[選評] <選評・萩原 雅紀>
たぶん、この撮影ポイントは前回の「ダムに親しむ」部門の入選作品と同じですよね。向こうは空気が澄んだ日の夜景ですが、雲海が出た日の早朝、という対照的な撮影条件でまったく印象が変わりますね。極端に情報量が少ない広いキャンバスの中にダムの一部分(だけどいちばん個性的な部分)がクッキリと浮かんでいて強烈な印象が残ります。そもそも浦山ダムの常用洪水吐からの放流がそう多くないので、放流中のライトアップしている状態で雲海が出てそれを撮る、というチャンスは相当レアなのでは、と思うとくらくらします。欲を言えば、もうほんの少しだけ手前の雲が暗ければもっとダムの存在感が増したのでは、と思うのですがどうでしょうか。