きのうは、さやかな秋の空が終日保たれていた。北国新聞の一面に、「流し舟から 秋景色」と題した旧大聖寺川を遊覧する流し舟と、色づく秋の風景写真が掲載されていた。毎日待っていた、白山の初冠雪も3日前に確認できた。短い秋を楽しむ日々も、あとわずかであろう。
▼そんな新聞記事を見た金沢の老夫婦が、初めて大聖寺の「流し舟」に乗りたいが、どこのインターから行けば近いか。そんな道案内の電話を11時ごろ、「大聖寺観光案内所」当番役の当方が電話をとった。
▼「13時30分出航」の流し舟乗船予約を受けて、「加賀IC」を指示して電話を切った。13時40分に、現在位置「分校小学校前」との電話があった。大聖寺の町を通り過ぎたところで、迷子になったという。ナビを信じていたが、調子が悪いらしい。
▼JR大聖寺駅近くの案内所に着いた時には、運転する当方より少し年配者は、2時間ほど迷子になりながらの運転に疲れた様子だった。昼食前だと言うから、昼食時間締め切りの「ソバ屋」へ確認電話したら、閉店準備に入ったという。当方も利用する顔なじみ店主に、暖簾を下ろしを延長してもらった。
▼流し舟の乗船時間も、15時出航に切り替えて、ゆっくり「ソバ定食」を楽しんでもらった。初めての土地を訪れる旅には、予定外がある。旅とはそんなものですと、本家筋にあたる「金沢藩」から見えた老夫婦をもてなした。
▼支藩「大聖寺藩」の、当然のもてなしが気に入ってもらえたのか、流し舟に向かう前に立ち寄った案内所に、「幸西まんじゅう」の紙袋を置いていかれた。大聖寺の「流し舟」に乗りたいと言い出したのは、奥さんらしい。流し舟が昔ながらの土手のある旧大聖寺川を、運航している風景が気に入ったという。「蜜のあわれ」で、夜桜の大聖寺川を、ロケーションに選んだ映画スタッフが、消え行く日本の風景が、まだ大聖寺に残っているという言葉を思いだした。
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