全項目表
ダム番号:3330
布引五本松ダム(再) [兵庫県](ぬのびきごほんまつ)
[別名]五本松ダム(再)(ごほんまつ) 布引ダム(再)(ぬのびき)
ダム写真
(撮影:灰エース)
039731 灰エース
039715 灰エース
039707 灰エース
020831
どんなダム
堤体改修工事を実施
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長く神戸市民に飲み水を供給してきた布引五本松ダムについて、阪神大震災の影響で一部で漏水するようになったなどのため、01年度から堤体の耐震補強と、堆積した土砂の浚渫工事を実施。堤体上流部のコンクリート補強は天然の石材を貼り付け、既存の堤体との調和を図る。05年3月完成。
[写真](撮影:ふかちゃん)
日本最古のコンクリートダム
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水道専用ダムとして明治33年に完成。日本最古のコンクリートダム。粗石コンクリートを使用している。阪神・淡路大震災にも耐え現在も神戸市の水源として使用されている。英国人ウィリアム・バルトンの指導、大阪市から招へいされた技師・佐野藤次郎の設計。「布引ダム」、「五本松ダム」とも呼ばれる。
[写真]建設当時の写真(出典:土木学会付属土木図書館「土木貴重写真コレクション」)
優れた景観の登録有形文化財
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堤体の石垣模様が巨大な城壁を思わせる。型枠に用いた切石をそのままに残したためという。堤体上部にはテンテル(歯飾り)が付されており、ヨーロッパの古典様式の影響という。周囲の緑と調和し、優れた景観を現出。平成10年に文化庁より登録有形文化財の指定を受けた。優れた土木遺産。
[写真](撮影:灰エース)
ハイキングコース
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付近に布引の滝。新神戸駅からダムを経て摩耶山・六甲山に至るハイキングコースになっており四季を通じて訪れる市民が多い。
ダム湖は「布引貯水池」
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ダム下流に有名な布引の滝があるため、こう呼ばれる。
[写真](撮影:灰エース)
シリーズ ダム百選 投票から
第 1 回 『 もう1度行きたいダム 』
■しかく 初めて訪れたのは阪神大震災前で新神戸ロープウェイも無かった時ですが、新神戸駅から布引の滝をさかのぼり石張りのダムが見えてきたときは感動でした。明治時代によくこんなものを造ったなとも思いました。そのあともロープウェイを使っても行きましたが、神戸の中心市街地からほど近いのに深山を思わせる静かな貯水池と布引渓谷の渓谷美、石張りの古いダムの自然に溶け込みつつも自己主張している重厚感は何とも言えないです。 (31〜40歳 男)
第 22 回 『 春に行きたいダム 』
■しかく ハイキングしながら近くで見て、帰りのロープウェイからも見れるお得感。春はいろいろな花が咲いててキレイ! (はるか)
第 36 回 『 ダムに興味の無い人をダム好きにするダム 』
■しかく 仕事で兵庫県にいた時、神戸に日本最古のコンクリートダムがあると聞き見物に行きました。当時土木建築には特に興味はなく、歴史的遺構や廃物が好きだっただけですが、震災にも耐えた古い提体を見ているとその存在感に圧倒されました。私のダム巡りはここから始まりました。最近はなかなか行けませんが、近場からコツコツ巡りたいと思います。 (たろちゃん)
第 38 回 『 お花見でお酒を楽しめるダム 』
■しかく 日本最初の重力式コンクリートダムの布引五本松ダム。近くにはハイキングコースや布引ハーブ園などもあり今の季節おすすめです。布引五本松ダムを見ながら、布引ハーブ園で売ってるドイツビールが飲みたいです。 (なちゅ2)
河川
生田川水系生田川
目的/型式
W/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積
33.3m/110.3m/26千m3
流域面積/湛水面積
10.7km2
(
全て直接流域
)
/5ha
総貯水容量/有効貯水容量
601千m3/590千m3
ダム事業者
神戸市
本体施工者
奥村組・三井住友建設・青木あすなろ建設
着手/竣工
2001/2004
ダム湖名
布引貯水池
(ぬのびきちょすいち)
ランダム情報
【ダム湖百選】(財)ダム水源池環境整備センターのダム湖百選に選定される(平成17年3月16日公表)
参考資料
■しかく[第20回ダム建設功績者賞・特別賞] 記念論文 建設から一世紀を経た布引(五本松)ダム/五十畑 弘 記念写真 今、布引ダムは
【ダム日本 No.673(H12.11)】
諸元等データの変遷
【05最終→06当初】堤体積[22→26] 流域面積[10.7→] 湛水面積[→5] 総貯水容量[417→601] 有効貯水容量[417→590]
【06当初→06最終】流域面積[→10.7]
【08最終→09当初】堤高[33.3→33]
【09当初→09最終】堤高[33→33.3]
【12最終→13当初】本体施工者[奥村三井住友青木→奥村組・三井住友建設・青木あすなろ建設]
ダム温故知新
《第9回》 布引五本松ダムを訪ねて
当ダムは、国内初のコンクリートダムとして有名なので詳細は述べないが、1900年に完成している。
その後平成7年の阪神淡路大震災で一時漏水が増加したが、大きな損傷などが無かったことは驚きで、当時の高い技術力と丁寧な施工の賜物として貴重なダムである。
1995年〜1997年に堤内と基礎地盤にグラウチングによる補強が行われ、更に恒久的な対策として、2001年〜2004年に景観を考慮した補強コンクリートが上流側に施工された。
この補強コンクリートの施工中に見学することが出来たが、施工者である?渇恆コ組の所長が「目地の施工が素晴らしく、強固である」とおっしゃった言葉は今でも耳に残っている。
下流面の石を見ると、高さは統一されているが、幅が多少異なっている。恐らく、縦目地が通らないように慎重に施工されているのではと考える。
下流からの全景は、ゴンドラに乗ると撮影できるが、窓にキズや汚れがあり、満足に撮影できなかったので3回ほど乗りやっと撮影できた思い出のダムである。
(2012年9月作成)
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