2017年06月30日
☆「三重学」朴恵淑編著☆
当協会の副会長である朴恵淑教授が、今年の3月に、『三重学』という本を風媒社から出版されました。6月6日、朴教授の研究室を訪問。以下、朴教授から取材した内容をご紹介します。
IMG_0878
?
Q.来日して、カルチャーショックを受けた事はなんですか?
今年で来日34年。来日当初、日本はゴミが落ちていない事にびっくりしました。また、韓国には「並ぶ」習慣が無いので、どうやって並んでよいか分からなかったです。
また、『すみません。道を通してください。』の「すみません」の使い方が難しかったです。「謝る」という意味以外で使えるようになるまでに時間がかかりました。
日本人はディスカッションが得意ではないとも感じます。韓国では自分の意見を主張し、自己アピールしないと、分かっていないと思われます。とにかく子供の時から自分の意見を言い合って成長していくのです。
Q.『三重学』を出版するきっかけや内容を教えてください。
『三重学』という本ですが、三重の「学問」ではなく、「三重から(さまざまな事を)学ぶ」という意味です。伊勢志摩サミットの事を2年、3年後も忘れないようにする為、同時に、三重を知り、三重がローカルからグローバルになるチャンスを逃さないようにという想いから、この時期に出版しました。
第一章 未来につなぐ伊勢志摩サミット
鈴木英敬三重県知事やジュニアサミットを開催した伊藤徳宇桑名市長に成果と今後について寄稿いただきました。
第二章 多彩な自然環と私たちのくらし
伊勢湾再生や南海トラフ巨大地震に備える防災等について
第三章 歴史と文化を読む
伊勢神宮、熊野古道、亀山市関宿、伊賀忍者等について
第四章 次世代の地場産業へ
ミキモト真珠島 真珠博物館館長や竹上真人松阪市長、井村屋グループ代表取締役会長にも寄稿いただきました。
第五章 三重の交通・情報ネットワーク
前葉泰幸津市長や三重テレビ放送長江正代表取締役社長に寄稿いただきました。その他、名松線や四日市あすなろう鉄道についてもふれています。
第六章 よりよき暮らしのために―健康・福祉・女性
生活の質(QOL)の向上のための福祉政策について櫻井義之亀山市長に、SUZUKA女性活躍推進連携会議について末松則子鈴鹿市長に寄稿いただきました。
第七章 四日市公害に学び、活かす
公害を冷静に分析し、同じ事を繰り返さない様に、そして若い世代に伝える事が重要です。また、環境問題は今や日本国内だけでは決して解決できません。中国や韓国が起因する日本国内汚染の割合は65%とも言われています。日本の経験を面と向かって中国に伝える為にも四日市公害から学ぶ事が大切なのです。
第八章 持続可能な社会に向けて
日本の自治体の中で最初に、市全体のスーパーやチェーンストアーが一斉にレジ袋有料化に取り組み、また、電気自動車などを中心とする低炭素社会伊勢モデルを創った鈴木健一伊勢市長に寄稿頂きました。
30年前から名張市のユネスコ協会と韓国京幾道ユネスコ協会との子どもの絵の交流や青少年水フォーラムを通じた国際交流について亀井利克名張市長に寄稿頂きました。
この様に、県内で活躍する合計41人の方に寄稿をお願いし、私の想いを理解し協力いただき、大変感謝しています。
若い世代に伝えたい
さりげなく持っていた、三重県の産物を本にまとめました。県内外を問わず、もちろん多くの方に読んでもらいたいですが、特に若い世代、学生さんも読んで、たくさんの発見をしてほしいです。
しかし、まだまだ足りない部分があります。それは、三重の国際化についてです。
小学生のころからグローバルな考え方を育てる教育は重要で、今回は第八章で県内のユネスコスクールについて紹介しています。しかし、県内在住の外国人について等、三重から学ぶことはまだまだあります。次回は是非そのあたりを書きたいですね。
三重県の知名度を世界へ
三重学
編著:朴恵淑(ぱく けいしゅく)
1954年4月生/理学博士/三重大学人文学部・地域イノベーション学研究科教授/趣味は仕事の他に、油絵や水彩画
「三重学」2017年3月30日第一刷発行
発行所:風媒社
事務局〜ヨウカン
コメントする