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きのうの休日は、予報通り、終日春の日差しがあって、過ごしやすい日だった。市民の憩いの公園には数十本の桜の木がある。膨らみかけてはいるが、まだ開花には早い。私は手袋をしてオーバーコートの襟を立てている。公園の裏口からあたりから、子どもの発する声は近隣の保育園児。そんな子らのそばを通り過ぎた。黄色い帽子は「タンポポの花」のようだった。明日を担う子らの走りまわる芝生は光って見えた。

▼公園の敷地内にある「九谷美術館」の2階に併設されている茶房「古九谷」へ階段を登って、日差しがいっぱいの閑散としたベランダのテーブルに陣取る。コーヒーをオーダーしてから、タバコに火をつける。ゆらぐ煙は青空に消えてゆく、「至福」の時間だった。

▼子らの声が遠くに近くに聞こえる。クラスごとに別れた何組かのグループが公園内にいる。子らの甲高い声は、木々を通してはっきり大きく聞こえる。老人には、居心地がいい「平和の鐘」のようだった。

▼「モスキート音」という言葉を最近知った。若者に聞こえて、老人には聞こえないという。コンビニなどにたむろする若者を撃退させる「高周波音」だという。個人差はあるらしいが20歳以下には耐えられない音であるが、年齢が上がるにつれて聞こえなくなるという。

▼便利な社会には、年齢によって聞こえる嫌な機器が街中に進出し始めているという。「若者は、ハエや蚊扱いで、撃退させる音で公園でも遊ばせない」。おかしな世の中になったものだと批判も出始めているという。
▼昔は、「ワルガキ」を叱る大人が近所にいた。昨今はそんな大人がいない。だからと言って、無差別に若者を高周波の機器まで使って追い散らす「大人の発想」には苦言を言いたい。


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