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私が電子回路を習った時代は,総て(言い過ぎか?)hパラメータの全盛時代である。
hパラメータは多段増幅器の解析には向くけど,実際の設計にはhFE以外に使ったことがない。
エミッタフォロワに至っては,hパラメータはほとんど有効でない。
エミッタ接地トランジスタとベース接地トランジスタなら,集積回路の手法を使ってパラメータ同定できるが,エミッタ接地回路(コレクタ接地回路)は私の力量ではどうしょうもない。
hパラメータの欠点は,素子の特性に基づかないモデリングにある。
その結果,検討すべき広い範囲の動作条件に対して,大局的な見通しを得ることが難しい。
アナログエンジニアはバイポーラトランジスタでリニア領域であれば,B-E間をダイオード,C-E間をそのダイオードに流れる電流のhFE倍として基本解析を行う。
広い範囲にわたって有効な素子モデルはは大局観を想起させる。荒すぎても詳細すぎても解析には不適切である。
私の解析方法は,かなり自己流である。半導体物理と集積回路技術と個別部品の使い方の融合体である。
たとえば,出力アドミタンスhoeが,VCE-IC曲線のどの部分から求まるのか,それを理解しているエンジニアはかなり少数であろう。そしてhoeがこレクタ電流によってどのように変化するのかを理解しているエンジニアはもっと少ない。
そして,どのような場面でhoeが寄与してくるか知るエンジニアはさらに少ない。
今は,CMOS回路全盛であるが,CMOS回路の解析はあちこちに無視できない容量が存在するので,さらに複雑である。
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