、前にもあげたことがあって。

Bさん:
洋服によっていろんな合わせ方があるから、何枚あっても困らないわよ。もし好みじゃなかったとしても、邪魔にはならないわねえ。

私:
あはは。薄くて小さくたためますもんね。場所をとらない。

Bさん:
食品でもよいなら、きくらげがおすすめだと教えてもらったことがあるわ。日本より安く買えるって。

私:
きくらげ! …そういえば以前、義理の母が中国で、たくさんきくらげを買っていました!ミャンマーにもありましたっけ。見てなかったなー。

Bさん:
日本ではあまり見ない、白がいいよ。酢の物にすると、とてもきれい。一度、少しだけ買ってあげてみたら?

私:
なるほどー。それで喜んでくれたら、次はたくさん買えばいいですね!



番外編: 娘世代(30代)向けのみやげ


Aさん:
じゃあ逆に、娘やお嫁さん世代が何なら喜ぶかしら?

私:
私の知人友人でいえば、ナガ族の刺繍入りの織物。いまのところ、(30代女性の)誰にあげても受けがいいです。

Bさん:
えっ あの壁画にあるような動物とか人の刺繍されている?

私:
そうそう、それ!

Bさん:
そうなんだ… 私まったく惹かれなかった… 

Aさん:
そうなのよ、私も。
でもね、今思い出したんだけど、私の息子のお嫁さんも、あの布にすごく惹かれてたわ。あとからタペストリーをプレゼントしたら、とっても喜んでくれた。

私:
大判のタペストリー(ショール)じゃなくても、ポーチとかクッションカバーとかバッグとか、いろんな布小物にアレンジされているんです。だから、一度そういう小さいものを渡して反応を見てもよいかも。

Bさん:
あれ、人気なのね。知らなかったー。


*********************

とこんな感じで、とても参考になる情報をたくさんゲットできました。
他にも二人にいろんなことを聞いてみたくなった!




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