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ほっとメール@ひたち

井手よしひろが茨城の県政情報や日立市のローカル情報をお伝えします。

希望の党の政策 10月6日、希望の党が発表した衆院選公約には、消費増税の凍結に代わる財源として大企業の内部留保への課税が盛り込まれました。小池百合子代表は、消費税増税凍結の代替財源として「仮に(300兆円の内部留保に)2%課税すれば、それだけで6兆円、出てくる。考え方としてあると思う」と述べました。しかし、この内部留保金への課税は、一見、打ち出の小槌のようですが、よくよく考えてみると実現が難しい、絵に描いた餅の政策です。
内部留保は、企業会計で言うところの貸借対照表(バランスシート:BS)上の科目でいうと利益剰余金のことです。「剰余」というから余ったおカネのような感じで一般的に理解されていますが、全くの誤解です。お金という意味なら、バランスシートの左側の資産に計上されているはずです。剰余金というのは、株主資本のうち資本金でない部分という意味であり、余っている(金庫に積まれている)とはかぎらないのです。
確かに過去4年間で、利益余剰金は101.8兆円も増えています。ただし、バランスシートを見れば、土地・ソフトウェア5.7兆円、長期保有株式64.0兆円、設備投資23.6兆円で、事業投資が合計93.2兆円増えています。つまり、利益余剰金の大部分は事業投資にまわっているのです。これは、企業の戦略そのものです。
仮に、この内部留保に課税をするとしてみましょう。内部留保は法人税が課税された後の資金で、改めて課税すると「二重課税」となります。二重課税は課税される企業などの税負担が重くなるため、活発な経済活動を阻害します。このような税制は避けるのが一般的な考え方です。
また、その内部留保の多くは国債として保有されていると言われており、ここの課税することは日本の財政を大混乱に陥らせることになるのではないでしょうか。
さらに、内部留保への課税は専門家の間では「効果は薄い」との指摘が多いのが事実です。日本の企業は一度賃上げすると賃金カットが難しい。また、人口減で国内市場も縮小しています。そのため、内部留保を減らそうとする企業は、賃上げや設備投資ではなく、手っ取り早く減らせる株式配当に回してしまう可能性が高いと思われます。配当は外国人株主を通じて海外に流れたり、企業同士の持ち合いで結局、企業に戻ったりするとの見方もあります。企業は、課税対象の内部留保を減らすよう努めるでしょう。つまり、消費税に代わる安定財源に、内部留保課税を位置付けるのは政策として矛盾してします。
内部留保への課税を考えるのではなく、投資や賃金にまわし、生産性革命や働き方改革の実現を促進するのが自公連立政権の政策です。事業再編促進税制もそれに当たりますし、生産性向上設備投資促進税制などがその好例です。
希望の党の内部留保への課税は、思いつきの薄っぺらい政策といわざるを得ません。
自己紹介
井手よしひろのプロフィール

井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。
6期24年にわたり
茨城県議会議員を務めました。
一般社団法人地方創生戦略研究所
http://y-ide.com
master@y-ide.com
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