軽度認知症(MCI)を回復させるテレビの「ドキュメンタリー番組」を、関心を持って観た。60歳の敏腕雑誌記者だった男性が、取材先をダブル・ブッキングしていた。そして、訪問先からの帰路が分からなくなった。53歳の調理人が、独立開業を前に味付けが分からなくなった。35年間の音楽教師だった小学校の先生が、定年後も学校に残る人気の先生だったが、ある日、嫁いだ娘さんが、貯金を全て取っていったと騒ぎ出し、母と娘との確執が生じた。
▼加齢が進むと、「もの忘れ」が多くなってきた昨今の当方も、他人事ではない。番組に取り上げられた「前触れ症状」はないかと、確認をしながらの2時間だったが、高齢者の独り暮らしの一人である現実には変わりない。
▼「認知症」は病気である。病気は加療で回復できる。そして、発病しない予防をしていれば大丈夫だと言うが、やっぱり発病したくない。戦中生まれで、戦後からの「生き証人」と自負しているが、貧しく耐えた時代には、目立たなかった「認知症」が、飽食時代には社会問題として脚光を浴びてきている。
▼豊かな便利社会になると、潜んでいたものを探し出す風潮が、ゲーム感覚として脚光を浴びてきている「ポケモンGO」の珍事。戦後、入学した小学校の校庭には、働きながら勉強する「二宮尊徳像」が、そのままの場所に卒業するまであった。
▼自然災害からの飢餓、戦争、病気を乗り越えても、また、繰り返す歴史の短期間を体験している当方だが、「人間の営み」には、「歴史は繰り返す」という言葉が思い出される。便利な「電波時計」が、テレビや冷蔵庫の家電に詰まった居間に掛けてあったが、最近、また狂ってきている。
▼改めて説明書を読むと、電化製品の近くに設置しないこと。と書いてあった。便利な家電から発する「電磁波」で、時計が正確に表示しないという。
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