10月2日に、起業家を支援する「活性化サロン」に、小生宛に届けられた「吾亦紅」と、可憐なコスモスの白い花が交ざった花束の贈り主に、やっと出会った。探していた贈り人は、間近な公共施設に勤めるコスモスの花のような女性だった。奇しくも1ヵ月前に届けられた午後の時刻だった。
▼届けられた日には、職業訓練の実習生として初めて実務に就いた女性が、花束を受け取った。翌日立ち寄った時に、届け人の名前を確認すると、容姿と名前を教えられたが、該当者が思い当たらない。支援活動にスタートしたことへの「祝物」にと、「吾亦紅」の花を、わざわざ届けてくれた人は誰だろう。
▼だが、伝言された名前は、苗字でない「マリコ」という名前だったから悩んだ。青い車に乗った、長髪の「マリコさん」だったという。研修生に「届け人の名前」を再確認したが、間違いないという。再就職のための実務経験の訓練生は、取引先からの伝言も正確に伝えなければならない。実社会の経験もある、彼女の伝言を信じていたが・・・。
▼1ヵ月ぶりに、次回のセミナーで担当する、歴史を調べるために訪れた施設で、「吾亦紅を受け取っていただきましたか?」と、言う、顔見知りの職員と出会った。探していた贈り人は、貴女でしたかと言ってお礼を述べたのが、贈られてから31日目だった。
▼「お礼」が遅くなった事情を確認すると、苗字を言ったが、青い車でなく「青いブラウス」でクリーム色の車だったという。いい加減な伝言を残した実習生はもういないが、遅くてもなっても探していた贈り主と出会ってよかった。
▼耳と目の機能が怪しい実習生の再就職先が、身障者の介護職だという。そんな伝言を聞いた我が身も「物忘れ」が頻繁にある。そんなふたりの様子を見ながら、サロンの片隅で2週間も咲いていた、「吾亦紅」の名前の由来を思いだした。「吾も亦(また)紅くなりたい」。
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