[フレーム]

「来る来ると 年の瀬招く かざぐるま 吾亦交」。通行人も途絶えている、JR大聖寺駅前にある観光案内所。外は雨、今年最後の日曜の当番日は、訪れる旅人もまばら。北陸の小さな城下町で、73回目の暮れを迎える観光案内人は、静かに時間の流れを感じている。

▼現役の後輩たちは、異口同音に「今年の1年も早かった」という。流れの速い川の土手を歩く人生の旅人時代は、みんな早いと言う。時の流れを見ながら生き抜く、環境だから仕方がない。昔の小生もそうだったから・・・。

▼少し前までは「狭いニッポン、そんなに急いで何処へ行く」と流行った言葉で、世の中の流れをヤジっていたが、今は、「あれよ!あれよ!」と見ているだけの人になった。もう、ついて行けない情報量の多さと進化の早さに、驚くよりあきらめている。

▼戦後70年は、平成の世になって、もう28年目を迎える。新次元の世界にいる「新人類」の種族と、旧次元の分類の種族と大きく分かれている。もしかしたら、私は絶滅危惧種の部類になっているかもしれない。

▼静かな午後。ペルー国を一週間の予定で旅した、当案内所の仲間である瀬戸さんから旅行の「みやげ話」を聞いた。目的は、クスコの町の「赤瓦の里」を視察に行った。来年、大聖寺で「第3回赤瓦セミナー」の全国大会を、開催するための視察旅行だったが、たくさんの歴史的実話の裏話を仕入れてきたらしい。

▼明治時代に、南米ペルーへ開拓移民団として日本から「さくら丸」で移住した2世の中から、「フジモリ大統領」が誕生した経緯を、ガイド役の現地人から聞いた。ガイドは青年期まで、日本で教育を受けていた。もうひとり、現地人と結婚した海外青年協力隊員も、ガイド役をしている。その人から聞いた歴史的背景のペルー。感動した「おみやげ話」もあるという。

▼二人とも日本の文化を知り、歴史的な比較をしながらのペルーを語るから、ツアーの日本人観光客にも感動を与えたという。なかでも「武士道」は、ペルー人に賞賛を与えた思想だと言う。

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

↑このページのトップヘ

traq

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /