立ヶ畑ダム
神戸市が所有する上水道用水専用のダム。
1905年完成で、もう100年以上も経っている歴史あるダム。
平成10年に登録有形文化財に指定された。
デザインは石張りの重力式コンクリートダムで、わずかにアーチを描いている。
1915年に3m嵩上げされ、堤高が33.3mになった。
取水塔や余水吐のデザインなど全てがおしゃれで、さすが神戸と思わせる。
堤体直下には連なる壁、謎のタコ足など、不思議な設備が多く存在する。
これらは過去使用していたが、現在は使われていない設備達である。
神戸の人たちは、昔のものを大切に残しておく習慣があるのだろうか。
そう思うと、このダムの存在自体が納得できる。
ダム湖畔は「水と森の回遊路」という名の散策路になっており、ゆっくりと散歩を楽しめるので、近隣にある石井ダムとセットで訪問すると良いだろう。
直下より堤体を眺める。
石張りのデザインが歴史を感じさせる。
左岸より堤体を眺める。
中央の円筒の建物は取水塔。
取水塔のアップ。
石張りが切れている場所からが嵩上げした部分だろうか。
取水塔の入口。
英語で色々書かれていたり、日本らしからぬ装飾が施されていたり、ここは日本でないような気がしてくる。
取水塔の内部。
上段、中段、下段からそれぞれ取水できるようになっている。
天端を眺める。
わずかなアーチラインが美しい。
近年のダムには無い美しさがある堤体。
転落防止のための金網が無ければなお良いのだか、仕方がない事だろう。
ダム湖の様子。
湖畔は散策路になっている。
バッキ装置が付いていた。
天端より直下を眺める。
並んでいる壁は、上水道用の沈砂地の様なもの。
現在は使われていない。
小さくて見えづらいが、奥の壁を突き抜けるパイプが見えるだろうか。
これは上水道用の送水管。
こちらも現在は使用されていない。
その沈砂地より堤体を眺める。
減勢工の副ダムと思われるもの。
余水吐のアップ。自由越流式。
この部分を見ると、3mも嵩上げしたように感じられない。
堤体の直下にも減勢目的と思われる施設があった。
堤体右岸に設置されている漏水測定装置。
現在は使われていないとのこと。
神戸の人は昔の物を大切にする。
このアングルが一番素敵に見えるだろうか。
スペック
水位
放流設備
| 用途 | 形状 | サイズ | 放流能力 |
|---|---|---|---|
| 余水吐 | 自由越流式 | 4門 |
アクセス
このダムは車での見学をおすすめしない。
ということで、バス&徒歩でのルートを紹介する。
三宮駅または神戸駅より神戸市バス7系統のバスに乗る。
石井町にて下車。
あとは、北(山側)へ向けて歩くのみ。
また、このダムの上流に石井ダムがあるので、こちらの見学も合わせておすすめする。
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