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2011年12月10日 (土)
「尊厳死」法制化の動き
11年ぶりだという皆既月食を見ていたら、首が痛いのと寒いのと・・・。天頂の月を眺めるのはなかなか大変だ。でも小さな双眼鏡で見ると、皆既になる直前の縁だけが輝く月は、やはり球形だということがよく分かる。
さて、先日の朝日新聞に尊厳死の法制化についての記事があった。曰く・・・
「 「尊厳死」法制化の動き 議連が骨子 延命回避の医師免責
患者が安らかな最期を望む場合、人工呼吸器の装着や栄養補給などの延命措置を医師がしなくても責任を問われないとする法律づくりが動き始めた。超党派の国会議員でつくる尊厳死法制化を考える議員連盟(増子輝彦会長)が骨子をまとめ、8日の総会で示した。
2005年に発足した議連が法案をまとめたのは初めて。議員立法として来年の通常国会に提出する方針。死期が迫ったら、延命措置を拒むという本人意思を尊重する「尊厳死」をはじめ、終末期医療に関する法律がない中、患者の思いをどう反映するかは医療現場の大きな課題だった。
「終末期医療における患者の意思の尊重に関する法律案(仮称)」の骨子によると、適切な治療を受けても回復の可能性がなく死期が間近と判断される状態を「終末期」と定義。本人意思が書面などで明らかなことを前提に、担当医以外の2人以上の医師が終末期と判断し、家族が拒まないか、家族がいない場合、厚労相が定める指針に従い延命措置をしなくても医師は民事・刑事・行政いずれの責任も問われないとする。
延命措置とは、治すためでなく、生きている時間を延ばすことを目的とする措置。骨子は、栄養や水分補給を含むとしている。
終末期医療を巡っては、富山県射水市の市民病院で医師が患者の人工呼吸器を外して7人が亡くなったことが06年にわかり、指針づくりや法制化の必要性の議論が活発になっていた。
議連は民主や自民、公明など衆・参院の国会議員約90人で構成する。
<延命治療をめぐる最近の主な事件>
ぜんそくの重症発作で意識不明になった患者の気管内チューブを主治医が抜き、筋弛緩(しかん)剤を投与されて死亡した川崎協同病院事件(2009年、主治医の有罪確定)や、人工呼吸器を外された末期がん患者7人が死亡していた富山県射水市民病院(09年、医師2人を不起訴)などがある。
07年10月、日本救急医学会が救急医療の現場での人工呼吸器の取り外しなどの延命中止手続きを定めるガイドラインを定めている。」(2011年12月08日付「朝日新聞」夕刊p2より)
尊厳死については、当サイトでも過去何度か論じてきた。(左上の「サイト内検索」で「尊厳死」で検索すると過去の記事が色々出てくる)
人間として、尊厳(品位)を持った死に方。それは、現代社会では、この上なく難しい。
つまり自然に逝きたいと思っても、医師がとにかく"生きている時間を延ばす"ことにのみ注力する。本人の意志とは無関係に、ただただ「後々、警察に捕まらない」ために・・・・??
それは今までの歴史がそうさせている。その点、今回の尊厳死の法制化は、死に行く人の人権にとって大きな第一歩なのかも知れない。
日本安楽死協会のHP(ここ)に、「尊厳死」と「安楽死」の違いが書いてあった。
「尊厳死とは、傷病により「不治かつ末期」になったときに、自分の意思で、死にゆく過程を引き延ばすだけに過ぎない延命措置をやめてもらい、人間としての尊厳を保ちながら死を迎えることです。」
「安楽死は、助かる見込みがないのに、耐え難い苦痛から逃れることもできない患者の自発的要請にこたえて、医師が積極的な医療行為で患者を早く死なせることです。」
周知のように、今の社会では、尊厳死を望む人は、尊厳死協会の宣言書のような書面で、その意志を伝えておく必要がある(ここ)。
それは多分に、医師の責任ではないことを患者側が証明するための書類のような気がする。しかし、今はそれが必要・・・。この法制化でこれらの動きがどう改善されていくのか・・・
ふと昔のことを思い出した。子供がまだ小さかった時、病気になると良く連れて行った近くの診療所があった。そこの医師が、突然自死。ウワサによると、助からない病気で、自ら命を絶ったのだとか・・・。しばらく休診して、息子が後を継いだと記憶している。もう30年も昔の話だ・・・
これは尊厳死というよりは、安楽死?? 医師だからこそ出来た。しかし周囲への悪い影響は計り知れない。
日本も尊厳死の後は、安楽死の議論が必要かも・・・。
ちなみにWIKIによると、世界で安楽死が合法化されている国は、スイス、アメリカ(オレゴン州)、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、アメリカ(ワシントン州)だという。
人間は生きる権利もあると同時に、死ぬ権利もあると思うが・・・
人間死ぬのも難しい。そう思うこの頃である。
コメント
不治の病やボケで、オムツをしなければならないような事態になったら安楽死させてほしい、と思いました。
投稿: たかはし | 2011年12月12日 (月) 20:06
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