2010年も始まったばかりだというのに、真打ち的なモデルが入荷です!
それがコーギー・アビエーションアーカイブス・シリーズの『BAC TSR-2』です。
このTSR-2、細長い胴体に先端が下を向いた独特のスタイルは、
どこか近未来というかSF映画に登場するメカニックを感じさせてくれます。
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ロングボディに小さくて先端が折れ曲がった主翼・・・。
伝説の機体がダイキャストモデルで登場です。
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このアングルから見るとガニマタに・・・。
もともとはイギリス空軍の「超音速侵攻偵察攻撃機計画」を受け、
ヴュッカーズ社とイングリッシュ・エレクトリック社の合同計画案が採用された開発が始められました。
それから約7年後の1964年9月には初飛行に成功、約半年にわたり様々なテスト飛行を繰り返しています。
ところが、たったの半年強しか経っていない1965年4月に計画は中止、テストフライトもすべてキャンセルとなってしまいました。
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飛行姿勢をイメージするスタンドが付属。
ダブルタイヤで特徴的な主脚は可動します!
中止の背景には試験飛行では良好な性能を示したものの、当時のイギリスでは政権交代が起こっており、
過大な予算を不服とする労働党による「仕分け」されてしまった結果がありました。
が、ご多分に漏れずさまざまな陰謀説もまことしやかに流れたようです。
んん〜ん、どこかで聞いたような話ですね・・・。先ごろ初飛行に成功した航空自衛隊の次期輸送機、C-X(C-2)もそうならなければいいのですが・・・。
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未来的なフォルムの側面形。
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前から見るとなにやら昆虫を思い浮かべます。
「不幸」な生い立ちからか、TSR-2は知る人ぞ知るマイナー機として表舞台に登場することなくイギリス・コスフォード空軍博物館で余生を過ごしていました。
ところが2003年日本で放映された『ストラトスフォー』というSF&キャラ萌えアニメに登場。アニメ系モデルファンを中心に人気が高まっていきます。
その人気を裏付ける事象として2006年にイギリスのAIRFIX社から発売された1:72スケールのキットはアッという間に完売となり、今でもプレミアム価格で取引されていたりします。
そんな人気のTSR-2が生まれ故郷のイギリスの会社であるコーギーから発売になりました。
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排気ノズル周辺もリアルな彫刻が施されています。
下面のコーションデータは精緻なタンポ印刷で再現。
スケールは1:72、素材はダイキャスト合金製です。実機のサイズも大きいこともあり、モデルの迫力もたっぷり。
ズッシリした重量と相俟ってなんともいえない重厚感を醸し出しています。
試作機とはいえアメリカのようにハデハデにすることなく、核爆発の閃光から機体を守る白塗装もスパルタンな雰囲気づくりに一役買っています。
冷戦の真っ最中に誕生、そして消されてしまった『名機』のモデルを手に入れ、もし正式採用されていたら・・・なんて「IF」の世界へ思いを馳せてみるなんていかがでしょう?
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コーギー 「アビエーションアーカイブ」
ブリティッシュエアクラフトコーポレーション
TSR-2
XR219, the only prototype to fly, 1964
商品番号:AA38601
希望小売価格:16,800円(税込)
全国の模型店、ホビーショップなどで好評発売中です!