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2010年9月15日水曜日

BASICでホストコンピュータを使う

工場の原価や工数の管理を、オンラインでやろうということになった。
それまで、私の担当工場はパソコンのPC9801を使いBASIC言語で工場管理用のプログラムを作っていた。それぞれのニーズにあった管理ツールになっていた。
電算部は、ホストー端末型で構築したいというのに対し、RDBをパソコンで使うクライアント・サーバー型、できればパソコン側のプログラムをBASICでエンドユーザーコンピューティングで構築したいという私たちの主張が平行線。
他の工場は電算部方式、私たちの工場はBASICでエンドユーザーコンピューティングにすることになりました。
NECの協力をいただきN88-BASICにメインフレームのRDBへアクセスできる機能を追加していただき、工場のパソコン愛好者を集めて、従来の数字を羅列したコンピューターシステムではなく、グラフを使った目で見る管理のできつシステムを自分たちの手で作っていきました。
さらに市販の表計算ソフトにも連携させ各種会議資料の作くれるようにしていきました。
それぞれの部署のニーズを持ったものがプログラムを作るので、ほしい資料ができるようになっていきました。
プログラマに多岐にわたる仕事を理解されるんは不可能だが、仕事を熟知したものが標準化されたプログラム言語を覚えることはそんなに困難なことではなかったのです。

永年勤続者夫婦海外旅行制度

トヨタの労働組合で賃金担当の執行委員だった1970年代のころ、退職金制度の改定時期になった。会社への要求案を考えるとき、「退職金の金額が少しぐらい増えても、子供のために使うことになってしまうのでは!。それより、家庭を支えてくれた奥さんに感謝するとともに、現場の人でもこれから進む国際化に対応できる体験をさせたい」と、永年勤続者夫婦海外旅行制度を企画して要求し、実現できました。
55歳になると夫婦での海外旅行ができる有給休暇と旅行費用が会社からプレゼントされるのです。
現在では海外旅行は珍しくもないが、当時は、特に現場の人にとって1週間も有給休暇をとって奥さんと海外旅行に行くということは夢のまた夢でした。
そのごこの制度はトヨタ系列の企業だけではなく、多くの企業に普及していきました。

追い越しシューターを使った平準化生産。

車の足回りの溶接・機械加工工程から部品組付工程へとつながったラインがあった。
後工程からは同一車種用の5台分単位でパレットに入れて引き取られている。
そこで、組み付けラインも5台ずつ同一車種用を組みつけていた。
ところが、車種によって溶接部品の数が大きく異なっていた。溶接工程では、溶接の多い車種になったときに備えて組付けラインとの間に在庫を持って組み付け工程に対応していた。
これを、溶接の多い車種と少ない車種を1台ごとにばらし生産させ
組み付け工程との間に5台分のシューターを2レーン作って追い越しできるようにして
在庫を廃止し、溶接工程の作業量の平準化をし、生産性を向上させました。、

設備能力の限界にだまされない。

鍛造工程の作業改善で生産スピードを上げていったら、もう高周波炉の加熱能力が限界で、設備投資をしないとこれ以上早くならないといわれた。
高周波炉での加熱工程を観察すると、
1、搬送装置が切断材置き場から材料を取り出し高周波炉入り口に運ぶ。
2、高周波炉に挿入する
3、高周波炉で加熱する
4、加熱が完了すると運搬装置上に払い出す。
5、鍛造作業者脇まで搬送装置が運ぶ
6、空になった搬送装置を切断置き場にとりに行く
お分かりのように、「高周波炉の能力+運搬時間」を高周波炉の能力といっていたのでした。
そこで、この手順を次の用に変更した
1、高周波炉で加熱中に
   搬送装置が切断材置き場から材料を取り出し高周波炉入り口に運に待機。
2、加熱が完了すると運搬装置上に払い出す。
3、入り口で待機させてる材料を高周波炉に挿入する
4、加熱材を鍛造作業者脇まで搬送装置が運ぶ

5、空になった搬送装置を切断置き場にとりに行き材料を取り出し高周波炉入り口に運に待機
というように高周波炉への運搬待ち時間を分離したことによって、設備能力に多いな余裕ができ、更なる作業改善を進めることができました。

インフレかんばん退治

トヨタ生産方式の最重要ツールに「かんばん」がある。
「かんばん」とは「すべての部品の1箱ごと」につける「何回も使用することのできる指示書」である。
その機能は、「生産指示書、出庫指示書、運搬(引取)指示書、注文書、納入指示書などの内容を1枚のかんばんに表示することによって、帳票や伝票を必要とせず、事務を簡素化し、人員も必要とせず自働的にこれらの調整をはたすことを目的とした諸情報伝達のために有機的な働きをする媒体」です。
部品を箱から使い始める時かんばんは外され、外れたかんばん枚数分だけ生産や納入指示をします。
在庫量は必要量に対するかんばん枚数で制御しますので、枚数が正確である必要があります。
必要量が変化すると、かんばんを追加したり、抜き取ったりして枚数を維持します。
かんばん自体は、作業者が取り扱い、納品のトラック運転手が持ち帰り、仕入れ先ので集荷に使われ、部品の現物につけて運搬されるため各所で紛失する可能性もある。
「部品が欠品しそうになると、紛失したのかもしれない」と追加発行してしまう。
いつの間にか、かんばん枚数が増えてしまうインフレかんばん状態になるがちだでした。
かんばんにはバーコードが付与されていて、外れたかんばんはバーコードリーダーを通して注文書を発行するシステムになっていた。
発行NOも入っていたので、これを記録して、飛び飛びなNOであっても、かんばん枚数分だけ発行NOが記憶されたら、それ以降は弾かれるシステムをパソコンで作って組み込みインフレかんばん退治ができるようにしました。
さらに記憶を調べれば紛失も確実に把握できるようになったので実に基づく追加発行ができるようにもなりました。

箱数たな卸し

半年に一度、部品ごとの在庫数を実地に数えるたな卸しが行われる。
以前はラインの停止している休日に出勤して、数えて、たな卸し表に、何個あったか数えて書く方式だった。
実際、作業者の手順を見ると、何個入りの箱が何箱あって、使いかけの箱には何個残っている。
そこで「箱数×収容数+端数」の計算をメモ用紙にかいて筆算し、その答えをたな卸し表に書いている。
このたな卸し票を電算部に持ち込みコンピュータへの入力がされていた。
実地たな卸し時間のなかで、このメモによる計算に結構な時間を費やされていたし、たな卸しのミスの多くか、メモ用紙での計算ミスだった。
考えてみれば計算はコンピュータのもっとも得意とするところ、メモ用紙の作業はコンピュータにやらせることしようと、たな卸しは
「何個入り」「何箱」「端数何個」という記入欄にして、個数ランはなくした。コンピューターへの入力作業が若干面倒にあるが数秒であるし、生産ラインを止めている必要のない時間だ。
これらの改善で、たな卸し時間の短縮がつづき、その後トヨタでは平日たな卸しに切り替わり、数時間のライン停止でたな卸しが実施できるようにないました

音楽を使ったアンドン

トヨタ生産方式の道具にアンドンというものがある。
職場の周囲から見通せる高いところに吊るし、いろんな指示や工程を書いた升目にランプで点けて作業者に知らせるものだ。
改善対象の職場では、大型鍛造機が沢山並んだ自動ライン群で品質チェック呼び出しに使われていた。
自動機では決められた個数ごとに検査員を呼び出して品質チェックをすることになっている。検査員が来るまであ機械は停止して待つようになっているので、待ち時間を最小にすることが必要だ。
アンドンはランプの点灯を目で見て確認するものだが、大型機が林立する中で見通せないところもあるし、目は品質チェックに集中する必要もある。
私が初めて買ってお蔵入りしていたパソコンPC6001は「ドレミファソラシド」を「ABCDEFGH」でプログラムすれば音楽が演奏できた。
これで呼び出し設備ごとに、曲をプログラムし、ジョイスティックの端子にアンドンの信号線をつないで、音楽で知らせるアンドンを作った。
アンドンの見えない位置に検査員がいても、別のラインで品質チェック中であっても、最短経路を歩いて、呼び出し設備に行くことができるようになった。音楽で知らせる初めてのアンドンになりました。
 

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