前回投稿した写真は2011年に撮影したボグダン・ヴォダの青空市でした。2018年の夏にドラゴミレシュティの市場に立ち寄る機会があったので、その時の写真を載せますね。だいぶ年数は経ちますが意外に変化がないかも?
(格子柄の織物で作られるマラムレシュのバッグ)
(マラムレシュの靴、昔は古タイヤで作ったものも売られていました)
(台の上に積まれているのは古着)
(簡易飲み屋のテント)
(飲み屋テントの裏手は動物市に)
(肩に置かれたおっきな手があったかそう)
(荷台は休憩所、遊び場にもなる)
(カメラを向ける私が笑顔になる瞬間)
(ミネラルたっぷりな動物用の岩塩、初めて見ました)
(八百屋トラックも出店してます)
(小腹が空いたら炭焼きのミーチ、マスタードを添えて)
(ぺットボトル入りの自家製蒸留酒「ツイカ」ショットでくいっと立ち飲み)
マラムレシュでは今でも馬車が行き交う。一昔前まで村では車より馬車を見かける方が多かった、車をヒッチハイクするように馬車を止めて荷台に相乗りをさせてもらったこともある。
月曜日にはイエウド近隣の町ボグダン・ヴォダ、またはドラゴミレシュティに青空市が立つ。食料品や日用雑貨の出店が並び、農具や家畜の飼料など村の生活に必要なものもがすべて揃う。そして市場の一角では馬、牛、羊に山羊、豚、鶏が売買されている。初めて見た時はタイムトラベルをしたような大らかな光景に感動した。
馬は村の交通、輸送を助ける。牛、羊、山羊のミルクはチーズに、村人にとって貴重なタンパク源だ。羊毛で作られるジャケットや帽子、毛布などの防寒具は厳しい冬を迎える山の生活に欠かせない。毛糸はマラムレシュ独特の柄で織られ、絨毯やバッグ、民族衣装のエプロンになる。鶏はほぼ放し飼いで家の周りをちょこちょこ、豚はじっくり飼育して祝祭日のごちそうに。
(荷車に乗っているのは自家製の大きなチーズ)
たった数日でも家畜小屋のある家で寝泊まりすると、村の生活は動物たちに支えられていることが分かる。鶏の鳴き声を疎ましく思いながら目覚め、朝食の温かいジャガイモを無心に食べている豚を見ながら歯を磨いて、馬や牛が身近にいる一日を体験するたびに、山の暮らしは動物たちがいなければ成り立たないことを実感している。
イチゴの写真を探して久しぶりに開いたファイルにあった10年前の旅の記録。ブログをざっと見返してみると投稿はしていなかったみたい?だったら、ホント今さらなんだけど思い出話でも、人生で一番美味しかったイチゴで始まった旅の続き。
ルーマニア北部、ウクライナと国境を接する山間部に広がるマラムレシュ、この地方に来ると必ず行くのがイエウドという村、初めて訪れたのはもう20年近く前。この村に来た時いつも滞在しているNの家は村のメインストリートにある古い木造教会の斜め前にある。朝、庭で顔を洗っていると、この地方特有の格子柄の布バックを前後に担いだ女性たちが教会に向かっていた。
Nに誘われミサが行われている教会へ。大きなバッグに入っていたのは編み込まれたリング状の大きなパンだった、祭壇に並べられている。ミサの後、教会前で果物(プラムやリンゴ)の蒸留酒「ツイカ」、この地方では蒸留を繰り返し純度を高めた「ホリンカ」と呼ばれる酒と甘いパンが振る舞われた。そしてNに連れられ村の集会所に。3列に並べられたテーブルには黒い衣装の村人が並んで席についている、今朝のミサは村に住んでいた人物の一周忌だったのだ。
追悼の宴がはじまる。3列の長いテーブルの端、それぞれ3人の男性がホリンカの入ったボトルとショットグラスを持って立ち、まず一杯ホリンカを飲み干す。そして3人は端から順番に一人ずつショットグラスにホリンカを注ぎ、受け取った村人もそれを次々と飲み干していく。テーブルにいる全員に杯が回ったら、すぐにスタート地点に戻ってきて、再度ショットグラスがホリンカで満たされる。そして向こうの端に着いたら、またこちらに戻ってくる。エンドレスでショットグラスが行ったり来たり、まだ朝10時にもなっていないのにこのペースは恐ろしい(笑)
食事も始まる。ペリショアレ(ミートボール)のチョルバ(スープ)にサルマーレ(米入りのロールキャベツ)、どちらもほどよい酸味が美味しい郷土料理。食事をしている間もホリンカのショットグラスが宙を舞う、まだ午前中とは思えないほどお腹が満たされ酔いが回る。壇上の神父の祈りで追悼の宴は終了し、教会で見た大きなパンがひとつずつ参加者に配られた。
(パンを片手に家路につく)
翌日も集会場に呼ばれたので裏手にある炊事場も見学させてもらう。この日のスープは2種類、コンソメスープの方は鶏を丸ごと煮込んだスープだったらしい。庭で放し飼いにされていた鶏だったんだろうなぁと思って覗いていると、調理担当の女性たちに美味しいから食べろ、食べろとすすめられる、すでにおなかいっぱいだったけど味見する、うん、自然の味、大地の味。
(これがホントの丸鶏スープ)
(後片付けに大忙しな舞台裏)
この日の追悼は命日から7週間後だったと思う。キリスト教の慣しには明るくないんだけど、仏教でいえば49日、不思議な共通点があるんだなぁ、と朝から酔っぱらった頭で思った記憶が残る。薪を炊いた窯で普段は大きな丸いパン焼く。編み込みが入っているパンは宗教行事のために焼かれるパンなのだろう、どこか人の縁や人生を象徴しているようにも見えてくる。
イチゴと言えば、忘れられない味がある。と、思って古い写真を探してみる。見つからない。通常、写真の保存はきっちり分類してあるし、かなり正確に覚えているのに。見つからない。夫のコンデジ(って言葉ももう死語?)で撮った事は記憶していたので聞いてみる。で、夫も古いディスク内をしばしウロウロ、やっと見つかる。
そっか、もう10年も前のことだったんだ.じゃあブログに書いたかな?と思って遡って見たけど、投稿はしていないみたい。ついでに、今となっては2年に一回くらいしか更新していないこのブログ、初回が2005年だよ・・・少し読んだらインスタグラムも2011年の年末に初投稿してるし、時が経つのが速すぎて怖い(笑)
2011年の今頃、わたし達はルーマニアに向かっていた。いつもは鉄道で国境を越えるけど、この時は友人の車に乗っていた。国境を超えて山間部のマラムレシュ地方へ。
道中、イチゴ売りが現れる。ルーマニアでは道路脇で季節の野菜や果物を販売している事はめずらしくない、ジャガイモやスイカなどが季節によって山積みされていることも。見たことないような色や大きさのキノコ売りが出ていたこともあった。雨の多いシーズンだった。後からキノコでの食中毒が頻発していると現地に住む友人から聞いて、冒険しなくてよかったとほっとしたり。
イチゴ売りのスタンドが何軒か続いたので、産地なんだろうと思いUターン、路肩に車を停めて家族でイチゴを売る出店に立ち寄る。「今朝、摘んできたんだよ!」と笑顔の親子、すぐに食べられるようにとイチゴを庭で洗ってくれた。
イチゴを頬張る。まるでジャムのように甘い、口の中でジュワっととろける。これ以上ないくらいの完熟、今すぐに食べなければ数時間後にはジュースになってしまうんじゃあないかってくらいに熟したイチゴだった。指先が赤く染まる。
車の後部座席で、無心に、あっという間にイチゴを大量に飲み込んでいた。夢のように甘いイチゴだった。なんでもっと買わなかったんだろうと後悔もした。もう一度味わいたいけど、この時期にあの道を通る機会にまだ恵まれていない。
ここ数日は初夏らしい青空が広がっています。気温も上がってきたので今日は扇風機を出してみました、まだつけていないけど。今年の4月から5月にかけては例年より気温が低く、天気もどんより、室内で冬越しする古株のゼラニウムになかなか花がつきませんでした。
(やっとつぼみが膨らんできたのにうっかり茎を折ってしまい水栽培に、でも咲いた!)
イチゴの季節が来るのもちょっと遅めだったかな、最近は見るからに甘そうなハンガリー国産イチゴが八百屋にたっぷり並んでいます。毎年、春になると最初に出回るのはスペインやギリシャ産、少ししてハンガリー産が登場します。値段は高めだけど、しっかり熟した国産イチゴはやっぱりおいしい!昔は安価だったこともあり、この時期になると毎日一キロ近くぺろりと食べていた気がする、それくらいイチゴが好き(笑)こちらでは食べられる期間が限られているっていうのもあると思うけど。
そんなわたしのために、昨年はブダペストに残っていた夫が、市場に行ってはイチゴを買ってせっせと冷凍していました。東京から帰ってきたら狭い冷凍庫がイチゴとチェリーでいっぱいいっぱい!冷凍保存は初めてでしたが、ちょこちょこ解凍して楽しめることが分かりました。さっと洗った冷凍イチゴをビンに入れ、上から蜂蜜をかけて冷蔵庫で自然解凍。フタを開けるとふわっと甘い春の香りが!そのまま食べたり、ヨーグルトに乗せたり。簡単で美味しかったので今年も冷凍保存を少しずつ始めてます。
イチゴジャムもほぼ毎年作っています。去年はシーズンの終わりにブダペストに戻ってきて、次に東京に帰省する時に持っていこうと急いでジャムを煮たのですが、今のところまだ簡単には帰国できない状況ですね。。。イチゴ酒は2年前に作ったのがまだ残っているけど今年も作りたいなぁ。
(砂糖を加えて数時間おくと真っ赤なジュースが、このまま食べたくなるのをガマン!)
(粒を大きく残したものと、そこそこ潰したもの2種類作りました)
6月になりました。ブログの更新はなんと2年ぶり・・・過去の投稿を見たら、このブログとインスタグラムの連動が終了している?表示されていない画像があって見にくいけど、どうしようかな。
(去年の今日の東京のアジサイ)
去年の今頃は東京の実家にいました。約1ヶ月滞在する予定で3月に帰省、そのままコロナ感染拡大の影響でフライトのキャンセルが続き、ブダペストに帰ってきたのは6月に入ってから。以来この1年は、ハンガリー国外に出ていない。こんなことは過去20年で初めてじゃあないかな。
(去年の今日の東京の道端)
ひさしぶりに桜を見たくて春に帰省を計画して、思いがけずに4月から6月にかけての東京を体感することに、それもたぶん20年ぶりくらい。じりじりと焼くような日差し、蒸し蒸しする暑さ、日本ってだいぶ南国なんだなぁと。
春から初夏にかけて、東京の住宅地は花盛りでした。玄関や軒先に置かれる植木鉢はもちろん、垣根や道路脇、駐車場に空き地、ついつい足を止めてしまう。
街に出かけることもままならず、友人たちともほとんど会えずに実家に籠もって、家族と淡々とふつうの生活を送っていました、買い物に行って、料理をして、テレビをみたり。ちょっと大掛かりな断捨離もして、母の部屋に新しい家具を選び、古くなった家の修繕をちょこちょこ、庭の手入れも日課に。何があったわけじゃあないけど毎日楽しく過ごせたことに感謝、わたしにとっては忘れられない特別な帰省となりました。
(断捨離で発掘した20年前のサンダル、まだはける!)
ハンガリーの5月の空は不安定なことが多い。
この季節に降る雨は農作物にとって恵みの雨だけど、
今年は例年に比べると肌寒く雨天の日が目立った気がする。
5月はバラが咲き始める季節でもある。
徒歩で移動中に驟雨に見舞われ、傘を持たずに出てしまったので軒先や木陰で雨宿りしながら歩を進める。
雨脚がやわらいだところで通りがかったバラの庭に寄り道した。
立ち寄ったのは7区にある「バラの広場(Rózsák tere)」
教会の花壇に植えられたバラが一斉に花をほころばせ、雨粒を転がしているかのよう。
近づくと湿った土と甘い花の香りがムンと立ち上る。しばし時を忘れる。
街中でこれだけのバラが無造作に咲き誇っている風景ってなかなかないかも。
唐突に太陽が顔を出す、これが5月の天気。
とたんに周りの彩度が上がって初夏のような輝きを見せる。
教会の裏手にまわるとハナミズキのような白い花が満開。
そして気がつけば太陽は新たに湧き出た灰色の雲の中に埋もれてしまっていて
あたりの風景が再びしっとりとした空気に取り込まれていく、バラの花にだけ彩度を残して。
そしてこの後、目的地に着く前にもう一雨・・・傘を忘れたことを再度悔やむ。。。5月の空に弄ばれる午後。
平成最後の!(一度言ってみたかっただけ・笑)
3月末に「夢見る美しき古都 ハンガリー・ブダペストへ」の最新版が出ました。
2016年に出版させていただいてから、あっという間に3年が経っていました。
その間、多くの方から反響をいただき本当に感謝しております。
初版の本に掲載している店舗などは、その時の人気だけではなく今後のことも含め
熟考を重ねて選んだところばかりでした。それでもブダペストの変化は著しく・・・
この3年間で移転や閉店が予想以上にあり心苦しい思いを抱えていました。
今回それらを一掃して刷新、最新版の出版を一番喜んでいるのはわたしです!
残念ながら閉店してしまった店の代わりには気になる人気店を追加し、
そのまま継続して掲載されている見どころやショップ、レストランのページも
インフォメーションはすべてアップデートしています。
一年を通して美しい風景を楽しめるブダペストですが、
4月から10月はやはりシーズン本番!散歩の楽しい季節です。
ぜひ今年の旅の候補地に、おすすめですよ〜。
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温泉もあったまってます。ぬるめで心ゆくまで長湯ができます。お待ちしております。
朝起きたら新元号が発表されていました。
最初見たときは「令」の字が命令や司令を思い起こさせて、
なんとなくしっくりこなかった。
今年の初春はニューヨークで迎えました
万葉集からの引用と知りその文を見たら、
いつのまにか何度も声に出して復唱していました。
美しい情景が浮かぶかのよう、こんな感覚はひさしぶり。
花、香り、風、鳥、雲、山、春の宴。
2月終わりのブダペスト、公園のクロッカス
古文を声に出して読むなんて、
それこそ「平成」ではしたこと無かったと思う(笑)
あ、まだかろうじて平成なのか。
道端の木々も花がほころび始めました
「今も昔も変わらない」って一文がすごいなと、
この読み手の今って730年、1289年前だと思うと、
なんか頭がふわっと軽く浮く感じがします。
そんなものすごい時を超えた今でも、
やっぱり変わらないことがあるんだなと、
四季折々の自然を愛でる気持ちがそのひとつ。
色とりどりの春の花が植えられた花壇、向こうに見えるのは王宮
ちなみに日本を離れてから、
西暦で頭ん中に思い出を積んじゃっているので、
今年が平成何年なのか実はあまり定かではありませんでした。
とりあえず令和一年は覚えやすい。
と、こそっとブログ更新してみます。
あまりにひさしぶりすぎてログインするのもおぼつかなかった。
5月になりました。5月1日はメーデーです。ハンガリーでは祝日、
週末からちょっと長めの休暇を取っている人も少なくありません。
日本もゴールデンウィークですね!
と、さらっと書きましたが、あまりにも久しぶりなブログ更新。。。
どうやって始めたらいいかと戸惑ってたり(前回の投稿ったら9月だし・・・笑)
2月に入って雪が降り、去年のようにドナウ川に氷が流れるほどではありませんでしたが、
それでも3月下旬にはこれまでの最低気温を更新するかのような寒波に凍えたブダペスト、
イースターが終わる頃、一気に春が訪れました。そしてそれは今年なんだかとても短かった。
ブダ王宮がある丘にのびる散歩道に並ぶ八重桜が見ごろになったのは4月中旬、
つい2週間ほど前のことでした。
以来、日中の気温は30度近くまで上がる日々が続いています。
街中を行く人は半袖にサンダル、どころか一気に露出が上がり、
タンクトップ、ショートパンツ、サマードレス。もう夏本番的な(笑)
そして、この夏のような陽気はまだまだ続きそう。
今年のゴールデンウィークにブダペストにいらっしゃる方、ラッキーですね〜!
と言うことで、遅ればせながら(もうかなりの小声で・・・)
今年もよろしくお願いいたします。細々ながら、ブログ更新していきます。