Microsoft PowerPoint - (参考資料-5)調理生成物質(アクロレイン)に関する考察


業務用電化厨房施設の換気設備設計指針
[解説編]参考資料-51- 調理機器から発生するアクロレインについて -1調理生成物質(オイルミスト・化学物質等)
に関する考察
参考資料-5
アクロレイン
油加熱調理時に油脂中のリノレン酸が酸化されて生じる物
質(ヒドロメルオキシド)がさらに高温で酸化を受けた後、
分解して発生する物質。
油酔いの原因になるとされている。
リノレン酸含量の少ない油脂等を利用することで、加熱調
理中のアクロレインの発生を抑制できる可能性がある。
東京工科大学 遠藤 泰志 教授らがアクロレインの発生メカ
ニズムを解明。
許容濃度
一般環境:0.022ppm(WHOのガイドラインに基づく)
労働環境:0.1 ppm(日本産業衛生学会,2015年)2 業務用電化厨房施設の換気設備設計指針
[解説編]参考資料-52調理機器からのアクロレイン発生量
油加熱調理時のアクロレイン発生を計測した研究事例(注記)1がある。
排気ダクト内の濃度が日本産業衛生学会が定める労働環境にお
ける許容濃度であった。作業環境(厨房内空気濃度)における
濃度ではないことに注意。
油の単位体積当たりの発生量は、4.27mg/(h・L)と推定さ
れている(注記)2 。
(注記)1
吉野・近藤・高橋・岩下:業務用厨房において調理時に発生する化学物質、日本建築学会大会学術講演梗概
集、2010年、pp.661-662。
(注記)2
込山・近藤・小松・吉野・奥田・町井・細井:紫外線照射によるオイルミスト除去効果に関する研究、空気
調和・衛生工学会大会学術講演梗概集、2015年、pp.33-36。3JEHC換気量実証物件(注記)3におけるアクロレイン厨房内濃度推定
(注記)3実証物件の3物件。
(注記)4日本エレクトロヒートセンター『業務用電化厨房施設の換気設備設計指針』4実証物件にあるフライヤを全て稼働することを仮定して、
JEHC指針換気量(注記)4に設定した場合の厨房内アクロレイン濃度
を推定する。
面積[m2]室容積[m3]換気量
[m3/h]
換気回数
[回/h]
フライヤ
[仕様・台]
厨房A 76.0 198 4,837 23.2 6.0kW(油槽18L)×ばつ1
厨房B 123.5 296 7,999 27.0 6.0kW(油槽18L)×ばつ2
厨房C 80.0 208 8,447 40.5 6.0kW(油槽18L)×ばつ2
業務用電化厨房施設の換気設備設計指針
[解説編]参考資料-535
( ) (1 )Q Qt tV Vi o s oMC C C C e eQiCoCsCQMVt:厨房内アクロレイン濃度[ppm]
:外気アクロレイン濃度[ppm](=0)
:初期アクロレイン濃度[ppm](=0 と仮定)
:換気量[m3/h]
:アクロレイン発生量[m3/h]
:室容積[m3]
:時間[h]
推定方法(ザイデルの式)60
0.0050.010.0150.020.025
0.0 1.0 2.0 3.0
アクロレイン濃度
[ppm]
時間[h]
厨房A
厨房B
厨房C
基準濃度(一般環境)
既往研究のアクロレイン発生量(p.3)に基づき、JEHC指針の
換気量に設定しても厨房内のアクロレイン濃度(一様拡散)は
一般環境の基準値よりも低く抑えられると推定される。
発生 停止
JEHC換気量実証物件におけるアクロレイン厨房内濃度推定結果

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