世の中「4連休」と騒いでいますが、大学は木・金と授業で、まったく連休ではありません。でも家族の学校は休みで家に居るので、ごろごろお休み満喫。うらやましいです。
さて、世の中には多くの「歴史漫画」が出回っていますが、先月講談社から新しい歴史漫画が出ました。こちらです。
講談社歴史まんが
(表紙はそれぞれ誰だかわかりますか?答えは一番下です)
目玉は、テレビでもよく拝見する呉座氏(中公新書『応仁の乱』が有名)監修の中世の部分みたいですが、私の家族が監修を担当したのは、2〜5巻。1巻の考古学がメインの巻は、私と同学部の若狭先生がご担当です。ということで、とりあえず我が家にあるのは1〜5巻の「古代(文学でいうと上代・中古)」の部分です。
5巻目の紀貫之・清少納言・紫式部が出てくるところは、私も少し協力しました。表紙の「紫式部」の絵も、候補が4パタンくらいあり、少しずつ動作の違う絵が出てきて、その中でどれがいいかと思案もしました。
当時、立ち姿はあまりよろしくないとされていたので(『源氏物語』の女三の宮は立ち姿を垣間見されてしまっています)、座っているポーズを推しました。でも中の登場コマでは、しっとりした立ち姿で描かれていて、女房の印でもある裳(「も」と読みます。後ろエプロンのような布。漫画では白で描かれています)が誇らしげに大きく見えるのもいいと思った次第です。女房達は、宮中のキャリアウーマンですから、膝行してばかりはいられなかったでしょうし、能力としては男性と対等にわたりあっていた、いやそれ以上の、彼女の真の姿を示しているように思えたからです。
それまでの「日本の歴史」では、女性への言及は、卑弥呼と女性天皇、藤原薬子、くらいでしょうか。それぞれ国のトップとなる人やそのトップの寵愛した女性です。
でも清少納言や紫式部は、一介の女房。その能力によって、上の人の目にとまり、千年以上の月日を超えて読み継がれる作品を残したのですから、本当にすごい女性たちだと思います。
女性の地位が決して高くなかったこの時代に、すでにこのような作品が残されている事に感激し、イスラム圏から日本に勉強に来た学生がいました。現代でもなお世界中の人に勇気と希望を与えています。
私と家族(監修者ではない)が1〜5巻を読んだ感想では、1と5が面白い!ということに(次いで3)。ちなみに私は3巻の「鑑真」が日本に来るくだりで、思わず泣いてしまいました。
弟子ではなく、高僧の鑑真自身が命の危険を冒して日本に来てくれたこと、最後の渡航では失明してしまいますが、このような命がけの国際交流が人の信心や思いを育てていったことを思うと、現状の一見、古代より豊かなようで殺伐とした世の中に愕然とします。
今の世の中は過去の積み重ねではありますが、決して人はまっすぐに今へと「進化」し続けてきたわけではないと思います。たくさんの英断と過ちがくり返され、その事をきちんと知り、学んでおくことが必要です。講談社漫画「日本の歴史」おすすめします。
(答え)1:卑弥呼と縄文時代の少年 2:聖徳太子 3:父・聖武天皇と娘・孝謙天皇 4:菅原道真 5:紫式部
さて、世の中には多くの「歴史漫画」が出回っていますが、先月講談社から新しい歴史漫画が出ました。こちらです。
講談社歴史まんが
(表紙はそれぞれ誰だかわかりますか?答えは一番下です)
目玉は、テレビでもよく拝見する呉座氏(中公新書『応仁の乱』が有名)監修の中世の部分みたいですが、私の家族が監修を担当したのは、2〜5巻。1巻の考古学がメインの巻は、私と同学部の若狭先生がご担当です。ということで、とりあえず我が家にあるのは1〜5巻の「古代(文学でいうと上代・中古)」の部分です。
5巻目の紀貫之・清少納言・紫式部が出てくるところは、私も少し協力しました。表紙の「紫式部」の絵も、候補が4パタンくらいあり、少しずつ動作の違う絵が出てきて、その中でどれがいいかと思案もしました。
当時、立ち姿はあまりよろしくないとされていたので(『源氏物語』の女三の宮は立ち姿を垣間見されてしまっています)、座っているポーズを推しました。でも中の登場コマでは、しっとりした立ち姿で描かれていて、女房の印でもある裳(「も」と読みます。後ろエプロンのような布。漫画では白で描かれています)が誇らしげに大きく見えるのもいいと思った次第です。女房達は、宮中のキャリアウーマンですから、膝行してばかりはいられなかったでしょうし、能力としては男性と対等にわたりあっていた、いやそれ以上の、彼女の真の姿を示しているように思えたからです。
それまでの「日本の歴史」では、女性への言及は、卑弥呼と女性天皇、藤原薬子、くらいでしょうか。それぞれ国のトップとなる人やそのトップの寵愛した女性です。
でも清少納言や紫式部は、一介の女房。その能力によって、上の人の目にとまり、千年以上の月日を超えて読み継がれる作品を残したのですから、本当にすごい女性たちだと思います。
女性の地位が決して高くなかったこの時代に、すでにこのような作品が残されている事に感激し、イスラム圏から日本に勉強に来た学生がいました。現代でもなお世界中の人に勇気と希望を与えています。
私と家族(監修者ではない)が1〜5巻を読んだ感想では、1と5が面白い!ということに(次いで3)。ちなみに私は3巻の「鑑真」が日本に来るくだりで、思わず泣いてしまいました。
弟子ではなく、高僧の鑑真自身が命の危険を冒して日本に来てくれたこと、最後の渡航では失明してしまいますが、このような命がけの国際交流が人の信心や思いを育てていったことを思うと、現状の一見、古代より豊かなようで殺伐とした世の中に愕然とします。
今の世の中は過去の積み重ねではありますが、決して人はまっすぐに今へと「進化」し続けてきたわけではないと思います。たくさんの英断と過ちがくり返され、その事をきちんと知り、学んでおくことが必要です。講談社漫画「日本の歴史」おすすめします。
(答え)1:卑弥呼と縄文時代の少年 2:聖徳太子 3:父・聖武天皇と娘・孝謙天皇 4:菅原道真 5:紫式部