koudansyou-古典と現代 2025年12月01日T19:01:02Z tag:blog.livedoor.jp,2018:yuas2018 yuas2018 livedoor Blog Copyright (c) 2025, yuas2018 「べらぼう」を見ながら 2025年11月30日T15:00:03Z 2025年11月30日T23:55:43+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.41151767 ×ばつ飯沼観... 美術
先月は、大学院の授業と学部の演習と、2回も慶應義塾ミュージアム・コモンズのお世話になりました。
「嵯峨本の誘惑・豪華活字本にみた夢」
×ばつ飯沼観音圓福寺嵯峨本の誘惑:豪華活字本にみた夢 | 慶應義塾ミュージアム・コモンズ

展示は終わっております(ごめんなさい)。もう少し早くお知らせしたかった......。

特に、嵯峨本(初期古活字本)といえば『伊勢物語』。見目麗しい版本であるのはもちろんのこと、くずし字の活字であるだけでもすごいのに、わざと一部字を変えて、写本に近づけるような当時のこだわりもよくわかりました。*後で写真載せます。

なんといっても、今年は在原業平生誕1200年の年(あと1ヶ月で終わりますが)!

とにかくあと1週間はあるこちらの展示を見に行きましょう。

開催中|根津美術館 「伊勢物語 美術が映す王朝の恋とうた」
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表参道の根津美術館で、12月7日(日)まで特別展を実施中です。


なんとか、ギリギリ更新、間に合いました(23:55)。

来月もどうぞよろしくお願いします。
(あれ「べらぼう」はどこいった?)




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お知らせさまざま 2025年10月30日T07:31:05Z 2025年10月30日T16:30:40+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.40949798 大学祭の休みに入りました。秋学期はじまって1ヶ月。ようやく寒く秋らしくなってきました(いやもう冬?)。今月は、国技館で行われた古式大相撲を観覧し、この時の話を書こうと思っていたのですが、取り急ぎ、お知らせしなくてはならないことがいくつかできました。まずは... 大学のこと なってきました(いやもう冬?)。

今月は、国技館で行われた古式大相撲を観覧し、この時の話を書こうと
思っていたのですが、
取り急ぎ、お知らせしなくてはならないことがいくつかできました。

まずは、以下の講座がリバティアカデミーで開講されます。

テーマで読む源氏物語
「源氏物語の男性たち」 期間 2025年11月10日〜2025年12月15日
回数全5回
曜日月曜日 時間13:00〜14:30
定員30
一般料金16,500円 明治大学カード料金13,200円
明大生料金8,250円 教職員料金8,250円 法人料金13,200円
キャンパス駿河台キャンパス (注記)料金は全て税込価格

上記は対面のみの講座です。
わたしは、12月1日と15日を担当します。詳しくは、下記HPを
御覧ください。

テーマで読む源氏物語社会人講座、リカレント教育、生涯学習なら明治大学 | 社会人講座、リカレント教育、生涯学習なら明治大学


実は、今月も2回ほどアカデミーの講師としてお話ししていました。

テーマは「紫式部と清少納言の色彩」ということで、『枕草子』『源氏物語』『紫式部日記』を
とりあげました。
『源氏物語』は、和歌と色彩のスペシャリスト、本学教授の森田直美先生に講師をご依頼し、
わたしは『枕草子』と『紫式部日記』の話をした次第です。この講座も宣伝せねば!と
思っていたのですが、予想外の忙しさに急襲され、気づけば申し込み締め切り日を過ぎて
いました(不甲斐なし)。

今回は、しっかり宣伝します。

初回から2回は、名誉教授である日向一雅先生がご担当されます。
この講座、本当は、私の先輩で『うつほ物語』をご専門に研究なさっていた西本香子先生が
企画・担当されていたものでした。ところが先生の突然の急逝で、私が代講することになった
次第です。
前回のブログにも少しこの事は書かせていただきましたが、お仕事はしっかり引き継いで、
ご安心いただけたらと思っています。

さて、もう1件、お祭りです。

明治大学の学祭が11月1日〜3日まで和泉キャンパスで行われます。

昨日はまだ準備でこんな感じでした。
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(中央によく見るとカウントダウンの看板が)

第141回明大祭公式サイト 今年のテーマは「熱狂の、その先へ」

↓こちらは昨年の様子です。

[フレーム]

各校、学祭シーズンではありますが、ぜひ、この機会にわが勤務先へお越しください。
きっとじゃんけんで買ったらいいことのある露店などもありますよ。

今年は、次年度から和泉キャンパス近くに系列校が新しくできますし(明治大学付属世田谷
中学・高等学校)明治大学付属世田谷中学校・高等学校

いろいろ盛り上がりそうです。

来月は、博物館、美術館の展示をご紹介したいと思います。
ちなみにいま、駿河台キャンパスの明治の博物館(無料)では刀剣の展示が
行われています(11月4日まで)
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(鎌倉時代の名刀から現代の刀まで。写真は確か室町時代のもの)

とりとめなくなってきましたが、さいごは、駿河台キャンパスの紫紺館椿山荘で出会った
「めいじろう」で締めます!
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明日はハロウィンでした。めいじろうもハロウィン仕様〜。



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義経千本桜(もう明日が千穐楽なんて!) 2025年10月20日T15:11:31Z 2025年10月20日T23:59:29+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.40890343 このブログ、もっと早く更新する予定でした。ただ、今月は、本当にいろいろなことがありすぎて、気づけば、今日を迎えてしまいました。歌舞伎座、千穐楽前日とは!(もっと早く書いて宣伝したかった)ところで、みなさん、「義経」と聞けば、何を思い出すでしょう?「千本桜... 歌舞伎 ことがありすぎて、気づけば、今日を迎えてしまいました。

歌舞伎座、千穐楽前日とは!(もっと早く書いて宣伝したかった)


ところで、みなさん、「義経」と聞けば、何を思い出すでしょう?
「千本桜」といえば?(初音ミクではありません。あ、でも12月の歌舞伎座は、
中村獅童丈と初音ミク丈のコラボ歌舞伎もあります)

義経は、平安時代末期に起きた源平合戦(1180-1185源氏対平氏の戦い)において、
源氏方を勝利に導いた立役者、
なわけですが、合戦終了後は、兄・頼朝にうとまれ、ついには命を狙われることになります。

「義経千本桜」の演目は、そのような悲劇の主人公・義経に、愛妾(静御前)を
託された家来・忠信が、実は「狐」に姿を変えた妖狐だったというお話です。
(本物の忠信は親の看病のため郷里に帰っていた)
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(伏見稲荷大社近くの和菓子屋のお菓子。歌舞伎座ではよく演目にちなんだ
お菓子が売られています。このお菓子、美味しくて一人で3枚完食。)

また、静御前は、義経が後白河法皇から賜ったという「初音の鼓」(はつねのつづみ
──この鼓には「頼朝を討て(打て)」との意味が込められている)を持っており、
この鼓の皮が、なんと忠信狐の両親であるということで、ずっと静御前についていた
理由もわかります。

吉野山(桜の名所)を行く静御前に付き従う忠信狐。歌舞伎では、舞踊になっていて、
とても美しかったです。

歴史では、ここで静御前は捕らえられたと伝わりますが......(その後、義経との子も殺されたとか)。

そのような親子の悲劇を、狐親子の悲劇に変えて描き、歴史の敗者たち(平家方も実は死んでなかった!という人が出てくる)へもあたたかいまなざしを送っているように感じました。

今回、歌舞伎座は、前半Aプロ、後半Bプロで配役が変わり、あっという間の20日公演でした。

私は中村米吉丈の静御前、尾上右近丈の狐忠信のBプロを見ました。
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左端A・B忠信狐、真ん中、左A権太(松緑丈)、右B権太(仁左衛門丈)、右端A・B碇知盛

特に、「すし屋」では、昨年、大阪松竹座で見られなかった演目なので
(台風で新幹線が止まった)、
無事、リベンジ。大変満足しました(今回は、歌六丈と米吉丈、親子共演でしたし)。

Aプロは......、オンデマンドのミレールで見ることにします。

来月も楽しむぞ!

*今月は、公私にわたり長くそして大変お世話になっていた大先輩の突然の訃報に接し、
しばらく茫然としていました。でも、今月7日の古式相撲の節会を国技館で観覧し、
先輩の思いを引き継いで、新たに研究をし続けていく気持ちになれました。
この時のことはまた機を改めて。



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菅原伝授手習鑑 2025年09月30日T07:31:05Z 2025年09月30日T16:30:52+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.40756631 9月も気づけば最終日。すこ〜し朝晩涼しくなったような気もしますが、まだまだ日中は暑いですね。先月の浴衣の柄の答えは、米吉丈が「安青錦」(あおにしき・ウクライナ出身、安治川部屋)、奥様が「 尊富士」(たけるふじ・青森県出身、伊勢ヶ濱部屋)の柄でした。歌舞伎界... 信仰 まだまだ日中は暑いですね。

先月の浴衣の柄の答えは、米吉丈が「安青錦」(あおにしき・ウクライナ出身、
安治川部屋)、奥様が「 尊富士」(たけるふじ・青森県出身、伊勢ヶ濱部屋)の
柄でした。歌舞伎界と相撲界、深いつながりがあるようです。
米吉丈が安青錦の浴衣への思い入れについて、色々語られていたような......
(すみません。撮影に夢中できちんと聞けていませんでした)。

さて、今月は、先月「声かぶ」で予習した「菅原伝授手習鑑」
(すがわらでんじゅてならいかがみ)を歌舞伎座で見てきました。

AプロとBプロに分かれていて、演じる役者さんが違っているので、推しが
両方に出る場合、両方見ないとなりません!

中村米吉丈は、斎世親王と刈屋姫の2役をA・Bでつとめていたので、両方
見てきましたが、幕見で見られたので助かりました。
(夜の部は、しっかり1等席で見ましたが)

それにしても、にざ様(仁左衛門)人気はすごいですね〜。
片岡仁左衛門丈が出る幕だけが、秒で完売していました。

今回、珍しい「菅原伝授手習鑑」の通し上演ということで、期待していきましたが、
ふだんあまり見ることのできない「道明寺」「賀の祝」がとても面白かったです。

「菅原〜」の名の通り、このお芝居は、平安時代に起こった、菅原道真(845-903)
の大宰府左遷事件(昌泰の変・901年)、が元になっています。

当時、文人官僚ながら、異例の出世を遂げた右大臣・菅原道真が、娘婿であり、
今上帝(醍醐天皇)の弟である斎世(ときよ)親王への譲位を企んでいると藤原時平からの
讒言を受け、大宰府に左遷される事件です。

歌舞伎では、まず、序幕となる「加茂堤」──斎世親王と刈屋姫(道真養女)の逢引場面から
始まり、次いで、「筆法伝授」(菅丞相がかつての家来に書の秘法を授ける)、「道明寺」(道真公
が一族の出身地である土師の里の邸におり、そこから大宰府へ出立する)へと進んで、
昼の部は終わります。

菅丞相(菅原道真)、斎世親王、刈屋姫(実際は実子・菅原寧子)、は、実在した人物ですが、
歌舞伎中で活躍するのは、時平、道真、斎世親王、にそれぞれ仕える三兄弟、松王丸、梅王丸、
桜丸、です。彼らの主人が敵対関係になることで、それぞれ兄弟の仲も悪くなり、運命の明暗
が分かれていきます。

夜の部に最初に上演された「車引」は、まさにこの三兄弟が主役で、最後は悪役・藤原
時平が登場して幕切れします(この「車引」はたびたび上演されます)。

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「秀山祭九月大歌舞伎」筋書(パンフレット)より。三兄弟は、
それぞれ「梅・松・桜」の柄の着物を着ています。

後半の話は、また次回行いますが、それにしても、「道明寺」における松本幸四郎丈演じる
菅丞相(道真公)の姿が印象的でした。ほとんど動きはないのですが、威厳があって
すでに「御霊」のようでした。

「道明寺」では、夫に殺されてしまう刈屋姫の姉の話も印象的で、最後に犯人を告げるダイイング
メッセージを残しているところが面白かったです。

仁左衛門丈の演技がすごいと話題になっていた「筆法伝授」は、幸四郎丈の菅丞相で見たの
ですが、ちょっとうとうとしてしまいました(前日寝不足で)。

来月は、いよいよ「義経千本桜」の通し狂言です。もう少し早めにレポートしたいと思います。



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さまざまな古典コラボ 2025年08月31日T07:08:42Z 2025年08月31日T16:00:14+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.40568320 8月最終日となりました。悲しい。とにかく悲しい。明日から、また家族の学校が始まります。昨日は保護者会でした。現実に引き戻されます〜(おべんとう・おべんとう・おべんとう......ぐるぐる)。でも保護者会は、本当になごやかで、先生方もお祝いつづきで、こちらも幸せに... 歌舞伎
明日から、また家族の学校が始まります。昨日は保護者会でした。
現実に引き戻されます〜(おべんとう・おべんとう・おべんとう......ぐるぐる)。

でも保護者会は、本当になごやかで、先生方もお祝いつづきで、こちらも
幸せにあやかれて、とても充実したひとときでした。

明日からがんばろう!っていう気持ちになりました(親の方が)。

さてさて、今月は、本当に遊びまくった夏休みでした。とにかく全力。何事も。

東京で、刀剣乱舞の歌舞伎を見て、(あ、これは7月末だった)
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博多で、また刀剣乱舞の歌舞伎を見て、
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↓箱推しの播磨屋さん、むっちゃんの大人の魅力に完敗し(ご家族巡業公演は藤沢で見ます!)、
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↓実物は口下手なのに、「〜だよね。」と、見事な口ぶりで加州清光を現世に出現させた
左近ちゃんにクラクラし、
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↓源氏兄弟に、これまた魅せられました。
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もちろん、松也丈&獅童丈の大人メンズ+雪之丞さん(白兎屋って屋号から
カワイイ。いつか米吉丈にもやってほしい)+鷹之資くん(私は寺子屋以来の
坊主姿でした)もサイコー。
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DSC_4109
いや〜、長かった(お尻いたくなった)。でも、楽しかったです。

内容は、鎌倉時代。三代将軍・源実朝公暗殺の話が面白かったです。真夏に、雪がじゃんじゃん舞台上に降って、本当に涼し気でした。

続編カモーンンン!!


そして、最推しの中村米吉丈を追っかけて、「銀座みつばちイベント」、「声かぶ」も行ってきましたよ〜。

まず、こちらから。
2025年03月08日「銀座ミツバチプロジェクト」初代アンバサダーに中村米吉さん就任! - 銀座ミツバチプロジェクト
銀座みつばちプロジェクトのイベント日は、残念なことに、災害級の猛暑日
(警報が盛大に出ていた日)
だったこともあって、ちょっと客入りは少な目でしたが、それだけに、推しとの
距離が近く(席が)、木箱へのサイン入りはちみつ買うのに並んだ列もすぐ順番が来て
(本人から直接はちみつがいただけます)、なかなかファンにはお得なイベントでした。
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横から

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上から


まあ、ご本人、3月8日(ミツバチの日)が誕生日なので。これは運命、かな。


「声かぶ」の方は、今を時めく人気声優の方々が、「菅原伝授手習鑑」を通しで朗読するという
イベントで、こちらも米吉丈がアンバサダーをおつとめでした(こえかぶ自体は3年目の
催しのようです)。
米吉がアンバサダー、「こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎〜梅と松と桜〜篇」|歌舞伎美人

来月、歌舞伎座で通しで上演される演目を、事前に現代語の台詞でわかりやすく朗読してもらい、
若い人に興味を持ってもらおうなんて!やるね「松竹」!と思いました。
[画像:449758]

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それにしても、3日間、声優さんを日替わりで演じさせるって。贅沢ですね〜。

私は世代的に、年齢層高めの役者さんがいる、初日か3日目に行きたかったのですが、
初日は福岡、3日目は大阪にいるもんで行くなら2日目しかない。アンバサダー・米吉丈の夜司会
が見られればいいのだ。じゃあ、2日目で、と思ったら、ここは若い人たちの人気が殺到して、
券が完売しているじゃないですか!

仕方なく、チケットリセール品で探したところ、幸運にも、ほぼ定価でチケットを購入することが
できました。

それにしてもですよ。この声優さんの朗読劇が本当にすごかった。
最後の「寺子屋」なんて、周りからすすり泣きが聞こえてましたから。
歌舞伎の「寺子屋」は、身代わりになった子の生首が出てくるし、
松王丸の迫力もあって(一番最近見たのは新菊五郎丈)、泣く、とまではいかなかったです。

妙に冷静に見てしまうのです。でも、若い方々の感性はすごいですね。実際、声優さん方は、
みな男性ながら、女性の声も、女方真っ青の上手さでした。それで9役演じ分けとか......
ちょっと化け物並み(笑)。

米吉さんも、この日はノリノリで、声優の皆様にインタビューされていましたね。
あ〜よかった(親目線)。

見られなかった他の日も、演劇チャンネルで見られるようなので、見てみたいと思いました。

最後に、推しの後援会主催の暑気払いに参加した時の様子を少し。

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米吉丈の御父上(人間国宝)・歌六丈は、同じ歳という、すぬーぴーのアロハシャツを
着ておられました。ビールもついでくださって、なんて気さくな国宝!

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奥様とのツーショットでは、カメラが殺到して、「離婚会見?」なんてご冗談も。
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ちょっと隠し撮り風。米吉丈。たくさんのテーブルに回られてファンとおしゃべりされてました。

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そして、若奥様も浴衣でご参加。柄を見せてくださいました。


お二人の浴衣の柄についての説明は、次回のブログでお話ししますね。お楽しみに!




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映画「国宝」雑感 2025年07月29日T07:31:04Z 2025年07月29日T16:30:30+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.40274959 先日、映画「国宝」を見てきました。 歌舞伎にハマって3年目、気にはなっていましたが、映画館で見るかどうかは悩んでいました。そんな折、高校時代の友人から「見たよ。良かった!」との感想が届きました。そこで、「よし!」と思い切って映画館に足を運んだ次第です。ご... 映画 Screenshot_20250729-160508~2
歌舞伎にハマって3年目、気にはなっていましたが、映画館で見るかどうかは悩んでいました。そんな折、高校時代の友人から「見たよ。良かった!」との感想が届きました。そこで、「よし!」と思い切って映画館に足を運んだ次第です。

ごめんなさい。最初に謝っておきます。私の感覚がやはり人と違うのか、「よかった。感動した!」
とはなりませんでした。以下の感想、読みたくない方は回れ右でお願いします。
映画『国宝』公式サイト












さて、時代は昭和、自分も生まれる前の長崎の地より始まります。


すでに嫌な予感......そうなのです。福岡出身の自分にとっては、微妙な九州弁、かなり気になってしまいました。

その後、舞台は関西にうつりますが、ここでもやはり家族が関西人なので、言葉が気になって集中できません。もちろん主役の喜久雄は、長崎から関西に出てきて、徐々に慣れていく感じでしょうから、ぎこちなくてもOKですが、他の方の話し方が、やはり気になりました。困ったものです。

一方、映画全編を通して問われる「血か、芸か」というテーマについては、歌舞伎界においておよそ知られたことですが(〇代目とつく役者さんがたくさんいる)、最近の歌舞伎役者人気ランキング1位が家の子でない片岡愛之助さんであったように、世間はあまり関係ないのかもしれません。

むしろ「血に守られている」というのは、逆に重荷で、「できて当たり前」と思われたり、代々、名前を継ぐ人たち(父や祖父)と比べられたりすることは、かなりしんどいのではと思いました(でも、「あ、ここがお父さんに似てきた。」「お爺さんとそっくり。」なんて楽しみもあります)。

もちろん、そもそも、親の後ろ盾があるのとないのとでは、演じられる役からして違ってくるでしょうから、一般家庭から入られる役者さんも、相当な苦労がおありのことでしょう。

映画では、そのあたり、かなり濃密に描かれていました。現実問題、歌舞伎の家の子でも、親が早くに亡くなると、教えてくれる人がおらず、後ろ盾がなくなるわけですから、芸の継承は大変です。
それでも、最近の歌舞伎界の様子を見てみると、だいぶ風通しがよくなってきたのではと感じるところもあります(尾上松緑さんの「紀尾井町夜話」などを見ていると)。

特に歌舞伎は、「伝統」と「革新」が強く交わる芸能なので、どちらかに偏り過ぎてもよくないのかもしれません。要はバランスですね。

また歌舞伎界のスキャンダルについても、うまく映画では織り込んでいて、本当に二人の主役は波乱万丈(女性問題やら病気やら)。見ていて、「あー、あれはこれだな。」という、実際のスキャンダルも思い浮かびました。それだけ、小説では、きっとよく取材できていたのでしょう。

ただ、ここは決定的に違う、と思ったのは、当たり前ですが、二人の役者さんのステキな顔が白粉でつぶされていたこと、「踊り」より「顔」での演技に焦点が当てられていたことです。

今年の2月、歌舞伎役者・中村橋之助さんが初めて主役をつとめた映画「シンペイ」の舞台挨拶の際、「自分の顔が映像のアップに耐えられるのか、心配だった」と言われていて、「えー、そんなこと思うの?」と驚きましたが、確かに、顔は白塗りでつぶして描くわけですから(推しの米吉さんがよく言われる)、歌舞伎役者の方は、まさに演技と踊りで魅せているのです。それこそ芸1本。素顔が良いにこしたことはないのかもしれませんが、化けてなんぼの世界とも言えます。

一方、今回の映画の二人は、白粉塗っても、そりゃ綺麗ですが、ない方が、当然色男。その中で、体の演技を求められ、魅力の顔もつぶされるわけですから、並大抵の精神力・演技力ではないなと感じました。

その点で、ある種の「凄み」が出ていたと言えるのかもしれません。ただ、本物の舞台にはかないませんので、そこは顔のアップ(演技)で流していたところもややあったように思います。

歌舞伎の舞台は、映画のようにギュっとコンパクトにはいかないので、多少、長い、だるい、と思うところもあります。また古典だとセリフが難しいものも。でもやはり「本物」の魅力があります。体技と、言葉と、演技と、音楽と、あっと驚く仕掛け、そのすべてが、やはり私にとっては最高の夢の世界に感じます。

映画「国宝」をきっかけに、本物の歌舞伎を見てみたい、と思ったら、ぜひ、歌舞伎座に足をお運びください。今、上演している「刀剣乱舞」の歌舞伎や、ミレールのオンライン配信歌舞伎、映画館「シネマ歌舞伎」からでも大丈夫。服装もラフな格好でOKです。一方、客席で素敵な着物姿も拝めるので、おしゃれするのもまた一興。お弁当買って、もしくは作って持ち込んで、いや劇場で食べて、なんでもできます。これを機に、映画館とは一味違う、歌舞伎の世界へ皆様ぜひぜひお越しくださーい(千代田区の国立劇場、早く建て替えられて再開しますように)。

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(こちらは以前国立劇場で見た本物の国宝・歌六さん)]]>
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「市谷の杜 本と活字館」見学 2025年07月12日T12:52:02Z 2025年06月29日T23:00:36+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.40189827 6月も明日で最終日となりました。涼しい気候から急に真夏の暑さになって、熱中症の人も急激に増えているようです。ちょっとした外出も、水分補給など、気をつける必要がありますね。さて、ちょうどひと月ほど前。5月の月末は、大学院の総合史学研究II(文化継承学I)の授... 博物館
さて、ちょうどひと月ほど前。5月の月末は、大学院の総合史学研究II(文化継承学I)の
授業で、大学院生たち、先生方と、市ヶ谷にある、「市谷の杜 本と活字館」に行ってきました。

「市谷の杜 本と活字館」は、DNP(株式会社:大日本印刷 *そういえば、卒論演習の履修生の
一人が就職していったけれど、どうしてるかしら?)の事業の原点である活版印刷の
職場を一部再現し、文字のデザイン、活字の鋳造から、印刷・製本までのプロセスを展示、
紹介する施設なのだそうで、2021年から一般公開されています。


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1926(大正15)年に竣工された旧営業所棟の建物を修復・復元したそうで、なかなか雰囲気ある建物です。




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正面玄関はこんな感じ。

私は、父が新聞社務めで、活字に関わる(記者の手書き原稿を活字化する)仕事をしていたので、
なんとなく、仕事場を見学に行った時のような、懐かしい空気を感じました。

とはいえ、当時は既に、一字一字、活字を手作業で拾うような仕事ではもうなかったように
思います。

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無数の小さい活字たち。

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その字を組み合わせて。

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印刷されたものはこんな感じ。

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色々な道具を示したキューブもありました。

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活字とは別の、製版のような見本も。

活字本(一字一字、彫られた活字を組み合わせる)は、秀吉の朝鮮出兵により銅活字として
持ち込まれたもので、日本では木活字で作られました。

ただし、大量印刷するのであれば、製版本の方が、手間なく安価に作れたためか、元からあった
こちらが主流になったようです。

しかしながら、古典の古活字本においては、「嵯峨本」と呼ばれる江戸初期に京都の嵯峨野で、
本阿弥光悦らに作られた美麗な書物が有名です(嵯峨本『伊勢物語』など)。

伊勢物語 嵯峨本 | 公益財団法人 五島美術館
(上記のHPで画像が見られます)

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他にはこんな大きな機械も展示されていました。

そして2階に上がると......

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あら楽しい。印刷における色(カラーインキ)の展示です。

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本当に、4色で現実と見紛うばかりの「絵」ができあがるわけですから、不思議です。

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2階は、色の楽しい実験的な展示から、手作りしおりやカレンダーが作れるワークショップ
コーナー、紙の印刷物のショップなど、子供も楽しめそうな展示がたくさんありました。

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製本コーナーは、上記のような展示から、デジタルパネルで、質問に答えながら、注文主の
希望する本を仮想で作れるところもありました。

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こちらも様々な道具が展示されています。

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そして最後は、1階入ってすぐ右にあるカフェコーナーを視察(?)。

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私が選んだのはこちら。ブラックインキ(?)のアイスのせ。美味でした。

総じて、大変たのしく見ごたえがある展示です。おすすめします。


市谷の杜 本と活字館

Ichigaya Letterpress Factory

162-8001
東京都新宿区市谷加賀町1-1-1
電話:03-6386-0555
開館時間:10:00〜18:00
休館:月曜・火曜(祝日の場合は開館)、年末年始
入場無料






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前回のつづき─百段階段 2025年06月08日T07:03:22Z 2025年06月08日T08:00:56+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.40050959 六月に入りました。五月は急に寒くなる日もあって、体の調子もイマイチでしたが、ようやく夏めいた暑い日も出てきました。わたしは暑い日の方が得意です。さて、前回の答えです。御簾の外に猫がいるのは、『源氏物語』若菜下巻の女三の宮の姿が見えてしまう場面。すでに女三... 美術 夏めいた暑い日も出てきました。わたしは暑い日の方が得意です。

さて、前回の答えです。御簾の外に猫がいるのは、『源氏物語』若菜下巻の女三の宮の姿が見えて
しまう場面。すでに女三の宮の着物の裾は外に出てしまっています。そもそも高貴な姫君が
こんなに端近くにいなければ、猫がとびだして御簾がめくれてしまっても、明るい外から
室内は見えなかったはず。女三の宮は、若い人たちが外で蹴鞠をする様子を見ていたのでは?と
言われる所以です。

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女三の宮を猫のイメージで作るとこんな感じに。展示作品の中には、売り物もありましたが、
この作品はいち早く売れていました。


2枚目、3枚目の猫写真は、『枕草子』「上にさぶらふ御猫は」の章段に登場する猫で、一条天皇に可愛がられていました。その猫の産養が行われている場面(『小右記』に記述あり)。盃があって、お菓子があって、
たくさんの猫がいました。

そして、最後は、『更級日記』より、亡くなった大納言の姫君が猫として出てきたという夢の
話がなされます。当時、猫は犬と違って高貴なイメージがありました。

ちなみに舶来の黒猫(唐猫)を宇多天皇が可愛がっていたのは有名な話。
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本当に生きているみたい。

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黒猫ぞろぞろ。


平安文学の猫の部屋はここまで。つづいて、同展の猫パロディアートを紹介します。
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すべて有名な映画のポスター。みなさん、おわかりになりますか?


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ここまでくると、「うまい!」と膝をたたきたくなります。


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ただ個人的にはこれとか。(「スターウォーズ、帝国の逆襲」のパロディ)

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こちらが好みです。(「犬神家の一族」のパロディ。役者さんの名前まで手が込んでます)


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ゴ〇ラと違って巨大化していてもかわいいので怖くありません。化け猫シリーズ??

以上、展示のほんの一部をご紹介しました。猫は、昔から人とともにあり、さまざまな想像力を
かきたててきたことを実感しました。

展示期間は残り1週間ほど(6月15日(日)まで)。ぜひ見に行ってみてください。







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yuas2018
五月は見学の季節 2025年07月12日T12:53:16Z 2025年05月31日T23:35:54+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.40003484 寒い日と暑い日の気温差が大きい今日この頃。なかなか毛布がしまえません。床暖房を入れてしまう日もあって、五月下旬には珍しい気候のように思います。それでも、日中は比較的気持ちのいい日が多い五月。今月は、複数の授業で博物館見学に行きました。大学院生の平安ゼミで... 美術 床暖房を入れてしまう日もあって、五月下旬には珍しい気候のように思います。

それでも、日中は比較的気持ちのいい日が多い五月。

今月は、複数の授業で博物館見学に行きました。

大学院生の平安ゼミでは「目黒雅叙園の百階段」、

大学3年生の演習では「東京国立博物館の常設展」、

昨日は「市ヶ谷の森 本と活字館」(史学の学生もいる大学院生の授業)

に行ってきました。

東京国立博物館の常設展は、大学がキャンパスメンバーズに入っているので、学生証を見せれば、
無料で見学できます。博物館は広いので、見るところはたくさん!
まだ行っていない人はぜひ一度行ってみてください(今回は、藤原行成の自筆の手紙が印象に
残りました)。

それから、平安文学の演習で、院生と行った目黒雅叙園の展示は、以下のようなテーマでした。

「時を旅する福ねこ at 百段階段
〜平安、江戸、大正、昭和、そして現代へ〜
期間:2025年3月20日(木・祝)〜6月15日(日)
(注記)休館日:5月7日(水)(展示替のため)」

「百段階段」とは通称で、ホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園3号館にあたり、1935(昭和10)年に建てられた当館で現存する唯一の木造建築です。食事を愉しみ、晴れやかな宴が行われた7部屋を、99段の長い階段廊下が繋いでいます。階段は厚さ約5cmのケヤキ板を使用。階段で結ばれた各部屋はそれぞれ趣向が異なり、各部屋の天井や欄間には、当時屈指の著名な画家達が創り上げた美の世界が描かれています。」

「"昭和の竜宮城"と呼ばれた当時の目黒雅叙園の建物の特徴は、装飾の破格な豪華さにあります。最近の研究によると、その豪華な装飾は桃山風、更には日光東照宮の系列、あるいは歌舞伎などに見られる江戸文化に属するものとも言え、なかでも「百段階段」はその装飾の美しさから見ても、伝統的な美意識の最高到達点を示すものとされています。2009(平成21)年3月、東京都の有形文化財に指定されました。」

以上、ホテル雅叙園東京のHPより、百段階段の説明でした。最近は、江戸文化にもどっぷりハマっているので、それも楽しみでしたし、平安時代は、「ねこ」の登場する平安文学の場面が複数再現されている、ということで、こちらも大変楽しみに行ってきました。

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まずはこんな招き猫がお出迎えしてくれます。

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百階段はこんな感じです。

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階段の途中の室内は、様々な意匠が凝らされています。

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そして、平安文学がテーマの部屋は、内装も王朝風でした。

そして、......

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さて、これはどの作品の一場面でしょう。つづいて、こちら。

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なんだか猫がたくさんいて、宴会でもしているよう。

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アップにするとこんな感じ。まるで本物みたいな猫たちです。

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これはちょっとむずかしいかもしれません。


答え合わせは次回ということで。お楽しみに!



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yuas2018
4月の立ち上がり 2025年04月30日T14:33:19Z 2025年04月30日T23:30:19+09:00 tag:blog.livedoor.jp,2025:yuas2018.39793323 4月最終日になりました。今月は、長かったような、短かったような・・・。3月でサバティカルが終わり、通常業務に復帰したわけですが、新たに家族の弁当作り(5時40分起き)が始まって、しばらくは、お弁当のこと(中身)ばかり考えていました。その後、慣れてきて、6時に... 授業
3月でサバティカルが終わり、通常業務に復帰したわけですが、新たに家族の弁当作り
(5時40分起き)が始まって、しばらくは、お弁当のこと(中身)ばかり考えていました。

その後、慣れてきて、6時に起きてもなんとかなるようになりましたが、
7時20分に一通り朝の家事が終わると、1日すべての仕事が終わったような
脱力感に見舞われます(やりきったという)。

いやいや、これからだから、と気を取り直して、授業準備。


ただ、最初の1週間は、へろへろでした。午後になると、正直、頭が回っていないと感じる
ことも多々ありました。

また月末には、演習説明のヤマも重なり、気の抜けない日々でしたが、少し落ち着いてきました。
久々の日本文学史(担当はローテション)の授業も、大教室(100名くらい)でややテンション高め。そんな中、教え子の教え子が挨拶に来てくれたりして、時の流れをひしひしと感じました。
今日は、「令和」に改元したときの、『万葉集』の盛り上がりを振り返ってみました。
万葉集の時代 : koudansyou-古典と現代
「令和」クッキーを焼いて、私も浮かれていましたね。「和」の字を平和のイメージで捉える
コメンテーターも多かったようですが、その翌年から疫病と戦争で、世界中大変なことになりました。
(そういえば、「安和」の元号でも、左大臣・源高明の大宰府左遷事件(安和二年・969)が平安の世を揺るがしました)

いまは「令和の米騒動」と言われる物価高が起きていて、ますます先の見えない世の中です。
先人たちと対話する授業でもある「日本文学史」では、何か打開するヒントを各人が見つけられるとよいなとひそかに思っています。

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(4月に日文の大学院生と先生方で見に行った九段の桜です)


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