・ダム地点の計画高水流量20m3/sのうち、10m3/sの洪水調節を行う
・河川維持流量の確保、既得取水の安定化として、必要な流量0.07m3/sを流す。
・佐久町(人口約8800人)に対し、ダム地点において新たに 330m3/日の水道水源を確保するものである。
【 1点目は、設計構造面の中でダムと一緒に、地中連続壁基礎工と箱型地中連続壁基礎工を施工しております。余地ダム右岸部には、古い余地川の河床谷を埋めて堆積した、高い透水性を持つ古期礫岩層があるため、確実な止水を図るために地中にコンクリートの壁を構築(地中連続壁)した止水構造物です。また、この古期礫岩層はコンクリートダムの安定に必要な強度が期待できないため、地中連続壁を用いて箱型の連続した人工基礎を堅岩部に着岩させ、その上にダムを乗せています。(図参照)
2点目は環境面ですが、貯水池に群生していたカタクリやヤマブキ草を地元関係者の皆さんの協力を得て移植を行い、また周辺の環境整備については、貯水池内から発生した伐採木をチップ化し、舗装・マルチング等に再利用を行った点です。】
・ダム地点の計画高水流量15m3/sのうち、12.5m3/sの洪水調節を行う。金原ダムの諸元は、堤高36.5m、堤頂長 224m、総貯水容量38.8万m3。型式は傾斜コア型ロックフィルダムである。施工者は(株)大林組、東急建設(株)、東信土建(株)、事業費 130億円を要した。
・ダム地点下流の金原川沿川の既得用水の補給を行う。
・東部町(人口約2万6000人)に対し、ダム地点において水道用水として新たに1000m3/日(0.0116m3/s)の取水を可能ならしめるものである。
【 一つは、金原川は急流であるため地形上の制約から、所定の貯水容量を確保するため貯水池を掘削しています。二つは、本体掘削、貯水池掘削等で発生した土石をふるい分けし、堤体盛立材料に利用し、コスト縮減を図っています。と、述べている。
三つ目は、基盤岩の安山岩溶岩及び安山自破砕溶岩の透水性の改良を通常のグラウチングで行うことが難しいため、貯水池の全面土質によるブランケットを行い止水しています。このためダム本体のコアゾーンはブランケットに接続しやすいように、貯水池側へ傾斜させた傾斜コア型ロックフィルダムとなっています。】