青い空に、くっきりと白山が終日見えていた。「白山は白くなきゃだめだ」と、誰かが言った。「そぉや!」と私が相槌を入れた。きょうの空色が、もしかしたら新幹線の先端列車の鼻先から彩られている「空の色」をイメージしたのかと思うぐらい、わたしは意識して見た空色だった。
▼とかくこれまで「北陸のイメージ」と言えば、「グレー」だった。長い冬は毎日空を見上げても雲が一面に覆われている。そして、「弁当忘れても、傘わすれるな」の昔からの言い伝えがある。だから、今日みたいな晴れた空が見える日は、気分的に爽快になる。人情も「ぐじゅぐじゅ」している北陸の人。
▼新幹線の先頭車両が、流線型で鼻すじから後ろへ伸びるラインは「空の色」でデザインしたという。「元気がでる」。そんな空が一日でも多くなればいいという願望で、「そらの色」を決めた人は「えらい」。
▼あすの加賀市を引っ張ってゆく子どもたちに、先人の偉業を伝える目的で24回の講座を一般公開してきた。きょう、明治維新から戦前まで日本を引っ張っていった「加州・大聖寺」に生を受けた「凄い人物50名」を、伝えた講師の先生方を招いて「今後も伝えてゆくにはどうしたらよいか」というテーマで話し合った。
▼結論は出なかったが、「曇り空に一点の青空」を見たような感じだった。流れ行く雲は宇宙の仕組み。一世を風靡した郷土の英雄という雲がいた。そんな雲たちは、雨雲になり郷土に芽を出し、苗を育成させる「豊潤の雨」を降らした。
▼先人の栄養分を含んだ雨水を貯める池を造り、必要な時に畑にやる「水撒き蛇口」を各所に建立し、多くの市民はその在りも知っている。そして、広く市民も使用できる。
▼雲がなければ雨は降らない。やっぱり、ときどき晴れの日があればいい。加賀市に産まれてよかったと思える郷土を愛する人たちが、たくさんいる「反省会」だった。
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