先日、発売されたばかりの「びじゅチューン!4」を手に入れるべく、ネット注文。近所の書店には取り扱いがなく、いつもは降りない駅の書店まで受け取りに行きました。
その書店近くの雑貨屋で出会ったのがなつかしのセーラームーン(下は前世の姿)......
前世
......ではなく、その関連グッズ。
KIMG0174
セーラームーンの変身ブローチとタキシード仮面の懐中時計です。
セーラームーンは、講談社の少女漫画雑誌『なかよし』で1990年代に連載を開始。私がこの作品を知ったときはすでに高校生でした。表向きは普通の女子中学生がある日とつぜん「魔法戦士」になり、仲間を集めて敵と戦う、という今でもよくあるわかりやすい構図。
セーラームーン
(地球での姿はこんな感じ。がんばってアニメ風に画いてみましたが......似てない)
ところが、実は月の王女と地球の王子の悲恋転生譚(これは『竹取物語』だー!)が背景にあると知り、とても興奮したのを覚えています。
セーラームーンは、『竹取物語』だけでなく、『雪の女王』など、他の物語を引用しているところもあって、それらの物語をみつけるのも楽しいのですが、とにかく宇宙(未来も)を相手にするスケールの大きさと、この時代に、多様なジェンダーを持つ戦士(天王はるかやスターライツなど)が登場するところが魅力的でした。また敵も、最終的には宇宙最強の「セーラー戦士」(「悪」は「善人」の心からも生まれる)となり、善と悪の固定化もうまく避けられています。
「よくできた物語だ〜。」と、当時から感心していましたが、『竹取物語』の引用と私が考えるのは主に次の点です。
1、月の王女と地球の王子のロマンス→かぐや姫と帝の恋
2、前世は悲恋(禁断の恋)に終わったため、王女は地球に「月野うさぎ」(後にセーラームーンに変身)の名で転生し、高校生の「地場衛(まもる)」(タキシード仮面に変身)と出会う→「かぐや姫」は月で犯した罪により、地上に転生し、様々な男性たちに求婚され、最終的に帝に求婚される。
3、30世紀の未来では、二人は地球を統治するクイーンとキングとして即位。その後、地球は不老不死のユートピアとなっている。→かぐや姫が帰る月の世界には、不老不死の薬(かぐや姫が形見として残すも地上の者たちは拒否)があり、物思いも何もない世界と語られる(羽衣を着ると別れのつらさも忘れるかぐや姫)。
『竹取物語』は、かぐや姫が月に帰ってしまうので、帝との恋も成就せず、悲しい物語で終わるのですが、「セーラームーン」は、そこをハッピーエンドにすべく組み立てられているようです。さらに月の世界の解釈も、『竹取物語』のように否定的ではなく、「ユートピア」(理想郷)のように語られていて面白いです。
それでも、二人の娘である「ちびうさ」(900歳以上!)が、なかなか大人になれず、偉大な母であるクイーンと自分との落差を悲観し心に「闇」を作ってしまう(敵に取り込まれ「ブラックレディ」になる)ところは、そのようなユートピアの歪みをあらわしているのかもしれません。
来年の講義(1・2年生対象)は、また『竹取物語』をやる予定です。最後に、家族からこちらもぜひ載せてと依頼のあったセーラームーングッズ。
KIMG0175
これが何かわかる人はかなりの通。ちなみに銀水晶ではありません。
その書店近くの雑貨屋で出会ったのがなつかしのセーラームーン(下は前世の姿)......
前世
......ではなく、その関連グッズ。
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セーラームーンの変身ブローチとタキシード仮面の懐中時計です。
セーラームーンは、講談社の少女漫画雑誌『なかよし』で1990年代に連載を開始。私がこの作品を知ったときはすでに高校生でした。表向きは普通の女子中学生がある日とつぜん「魔法戦士」になり、仲間を集めて敵と戦う、という今でもよくあるわかりやすい構図。
セーラームーン
(地球での姿はこんな感じ。がんばってアニメ風に画いてみましたが......似てない)
ところが、実は月の王女と地球の王子の悲恋転生譚(これは『竹取物語』だー!)が背景にあると知り、とても興奮したのを覚えています。
セーラームーンは、『竹取物語』だけでなく、『雪の女王』など、他の物語を引用しているところもあって、それらの物語をみつけるのも楽しいのですが、とにかく宇宙(未来も)を相手にするスケールの大きさと、この時代に、多様なジェンダーを持つ戦士(天王はるかやスターライツなど)が登場するところが魅力的でした。また敵も、最終的には宇宙最強の「セーラー戦士」(「悪」は「善人」の心からも生まれる)となり、善と悪の固定化もうまく避けられています。
「よくできた物語だ〜。」と、当時から感心していましたが、『竹取物語』の引用と私が考えるのは主に次の点です。
1、月の王女と地球の王子のロマンス→かぐや姫と帝の恋
2、前世は悲恋(禁断の恋)に終わったため、王女は地球に「月野うさぎ」(後にセーラームーンに変身)の名で転生し、高校生の「地場衛(まもる)」(タキシード仮面に変身)と出会う→「かぐや姫」は月で犯した罪により、地上に転生し、様々な男性たちに求婚され、最終的に帝に求婚される。
3、30世紀の未来では、二人は地球を統治するクイーンとキングとして即位。その後、地球は不老不死のユートピアとなっている。→かぐや姫が帰る月の世界には、不老不死の薬(かぐや姫が形見として残すも地上の者たちは拒否)があり、物思いも何もない世界と語られる(羽衣を着ると別れのつらさも忘れるかぐや姫)。
『竹取物語』は、かぐや姫が月に帰ってしまうので、帝との恋も成就せず、悲しい物語で終わるのですが、「セーラームーン」は、そこをハッピーエンドにすべく組み立てられているようです。さらに月の世界の解釈も、『竹取物語』のように否定的ではなく、「ユートピア」(理想郷)のように語られていて面白いです。
それでも、二人の娘である「ちびうさ」(900歳以上!)が、なかなか大人になれず、偉大な母であるクイーンと自分との落差を悲観し心に「闇」を作ってしまう(敵に取り込まれ「ブラックレディ」になる)ところは、そのようなユートピアの歪みをあらわしているのかもしれません。
来年の講義(1・2年生対象)は、また『竹取物語』をやる予定です。最後に、家族からこちらもぜひ載せてと依頼のあったセーラームーングッズ。
KIMG0175
これが何かわかる人はかなりの通。ちなみに銀水晶ではありません。